マハゼじゃない?「ウロハゼの洗い」を食べてみた話

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ウロハゼの洗い
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※後述しますが、淡水・汽水域の魚は異形吸虫が寄生している可能性があります。生食は自己責任でどうぞ。

「ウロハゼ」と聞いて、あーあの魚ね。と、すぐにわかる人は釣りレベル25以上あるんじゃないでしょうかね。じゃあお前はレベルいくつかって?

ちょっと落ち着いてください。

ウロハゼは主に汽水域で釣れる魚なんです。マハゼとよく似ているので混同されていたり、個体数が少ないということもあって、意外と知られていません。

ウロハゼ

ウロハゼはマハゼよりごっつい

ハゼ(マハゼ)釣りでは、年をまたいで成長している個体を「ヒネハゼ」等と呼びます。夏の7月、8月にまだそんなに大きなマハゼが釣れるはずないのに、マハゼ3匹分ぐらいのトルクを感じさせてくれるのがこのウロハゼ。

持ち帰ると骨が固めながらも、マハゼ同様天ぷらにして美味しい魚です。

今回は先日たも網で捕獲したウロハゼを「洗い」にして食べてみます。

目次

ウロハゼは活かして持ち帰る

こちら持ち帰ったウロハゼ。

水道水でもしばらく生きていました。だいたい汽水域の魚は強いんですよ。海か淡水かを確定させず、状況によって淡水にも海水にも対応できる種類が集まっています。

ウロハゼは釣りあげると一瞬「カワアナゴ」にも見えるんですが、カワアナゴよりは茶色っぽいです。よりマハゼに近い姿形。

サイズは22cm程度。

海釣りをしているとこの数字を聞いても、さほど大物にはみえないんですが、ハゼ類としてはかなりでかい方です。

河口に生息している「チチブ」がゴブリンだったら、ウロハゼは「トロール」レベルです。

太さもあるので、晩秋から冬にかけて釣れるマハゼの大型個体よりはかなり大きく見えます。

鱗を丁寧にはがしてから頭部のつけねに刃をいれて、固い中骨をカットして腹側に押し曲げると、内臓がやぶれずとれます。寄生虫類は筋肉や体表にもいるのかもしれないのですが、内臓の臭みが身につくのをさけるためには、腸や胆嚢などを破らないように取り外すテクニックが必要です。

なんだか2か所、胃の内容物がありますね。

さて、ウロハゼは何を食べていたんでしょう。

クエスチョン。

・・・

・・・

・・・

・・・

正解は・・・

・・・

イソスジエビと蟹の幼体でした。

ウロハゼはおそらく夜行性で、夜になると岩の下などから外をほっつき歩き、エサの流れてきそうなところに陣取ってそっとしています。

見えずらいが、中央壁際底にはりつくようにしてじっとしているのが、ウロハゼ

底にはりついて岩などと一体化していると、同じようによる盛んに活動する蟹や海老と鉢合ってパックンチョってな具合なんでしょう。

抱卵してました。

マハゼと違って産卵期が夏なのかもしれませんね。

内臓と血合いをきれいに流した後に、まな板を変えて三枚におろしていきます。まな板を変えるのは、体表や内臓の臭みよけや、由来する寄生虫を軽減するような意味合いです。まな板が一つしかない場合は、都度洗剤で洗浄するとよいでしょう。

サクにして皮をはぐとこの通り。

きれいな白身だこと。

艶やか。

鮨種っぽいな。

これがハゼの身なんだぜっていっても誰も気づかないと思います。

サク一枚をそのまま握り寿司にしてもいいかも。塩とスダチで食べるとうまいだろうな。

見栄え的に氷は純氷買ってくればよかったな

サクは一口サイズにきりわけ、さっと氷水を通して身を締め、とりだしてキッチンペーパーなどで水分をぬぐっておきます。

あとは適当に盛りつける。

夏っぽいなと葉山で買った花火紋様の皿にもりつけたら、なんとなく高級チックにみえてきました。

UPで見せたろか?

あ、はい。こちらです。

シロギスの刺身にも近い色艶。

わさび醤油とポン酢で食べてみました。

味は・・・

ほのかに甘くて、癖もなく、すっとしみいる、さやかな味わい。

氷水で洗うことによって身がしまってシャキッとしてますね。

「洗い」という技法は持ち帰りが手間なのであまりやらないんですが、夏のマゴチやスズキあたりも当日にやってみてもよいかもなー。

梅雨も終わって、夏のはじまりを感じる。

なんとも、乙な「洗い」だったなと。

22cmはウロハゼでも大き目だと思うんですが、身が少ないのがたまに瑕かもしれません

マハゼのほうがたくさん釣れるので、もしハゼの刺身をどうしても食べたくなったら10月以降に大型になったハゼを釣ってくればいいと思うんですが、7月8月あたりの盛夏には出会えないという。

そんなときにウロハゼであれば爽やかな夏の味わいを楽しめることでしょう。

ウロハゼには寄生虫「異形吸虫」が寄生している(かも)と知っておく

寄生虫が生息していない魚など、どこにもいないのですが、そのなかでも悪さをする種類がいます。

淡水や汽水域に生息するハゼ類・ボラ・メナダ・シマイサキあたりは「異形吸虫」と呼ばれる寄生虫が寄生しているかもしれません。厳密にいえば、淡水・汽水域の魚はなにかしら同じような寄生虫がいるとは思うんです。

じゃあ、「異形吸虫」は体内に入るとどういった悪影響があるのかというと、食べたときにこの「異形吸虫」の個体数が多いと小腸で腸内消化物から栄養を吸い取りつつ、下痢などの原因になるようです。細胞をつきやぶって体内に侵入&移動などではないとのこと。

シラウオや鮎に寄生しているとされる「横川吸虫」同様、淡水魚を生食する人は比較的ハイクラスのグルメな人が多いようです。それで症状もでないで、ふつーに生きて死んでいく人も多いということなんでしょう。

鮎のせごしとか刺身とか、シラウオがすきとか、踊り食い系が好きとか、料亭で食事をすることが多いというようなグルメ志向の人ほど寄生虫がいるようで。

たしかに、毎日カップヌードルとかボンカレーとか松屋とかを愛するような生活ではどう考えても寄生虫が身につかないわけです。あ、それはわたしなんですが、こうやってウロハゼの洗いなどを食べているから一定の寄生虫とは共生しているかもですね。

「異形吸虫」類は調べてみても、基本的には深刻な事態になることは少なそうです。

▼と、おもったら、小腸内で生み出された卵が臓器に入るとよろしくないという情報もあるようです。

産み出された虫卵がリ ンパ流、血流にのり臓器に入って栓塞を起こす場合 もある。特に心筋や心臓弁膜が栓塞した場合は、心 臓の異常を引き起こす。

出典:中央水研ニュース

いずれにせよ、採取地・寄生虫の量・体質・体調などによってお腹が下ったりしてしまう人もでてくるわけですので、ハゼの刺身を食べる際は自己責任でどうぞ。

筆者は今のところ大丈夫のようです。

ではでは。

平田(@tsuyoshi_hirata

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