釣具店のリアル店舗だけでなく、メルカリやヤフオクなどのネットでも中古釣り具の流通がさらに多くなり、気軽に購入できるようになってきています。
たとえばロッドと呼ばれる釣り竿も人気アイテムの一つ。一方釣り竿は繊細な道具でもあるので、買った後に破損して後悔することもあります。今回は釣り竿を中古で購入する際におさえておきたい〇つのチェックポイントを解説します。
1.ブランク全体の傷と程度のチェック
ブランクとは釣り竿本体を指します。多くがカーボンやグラス製ですが、中古品の場合、このブランクに傷がついていることがあります。その程度は大まかに以下の通り。
- 新品同様。すりきずをふくめて傷がほぼない状態
- 表面のコーティングにすれがある状態
- 表面のコーティングに目立つ傷がある状態
- 表面のコーティングだけでなく、ブランク本体に傷がある状態
釣具店の場合には独自基準でランク付けされていて、価格は1が最も高い状態です。
4のブランク本体に傷が入ってしまっているものは、キャストやアワセ時などの破断する可能性もあるのでしっかりチェックしましょう。
3のロッド繊維の表面コーティングに目立った傷がある程度では、基本的にロッド本体の強度は変わりませんが、よく見ると限りになく3に近いような状態のロッドもあります。
特に個人売買の場合は3ではあるが限りなく4に近いものや、明らかに4という状態の場合もあります。
これはリスク許容の問題でもあります。
個人売買につきもののリスクを少なくするためには多少割高ではありますが、中古釣具店で一定評価をされたアイテムを購入するとよいでしょう。
2.ガイドの傷とスレッドのチェック
ガイドは釣り竿のラインを通すパーツです。主に富士工業製のハードガイド・SiCガイド・トルザガイドが使われています。
このガイドでは、以下の点をチェックしましょう。
- ガイドの割れの有無
- ガイドの錆汚れ
- スレッドのゆるみ
- ガイドつけかえの有無
ガイドの割れの有無
ガイド割れの有無は、特にTOPガイドとよばれる穂先のチェックが重要です。SiCガイド以上の機種であれば割れはほぼないですが、古いロッドやオフショアロッドにはハードガイドが使われていることもあります。
TOPガイドは巻き上げによってサルカンや仕掛けの衝撃により割れることもあります。割れたガイドのロッドの使用は、飛距離がでませんし、ラインが傷つくので注意です。
自分で取り換えることもできますが、価格にそういった工数面を追加して考えましょう。
ガイドの錆汚れ
ガイドは金属やカーボン等の脚でブランクに固定されています。金属製のフットの場合、錆が吹いてしまっているものもあります。一度錆が出てしまっているものは腐食が進む傾向にあり、強度面でも劣ります。
このガイドの錆汚れは、毎釣行後メンテされていればそれほど発生しない箇所です。このことから、もし錆がでてしまっているものは、あまりメンテがされていないものと判断して、その他の個所もしっかりチェックする必要がでてきます。
スレッドのゆるみやずれ
スレッドとはガイドの脚をブランクに固定している箇所です。通常糸で巻かれたあとにその上からコーティングがされています。
このスレッドにゆるみがないか、ずれがないかを確認しましょう。ゆるんだりずれたガイドがついたまましようとすると、釣行時にガイドが外れてしまったり、キャスト時のトラブルにつながります。こちらも簡単に修理可能なため、個人が修復している可能性もあります。
ガイドつけかえの有無
なんらかのトラブルにより元の持ち主が、ガイドを付け替えている場合があります。ガイドの素材が異なっていたり、よくみるとスレッド部分の色やコーティングが異なり、購入後に違和感を感じることもあります。ガイドは一つずつ、しっかり確認していきましょう。
3.穂先のチェック
気になる釣り竿の穂先をチェックしてみましょう。釣り竿の中には、穂先が折れた部分をつめて修復して使われているものもあります。
ロッドの全長に対して短くなりすぎてないか、スレッド部分などに修復の跡がないかをしっかりチェックしましょう。
