どのジャンルの釣りでも玄人が使用するハリスやリーダーを見ていると、その最高峰がクレハの「シーガー グランドマックス」と「シーガー グランドマックスFX」だったりします。
今回はグランドマックスとグランドマックスFXのインプレ・違い・使い分けを解説します。
シーガーグランドマックスとグランドマックスFXの位置づけ
まず、グランドマックスとグランドマックスFXの位置づけから紹介します。
リーダー・ハリス界の中でのシーガーブランドの位置づけ
シーガーは信頼の結節強度(強力)表記!
まずはシーガーブランド自体の位置づけから確認していきましょう。
ラインは傷さえなければ結びから切れるのが当たり前ですね。そのため、本当に重要なのは「結節強度」です。
その点、シーガーは競合メーカーと違って強度表記が結節強度でより誠実。
単純な直線強力(引っ張り強度)ではなく、結んだあとの強度を表記しているので、より実釣での信頼性が持てるわけです。
またシーガーブランドと競合他社のラインを比較したクレハ合繊社のデータでも結節強度は他を凌駕しています。
出典:シーガーブランドサイト
糸径についても、確かに日本釣用品工業会が定めた釣用品の標準規格(JAFS)に基づいているため、ブレなく安心して使えます。
メーカーによっては同じ号数でもやけに太いものが確かにありますよね。
シーガーラインナップのなかでのグランドマックスとグランドマックスFX違い
ではシーガーラインナップのなかで、グランドマックスとグランドマックスFXはどのような違いがあるのでしょうか。
これもブランドサイトにわかりやすい図があります。
出典:シーガーブランドサイト
安価で大容量販売があるため、道糸にも用いられるノーマルのシーガーを基準値とすると、グランドマックスは結節強力が最強で硬さ(ハリ・コシ)もMAX。
中間点にはシーガーエースがあります。
また適度な柔らかさ(しなやかさ)を備えつつ最強の結節強力を持つのがグランドマックスFXです。
FXR船はグランドマックスFXほどの結節強力は持っていないのですが、やわらかさ(しなやかさ)がグランドマックスFXより上のため、マダイや青物など比較的引きが強い魚を狙う際のショックリーダーに適しています。
シーガーグランドマックスとグランドマックスFXのインプレ
シーガーグランドマックス
出典:シーガーブランドサイト
シーガーグランドマックスは赤いラベルでおなじみ。
硬さ(ハリ・コシ)があり結節強度はシーガーのラインナップでは最強です。
グランドマックスFX
出典:シーガーブランドサイト
シーガーグランドマックスFXは黒いラベルでおなじみ。
硬さ(ハリ・コシ)があり結節強度はシーガーのラインナップでは最強です。
※シーガーグランドマックスとグランドマックスFXの号数ごとの結節強力は同じです。
実釣でのグランドマックスとグランドマックスFXの使い分け例
では、グランドマックスとグランドマックスFXについて実釣での使い分け例を紹介します。
人それぞれの考え方がありますが、個人的には以下の使い方をしています。
PEラインのリーダーとして
シーガーグランドマックスFXは、グランドマックスに対してかなりしなやか。
PEラインを結ぶ際も結び目がきれいに決まりやすく、ラインが滑りにくい印象です。
また重要なのが、TOPガイドからの抜けやすさです。
硬いグランドマックスに対して、グランドマックスFXはライン抜けがよく、キャストトラブルが減ります。
ほかに、グランドマックスFXは大型魚の急な引き込みに対しても適度な伸びにより対応しやすいという特長があります。
そのため、筆者は基本的にPEラインのリーダーとして、シーガーグランドマックスFXを使っています。
たとえばタイラバはリーダー直結でタイラバの樹脂パーツやシーハンター部に直結するわけですが、たとえばシーガーグランドマックスFXなら4号でも、ワラサ級やメジマグロなどがヒットしてもそうそう切れません。
適度な伸びにより強い引き込みもいなせるので安心して使用できます。
また、テンヤやスッテをロングキャストするスミイカでも、PEラインのリーダーはシーガーグランドマックスFXを使用しています。
