ダイワの「シークールキャリー II 2500」は主に電車釣行ユーザーに愛用されているクーラーボックスです。
わたしもこれまでに2回購入しました。
縦型で船バッグを積載したまま改札を通り抜けやすく、デザインもよいので、おしゃれに敏感な女性アングラーにも広く愛されています。
そんな便利で大人気のシークールキャリー II なんですが、実はつかってみるとわかる泣き所が3つあります。
- 静音キャスター(車輪)が壊れやすい(約1年~2年)
- 取っ手内部が劣化→壊れる(約1年~2年)
- 取っ手が短い(持ち手の位置が低いため、身長が高めだとキツイ)
このあたり、釣具店のスタッフも釣り雑誌やウェブメディアの人も誰も教えてくれません。
順に考えていくと、3の取っ手の長さは平均身長面やパーツ面の最適化問題なので、ちょっと対応が難しいかもしれません。
2は使い方への配慮が大切です。自分でも取っ手をつかんで持ち上げちゃいけませんし、船宿スタッフに運んでもらうときも、取っ手は収納しておきましょう。
問題は1の「キャスター故障問題」です。
ふつーに歩道を船宿まで行き来しているだけで、ガタがきます。
ある日、帰宅すると、キャスターの車輪(外側)がどこかに落としてしまっているんですね。
で、車輪バランスが崩れ、ボディ下部が擦れてくる。
気が付くと、もう片方の車輪(外側)もどこかにいってしまっている。
そのままつかって、アスファルトと擦れると樹脂の補強パーツが完全に破損し、ボディに穴が開きます。
ということで、キャスターの故障を発見したら、すぐに交換が必要です。
今回はそんなシークールキャリーⅡのキャスター故障問題の解決法を紹介します。
ヤフー知恵袋に類似機種について「思います」系のベストアンサーがありましたが、
キャスター(車輪)付きのクーラーボックスについて
シークールキャリーⅡは別途キャリー不要。ボートバッグを乗せて移動しやすい
さて、低価格帯でキャリー型の25Lクーラーというと、シマノにはスペーザ・ライトがあります。
が、スペーザ・ライトは電車釣行用途というよりも、沖上がりに重くなったクーラーを転がして近くの車までガラガラ運ぶという用途を想定されています。
持ち手のデザインでわかりますが、クーラーの上に船バッグをおいて、長距離歩行するような用途ではありません。
一方、シークールキャリーⅡはどうかというと、ガチンコで電車釣行用途を想定されています。
もともとダイワは、かなり昔から都市圏の電車釣行派にむけてマーケティングを繰り広げていました。(「打ち出し」は忘れました)
船釣りは明らかに車釣行にむいているジャンルです。
一方、利便性の高い都市圏に住んでいると、生活設計上、車を所有するという選択を「あえてしない」人も多いわけです。
そんな筋金入りの電車釣行ユーザーからすると、25Lのクーラーは、だいたいの魚が多少まげれば入るので便利。
実質キャリー型クーラーボックスでの競合はコールマンの「ホイールクーラー28QT(約26L)」になってきます。
が、このホイールクーラーはふたが完全に閉まらず、保冷力で不安が残り水抜き穴もないので、船釣りにはあまり適していません。
蓋上に船バッグを乗せた時の安定もあまりよくありません。
さらに車輪と持ち手は、シークールキャリーⅡの数倍錆びやすいです。
安価でおしゃれな色合いなので、とりあえず買うにはよいんですがね。まー、船釣り用につくられているわけではないので当然ですね。
以上のマーケットを考えると、電車釣行派は「丈夫なキャリーなしクーラーを別のキャリーに乗せて移動する派(別キャリー派)」か、「シークールキャリーⅡ派」に2分されてきます。
「シークールキャリーⅡ」最大の泣き所は静音キャスターが壊れやすい点
シークールキャリーⅡの静音キャスター
さて、そろそろ本題に入ろうか。
シークールキャリーⅡ最大の泣き所である静音キャスター壊れすぎ問題についてです。
電車釣行で1年~2年つかうと、必ずと言っていいほど、ぼろぼろになるんですよね。
どうなるか。
お前は何回ガラガラしたのか。これが、シークールキャリーⅡの劣化した静音キャスター
こちらです。
これどうなっているかというと、キャスターの車軸部分に海水等水分がたまり、水洗いを毎回していても、さびてタイヤの外輪がどこかに落ちてしまってます。
で、仕方ないから、そのまま使っていたら、中央の樹脂部分や内側のタイヤが傾いて削れてきて、筐体もいろいろ削れています。
このころにはだいたい反対側キャスターの外輪も外れています。
車軸はステンレス製だと思うのですが、当然ステンレスも無敵ではないので、摩耗と塩水にはいつかやられるというわけですね。
で、車軸が赤さびによりボロボロと痩せてくると、外側のタイヤが脱輪。
これは脱輪したときに「ん?」と気づくというわけではなく、帰宅してよく見たら、「あ、タイヤがなかった(あ、車軸錆びてる)」という具合です。
これまでにシークールキャリーⅡを2つ購入して全く同じようになってので、誰しも味わう道だと思います。
じゃあどうするか。
ネット上にこの情報がなく、公式ウェブサイトにも掲載していないので、ORETSURIがしっかりのその情報を発信しておこう!というわけですね。
釣り業界の良心とはこのことか。
実は「シークールキャリーⅡ」の静音キャスターは注文可能。実はとりつけも簡単!
