こんにちは、木田です。今回は苦手だった船釣りのマゴチの呪いがとけたのでそんな話をしようと思います。
コンプレックス釣魚とは。私の場合はマゴチだった
沖上がり寸前に痛恨のマゴチバラシをくらった釣り人の図@一之瀬丸
釣り人だれでも「コンプレックス魚」って持っていると思うんですね。木田総研のリサーチでは、
- 釣りたい、けど何度挑んでも釣れない
- 周りがガンガン釣れてるのに自分だけ釣れない
- 船に持ち込んだタックルが間違ってたり、変な釣り方しちゃって超恥ずかしい
などが、コンプレックス魚というものをつくり出すという分析結果です。
コンプレックス魚はまるで悪女のように釣り人を誘います。
私と遊びましょ。でも、ちゃんとしてくれないとボウズかもよ。でも、私と遊びましょ、私、おいしいのよ・・・
行きたい、でもボウズかも、行くからには釣りたい、やっぱりボウズかも・・・
これがコンプレックス魚の魅力と恐怖です。
で、私にとっては、マゴチがまさにこのコンプレックス魚でした。
もちろん、各船宿のマゴチ船の釣果を見ても、もともと簡単に釣れる魚ではないと思います。
深川吉野屋さんの
ちょっと脱線しますが、今回お世話になった深川吉野屋さんのマゴチ船の釣果をグラフにしてみました。2019年春シーズンのデータです。
最多釣果にばらつきはありますが、最少釣果には0が連続して並びます。17回のうち船中ボウズがなかったのは1日のみ。ここからは、マゴチが「ボウズ上等」な魚種であることが分かります。
加えて私の場合、以下の釣り遍歴があるのでどうも「釣れない」と「やっちまった感」がないまぜになっています。
4月某日、深川吉野屋さんから出船
4月某日深川吉野屋さんからマゴチにいってきました。
人気の魚種なんでしょうね、片側10人くらい、総勢20人は乗っていたと思います。
見たところエサ釣りオンリーが6割、ルアーオンリーが2割、両方やる人が1割程度。私はエサ釣りオンリーです。
ちなみにマゴチを釣る餌は季節によって変動します。
マハゼがまだ大きくなっていない時期のエサは『サイマキ』と呼ばれる車海老の子供です。乗船料に5匹だけ含まれていて、不足したら船中で現金精算で購入する(一匹100円がほとんど)という仕組み。
サイマキ。食べてもおいしい。
マゴチ釣りは、広義でいう『泳がせ釣り』です。
生き餌(今回はサイマキ)に針をかけ、マゴチを釣るという釣り方です。マゴチは眼がそれほど利く魚ではないのですが、餌の動きは重要のようで、餌のサイマキも元気なら元気なほど望ましいのです。
一方、以前の釣行をふりかえると、サイマキが早めに弱ってしまったこともありました。
- するとマゴチに対してアピールが弱くなる
- もしくは、弱っているから釣れないんじゃないかという心の戦いに支障をきたす
この課題がありましたので、今回は泳が得釣り用秘密兵器を導入です。
エアポンプ!
これでサイマキの皆さんに新鮮な酸素を供給し、海中でのパフォーマンスアップを期待します。
あくまで体感ですが、今回の釣行ではもともと元気なサイマキが多かったのに加え、エアポンプ効果もあり、サイマキたちは元気だったと思います
サイマキは買うとお金かかるので、無駄遣いはしちゃけない。そういう気持ちが強く働く釣りではあるのですが、つけ方を失敗して早めに弱らせてしまったり、死んでしまったサイマキは思い切って交換した方がよい釣果が得られると思います。
弱ったり、死んだりしてしまったサイマキは持って帰ればおいしくいただけますので、「これは夕飯用」と思うと上手に気持ちを割り切れると思います
あとは、すばやくキャッシュが出せるよう、最大でも2,000円くらいの小銭をポケットに入れておくとよいです。
一度に大量にサイマキを買うと、結局使わず余らせたり手元の桶での酸欠リスクが高まるので、5匹単位で買うのが良いと思います。ちなみに、私は最初の5匹に加え、船中で8匹購入し合計13匹での戦いとなりました。
※フグやシリヤケイカ&コウイカが元気なシーズンは、かなりの確率でマゴチよりもさきにサイマキが攻撃されて大破します。するとサイマキの合計匹数も15から20匹になることも。20匹だと、初回配分+15匹=1,500円。いいお値段ですね。
前半戦釣れず。焦りが出るがなんとか冷静をキープ
左舷胴の間(船の中間部分)の釣り座を確保、出港してから約1時間後釣り場に着きます。
左舷で、ポツポツと釣り上げた人がではじめました。
流し変え(3~10分ほど船を走らせて釣り場を変えること)もすでに2回程度ありましたが、まだあたりがゼロです。この時点で午前10時。前、中、後半と分けるとすると前半戦は終了という時間帯。
