冬場の釣りは、寒くて手がかじかんでしまうこともしばしば。
カワハギ釣りあたりをやる場合、かじかんだ手でアサリをつけるのはムリゲーに近いですので注意が必要です。
とくに餌付けに手間取りがちな釣りの場合、防寒グローブだけではなく、冷え切った手を温めるカイロも欲しいところ。
今回は、部品交換により半永久的に使用できるエコなカイロ「ジッポーハンディウォーマー」の使用感・特徴・注意点について紹介します。
基本的に「ハクキンカイロ」も同等の商品なので、必要な方は読み替えて読んでください。
これまで3年以上使用してきた印象を記事末に追記しました。
「ジッポーハンディウォーマー」について
Zippo ハンディウォーマー(オイルセット)というあったかアイテムです。
ある程度のご年齢の方は、ニコニコおっさんマークのハクキンカイロをご存知のことかと思います。
公表されていないようですが、Zippo ハンディウォーマーはハクキンカイロのOEM(相手先ブランド名製造)であるといわれています。
真偽は定かではないんですが、まー仕様もほぼ変わらないので、そうなのでしょう。
- ボディの形状と飾り
- 袋
- 注油の仕組み
このあたりに差異があります。
個人的におっさんマークであって大元である点と、「孔雀の飾りがいいな」とおもいハクキンカイロを買おうとしたんですね。が、Amazonだと到着までに時間がかかりそうだったので、今回はジッポ―のカイロにしてみました。
仕組みは燃料であるベンジンが気化するときにプラチナ触媒と化学反応をおこし熱をだし、金属製の本体が受け止めて発熱をじんわり伝えるというもの。
ベンジンは水と炭酸ガスに分解されるのでエコですね。
ジッポ―のアイテム紹介がないので(説明ページはこちら)、ハクキンカイロさんのサイトから仕組みを引用しておきます。
ハクキンカイロはベンジン(炭化水素・CmHn)を触媒燃焼させて、その燃焼熱をカイロの熱として利用しています。
当社のプラチナ触媒はガラス繊維にプラチナ(Pt)の微粒子を独自の方法で担持させたものです。微粒子のプラチナ(Pt)は、自己の体積の100倍以上の酸素を吸着させる能力があり、しかも吸着した酸素は極めて反応しやすい状態になって、すぐれた酸化活性を発揮します。
触媒を用いないで燃焼させると25ccのベンジン(炭化水素・CmHn)は、数分で燃え尽きてしまいますが、プラチナ触媒を用いると、24時間暖かさを持続することができます。
また、触媒を用いないと700~800℃という高温が必要ですが、プラチナ触媒を用いると、130℃~350℃という低温で炭酸ガス(CO2)と水(H2O)に完全酸化分解させることができます。
さらに低温での燃焼ですからNOX(窒素酸化物)の発生の心配もありません。
出典:ハクキンカイロ
アイテム自体の構造はシンプル。最初に発明した人は偉大だなと思います。
このZippoハンディーウォーマーなのですが、Amazonで買ったところ、だいたいオイル付きで実勢価格が3200円程度。
実は、シーズン等によって値段変動が大きく動くこともあります。だいたい2700円を底値として、4500円ぐらいまでの値幅で販売されています。2700円で買えたらお得だと思ったほうがよいです。
ECでは、基本的にAmazonが一番安価なのですが、4000円前後で売られているときは楽天・ヤフーと合わせて検討したほうがよいでしょう。
箱をあけるとこの通り。おお、かっこいい。
ジッポオイルと注油カップ、そしてハンディーウォーマーとフリース地のカバーがついてきます。
こちらがハンディーウォーマー本体。
家の中がうつってしまうくらいぴかぴかですね。
小人用尿瓶注油カップ
これが注油カップ。小人用の尿瓶みたいな形状。
メモリが二つ刻まれていて、下位の線まで燃料を入れると6時間。上位の線で12時間持つそうです。
では、「ハンディーウォーマーMAX何時間まで持つ」のか?
