マゴチの身は揚げると鶏肉によく似ています。今回はマゴチを揚げて、酸味が効いた香味ソースをかける油淋鶏のように料理して食べてみました。誰でも簡単に作れるのでおすすめ!
料理がまずくなるか、うまくなるかは作る前にわかる
ORETSURIというサイトは庶民派と評判でして、あんまり「超高級食材で○○をつくるぜ!」みたいなのはでてこないんです。
が、ある特徴があります。
誰でも釣れる食材を実際に釣って、とことん料理して「ストーリー」として紹介していくという点です。超絶レアな魚ではないものの、ちょっと頑張ればあなたにも釣れるおいしい魚。その辺で獲れる蟹や貝類などなど。
要はポピュラーな魚介類をどうやって釣ろうか、釣れたら、美味しく料理して食べようか。食べてみた。旨かった。ほくほく。という連続なんですね。たまにちょい珍しい獲物もあるけども。
で、この中にまずかったというのはあんまりないんです。
なぜか。
食や料理の経験を積むと、頭の中で計算ができるので、だいたい「まずいだろうな」というのは食べる前にわかるんです。それと「うまいだろうな」というのも食べる前にわかります。いや料理する前からわかる。
なので、結果的に記事になっている料理はだいたい旨い。そのなかで、超絶旨いのが登場してくる。
しかもORETSURIレシピは分量が雑でも旨い。これは誰がつくってもまーそこそこ旨いということなんです。
料理レシピサイトのように細かい調味料の分量や火加減などは書いてないものの、そのあたりは各人がだいたいやればうまくできる。それがORETSURI的な料理です。
そういったことを日々発信しています。
それを見た読者のみなさんが、
「この釣りやってみたい」
「お、これ旨そうだな作ってみよか」
「これを作るために釣りにいこうず」
「この料理食べるために一緒に釣りにいこうよそうしようよ(記事を友人にシェア)」
みたいにおもって自分の行動範囲を広げることにつながればいいなと思っていたりします。
行動につながるということは、想い出が増えるということです。想い出が増えると誰かに熱く語ることも増える。自分のストーリーを語れるってことっすね。
これは、単に情報をまとめたサイトでは実現できないことです。
・・・
ちょっと真面目な話をしました。
最近はマゴチ釣りが多かったもんで、かなり多くのマゴチ料理を作ってきました。
いやね、マゴチだと刺身とかしゃぶしゃぶが一番うまいんですよ。それはわかっている。
ポン酢にもみじおろしと万能ねぎをかましてね。あれが一番うまい。が、それだけだと、どうも単調で飽きる。そこにすこしの探求心がブーストしてあたらしい料理が生まれていくんです。
ということで今回は、「油淋真鯒(ユーリンマゴチー)」という料理の紹介です。メモの用意はよろしいか?
マゴチは11日間寝かしておいた
こちらは船釣りで釣ったマゴチ。50cmはないサイズ。
こちらをミイラ状態にして熟成させ、数日目にサクにしてそこから冷蔵庫に封印しておいたら、あっという間に11日たっていたわけです。
こちらが11日目のマゴチのサク。臭みなく、水分もちょうどよく抜けている状態。
こちらをやや大き目にカットする。
そんでもって片栗粉をまぶす。
と、おもったら片栗粉がないという次第。おい、責任者を呼べ。
あ、はい。わたしです。ということで、小麦粉で代替。
やっぱり片栗粉がいいと思いますよ。
油淋ソースなんて誰でも作れる。猿でも?いやそれは無理だわ
あらかじめ「油淋ソース」をつくっておきましょう。
「油淋鶏」につかうソースだから、ユーリンソースとしているんですが、実際はどうなんだろう。
材料は以下の通りです。
<材料>
- 鎮江香醋
- 米酢
- 砂糖
- みりん
- 長ネギ
- 生姜
- にんにく
- ごま油
- ねぎ油
- かどやごまラー油
- フライドエシャレット(揚げネギ)
ネギ・生姜・にんにくはみじん切りにして加えます。