スミイカが乗る際の衝撃はかなりのものですが、耐衝撃性にも優れているので、道糸のPEラインへの負担も減ります。
1本仕掛けでオキアミなど軽い餌を流す場合
マゴチ釣りで使った針。ハリが曲がってもシーガーグランドマックスFXはそうそう切れない
どの釣りでも潮に自然となじませたい場面がありますね。
固めの糸は「ハリ」があり、軽い餌をつかうと潮のなかで動きが不自然になり、警戒心の高い魚ほど違和感をもつわけです。
ヨレなどの一旦クセがついたハリスはなおさらです。
そういったシチューエーションでもシーガーグランドマックスFXがおすすめです。
たとえば船の餌マゴチ釣りの場合、根がかりはほぼありません。
サイマキやハゼが底上で自然に泳ぐ状況をつくりだすためには、しなやかな糸のほうが向いています。
シーガーグランドマックスFXの5号をマゴチ釣りで使って、チモトからハリス切れしたことはフグ以外でまだ一度もありません。
マゴチはアワセが遅れたり、活性が高い場合、もしくは大型個体の場合は一気に餌を丸のみされます。
ハリが食道から胃袋に到達してしまうことがあります。
そうなると、チモト5~10㎝がかなり歯擦れするのですが、それでもマゴチを取り込む強度は保ち続けているようで問題なくランディングできます。
枝スのある仕掛けで用いる場合
ハリ・コシがあるグランドマックスは胴突きでも特長を活かせる
枝スがある仕掛けの宿命ですが、しばしば本線(幹糸)と枝スが絡みます。
釣り場に持ち込むまでに絡んでクセがついてしまっていることはよくあります。
また、深場など潮の具合やキャスト手法(投げ方がスムーズでない、着水前のサミング不足)などによって仕掛けが絡みんでしまうこともあります。
胴突きなど枝スの仕掛けはシーガーグランドマックスのハリとコシ(固さ)を活かせる場面です。
比較すれば、シーガーグランドマックスFXに対して仕掛けが絡みが減り、手返しがあがります。
また、糸の太さを気にしないターゲットの場合は、枝スに対してあえて幹糸を1~2号太くすることで、さらに絡みづらい仕掛けを構成できます。
たとえば、ダウンショットリグで狙うスミイカは幹糸5~6号に対して枝ス4号で組むと使いやすいです。
深場のアマダイ釣りで3本針仕掛けなどを作るときも、どうしても仕掛けのトラブルが増えますが、シーガーグランドマックスのコシ(固さ)を活かすことでトラブルが激減します。
アマダイもそれほどハリス太さを見ていないようで、幹糸を5~6号にしてしまうのも一つです。
幹糸をやや太めにしておけば、仕掛けの再利用もしやすいので経済的でもあります。
まとめ
シーガーグランドマックスFXなら、巨大モンゴウが乗った時の衝撃もばっちり吸収!
今回はグランドマックスとグランドマックスFXのインプレ・違い・使い分けを解説しました。
実感として、グランドマックスとグランドマックスFXをつかっていれば、ハリスから切れて悔しい思いをすることはほとんどありません。
(もちろん、釣り物ごとに適正な号数であればという条件付き)
それぞれ60m単位の販売で一見高価ですが、糸が切れてしまえばせっかくかけた魚もゼロなわけで、そこは投資を強化してもよいのではないでしょうか。
釣りには潮受け対策や見切られ防止に細糸で大型を狙わなくてはいけない場面もでてきます。
たとえば1号程度のハリスで目の良いメバルやイサキを狙うようなときは一般的なフロロカーボンハリスより心強いわけです。
まだ一度もシーガーのグランドマックスとグランドマックスFXを使っていない人は、ぜひ騙されたと思ってつかってみるのも一つです。
ちなみに、どちらか一つを選ぶとしたら、グランドマックスFXのほうがトラブルも少なく扱いやすいので、はじめて買う方にもおすすめです。
平田 剛士(@tsuyoshi_hirata)
関連アイテム
▼店舗で買うとシーガーグランドマックスは60mで2,000円~2,500円程度。最安はAmazon経由で1,800円程度です。わたしは4号・5号を中心にここぞという釣りのためにまとめて買ってます。