釣りをはじめたばかりの初心者と一緒に船釣りにいくとき、船宿のレンタルロッドよりは感度がよくて軽い竿をつかってほしいと自分の船竿を貸すことがあります。
先日一緒にいった人が穂先を折ってしまったということがありました。
故意でもないのでこれは仕方なし、逆にネタにするチャンス!と思い込んで穂先を修復してみました。
今回の記事は穂先を折らないために注意したい点と折れた後に自分ができる処置について解説します。
▼TOPガイド以外がとれた場合はこちら。
船竿の穂先が折れた
船竿を人に貸す時は、「ビシの巻きすぎは特に注意してくださいねー」というようなアナウンスをしています。
船長に一番指摘されるポイントですね。
なれないうちはどうしてもがちんとTOPガイドまで巻いてしまったり。
たぶん、船釣りで穂先が折れるランキング第一位を争うのが、仕掛け巻きすぎという理由かなと。同率で1位を争うのが家での保管中や移動中に穂先が折れたという理由。
いずれにしてもつらい事象ではありますね。
今回は、一緒に行った方にしばらくして「どうですか?釣れてますか?」と声掛けをしてみたら、穂先が折れていたという状況でした。
状況から考えるに、巻きすぎて折れたというよりも、以下の2パターンかなと。
- お祭りした仕掛けを針ごと巻き込んでガイドが引っ張られて穂先が折れた
- 穂先にPEラインが絡んだ状態でビシを落としたor巻き上げた
いずれもよくあるパターンです。
船釣りに慣れてくると、リールが巻けない時点で異変を感じて巻くのをやめるという判断ができるようになるわけですが、どうしても初心者の状況ではこれが魚のアタリや単なる違和感に思われるんですよね。
自分が船釣りをやりはじめたときがそうだったなと。
ということで、きづいたらライトゲームBBType73H200の穂先が折れていたわけです。
船竿の穂先を折らないためにできる9つのこと
船竿ってルアーロッドより穂先がグラス主体で丈夫にできていることが多いなーという印象なのですが、まー折れる時は折れます。
まだ折ったことがない方も、何本も折ってしまった人も以下の点に気を付けましょう。
- 家で保管する際はものが引っかかったり人がぶつからない場所におく(特に子供や引き戸系に注意)
- 移動時は穂先ガードをつける
- 車の移動時はドアを閉めるときに干渉しないようにし、移動時も動かないようにしておく
- 竿入れ推奨。
- 船宿やボート店やマリーナではロッドから目を離さない
- サルカン部分を巻き込まない(ヤマリアのライトテンビンの赤などは見やすいですね)
- 穂先にPEラインや仕掛けが絡んだ状態で無理に落とさない&巻き上げない
- 大物がかかった場合以外もあまりロッドを立てすぎない
- 沖上がり時などにロッドを堅いコンクリートなどに立てかけない
これでバッチリです。
2ピースロッドなので先だけ購入しようとおもったものの諸事情により保証書がないという状況。
ということで、穂先をつめて補修することにしました。
竿兄弟の弟氏の手法の通りにしただけなんですがね。
船竿の穂先を詰めて補修する
こちらが折れた穂先。グラスソリッドってやつですね。
折れた後に中乗りさんのアドバイスでそのまま釣りをしていたということもあり、バット側までささくれだってしまっていました。
折れた側部分にPEラインが挟まると亀裂が深まり、スレッドで巻いた部分までどんどんバット側に広がってしまうので注意です。
穂先は特に釣り竿でも繊細な部分で、短くなればなるほど硬くなり食い込みも悪くなります。
ライターで炙るとスレッド(糸)を固定した接着剤(塗料)が焼け落ちます。
あんまり火をつけると引火してガイド側が焼けるので注意だなと。
こちらがトップガイドが取れた図。
TOP側からのグラス繊維への亀裂が2番ガイド付近まで至っていたので、2番ガイドもライターであたためて外すことに。
そのあと、カッターナイフをあててロッドをころころ転がしながら全体的に刃をすすめていき、最後の芯部分で一気に切り落とします。
この作業はさいごに思い切りよく切り落とすとよいと竿兄弟氏の記事には書いてあったのですが、カッターがさびていたからか、一刀両断に苦戦しました。
刃こぼれもするので、カッター以外の刃物は使わないほうがよいですよ。これほんと。
カッターも、細いものより、大型のほうが思い切り切断できるはず。
なんとかカット。
机の上などはかなり傷つくので、カッティングボードなどをつかうとよいでしょう。
あとはTOPガイドの穴にあわせて少しずつ鉛筆削りのようにしこしこ切断面を削っていきます。
今回やすりを使わなかったのですが、あるていど削った後はやすりをつかったほうがフィット感が良くなるはず。
正直ちょっと削りすぎた感はありながらも、接着剤の充填量でカバーすることに。どんとこい。
その後、スレッドで巻くわけですが、赤のミシン糸が家にあったのでこちらを利用。
もともと赤の穂先だったわけで全体の調和を優先することに。
ある程度テンションをかけてどんどん巻く。
このあたりで、フライタイイング用のボビンがあったことに気づきますが、まーいいってことよ。
最後にハーフヒッチを2回。要は片結びしておけばOK。
あとから接着剤で固定するのであまり細かくやる必要はないと思います。
瞬間接着剤で全体をコーティングして乾燥させてフィニッシュ。
遠目からはわからんだろう仕上がり。
が、いかんせん、穂先が太い気はします。
でも、船宿のレンタルロッドの3分の1ぐらいの穂先なので、感度はかっていることでしょう。
穂先を修理した船竿を実際につかってみた感想
自分で使う以外に、人につかってもらいその様子を隣で見ていたわけです。
この日は外国人メンバー6人ぐらいと本牧ふ頭界隈でのアジ釣りだったのですが、やはりもともとより穂先のまがりが硬く、あたりが取りにくいのと、明らかにアタリがでていてから食い込みをはじいている感があったなーと。
それでもはじめての人が20尾ぐらいはアジは釣っていたので御の字でした。
個人的にアジ釣りでは感度が悪くなるのでゴムクッションをつかわないのですが、穂先の食い込みが硬くなった分は、細めのゴムクッションでカバーしたほうがよさそうだなと思った次第です。
あとはライト五目などでウィリーを勢いよくシャクル分には問題なさそうな使い心地だなーと感じました。
穂先が折れた船竿が家に転がっている人はぜひためしてみてください。
もともとの用途とは変わるかもしれませんが、やっぱり竿って、いろんな魚を釣った思い出だったり、慣れ親しんだ愛みたいなもんがあるわけで、これからも末永く穂先をメンテしながら使っていきたいと思った次第です。
ではでは。
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テンビン類は柄側が見やすいものがやはり巻きすぎ防止につながってよいですね。電動リールやカウンター付きリールも巻き上げ時にアラート音がなるのでオススメです。