どうも平田です。
今回は「大サバ・トロサバ」で作るサバの味噌煮をもっと美味しく仕上げる方法を紹介します。
サバの味噌煮は日本人の定番ですが、作り方は人それぞれ。
100人いれば、100通りのサバ味噌があるはずです。
今回提案するのは、サバの臭みや脂のくどさを減らして、まろやかに艶っぽく濃い味に仕上げる方法です。
味噌煮と照り焼きの技法をいれているので、「サバの味噌照り煮」と名付けています。
秋は「大サバ」「トロサバ」「豚サバ」が湾奥まで回遊
体高のあるマサバ。まさにトロサバ@横須賀大津沖
まず、料理サイトではないので、釣魚の話題から。
季節が秋になってくると、湾奥方面まで大型のマサバが回遊しますね。
主にカタクチイワシを追って外洋・湾口方面から入ってくるからと思われます。
▼横須賀・海辺つり公園のサバ釣果推移
出典:海辺つり公園
東京湾の場合、横須賀沖で大サバが増えはじめるのは6月ぐらいからです。
マサバは初夏に産卵を終えてから、餌を豊富に食べつづけ、脂ノリがぐんぐんよくなります。
これらのサバを「大サバ」「トロサバ」「豚サバ」と呼んでいるかと思います。
大体35㎝~40㎝ぐらいの個体が多いのですが、さらに大型(1kg超)が釣れることもあります。
45㎝弱のマサバで1キロはない@横須賀大津沖
この記事をみて、「美味しい大サバを釣りたい!」と思った人は、8月後半から11月ぐらいが好機じゃないかなと思います。
(東京湾横浜沖から横須賀沖であれば)
トロサバをもっと美味しくする味噌照り煮
大サバ(マサバ)@8月末の金沢八景沖
さて、そろそろ本題に入ろうか。
サバの調理に移りましょう。
先日、八景沖のライトアジで大サバが釣れたんですね。
イナダが湾奥に入ってくるより、早めに大サバが回ってくるようで、アミコマセをつかった船は大サバをメインで狙っているようです。
見た目でわかりますが、脂ノリがよくて、食味は最高。
とはいえ、脂が強いので、たくさん食べるとちょっと飽きるのも事実です。
家族のリクエストがあったので味噌煮にすることにしました。
家族のリクエストがあるって、幸せなことです。
釣り場での下処理はサバ折り&保冷。
サバ折りは、持ち手に力が入るので、身割れの原因にもなるのですが、味噌煮ならまーよいかなと思っています。
鱗とヌメリを包丁の刃側で丁寧に落としておく
たまにやるのですが、今回は筒切りにしてみました。
缶詰っぽいですね。
中骨を一方に残して、2枚おろしでもよいと思います。
重要なのは、骨が残っている点です。
味噌煮にするときに、骨が残っていると骨まわりからコラーゲン物質が煮汁に流れ出して、コクが増すのです。
脂ノリがよいサバの身は白い
フライパンに筒切りにしたサバを並べます。
次に霜降り処理です。
サバの場合、皮目が強いので、特に飾り包丁なしに、熱湯をかけてしまっても大丈夫です。
身に味をしみこませるという目的での飾り包丁はよいと思います。
熱湯をかけたあと、身が崩れないように丁寧に流水で洗い流します。
「煮魚が臭い」という場合は、そもそも鮮度が悪い以外に、この霜降り処理をしていないことがほとんどです。
血合いやヌメリの残りがあれば、熱湯をかけることで固まるのできれいに洗い流しましょう。
さて、煮汁です。
霜降り処理によりや臭みが低減し、やや火が通っている状態
いつも通り、配合はよしなになのですが、以下の調味料をつかいます。
- 味噌
- しょうゆ
- みりん
- 東肥赤酒(or清酒)
- きび砂糖
- 水あめ(スプーン1杯)
- うめぼし(種と分離しておく。なければごく少量の酢)
- 生姜スライス(少量)
以上を混ぜ合わせて、加熱前に鍋にいれておきましょう。
具材は、長ネギあたりがよくあいますが、お好みで。
しし唐のようにすぐに火が通るものは、仕上げ1分前ぐらいに入れると色がよくなります。
煮汁については、水をつかう代わりに、酒類で水分量を調整するとコクが増します。
酒類・生姜・うめぼしが臭みを軽減するのですが、生姜は入れすぎると土っぽい香りに仕上がります。
ほどほどがよいと思います。
味噌については、我が家では「マルコメプラス糀 無添加 糀美人」をつかってます。
安価でまろやかに仕上がりやすいんですよね。
一方、糀美人を使うと、仕上がりの色が淡くなりやすいという特徴があります。
やや濃くしたい場合は、濃い口しょうゆを足すのも一つです。
仕上がりの艶を出すためには、東肥赤酒、みりん、水あめが良い仕事をしてくれます。
煮汁は写真のように少量で大丈夫。
キッチンペーパーで落し蓋をしましょう。
あとは沸騰するまで強火にし、沸騰したら中火にして10分程度加熱するだけです。
10分たったらキッチンペーパーを外し、身の状態を見ます。
煮汁が少ないので無駄がない。味噌の配合を増やすとより味噌っぽくなる
火が通ってそうであれば、残った煮汁を煮詰めながら、サバに煮汁をかけて照りを出します。
大きめの丸魚でなければ、だいたいの魚が霜降り処理後10分程度の加熱で芯まで火が通ると思ってだいじょうぶ。
煮汁を身にまとわせるときは、鍋の中でキッチンペーパー(煮汁がしみこんでいる)をわきによけておき、活用すると便利です。
それにしても、はじめに焼き目はつけてないものの、やや照り焼きの技法に近いですね。
これが、味噌照り煮と呼んでいる理由です。
照り!
盛り付け。
サバの味噌煮には、白髪ねぎがよくあいます。少量の針生姜もよいです。
七味もあったほうが味がしまりますね。
一般的な煮汁が多めで煮込むサバの味噌煮と比較して、煮汁が濃いので、かなり甘辛い味わいです。
まさに、白飯によく合う。
大サバ・トロサバは脂が強いので、くどさもあるのですが、梅干しや酒類の酸によって、煮汁にやや酸味が残りさっぱり食べられます。
薄めの煮汁で煮るスタイルでは、身に味をしみこんだほうが美味しいと言えます。
そのために、一度冷やすというような工程も知られています。
一方、この味噌照り煮は短時間調理で煮汁も濃いめで、身に味がしみこみづらいのです。
でも、大丈夫。
濃い味噌だれを絡めるような仕上げ方をしているので、ブリの照り焼き同様、身に味がしみこんでいなくても、十二分に白飯のおかずとして成立するわけですね。
まとめ
ゴマサバの味噌照り煮。脂信仰よ、サヨウナラ!脂がなくてもしっかり美味
今回は、大サバ・トロサバを照り味噌煮にする方法を紹介しました。
うめぼし等の酸により煮汁もさっぱりして、脂が強い魚に最適です。
他に、脂がのっていないゴマサバなどもこの調理法をつかうことで、味が濃いのでさらに美味しく食べることができます。
ぜひためしてみてください。
ではでは。
平田(@tsuyoshi_hirata)