全体的に砂糖を多めにしてやや甘さを強くした方がうまく感じるはず。酢はノーマル醸造酢でも大丈夫。風味の奥行きをつけるために、ネギ油と揚げネギを入れてますがいれなくてもOK。
コクがさらにほしい人はオイスターソースかナンプラーを加えるとよいでしょう。味の素でもOK。
野菜も揚げれば尊し
マゴチだけ揚げるのも油がもったいないということで、野菜も揚げることに。
今回は米ナスとピーマンをチョイス。
米ナス。身が厚い頼れるやつ。
一口サイズにして揚げます。
揚げた後にあまったらジップロックにいれて冷凍し、冷やしぶっかけうどんにいれると適度に油の旨みが加わってうまい。オススメ。ナスは油をよく吸うので、油の廃棄も減らせるような気も。
もう一気に全量揚げてしまう。油の温度が下がり過ぎないように、火加減は強火でGO。
やや焦げ目がついたらOK
ピーマンはほんの少し揚げるだけでOk。
マゴチは表面がきつね色になるまで揚げます。
※ちなみに「油淋」という調味法は「油かけてびしょぬれにする」というもの。鶏の場合、下茹でしたものの水分をぬぐって油をくぐらせパリッと仕上げる。ま、素人はふっつーに揚げればいいんですよ。
油淋真鯒(ユーリンマゴチー)を仕上げよう
こちらが各素材が揚がった状態。
このまま塩をつけても美味しい。とくにナス。
まだマゴチが熱い状態でユーリンソースをかけると、じゅっ!と言います。
ソースをかけたあとは衣が柔くなるのですぐに食べましょう。
UPで見せたろか?
鶏肉としか思えない。
が、これはマゴチの唐揚げです。
ナスもやっぱり揚げてよかったー。
ピーマンは熱がすぐに入るので早くあげたものの、予熱でさらに火が通ったという具合。
では、味は・・・
モグモグ。
これは!
めっさ旨い。
事前に予測して白飯をてんこ盛りにしていたものの、このユーリンマゴチーとの相性は絶妙で、バホバホ吸い込まれていく状態。
勢いあまって白メシをお代わりっすよ。
揚げものって胃がもたれがちながらも、酢と香味野菜の力でさっぱりして食後も持たれない。
これからの夏場は夏バテで食欲がなくなるもんですが、こういうパンチが効いた味ならばよさそうですね。ぜひためしてほしい。
おまけ:マゴチとトマトの中華スープ
おまけです。
マゴチのアラとトマトで中華スープをつくってみました。
こちらはマゴチのアラ。ハラスと中骨と頭部。よくみるとハラスに胆嚢由来の黄色い部位があるんですが、やっぱり炊いても苦いので、包丁で取り除いておきましょう。
写真がぼけましたが、事前に熱湯をかけて臭みを抜いたマゴチのアラを、以下の材料と炊きます。
- つぶしたにんにく
- 生姜スライス
- 長ネギの青いところ
- 日本酒
- みりん
- 塩ひとつまみ
炊き方は沸騰させなければ透明な清湯に。がつがつ家系スープのように強火で炊きだすと白湯になるのですが好みで。
今回は清湯でつくったんですが、マゴチの皮をスープでしゃぶしゃぶしたら結果的に白湯になりました。
最後に卵をいれたのも濁った原因
炊けたタイミングで中華出汁少々とネギ油を少量加えて、トマトをいれる。
あとは1分ほど軽く火を通したら出来上がりです。
薬味は万能ねぎよりは長ネギが合う。
味は・・・
さっと湯通ししたトマトから、まろやかな甘みと酸味が出ていて単にマゴチを炊いたスープより丸みが出ている印象。好みで香醋をたらしたりラー油をたらしたり。
塩分をひかえめにしたので、味が濃いユーリンマゴチーとの相性もバッチリ。
あなたも「アラを捨てない派」になってみては?
ではでは。
平田(@tsuyoshi_hirata)
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▼オピネルのフィレナイフはちょっとした料理に便利。ナスなどはまな板を使わなくてもサクサク切れます
▼かどやのごまラー油が凄旨なのでとにかくつかってみてほしい。チキンラーメンとかシーフードヌードルにかけても絶妙