今回は潮干狩りでアサリを少し多めにとったときに、2週間ほど食べ続けることができる「アサリの佃煮」と「アサリの台湾湾風佃煮」の作り方を紹介します。料理レシピサイトにも載っていないので要チェック!
アサリを保存して長期間食べるコツ
資源保護のため潮干狩りは一人2キロまで。というように決まっているところでも、家族総出総動員令で頑張れば、4キロぐらいとれたぜワッショイみたいなこともあると思う。ひとりじゃないのでセーフである。こういったときに頭数が多いというのはいい。
だけども、潮干狩りにいって短期間でアサリばかり消費するのも飽きる。中長期的においしく食べていきたいなーという悩みを持っている人も多いはず。
アサリを中長期的に食べる方法としては、以下の選択肢がある。
- 砂抜き後、殻ごと冷凍(1~2か月程度可)
- 砂抜き後、酒蒸しにしてむき身にして冷凍。アサリエキスも冷凍(1~2か月程度可)
- 甘辛く佃煮にする(冷蔵庫で2週間可)
- 佃煮にしたものを冷凍する。(1~2か月程度可)
アサリを殻ごと冷凍する場合は、パエリアやブイヤベースなど殻の見栄えを活かした料理にも使えるが、どうしても冷凍庫のスペースを広くとってしまう。
このなかでのオススメは、酒蒸ししたあとに殻をとって冷凍する。もしくは佃煮にして食べるという方法だ。これであれば、比較的冷蔵庫や冷凍庫のスペースを圧迫しにくい。
それに、むき身も佃煮も、様々な料理に展開できるのがいい。
<アサリのむき身>
- オールジャンルでつかえる具材として
- 釣り餌にも使える!
<アサリの佃煮>
- 炊き込みご飯
- チャーハンの具
- おにぎりの具
などなど。
むき身も佃煮も優秀だ。
アサリの佃煮を和風と台湾風の2種類つくる
ちょっとまった。佃煮って、東京は中央区佃島で生まれたから佃煮なんでしょ。台湾風ってなんなん。と思ったあなたはブラウザを閉じて、すこしだまっていていただきたい。
要するに佃煮っていうのは、甘辛く煮たものだとおもってほしい。
アサリは横浜でとったもので、殻長3~3.5cm程度のものを用意した。砂抜きは潮干狩りでとった日から水替えをしつつ丸一日念入り行っている。
時間がない人は2時間程度でも大分アサリの砂は抜けるが、2、3度海水を変えて行うと、アサリの糞などもすっかり排出されて、雑味も少なく、さらに味がよくなるような気がする。
アサリの生息地は、砂底、砂泥底、ヘドロ帯とあるが、砂底以外は念入りに砂抜きをしておきたい。
次にアライグマになりきろう。
こいつは何を言っているのか。
説明しよう。
砂抜きしたアサリをあなたの両手で軽くつかめるぐらい手に取って、流水で洗う。殻同士をこするようにして、ゴリゴリと執拗にやると残った汚れも落ちやすい。砂泥~ヘドロ帯のアサリは、酢水に5分ほどつけてからごしごしやるのもオススメだ。
こすったあとは呪貝(砂が入っているもの)の混入を再チェックするために手の中でアサリをふる。バーテンがカクテルをシェイクしているシーンを想像してほしい。もし呪貝が混入している場合は砂抜きしたあとなのに、砂がポロポロでてきたり、すこし軽い音がする。
呪貝対策。
これはアサリの佃煮作りでは最重要ポイントだ。
もし、後工程に呪貝が混じっていると、すべてが砂泥味になってしまうのだ。どんなに頑張ってよい味付けをしてもドブ煮になってしまう。
次に安い日本酒をドバドバと入れる。わたしは地元のOKストアの筑後盛を愛している。今回はさらに黒霧島をどばっと投入。どんとこい。
強火にし、アサリ独特の臭みなどをアルコールと一緒に飛ばす。
わわわ。泡がでてきたぞ。
とか慌てず、落ち着いてほしい。
この白い泡が出てきたら、火をゆるめて吹きこぼれないようにすればいいだけだ。
2分ほど強火で沸騰させ続ければ、この通り。
