本牧に海釣り施設新設へ、横浜港の大規模埋立による釣りへの影響を考える

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横浜港(本牧)
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こんにちは、jomoです。テンヤの針を研ぐ日々です。

横浜・本牧沖での大規模な埋立工事が、来年1月を目途にはじまることになりました。

釣り人にとっては船から狙えるポイントが減る一方、埋立地の護岸には釣り施設を作る計画があるなど、新たな楽しみも生まれそうです。

本稿では、事業主体者の1つである「横浜市港湾局」への取材を通し工事の概要を調べるとともに、後半では釣りへの影響をチェックします。

横浜市港湾局が入る産業貿易センタービル

目次

工期20年の巨大事業

工事の名称は「横浜港新本牧ふ頭地区公有水面埋立事業」(以下、「事業」)。

横浜港内の公有水面約140ヘクタールを埋め立て、「大水深・高規格コンテナターミナルと高度な流通加工機能を有するロジスティクス施設を一体的に配置した新たな臨海部物流拠点を形成する」(港湾局)ものです。

難解ですねー。具体的にはどんな内容なのでしょうか。

埋立地は本牧ふ頭から沖に張り出す形で造成されます。(出典:横浜市プレスリリース

事業では、コンテナ内の荷物を仕分け・パッキングし、また生鮮品については保冷する―これらの工程を担う大型倉庫、つまり、「流通加工機能を有するロジスティクス施設」を建てるための土地約38ヘクタールを、「第1期工事」として横浜市が埋め立てます。

「第2期工事」は国土交通省の所掌。世界最大級の2万TEU(20フィートコンテナを2万個積載できる)コンテナ船が停泊可能な、水深18メートル超の岸壁1,000メートルを埋立により整備します。

岸壁ではコンテナを船から下ろし(または船に積み)、一時的な保管を行います。これが「大水深・高規格コンテナターミナル」で、埋立面積は約50ヘクタール。

これらに加えて約50ヘクタールの埋立を予定しており、新たに計140ヘクタールの新ふ頭が誕生することになります。

世界最大級のコンテナ船「MOL Triumph」(全長400メートル)。同クラスの船舶も停泊できる護岸を整備。(出典:今治造船)

港湾局によると、第1期の事業総額は900億円。第2期工事は3,100億円(国土交通省会議資料)。全140ヘクタールの整備完了のかかる期間は「およそ20年を見込む」(港湾局)というのですから、非常に大きな事業であることが分かります。

2020年1月、ついに着工へ

国交省関東地方整備局と横浜市は11月15日、第1期地区の公有水面埋立免許を取得し、第2期地区についても埋立が承認されたと発表しました。これは、埋立を開始するゴーサインが出たということです。すでに準備工事に着手しており、年明けから本格的な工事に入るもようです。

本牧での船釣りは?

まず船釣りについてです。

本牧沖は非常に潮通しの良いポイントで、マゴチ、タチウオ、マダコ、アジ、イシモチ、カサゴなど、多くのターゲットを狙えます。サワラが跳ねてたこともあったな…。埋立予定の海域近くでは、私もアジやマゴチを釣ったことがあります。

本牧沖で釣れたアジとサバ

ここのアジは金色で美味しいんですよねー。埋め立て後はどうなるでしょうか。

残念ながら、すでに京浜港長より該当海域への航泊を禁止する公示が出ています。これにより、物理的に当該海域での釣りは不可能となりました。

港長による航泊禁止エリア(出典:東京湾海難防止協会

さらに、次項で述べますが、潮の流れが大きく変わることが予想されます。

このことで、「船が入れるポイントでも、これまで通りのように釣れない」という事態も起きるかもしれません。逆に、思わぬ潮の流れが発生し、新たなポイントができる―なんてことになればいいな、と淡い期待を持っています。

海釣り公園が新設されそう!

次に、陸っぱりについてです。

このエリアには「本牧海釣り施設」という一級ポイントがあります。事業計画の地図を再掲します。

出典:横浜市プレスリリース

「第1期地区」の南側(地図は右側が北になっています)、海に突き出たかぎ状の線が、同施設の桟橋です。

ご覧の通り、埋立地は桟橋の北~東~南東側を大きくふさぐように造成されます。これまで潮の流れが良かった同施設周辺ですが、埋立が完了すると潮が流れず、魚も入ってこなくなってしまうように思えます。

うーん、困りますね…

明るい話もあります!

具体的には埋立地に「水際線緑地を形成し、海釣りの場としての利用など、広く市民に開放する」(港湾局)計画があるそうです。そう、新たな釣り場が作られるようなのです。

埋立地は先ほど見たように、沖合に張り出すように作られます。ですので、そこに設置される釣り場は、潮の流れが良いものと期待されます。多くの魚が回遊してくれるかもしれませんね!

加えて、護岸にも工夫を凝らし、人々が魚に親しめるようにするようです。

スリットケーソン構造の生物共生型護岸(出典:横浜市プレスリリース

ケーソン内部に多様な水深帯を持った浅場環境を作るとともに、環境に配慮したブロックを設置。

これにより、「生物が生息しやすい環境を目指す」(港湾局)方針とのこと。浅場やブロックの隙間などに小魚や甲殻類がたくさん住み、それらを狙って大物も回遊してくるような釣り公園になるといいですね!

既存の「本牧海づり施設」、年明けめど暫定営業開始へ

埋立地に作られる海釣り公園は、いつごろできあがるのでしょうか。

第1期工事の完了が2026年~27年前後。第2期工事は2031年まで。

140ヘクタールすべての整備の完了は、先にも述べた通り2040年ごろになるとのことです。どのタイミングで一般開放されるのかはまだ分かりませんが、新ふ頭で釣りを楽しめるのは、かなり先のことになりそうですね。

それ以前にも本牧で陸釣りを楽しみたい?

その場合は、既存の「本牧海づり施設」が候補として挙げられます。

同施設は今年9月の台風で桟橋の一部が水没するなど大きな被害を受け営業を停止していますが、先日記事にした通り、年明けをめどに一部エリアで暫定的な営業がはじまる見通しです。

台風により被害を受けた本牧海釣り施設(出典:本牧フィッシングピアーズ

工事の影響で本牧海づり施設周辺の濁りはどうなる?

同施設での釣りを考えると気になるのが、すぐ隣で行う埋立工事に伴う海水の濁りですね。

これについては、2018年に行われた意見公募に対して市が回答を作成しています。それによると、埋立工事により増す同施設付近の濁りは、最大2mg/L程度と想定されるようです。

濁りに敏感といわれるイシダイなどを例に挙げた上で「魚類や海釣り施設の利用環境への影響は小さい」(横浜港新本牧ふ頭地区公有水面埋立事業環境影響評価準備書に係る見解書)と結論付けています。

もちろん、工事を進めるうちに想定外の強い濁りが出てしまうこともあるかもしれません。ただ、環境面への配慮をもって事業に臨む方針ということが分かります。暫定営業が始まった後の、同施設の釣果が気になります。

なお、この公募に寄せられた意見30件のうち、釣りに関する意見は1割に相当する3件。多くの釣り人がこの工事に注目しているんだなーと実感しました。

ルールを守って本牧での釣りを楽しみましょう

事業の影響は、釣り人にとって望ましくない点が多いかもしれません。

ただし、釣り場が減ってしまったからといって立入禁止の土地・海域に入って釣りをするのは厳禁。

安全のためにも、ルールを守って釣りを楽しんでいきましょう!

寄稿者

マゴチをもったjomoさん
jomo

Instagram(@jomonivsky)

過去の寄稿記事はこちら

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