答えは、24時間です。上位線×2回分までが注油の限界だと覚えておきましょう。
24時間釣りをする人もあまりいないと思いますが、長持ちすることは悪いことではないので、使い捨てカイロと比べて安心感がありますね。
数日のキャンプや釣り遠征などの場合も、「ジッポーオイル」を持参して、時間経過後に再注油をすることで使用を継続することもできるわけです。
大容量のジッポーオイル355ml。自宅での注油では大缶を購入しておくと安心。
「使い捨てカイロ」って便利ではあるのですが、消費社会の代表選手のような気がするんです。
個人的には「長く使えるアイテムのほうが愛着がもてていいなー」と感じています。
ずっとつかっているアイテムは、名前を付けたりするとなんだかいいんですよね。ココだけの話、自分の釣り竿とか車やバイクに名前を付けている方もいますよね。
いいんですよ。わかります。
わたしのバイクも代々「カットラス」という名前を付けていましてね。
え、なんでカットラスかって?
その昔、「エイト・アイズ」というファミコンゲームがありましてね。主人公以外に相棒の鷹を2コンで動かせるのですが、これが「カットラス」という名前だったのですよ。
1コンのボンド卿をうちの三兄が動かし、カットラスをわたしが2コンで動かし、タイミングを見計らいつつ敵のボスの体力を急降下アタックで地味に削っていくという兄弟の共同作業。
ちょっと脱線しましたが、このように使い捨てではないアイテムは愛着をもって使える点がいいですね。
物にも愛をもって接したい。ただそれだけです。
プラチナ触媒を外すと、カイロ本体には脱脂綿が埋め込まれています。
ここに先ほどの「小人の尿瓶」ではかったジッポーオイルを注ぎましょう。
今回は、6時間程度の外出なので、尿瓶の下線までオイルをいれて注いでおきます。
これでだいたい6時間くらいもつでしょう。
「ジッポーハンディウォーマー」を試してみよう!冬の逗子から江ノ島へ
オイルを注油したあとは、ライターで触媒をあぶります。
「あぶります」といっても、火を直接あてると焦げるので、熱源をプラチナ触媒に近づけるというアプローチが必要です。
燃やすのではなく、熱を伝える。この感覚が重要です。燃やしても使えますが、プラチナ触媒部分が劣化して、部品寿命が早くなります。また、オイル臭さが強くなったりします。
熱反応が行われているかどうかは水蒸気の有無で判断しやすい
うまく反応がすすむと、ハンディウォーマー全体が熱を帯びてきます。寒い部屋であれば、ハンディーウォーマーの蓋を火口にあてると、水蒸気が蓋につくので、判断しやすいです。
おお、結構熱いな。
このハンディウォーマーの熱量は使い捨てカイロの約13倍とのこと。
熱いので、この通りフリースの外カバーをつけてポケットにいれておくとよいです。
このカバー以外にも、布製のカバーでも大丈夫です。
プラチナ触媒の火口が劣化してないときはカバーなしでも、熱反応が続きやすいんですが、1シーズンを終えたあたりから火口の劣化がみられることがあります。そのときはカバーをしたほうが熱反応が継続しやすいです。これほんと。
鎌倉中央卸売市場。新鮮な地場野菜やパンなどが売られていてオススメです。
乾物屋のおっさんが、「これは賞味期限が切れてるから50円。ビーフンだから大丈夫だよ。世の中ネットの世界だから、こっちは口で勝負しないとね?わかるだろ?」とかいっていました。
そうですか。こういう感覚は好きです。
買い物中も、ハンディーウォーマーは活躍です。
歩いて由比ヶ浜までいこうとおもってたら、お地蔵さん。
由比ヶ浜六地蔵です。全員めをつぶっていらっしゃるとおもったら、「心の眼でみているのじゃよ」というような声が聞こえました。ほーん。
コーヒースナック「千草」。いい名前だなー。わたしだったら道を頭につけて『道千草(みちくさ)』にするだろうな。
ということで、逗子から鎌倉由比ヶ浜まで到着。
西風10メートルといったところでしょうか。かなり寒い。
が、ハンディウォーマーを握りしめると大いにあったかいぞ、これ。
由比ヶ浜から江ノ電に乗ることに。
車窓からみた相模湾と江ノ島。
車内のように温かいところにいると、カバーをしていてもかなりの熱です。通勤にもよさそうだなこれ。
鎌倉高校前。海が輝いてるなー。
江ノ島駅。
鉄オタの方の活性が高めでした。
駅前の柵に飾られたメタルの雀もクリスマス気分のようですね。
散歩中の犬もたのしそうな日です。
おい、頭のサイズがあってないだろ。
その後、江ノ島水族館前のGARBで窯焼きシラスピザを食べてみたり。
このころ、ジッポーハンディーウォーマーの発熱が最高温と思われる程度に。
ずっともっていられないぐらいめちゃくちゃ熱いです。
たとえばこれが就寝中などの場合はどうなるのでしょう。そう、低温火傷の原因になるはずです。使用シーンによってはちゃんとカバーをしましょう。
あと、鏡面仕上げなので指紋はどうしてもつきますね。
新江ノ島水族館へ。
この水族館には相模湾ゾーンというのがあって、相模湾に生息している魚がたくさん見られます。
さて、カワハギは・・・。
あ、いた。
カワハギが金属のきらめきに反応するかチェックしてみよう。
よし、ハンディウォーマーを袋から取り出してと。
熱!