穂先を詰めた釣り竿は、もともとの性能を失います。特に穂先が柔らかいモデルなどは全く別物の竿になってしまうため、もともとの用途では使い物にならないものもあります。
そういったことを理解して、あえて別の用途として購入する場合はよいですが、知らないで購入してしまうと残念ですので気をつけましょう。
4.グリップの汚れや補修の程度
グリップ部分は以下の点を確認します。
- コルクの場合コルクの補修確認
- グリップ表面のけずれ、テカリ
- リールシートがスムーズに回転するか
- リールシートにがたつきがないか
- グリップエンドがねじ式の場合はパーツがあるか
1.コルクの場合コルクの補修確認
コルクを用いたグリップは破損しやすく、補修されていることもあります。性能に関わる部分ではないですが、気になる人はチェックしましょう。補修はコルクの柄がことなっていたり、充填剤で詰められているところから判断できます。
2.グリップ表面のけずれやテカリ
かなり酷使されたり、日々清掃されていないグリップは表面にけずれがあったり手指や釣り餌由来の汚れが染みついていることもあります。
こういった汚れは消しゴムでこすることで落ちることもありますが、落ちにくいものもあります。特にテカリ系の汚れは、キャスト時等のロッドのすべりにもつながるので注意です。
3.リールシートがスムーズに回転するか
リールシートが回転式の場合は、スムーズに回転するかチェックしましょう。
4.リールシートにがたつきはないか
リールシートによってはゆるみが生じてリールがしっかり固定できない場合もあります。また、リールシートは問題なくても、自分のもっているリールではしっかり固定できないこともあります。中古釣り具店の場合は、スタッフに相談してリールの装着を試しておきましょう。
5.グリップエンドがねじ式の場合はキャップがあるか
グリップエンドのキャップがないもの
見落としがちなところですが、振り出し竿などの場合、グリップエンド(グリップの一番した)のキャップがないものもあります。パーツによってはロッドのバランサーとして機能していることもあるので、しっかり確認しましょう。
5.竿の曲がりのチェック
釣り竿は曲がりが重要です。思ったような曲がりではないと、使用時の違和感も募ります。購入前に必ず全体の曲がりをチェックしましょう。振り出し竿はすべて伸ばしてチェックします。
リアル店舗では天井に押し当てる方法と、オモリをぶら下げる方法がありますが、ラインをすべて通してオモリをぶら下げるのが最も正確に釣り竿の曲がりをチェックできる方法です。
自分でチェックするだけでなく、店舗のスタッフに依頼をして竿をまげてもらい、その曲がりをチェックするのも効果的です。
中古釣り竿は釣具店で購入したほうがよいのか、ネットがよいのか
中古釣り具を取り扱う釣具店も増えてきましたが、メルカリやヤフオクに代表されるCtoC(個人間の取引)ビジネスも盛んに利用されています。
一体どちらがよいのでしょうか。
筆者が考えるポイントは以下の通りです。
- 価格
- 品質の担保
判断は人によって異なり、絶対○○がオススメなどということは存在しません。
リスクとメリットをしっかり見極めて自分にあった購入法を選んでいきましょう。
釣り竿の価格
多くの場合、ネットでの個人間取引が、中古釣具店での購入の相場より安価です。
これは店舗の人件費や広告宣伝費が含まれないためです。
個人売買のリスクを許容でき、値段重視であればメルカリやヤフオクなどの個人間取引がよいでしょう。
釣り竿の品質担保
釣り具をネット取引で出品する人にはいろいろな考えの釣り人がいます。
モノを大切にあつかう丁寧な人もいれば、そうでない人もいるわけです。
たとえ「美品」という表現でも、人によって認識が異なるため、品質面で認識のGAPが出ることもしばしばです。こうしたギャップをなくすためには出品者の評価や取引数などをチェックする必要があります。
一方、中古釣具店では、店舗スタッフによる販売品のチェックとランク付けが行われています。
購入品は返品不可ではありますが、個人売買と異なり、デメリット部分がより明確になっていたり、実際に手に取ってチェックできる点で、品質面の認識ギャップは発生しづらく、納得感も高いと言えるでしょう。