そう、ネットで検索しても「シークールキャリーⅡはめちゃくちゃおすすめ!おしゃれ!」みたいなよくあるマンセー記事しかなかったんですね。
なので、わたしは代替的なキャスターがネットで買えないかという点を調べてみました。
が「シークールキャリーⅡ」のキャスターの固定方法がよくわからず、無理して外すと凹側を壊してしますかもと心配になってきました。
そこで、ダイワのスポーツライフプラネッツのサイトでチェックしたところ、交換部品があることがわかりました。
出典:sl-planets.co.jp/shop/p/p03132441/
キャスターは一つ1,430円ですね。
が、気になるのは、はたして自分で交換できるものなのかという点です。
キャスター交換についてもウェブ上には情報がなかったので、サポートページで問い合わせをしたところ、以下のことがわかりました。
- 静音キャスターは釣具店で注文可能だぞ(ほかの部品同様)
- キャスターはハンマーなどで外れるよ
- キャスターは摩擦によるはめ込み式なので、ネジなどは不要。ただし、凹側の摩耗などではめ込みが緩くなる可能性があるよ
- スポーツライフプラネッツ側で取り外しとはめ込みまでやることは可能だよ(有償)
どうやら自分でも外れるということで、部品注文し、キャスターの交換を自分でやることに。
「シークールキャリーⅡ」のキャスター交換をやってみた
さて、実際のキャスター交換です。
まず、クーラーボックスを逆さにします。
次に、キャスター中心部の樹脂部分をハンマー等でたたきます(筐体とは反対側にむけて)。
すると、ストン!と、あっさり抜けます。
握力を鍛えるツールをハンマー代わりにしてたたいたら一発
え、こんなに簡単だったん。早く言ってよ。
手で抜こうとしたときには硬くてびくともしなかったんですが、ハンマーすごい。
キャスターを外したら、取付穴周りは洗っておきたい
こちらが静穏キャスターがぬけた後の穴。
微妙に緩くなる場合があるらしいんですが、もしゆるくなったら充填剤をつけて差し込むか接着剤をつかうとよさそうですね。
こちら釣具店経由で取り寄せたシークールキャリーⅡのキャスターです。
税込み2,860円。
一般的な静音キャスターと比べるとやや高めですが、まーそれはそれで。
新品のつやつや感よ。
あとは手ではめ込むだけです。
一度差し込んだものに対して、やや力をいれて引っ張ると抜けます。
このあたり嫌な人は弱めな接着剤で接着してしまいましょう。
おー、無事に元に戻った。
いいねいいね。
先代のシークールキャリーのキャスターもストン!と引き抜いてみました。
同じように劣化してますね。
ためしに、余ったタイヤを外輪にはめようとしたところ、車軸が細くなっているからか、はまりませんでした。
まとめ
今回は「シークールキャリーⅡ」の泣き所「キャスター故障問題」で困っている方に書きました。
電車釣行でつかっている場合、3年以内に、5人中3人くらいはこのキャスター故障を経験するんじゃないでしょうか。
そもそも車軸が錆びて細く劣化しなければタイヤは脱輪しないわけですが、静音仕様にする場合はどうしてもタイヤもソフトになるので摩耗しやすくなってしまいます。
そのため、一定タイミングで車輪を交換する必要がでてくるわけですね。
クレームじじいっぽいんですが、このあたり、ダイワは製品ページに別売りのカスタマイズアイテム情報だけでなく、交換部品情報やサポートページへのリンクをはっておくとさらに丁寧だなーと感じました。
■早朝や深夜など音に気を遣うシーンを考慮した静音キャスター。
■キャリーハンドルはコンパクトに収納可能。
このあたりに(「交換部品あり」)と記載してリンクを貼るだけですね!
ダイワの方におきましては、アフターサービスもしっかり充実しているので、そのあたりを隠さずもっとアピールいただければと思います。
よくいく船宿にもキャスターが壊れたシークールキャリーⅡが放置されていたり、その辺にいる釣り人のシークールキャリーⅡの足元を見ると、タイヤがとれたままだったり。
このあたりはみんな情報が少ないからそうなっているのでしょう。
本当はすぐ解決できるのに、その情報が世にないのは不幸そのものです。
・・・
弁慶には脛という唯一の泣き所がありました。
伝説にうたわれた英雄アキレスはかかとを射られ敗れます。
シークールキャリーⅡのキャスターはといえば、すぐ壊れるんですが、お金を払えばちゃんと交換できるわけです。
さて、冒頭で紹介したヤフー知恵袋の質問。
oce********さん
2021/7/8 7:57
1回答
ダイワ のクールラインキャリーII 1500 のキャスター(タイヤ)は壊れたら交換可能でしょうか?また、部品は売っているのでしょうか?教えて下さい。よろしくお願いします。
こちらですが、実際にわたしが回答します。
はい、ダイワのクーラーのキャスター(タイヤ)は壊れたら交換可能です。部品は釣具店経由で注文でき、取り外しと取り付けも意外に簡単ですよ。
ではでは。
平田 剛士(@tsuyoshi_hirata)