けっこうな熱量です。
冬の船上だったら心地よい温度なのでしょう。
ソレ、きらきら。
きらきら。
きらきら。
おおお、寄ってきたぞ。
む。大型のキモパンがいるな。
ソレ、きらきら。
きらきら。
きらきら。
おおお、寄ってきた。
しかも斜めになって興味津々のようだ。
やっぱりカワハギには光物が有効ですね。
このあと2時間くらい江ノ島水族館にはいたような気がします。釣り好きになってくると、水族館も素通りというわけにはいかないのです。
時刻は15時過ぎ。
だいたい9時から6時間たって、ハンディウォーマーの熱がおさまりました。
このように、用途や釣りをする時間によって燃料の量をかえることで節約しながら「暖を楽しむ」ことができそうです。
冬の釣り船の場合、1日船で7時-15時ぐらいだと思うので、行き帰りの分もいれて12時間分(目盛り上位1杯分)の燃料をいれておけばよさそうですね。
二刀流というか、二つ持ちにして、両ポケットにいれている釣り人も多いようです。
みなさんもぜひ試してみてください。
まとめ
ジッポーハンディーウォーマーをつかってみたメリットをとりまとめてみました。
- 「ハクキンカイロ」でも「ジッポハンディーウォーマー」でも冬の釣りには良さそう
- 「ジッポオイル」は釣行前後のコンビニでも買いやすいので便利
- 使用に際して使い捨てカイロと異なりゴミがでないのでエコ
- 加熱したあとの燃料は水蒸気に変わるので安全かつエコ
- オイルを使うが火はでないので安全
- 屋内にて放熱がすくなくなるとハンディーウォーマーはかなりの高熱。カバーをしよう
- 就寝時に使用するときもカバーは必須
- 目的と時間にあわせてハンディーウォーマーは燃料調整ができてお買い得
- カワハギはジッポハンディーウォーマーの光によってくる(金属板は有効)
どうでしょう。
ちょっとほしくなっていませんかね?
最後のカワハギ云々は余計だけど。
「ジッポーハンディーウォーマー」を3年使用してきた印象
さてこの記事を書いてから3年以上の月日が流れました。
あいかわらず冬場の釣りでジッポーハンディーウォーマーを使用しています。
関東地方の場合、だいたい12月~3月ぐらいにつかうと快適です。
長くつかってみて感じた印象は以下の通り。
- 「火口」の交換は1年程度で検討が必要
- 「火口」が劣化するとカバーなしではすぐに失火(熱反応が止まる)しやすい
- 「中綿」は意外と3年つかえている
- ボディは錆びもふくめて劣化がないので半永久的につかえそう
- 加熱方法を工夫すれば「火口」は傷めないですむ
- 使い捨てカイロと比較してもコスパが高い
関連アイテム
▼ジッポーオイルとのセットはAmazonがお得であることがほとんど。ただし冬場など需要により一気に値上がりしていることも
▼自宅での注油はジッポーオイルの大缶がベスト。週末の釣りであれば1缶で1シーズン以上持ちます。買いすぎた場合はBBQの火種で使用するのも一つ。
▼替火口は1年以上経過して、熱の安定性がよくない場合、検討しましょう。交換するとすごく状態がよくなります。ちなみにジッポーハンディーウォーマーでもハクキンカイロ製が使えます。
▼腰などは「カイロベルト」で固定するのも一つ