アサリの酒蒸しができる。酒蒸しだけで食べる場合は生姜の千切りやニンニクをかましてから炊くとよいが、今回は佃煮用であとで味をつけるので、シンプルに酒だけで炊いたというわけだ。
この通り、粒もしっかりしている。
次の工程は、アサリの殻を外すという作業。
これは本当に単純作業で、Amazonプライムでちびまる子ちゃんを流しながら完了した。玉ねぎ野郎の永沢君は一見クズにみえて、その実、ものほんのクズだが、大人になってみると、その闇や繊細さが愛おしいと思ったりする。俺も大人になったなー。「まる子 潮干狩りに行く」という回では、佐々木のじいさんの闇が見えたり。
さて、アサリの殻がむけた。
全部で1~2キロぐらいあったような気もするが、むき身にするとこれだけという事実。どうせ仕込むならアサリは殻付きで2キロぐらいは欲しい。
一般的な佃煮の煮汁と台湾風の煮汁を用意した。
こちらは一般的なアサリの佃煮用の煮汁。
<材料>
- 砂糖
- 水飴
- しょうゆ
- 味醂
- 日本酒
- 東肥赤酒(なくても可)
- 針生姜(生姜をスライスとして細切り)
それぞれの分量は甘じょっぱくなっていれば大丈夫。後述するが、山椒の実をいれてもよい。
こちらはアサリの台湾風佃煮用の煮汁。
<材料>
- 砂糖
- 水飴
- しょうゆ
- 紹興酒
- ナンプラーorオイスターソース
- フライドエシャレット(油葱酥)
- 針生姜(生姜をスライスとして細切り)
- 八角ふたかけら(入れすぎるときつくなるので注意)
- 五香粉
- 乾燥させたパクチーの根(生の場合は包丁でたたいていれる)
- しめじ(乾燥しいたけをつかうとより風味がでる)
こちらも分量は甘じょっぱくなっていれば大丈夫。五香粉と八角は炊き込むときに香りが飛ぶものの、苦手な人は香りが強すぎるので少しずつ使うとよい。
水飴は魚介の煮物や佃煮の照りを増し、見た目も美味しく見えるのでぜひ入れたい。蜂蜜でも代用できるがやや癖がでる。
あとは呪文を唱えながら中火で炊き込むだけだ。唱える呪文はそのときの自分の気分で考えてほしい。
時短を考え強火でもよいが、ちょっと目を離したすきに焦げると悲しいことになるので注意。汁が多すぎる場合は、お玉で別さらにとっておき他の料理に使うとよい。そーめんの汁にブレンドするのがオススメ。
アサリの佃煮ができあがった。いい照りですな旦那。誰だお前は。
山椒の実が入っているが、これは鞍馬山椒をあとからトッピングしたもの。6月になると実山椒が山でとれるし、スーパーでも販売されるのでこれを大量に佃煮にしておいてブレンドするのもよい。
こちらはアサリの台湾風佃煮の仕上げ。
もともと茸を入れる発想はなかったが、つくっているうちに、台湾のルーローハンって椎茸が入っていたよなー。でも乾燥シイタケないしなー、あ、しめじがあったからそれをいれてしまえ。という具合に冷蔵にたまたまあった、しめじを投入。素人の料理はこのように適当にやって、結果的に旨かったという気楽さがいい。
水気が少なくなるまで炊けば出来上がり。こちらも焦がすと呪われるので注意。最初は強火や中火でも最後は弱火で。
盛り付けは、香菜を飾るとより台湾風にみえる。
五香粉の香りがうすかった場合は、追い五香粉一丁!ということでパラパラしておくとよいだろう。
このアサリの佃煮は週末に逗子で開催された『逗子拾い食いの会交流会2019春』に持ちこんでみた。
器が変わると料理のイメージも変わるなー。
ではでは。
平田(@tsuyoshi_hirata)
関連アイテム
▼男は黙って(女も)東肥赤酒。つかえばわかるさ
▼五香粉は魚介料理にも向いているので釣り人は使うべし。ひと振りでそこは台湾。嫌いな人もいるので使いすぎは注意
▼フライドエシャレットはあらゆる料理の風味のベースになるので物凄く使えますぞ。500g買うといろいろ使える