いやはや、世の中には「タイムサービス』」というものがありますね。
タイム+サービス=時間を区切っての奉仕。というような意味合いだとは思うのですが、なんとなくこのマジックワードが掲げられていると消費者として、胸が高鳴り購買意欲がMAXになってしまうこともしばしばです。
いつも釣りをしているもんで、魚はあまり買わんのですが、自分で釣れないものはやはり買うしかないわけです。
ベニズワイガニの山がこちらです
というわけで、或る釣行後、京急久里浜の京急ストアで魚を買いつつ、保冷用の氷をすこしばかり拝借してやろうかなと、思っていたらこの有様です。
青森県・紅ズワイガニが、1杯180円。3杯で500円。
やっすいよね。
「本ズワイガニ」ことノーマルズワイガニと比較して、紅ズワイガニは身入りがすくなく、水分が多いという特徴で産地以外では加工用に用いられることがほとんど。
産地では刺身で甘くてうまいらしいんですけどね。
産地以外では鮮度劣化しやすいということもあり、基本的に身をほぐされて、カニクリームコロッケやら蟹グラタンなどの材料になっているということで。
京急ストアのスタッフ氏:「はい、タイムセールのベニズワイガニ。1杯180円ですよ。鍋や味噌汁にどうですか?実はあまりですが、お鍋だったら豪華になりますよー!1杯180円とかないですよ。800円はします!」
ほほーん。
ほーん。
・・・
気づいたら、蟹を買うニーズはなかったのですが、3杯買ってました。
味噌汁か鍋にしようと思いましてね。
「部長!ほんとうのインスタ映えというものを教えてやりますよ」
と、いつものアレが鎌首をもたげてきたわけです。
ということで今回は究極のインスタ映え料理を作ります。
紅ズワイガニの下処理
こちらが購入した紅ズワイ氏。
茹でる前から赤いから「紅」という名前なわけですが、まー、シャア専用ズゴックみたいですね。
正面からみると・・・
キャンサー!!!!!!
ややキモイとか思っちゃいます。ごめん。
蟹って、よくみると異様な形をしていて、特に深海物は異世界の生き物まったなしなんですが、これを最初に食べた人は偉いなと。
海の蟹は淡水の蟹より汚れがすくないような気もしますが、念のために下処理をしていきましょう。
- 全体をあらって、尻蓋をとって、付着している水垢っぽい汚れを落とす
- 甲羅を剥がして、口と胃袋と呼ばれる個所を取り除く
- エラをとる
- 脚と甲羅にわける
あれ、がらんどう。
口吻あたりを引きはがすと、一緒にとれる部位は全蟹で捨てる共通な場所です。
購入した翌日に調理したものでやや味噌っぽいところが黒褐色になっていますが、本当は黒くはないです。明らかに鮮度が落ちているものの蟹味噌は捨てることに。
エラは捨てましょう。
ということで、味噌が大丈夫だった個体もいましたが、黒変しかけた部位は廃棄、という流れで下処理が完了しました。
紅ズワイのまるごと汁をつくる
鍋に水と真昆布をいれて、ジオンの鹵獲モビルアーマー紅ズワイガニ兵を3体投入。
安日本酒のなかでも信頼している筑後盛をドバドバいれて、本みりんを投入。
強火で酒ごと炊いて、鮮度をごまかし、ダシを出すという作戦。
士気100。
味噌は、白・赤を2種類ブレンド。
基本的に味噌ラーメン屋しかり、味噌は○○種類の厳選味噌を独自のブレンドとかいっておけば、消費者としては、はーん、なんかすごそうと思うわけです。はーん。
頭の中では、塩辛さと丸さをブレンドしてそれをみりんと日本酒が統合しているイメージで。
ほう、炊きあがりましたか。
いいでしょう。
味見してみましょう・・・
さぞ旨いんだろうな貴殿たちのダシとやらは。
・・・
ぎゃん。
、、、
わ、
すご薄。
やばいぞ、これ。蟹風味が薄いし、これじゃ昔のスタッフが湯量をミスったときの松屋の味噌汁じゃないか・・・
これはどうしようか、どうせ写真とテキストだけなので、適当に
うんめー!