こうなると、少々焦りが出てきますが、ここで焦ってはいけません。
このときは餌を取られたり、エサに傷がついていない状態。
これは「アタリが分からなかった」ということではないです。ましてやアタリがあったのにバラしてしまった。という状態でもないです。
ということは、できることは限られていますね。
- サイマキが海底で元気でいるように餌を丁寧に針に着ける
- サイマキが、ちゃんと海底を這ってくれるようにこまめに棚を取り直す
この2つに集中しました。サイマキを沈める前にちゃんと、海中(水面から10~30cmくらいのところ)で足をパタパタ動かしているか確認します。弱っていれば早めに交換します。
また、以下の操作を30秒ごとに行いました。
- クラッチを切って仕掛けを沈める
- 着底したら糸ふけをとりながら、竿先を海面スレスレに持ってゆく
- クラッチ入れる
- 竿先を水平まで戻す
- (一定時間経過してアタリがなかったら)竿先を水面スレスレに持ってゆく
- 穂先が水面に近づく前にオモリが着底したら2に戻る、穂先が水面スレスレでもオモリが着底しなかったら1に戻る)
海面から竿を水平にしたところまでの距離が1.2mくらいだとします。
すると、この操作でオモリが海底から1.2mくらいにある状態であり、仕掛けの長さが1.5mなので、ほぼサイマキが海底にいる状態を作り出せます。
実際は、波の高さによる船の上下の揺れによって異なるのですが、船でのマゴチ釣りの基本はこの動きです。
サイマキが海底から離れてしまえばマゴチに見つけてもらえません。また、オモリが海底に近すぎてオモリ下のラインのたるみが大きければマゴチのアタリを感じられないので、とても大事な操作です。
サイマキが海中にいる間に釣り人にできることはこれだけです。むりに、アクションをつけると逆効果と言われています。
ということで、今自分にできることはこれだけ。
そう思って集中することで焦らず冷静さをキープできました。
中盤戦に最初のマゴチをゲット
お昼前でしょうか、待望の最初のアタリがありました。
クーン、クーン、クーン。
周期的に穂先が下がります。
だんだんその動きが大きくなっていきます。
お、食べてる食べてる!
安心して最後の「カブリ」をしてもらうべく竿を20cmほどゆっくりとゆっくりと送ります。
その数秒後、、、
・・・
今だ!硬いマゴチの顎に針を貫通させるイメージで鋭い合わせ。
風切り音とPEラインの水切り音が合わさり、「シュ!」っと「キン!」を足して二で割った音がたって竿がしなります。
ズシっ
マゴチが無事かかった合図です。
その後に、船長がタモを持って駆けつけてくれます。無事にタモにイン!
やった!
こちらがそのマゴチ氏。これ以上ない、理想の場所に針がフッキングしていると思います。
このあと2匹を追加でゲットし、合計3匹の釣果でした。
ふりかえると、この1匹目を完璧にフッキングできたことで、私のマゴチの呪いは無事に解けたのでした。
贅沢をいえば、さらに2匹はアタリがあったのにバラしたので、最大5匹までは釣果を伸ばせたな・・・とは思います。
3匹の大きさは、47cmが2匹、それより少し小さいのが1匹です。
マゴチの1匹はお刺身とパエリアの具に。残りは熟成へ・・・
マゴチは白身で熟成させると美味しいといわれている魚です。
2匹分はリードキッチンペーパーとラップにくるんで冷蔵庫で熟成。最初の一匹はお刺身とパエリアの具になりました。
マゴチのお刺身(薄造り)お皿の左側に盛っているのは、マゴチの皮の湯引きです。
パエリア。鶏肉とかぶってしまってどれがどれかイマイチわかりませんが、マゴチ入りです。エビは・・・はい、餌のサイマキです。このように、サイマキは意外と重宝するのです。
長い記事におつきあい頂き、ありがとうございました。またお会いしましょう。
ハッピーフィッシング!
タックル等
- 竿:DAIWA ライトゲーム X 73 M-190
- リール:DAIWA ライトゲーム X ICV
- PE : 1.5号
寄稿者
木田 和廣
オフでは水泳と釣り。オンではGoogle アナリティクスによるWeb解析コンサルタント、Tableauによるビジュアルデータ分析コンサルタントをしています。Web解析に関する本も書いてますよ。
お世話になった船宿
ORETSURIフィールドレポーターについて
- 日本全国のフィールドレポータ―をチェックしてみよう!
- ORETSURI フィールドレポーターの寄稿記事一覧はこちら!
- フィールドレポーターへの応募はこちら!