こんにちは、木田です。
11月某日、木更津はセントラルさんでボートをレンタルし、安全講習(後述)の後、初めて船長としてボートフィッシングに行ってきました。
緊張しながらも、大きな学びがあったように感じたのでレポートしてみます。
マリーナごとに異なる「安全講習」とは?
2019年8月に2級小型船舶免許の講習を受け、合格。免許証を受けたのが9月2日です。
免許が来たので、「さぁ、釣りに」と思ったのですが、実は加入した会員制のボートレンタル組織「シースタイル」では、マリーナを最初に利用する際、マリーナが規定する安全講習を受けることが必要なのです。
すでに最寄りの勝どきマリーナでの安全講習は受けており、私は勝どきマリーナからはいつでもレンタルできるのですが、安全講習はマリーナごとに受ける必要があります。
安全講習の費用や所要時間はマリーナによって異なりますが、マリーナの周りに大型船が通る航路があったり、海苔を養殖してある棚など入ってはいけないエリアがあったり、外国船籍の船が停留するので、地元の決まりでそれらには近づいてはいけなかったりと、いわゆるローカルルールが多い場合には、比較的長い時間(それでも最長1時間くらい?)かかる模様。
面倒に思えるかもしれませんが、やはりその地域での安全な操船、トラブルを回避する操船のために重要な情報を得られますので、とてもよい学習の機会でもあるのです。
今回の木更津セントラルでは、インストラクターと釣友下衆大将同乗のもと、以下のような実地講習を受けました。
- 離岸/接岸の訓練
- 近辺の目標物の確認
- 周辺の立ち入り禁止ゾーンの確認
- 航路を横断するときの注意
- 魚群探知機の見方
- 帰港時に連絡を入れるべき場所
二人だったので大体1.5時間程度ので終了しましたが、だいたい1時ぐらいで終わるようです。
自分で釣り場を選べる
安全講習の後、インストラクターは下船。
我らアラフィフ三銃士の一角青山さんが乗船し、私が船長で操船する初のボートフィッシングに出航しました。
今回の狙いの魚はジギングによるイナダです。セントラルのインストラクターの方が釣り人であったため、「イナダを釣りたいが、ポイントはどこか?」という質問に対しても、的確にお返事を頂けました。
イナダはこの時期湾奥での回遊が多いようで、まだ木更津にまで大量には南下していないが、釣れるとしたら、浦賀水道の東側、マリーナからはかなり南に下った”ケバチ根”あたり。という情報を頂きましたので、そこに向かいます。
これまで慣れ親しんだ遊漁船での釣行は「どこで釣るか?」は完全に遊漁船の船長次第な訳です。それを疑ったこともなかったのですが、自分で「ど
こで釣るか?」を選べるのは衝撃的でした。
素直に教えてもらったポイントに行くもよし、魚探の反応を見ながら、途中で良さそうな場所があったら、ためらわずにそこで釣ることも自由です。
海は広いし、釣りってこんなに自由なんだ!
一方、海には道がなく、どこでも通れてしまいます。
どこでも通れてしまう一方、浅瀬、海苔棚、定置網など安全上・規定上通ってはいけない場所や、航路を横断するときは直角に通ること。のようなルールもあります。
船にはGPSが装備されているものの、海上には目印となる目標物が少ないため、車のカーナビのように自分のいる位置や、向かっている方向、不適切な場所を通っていないかが明確に分かるものではなく、結構心配な気持ちになります。
その点、今回の釣行では下衆大将が横につきっきりで、スマホのアプリを見ながら、この進路で良い。ということを教えてくれたのは本当に心強かったです。
これから船舶免許を取得する方は釣りを一緒にいくであろう友達と2人で取得するのも良いかもしれません。
初めての魚探
レンタルしたボートは「YAMAHA F.A.S.T23(全長23フィート=7m、定員8名)」。
このボートには魚群探知機がついています。いつも利用している遊漁船にも装備されているのは知っていましたが、画面をまじまじと見たことはありません。自分で魚探を見て魚の有無や棚を判断するのは初めてです。
GPSとの画面切り替え、魚探の周波数切り替え、ゲイン(出力)の上げ下げなど安全講習の際にインストラクターの方に10分ほど教えては貰いましたが、自分だけで利用するのは初めて。
