ハゼ釣りといえば主にマハゼがターゲット。
初夏はデキハゼと呼ばれる小型から、秋から冬は大型の脂の乗った大型の個体を釣るのが楽しい。
夏から秋にハゼ釣りをしているとそれまでの小さな引きとは違うやや重量感のある引きを感じることがある。これは『ヒネハゼ』と呼ばれる越冬個体(前年度に産卵活動をせず生き残っている大型)である場合が多い。
一方、そのなかに、幾分太くて黒い斑紋が目立つ個体が釣れる。
それがウロハゼだ。
ウロハゼとは
マハゼに時折混じるウロハゼ
ウロハゼは漢字で書くと『虚鯊、洞鯊』それぞれ岩穴などを表している。実際にウロハゼはマハゼが好む砂泥底よりも、根回りによく生息している。
淡水がやや混じった汽水域に多く、完全な淡水にはいない。マハゼ同様、肉食性で、甲殻類やゴカイなどの多毛類・ボラなどの幼魚を好んで捕食している。
産卵シーズンは盛夏で根回りに潜み、岩場のにあいた穴の天井に産卵する。このあたりはヨシノボリに近しい。
ウロハゼとマハゼの見分け方
上がウロハゼ。下がマハゼ
ウロハゼはマハゼと比べて以下の特徴がある。
- 鱗がより大きい
- 全体的に太目
- 骨格や筋肉がマハゼよりしっかりしている
- 釣り上げて持ち帰ると黒くなる(釣り上げたばかりの色合いはマハゼにとても近い)
上から見ると、ウロハゼは頭部がしっかりしている。
こちらはマハゼの良型。12月などサイズが大きくなってもウロハゼよりはごつくない。
全体的にしっかりした体型のウロハゼ
持ち帰ると黒くなる(左の黒い魚体6尾がウロハゼ。右はマハゼ7尾)マハゼは飴色
ウロハゼが釣れるポイント
ウロハゼは『虚鯊、洞鯊』という名前からわかるように岩場などの根回りに好んで生息している。
河川の下流部の護岸地帯にも根があるエリアはあり、そのあたりでハゼを釣っているとかかる。
砂泥エリアはマハゼ、岩場はウロハゼと覚えておこう。
このような河口域の運河の根回りはウロハゼの好ポイント。
東京湾内の河川でもよく釣れる。
ウロハゼの釣り方
ウロハゼを効率的に釣る場合は、ミャク釣りで根を狙う。エサはイソメかジャリメがいいが、餌持ちを考えるとイソメ。イソメのたらしは1㎝程度だが、マハゼよりは食い込みがいいのであまり神経質にならなくてもいい
当然根がかりも多い釣りなので、オモリは極小にし根上を叩くようにして誘う。アタリはマハゼとほぼ同様で特にテクニックなく釣ることができる。
重要なのは根上やその周りを丁寧に誘うということのみ。
根がかった場合に備えて道糸をナイロン2号程度にしておくと、針を伸ばして回収できることが多い。
岸際に根がある場合は3メートル以内ののべ竿での釣りが楽であり、釣趣もある。
ペットボトル釣りにかかってくることも。
ウロハゼの料理法
ウロハゼの天ぷら(イメージ)
ウロハゼの料理法や味はマハゼとほぼ同様。一番おいしくいただけるのは天ぷらや唐揚げだ。
マハゼよりしっかりしている鱗をきれいに落とし、頭部と内臓・血合いをきれいに落とした後、衣をつけて揚げる。江戸前天ぷら風に仕上げたい場合はごま油を好みで混ぜると香りがよくなる。
頭を落とす時や身を開くときに骨がマハゼより硬いため、このあたりもウロハゼと判断するポイントになるだろう。
ちなみにすいた骨は唐揚げにするとかなり旨い。
ウロハゼは引きが強くていいターゲット
マハゼを釣っているポイントに根が混じっているようなところではウロハゼも合わせて釣れる。
盛夏から初秋の15~20センチ程度のマハゼに対して、ウロハゼは1.3倍ぐらいの引きの強さと覚えておくとよいだろう。
ハゼ釣りで昨今人気のハゼクラでも釣れるが、根回りが中心なのでルアーロストも激しい。
ハゼ釣りと言えば初心者でも気軽にチャレンジできる釣り物。初心者・ベテランにかかわらずゴミ類を釣り場に残さないで帰るようにしたい。
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