<追記>磯・投げ情報は株式会社メディアボーイから復活しました。
「磯・投げ情報」発行の海悠出版が事業停止・自己破産申請
本年7月末に、数多くのファンに愛された「磯・投げ情報」の廃刊についてお知らせしていましたが、発行元の株式会社海悠出版が、事業を停止し自己破産申請をしていたことを知りました。
少し出遅れた話題ですが、この件について考えてみたいと思います。
関連:多くのファンを抱えた月刊「磯・投げ情報」は2018年9月号で最後の発行なのか?
定期購読していた釣り人の方も多いのではないでしょうか。
(株)海悠出版(TSR企業コード:296469319、法人番号:1010001075691、文京区湯島2-9-10、設立平成4年10月、資本金1000万円、福田千足社長)は7月25日までに事業を停止。事後を高島誠弁護士(アクセスライツ法律事務所、渋谷区恵比寿南2-6-14、電話03-6451-2800)に一任し、破産申請の準備に入った。
負債は現在調査中。
出典:東京商工リサーチ
7月末に、すわ『磯・投げ情報』廃刊か、という情報がおかっぱり釣り師に流れがあと、そこからあっと言う間の自己破産。ということで、いつも釣り関連の情報はチェックしていたのですが抜け漏れてしまっていました。
こういった企業倒産や事業売却等もふくめて、その事実を従業員が知るのも、本当に事業停止するその日であることがほとんどなんですよね。これは仕方ない。
こちらは7月24日の同社Facebookページの投稿
編集部Hiです。
7月を待たずしてまさかの梅雨明け! こりゃいいや♪と思っていたら、なんでしょうこの暑さ……。「慣れてるから」じゃ済まないレベルの暑さなので、釣りに行く際は最大限の熱中症対策をしましょう!
さて、磯・投げ情報9月号のお知らせです。
倒産が決まっていることを知っていたら、こういった文章はなかなかかけないですよね。
いろいろ考えさせられます。
そして、8月17日にFacebookに公開された投稿。
作り手側の想いがつまっている投稿ですね。
お別れとお詫び https://t.co/E1scG01liP
— 海悠出版 広報部 (@maru_umi) 2018年8月17日
こちらは同社Twitterの投稿。
やむにやまれない事情。
多くのコアファンに愛された雑誌ですので、コメントには多くのメッセージが投稿されています。
岸釣り系情報誌は重要な情報源だった
ネットが広まる以前。
釣り人のなかで10年以上釣り歴がある方はきっと、みんな釣り雑誌を買って情報収集につとめていたことでしょう。
TVの釣り番組はあるものの、あくまでもそれは出演者が釣っているのを見て楽しむというコンテンツで、スキル向上につながっていたのは雑誌のような気がします。
わたしの場合は、中学生から高校生のときはブラックバス釣りがメインだったので、つりトップ、バスワールド、Basser、ロッド&リールなどを毎月読んでいました。
楽しかったなー。
でもやっぱり、時代の波で、Basser以外は廃刊だったり休刊になってしまっています。
釣りという趣味のなかでも競技人口(趣味人口?)という点で、主要な位置にいるバス釣りというジャンルでさえ不振なので、その他のジャンルもなかなか厳しいものがありますね。
釣り情報誌のメリット・デメリット
釣りの情報誌のメリットとデメリットを3点にしぼると以下の通りになるかなと思います。
アナログゆえの読みやすさ・情報網羅性
まず、紙媒体の編集者の企画&編集能力はとても高いので、コンテンツも企画・編集がしっかりしているというのもあって読みごたえがあったわけです。情報自体も網羅性や正確性の高さは優位性があります。
ネットで情報発信されるものは、どうしてもスピード重視になりがちなので、あやふやなものも多いですしね。これは常に改善しなければいけないことで、ORETSURIも他人事ではありません。
それと、やっぱり釣り情報誌は写真の質感が感じられたり。
雑誌にはページをめくることに喜びがあります。電子書籍化されているものはkindleをはじめとしたタブレット端末によってページをめくるような感触を味わうことができますが、やはり紙をめくるドキドキというのは格別です。
見開きの2ページををランカーサイズの魚の写真で構成したり。あれはインパクトがありますね。
情報のリアルタイム性が低いところはどうしてもある
インターネットが普及して、個人がブログで釣りについての情報発信をするようになり、受けてもスマートフォンで情報を収集するようになる。こういった動きはどのような業界でもあたりまえになりましたね。
釣り人の目的の一つが『魚を釣ること』なので、興味関心の一つとして『情報のリアルタイム』が求められてきます。
紙媒体の場合、掲載されている情報が1か月前であったりします。
海の釣りでは、いざ雑誌を買って、「おお、○○が○○漁港で釣れているんだー」と思っても、だいぶ釣況が変わっていたりするわけです。
制作コストが高い
紙媒体は製作コストが高いと言えます。人件費や印刷にかかる費用が圧倒的です。
ネットによる情報収集が一般的になってくると、購読者数は減り低下し、広告出稿数も低下していきます。
こうなると、たとえコアファンがいても、事業を継続できなくなってきます。
これからの紙媒体企業の動き
釣り雑誌が消えていく流れはどうしても進んでいくと思われます。
紙媒体主体の企業で、ウェブ化という潮流の変化に乗れないところは廃業していってしまうのでしょう。
後発のネット主体であれば、身軽に経営できます。
では、釣り雑誌が生きる道はどこにあるかというと、以下の通りかなと思います。
- 完全にウェブ化をすすめ、紙面はムックのみにする
- 部分的にウェブ化をすすめつつ、雑誌と連携したクロスメディア施策をとる
- リアルイベントをふくめてコミュティを強化する
ブラックバス釣りの雑誌だとBasserが残っていますが、ウェブに展開したサイト「site B」もあります。
すでに器がある場合、それを補完するためにサブ的なウェブサイトが運営されるのですが、どうしても力の入れようがどっちつかずになりウェブ経由の集客にはつながっていないように見受けられます。それを目的としていないのかもしれないのですが。
釣りジャンルのライターはORETSURIに寄稿しませんか?
磯・投げ情報の話に戻ります。
同誌はたくさんのライターの寄稿に支えられてきたことと思います。
今まで磯・投げ情報に文章を書いていた人は、これから自分のブログ・YouTubeなどで活動をすすめていくと思うのですが、そういった方の発表の場、活動への導線をつくる場にORETSURIも貢献できればと考えています。
ORETSURIは17万ユーザー55万PV(8月度見込み)程度の方に読まれている釣りメディアです。
釣りライターのみなさんにおきましては、一生釣りにかかわっていきたい、どこかで書きたい。
ウェブで活動したいというニーズがあればお気軽にお問い合わせください。
ORETSURIは基本的にテキスト+写真+動画(必要に応じて)という構成なので、いままでの経験を活かして、ご自身の活動につなげられるのではないかと考えています。
アイキャッチ画像出典:Amazon
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海悠出版の釣り場ガイドは、いろいろ示唆に富んでいるので、一通り購入しておくとよいです。
筆者は、東京湾から伊豆半島までの釣り場ガイドをもっていますが、ポイントのイメージをするのに便利です。釣り物自体は、記載されているものとどうしてもズレがあったりしますがそのあたりは自分で調整していくとよいでしょう。