魚探がどのようなものか、興味ある方もいると思うので、少し書きますと・・・
1. 魚探が示すのは船の真下の情報だけ。
2. 海底を探る超音波の周波数は50kHzと200kHzの2種類で切り替えが可能。
3. 50kHzは広く、深く探れる。ただし、解像度は低い。200kHzは浅く、狭く、ただし詳細に(解像度高く)探れる
4. 魚探のスクリーンが左にスクロールしていくのは、過去の記録を残しているだけ。方向を示すものではない。
5. 魚のいる棚(水深)はほぼ完璧に、魚の大きさはある程度分かる
などを学びました。この魚探の画面は結構見飽きないです。魚を検知するとアラーム音を鳴らす設定をしましたので、アラーム音が鳴ると、ジグをキャストするロッドにも力が入ります。
さて、初船長での釣果の半分は・・・
という訳で初めてのボート操船、初めての魚探利用での釣行。
釣果は?というと、記念すべき初めて釣れた魚はシロサバフグ(貴殿でしたか。お引取りください)。
終わってみれば私はボウズ。下衆大将は25cmくらいのホウボウ(貴殿でしたか。食べられるからキープ)、青山さんはスレで掛けた25cmくらいの真鯛1匹(貴殿でしたか。これは嬉しい)。という釣果で終了。
同行者には申し訳ないですが、船長の釣り場選び、操船技術の未熟さが釣果に影響しているのは間違いありません。
ということは、逆に釣れた場合も、その釣果の貢献は船長にもあるのかな?
「アジを50匹釣りました!」
「キスを100匹釣りました!」
というような釣果報告がウェブにはたくさんあり、誇らしげな釣り人がいます。
まったくもって問題ないのですが、実際はその釣果の半分は船長のおかげかもねー。と、今では思います。プロの船長をリスペクトしながら、今後「釣れる操船」「釣らせる船長」を目指します。
釣りの楽しみが一つ増えた
私の釣りの楽しみは幅広く、ORETSURIのFacebookページへのレビューとして以下を投稿したことがありました。
もともと乗合船の沖釣りメインなわけですが、それに加えて、今では、
1. 自分で操船すること
2. 良さそうなポイントを見つけること
3. 魚探で海中の地形や、その地形での魚の動きを想像すること
などが加わりました。また、さらに、とても大きな釣りの楽しみとして
同行者に釣ってもらうこと
も、加わったのです。
楽しみが広がるというのはいいもんですね。
釣り船とレンタルボートの経済性比較
初操船でハラハラしながらも、無事釣行は終了。
操船に神経を使いましたので、ボウズという貧果はそれほど悔しくもなく、むしろ学びが一杯で充実した釣行でした。
このように、学びがあり、釣りの楽しみを広げてくれるボートフィッシング。
これから免許取得を考えるORETSURI読者の方の参考までに、費用を遊漁船利用と比べてみました。
遊漁船が朝7時に出港し、午後3時に帰港すると8時間。費用は(もちろん、船宿、釣り物によって異なります)おおよそ10,000円。また、この費用は固定的で、遠くまで行って燃料をたくさん使ったから増額・・・ということはありません。
一方、今回の釣行はというと、ボートのレンタル費用が、午前9時から午後4時までの7時間で13,500円(もちろん、レンタルするボートによって変わります。)、プラスしてガソリンを37リッターほど消費したので、その部分の実費精算が約7,000円。合計20,000円強。2人の利用でほぼ船宿利用と同額、3人利用で初めてボートフィッシングの方が安くなる。という計算です。
ヤマハ「シースタイル」への入会金が初年度のみ税込み22,000円、月会費が税込み3,300円。この点を考えると、毎度3、4人での釣行であればボートフィッシングの方が経済的といえるかもしれません。釣果をいれなければですが。
最後に「海釣図V」というアプリで記録した今回の釣行の航路を載せて本レポートを終わります。
こうして自分が操船した道筋をたどるのも感慨深いものです。
それでは皆さん、ハッピーフィッシング!!
寄稿者
木田 和廣
オフでは水泳と釣り。オンではGoogle アナリティクスによるWeb解析コンサルタント、Tableauによるビジュアルデータ分析コンサルタントをしています。Web解析に関する本も書いてますよ。