釣りをしていると、たまに見かけるナマコ。
同じ「マナマコ」という種類だけど、よくみると色が違うことに気づく。
- アカナマコ
- クロナマコ
- アオナマコ
赤、黒、青。
現在はこの三種類が見分けられ、流通している。
今回は、この3種類のナマコの見分け方と味の違いをレポートしたい。
マナマコは3種いる(見分け方)
一番商品価値があるとされているのが、外洋に面した岩場に生息していることが多い、赤ナマコ。
続いて、市場価格という点では青ナマコが続き、黒ナマコは乾燥して中国に輸出されることがほとんど。
青ナマコと黒ナマコは砂泥底に潜んでいて、砂を吸い込んでは微生物を消化して吐き出している。
赤ナマコ・青ナマコ・黒ナマコ
ということで今回は、3種類のナマコに登場してもらった。
左から赤・青・黒のマナマコだ
赤ナマコと青ナマコはよく間違えられているようだけど、腹が赤いからアカナマコとわかる。
どれどれ・・・裏返してみよう。
ひっくりかえった赤ナマコ・青ナマコ・黒ナマコ
ほらね。
確かに左端は腹部が赤いでしょ。これが、赤ナマコ。
真ん中は、やや青っぽく突起は黄色っぽいので、青ナマコ
そして、右端は真っ黒なので、黒ナマコ。
東京湾奥は比較的黒ナマコが多く、三浦半島など外洋に面した付近の岩礁帯は赤ナマコ、砂地には青ナマコといった分布が一般的。
とはいえ、外洋に面していて砂地に隣接した磯場には全種類のマナマコが揃っていたり。
ニセナマコの存在も・・・
これらの三種類のナマコ(マナマコ)に追加して、岩礁帯にはニセナマコという不名誉な名前をつけられた生物がいる。
おいらたちニセナマコだよーん。でろろろーん。
誰だ!わたしを偽物呼ばわりするのは!
ってことで、これがニセナマコ。
三浦半島某所にいたものだ。漁業権云々のまえに、だれもとらないのでたくさんいる。
ナマコに似ているが、、、触ると・・・
ぷっしゃー!
俺を水揚げしたことを後悔させてやる!
とばかりに、ねばつく白い粘液糸を出す。
あわわわ。
このねばねばが手につくと、なかなか取れないし気持ちが悪い。
これは「キュビエ器官」と呼ばれていて、ニセナマコが魚などに襲われたときに相手をびっくりさせたり動きをとめる効果があるとされる。
それと、見事「キュビエ器官」攻撃をかわしたからといっても油断してはいけない。
ニセナマコには毒があるから要注意なのだ。もちろん食用としても流通していない。
やったことがないが、タイドプールに魚をいれて、ニセナマコをぶつ切りにしたものをいれると魚が死んでしまうほどの毒らしい。やるな。
マナマコくんのすごい技
キュビエ器官攻撃は、ニセナマコやその他のナマコがもっている防御能力らしいのでだけれども、マナマコにはない。
だけど、マナマコは身体にショックをうけるとすごい技を繰り出すんだ。
・・・
びぇろびぇっろびぇろーどぼどぼどぼー。
な、なにが起きたのか。
・・・
なんと、マナマコは、身体にショックをうけると腸を全部お尻から出してしまうんだ。
てか、おまえら腸全部だしちゃって大丈夫かよ。
すました顔のアカナマコ。我らは腸がなくてもまた復活するのだよ。ふはははは。
と、アカナマコ氏にいたっては、妙にすました顔なんだけど、どうやらこの胃腸部分は自然界ではまた1~3か月ぐらいで元に戻るらしい。
この期間をしらべた研究者がいるのだろうか。いるんだろうなー。
なになに、ネットでしらべていたら、横に真っ二つにきったナマコを自然界に離すと、やがて二匹のナマコとして再生するのだと。
まるでファイナルファンタジー3にでてきた暗黒剣でしか倒せないモンスターみたいじゃないか。
これがアカナマコの腸。ぷりぷりしてるね。これはとってきたものなので砂がじゃりじゃりとつまっている。
この腸部分は、このわたといって塩辛にすると旨い。
ちなみに食べたことがない人は、この腸部分に詰まった砂あたりは、臭そうと思うでしょ?
それが臭くないんだー。
意外に爽やかなニオイがするのです。鮮度がいいホヤのニオイにすごく似ている。
三色のナマコを調理していく
さて、ナマコを調理していこう。
赤ナマコの調理
まずナマコを塩で軽くもみ、流水で汚れをよく落としてから内臓を出す。
その後、サイズによって縦に半分に切る。
腹を裂いても、筋肉が固く縮みはじめる。
そして、切る。
歯ごたえがいいので、もっと薄く切ったほうがいいと思う。
青ナマコの調理
これがアオナマコ。
アカナマコと同じように調理していくんだけども、こちらは内臓をぶりぶりお尻からださなかったので、腹側に包丁をいれて、掻き出した。
内臓を排泄してしまう個体とそうでない個体の差が気になる。
断面がなんとなく青いかな?
こちらもカットしておく。
黒ナマコの調理
この黒ナマコは調理しているそばから、黒い色素がもれていたような気がする。
こちらも同じように切っていく。
うーむ。黒い、かな?
こちらもスライスしておく。
自家製生ポン酢で、ナマコ酢に
で、取り出したのは、自家製生ポン酢です。
種はとろう。
冷蔵庫で寝かせる前よりは、すこし味に丸みが出てきたような気がしないでもない。
それぞれのナマコを食べてみる
赤ナマコ酢
まずは赤ナマコから。
赤ナマコが一番味がいいというけれども。
・・・
こりこり。ほうほううまい。
ほやと同じ味でさわやか。くさみはないなー。
(もうすこし薄くスライスしたほうがよかった)
青ナマコ酢
青ナマコは赤ナマコより味が劣るというけれども。
・・・
こりこり。うまい。ほやと同じ味でさわやか。
と、ほぼ同じコメントしか出てこない。
(もうすこし薄くスライスしたほうがよかった)
やや硬いような気がしないでもないけど。
黒ナマコ酢
黒ナマコは、生食よりは中華料理として乾燥品をもどして食べることが多いそうだけど。
・・・
こりこり。うまい。ほやと同じ味でさわやか。(もうすこし薄くスライスしたほうがよかった)
という具合に、それぞれのナマコはほぼ同じ味や歯ごたえがあるとしか感じない。
まとめ
えー、ナマコ酢を赤・青・黒のナマコで食べてみましたが、素人には良く差がわからなかった件について。
これ、だいぶ味覚が弱っているのかもしれません。
<追記>
その後、繰り返し何度も食べてみると、赤ナマコが柔らかく風味の点で一番さわやかで上品に感じられるなと。
青ナマコも美味。
黒ナマコは赤ナマコと青ナマコと比較するとやや硬め。そのため生食で流通することはなく、基本的には乾燥して中国に輸出され中華料理の材料になるとのこと。
ただし、ナマコ類は筋肉に刺激をどれだけ受けたか、スライスの厚さ等によっても食味が変化します。できるだけ薄くスライスするとよいでしょう。
あと、酢につけたあとに冷蔵庫で放置すると表面が溶けています。