紅ズワイ、マンセー!
ジーク・ジオン!
とかいっておこうかな、てへぺろ。と脳裏に落ちが浮かんだのですが、わたしも真っ当に人生を歩もうとしている子持ちの36歳でありますので、そういった虚偽行為はどうしてもできませんでした。
正直に生きたいんです。
うーむ。
・・・
「殿、ご安心ください。我が軍には歴戦の猛者がおりますので・・・」
だれおま????
我が家にそんな猛者はいたかな。
あれかな、いつものナンプラーで旨味添加して受注・納品するやっつけソリューション営業かな・・・
・・・・
歴戦のほんだし(かつお・こんぶ)
だだだだだだだだだだ。(馳せ参じる音です)
「殿、我らほんだし兵をつかってください。必ずやこの蟹汁を本物に仕上げて見せます!」
と、
まーよくわかりませんが、こいつら士気たけーなーってな具合で、ほんだし2種類を投下したところ、見事いやらしくない程度に旨みがでまして、完成と相成りました。
いやはや、おつかれさまでございました。
女子のみなさん、インスタ映えなら紅ズワイまるごと汁ですよ。
どうです。
お客様、我が軍の新型モビルアーマー汁です。
って、ひたすら食いづらそうだな。
ペットボトルをおくと、サイズ感がでますね。
背中側から撮影すると、インスタ映えっていうか、もうなんというか、
エイリアンの幼体みたいなあれですね。
すさまじいスピードで動いて顔に張り付くあれだ。
甲羅は、早期退職したあと何もやることがないオッサンなみに、もうがらんどうですよ。
「私は以前は東証一部企業の電機メーカーの営業部長をしていまして・・・」とかどうでもいいんだよ。いつまで過去を引きずってんだよ、貴殿。
ま、この殻もキレイに洗って干せば、蟹グラタンの容器にもなりますし、ハロウィーンの仮装のパーツとしてもばっちりだと思いますよ。
爪と脚もつかって仮装すれば、渋谷のハロウィーンDQNのなかでも目立つはず。
で、味は・・・
回転ずしのアサリ汁とか蟹汁に近いものに仕上がりましたよ。
回転ずしの蟹汁、あれは昆布とカツオダシにベニズワイガニなどで構成されているのかもなと。
身も、控えめながら、一応とることもできます。
ゆで上げて、蟹の身だけむいて、蟹味噌とみりんと味噌&ネギあたりをあえて甲羅にぶち込んで、オーブンで軽く焼いたり、蟹チャーハンあたりにするのもよいかもですね。
そういえば、この蟹汁を大鍋で作ったわけですが、二日目は蟹の汁が色濃くでたようでかなりの旨みでした。
今回インスタ映えを目指すあまり、蟹の脚に切り込みをいれないで炊いたのですが汁目的であれば、ちゃんとエキスが脚身からでるように調理ばさみで細工したほうがよいなと思った次第です。
女子の方はほぼ読んでないORETSURIですが、「紅ズワイガニまるごと味噌汁にしたったわ」的なインスタマウンティングを行いたい方におきましては、味を追求したいときにはしっかり脚に切れ目をいれておくことを強くオススメする次第です。
余談:「紅ズワイは神速を貴ぶ」
JRで釣り場に移動していたら、富山県の高志で、紅ズワイガニを「高志の紅ガニ」というブランドで売り出しているのを見ました。
同地では漁獲から水揚げまでの時間が他の漁場の数分の一で、新鮮な紅ズワイガニがとれるとのこと。
産地であれば、刺身でもうまいようです。
むかし、曹操が袁軍を追い打ちするかな、どうするかなと迷っていた時に、郭嘉が「兵は神速を貴ぶと申します」的な話をしたとのことなんですが、まーなんというか、「紅ズワイガニも神速を貴ぶ」ということなんでしょうね。
本当の紅ズワイの実力をしらないでいろいろディスって失礼しました。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
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紅ズワイガニのB級品は10キロくらいで1万円ちょっとで買えます。なんらかの鍋パーティなどを催すときにこやつを投入すればとりあえずインスタ映えはばっちり。