『PRIDE Fish(プライドフィッシュ)』という企画をご存知でしょうか?
『PRIDE Fish』は、一定の審査基準にそって各県JFグループ(日本全国の漁協に所属している漁師9が選んだ一品を紹介しているWEBサイトです。
地元や旅行先でうまい魚を食べたいと思ったらこのサイトをチェックすれば気づきもきっとありますよ。釣り人のみなさんはこの旬の魚を目的に釣りをするのも面白いですね。
プライドフィッシュの選定基準
以下の選定基準でこのプライドフィッシュというものが各県ごとに選ばれているようですね。都道府県別に、春夏秋冬それぞれの魚介類が取り上げられています。
下記条件を満たした魚が、プライドフィッシュとして登録されます。
魚だけでなく、海藻や貝類を含む魚介類全般が対象で、水揚げ量や金額の大小にはこだわりません。すでにブランド魚としてメジャーな魚だけでなく、まだ全国的に注目されていない地元ならではの魚や、養殖魚も含みます。
- 本当においしい漁師自慢の魚であること
- 地元で水揚げされたものであること
- 旬を明確にした魚であること
- 各会員が独自に設けている基準(サイズ、水揚げ海域等)をクリアしている魚であること
神奈川県のプライドフィッシュ
豊かな「相模湾」の恩恵を受ける、神奈川県の漁業。相模湾は、日本でも有数の海洋生物の宝庫として知られ、魚類1300種、カニ類350種、貝類1100余種が生息しています。みなさんにお届けする「有用種」の魚は170種類。イカタコ類、貝類、エビカニ類などを含めると230種。この相模湾、そして三浦半島周辺、東京湾の海域を含め、本県沿岸域では、年間2万トン近い魚介類、海藻類などが水揚げされ、日々の食卓を支えています。
わたしが現在住んでいる神奈川県のプライドフィッシュをチェックしてみたところ、以下の通りでした。
春
湘南しらす
春といえば湘南しらす。産地だからこそ味わえる生しらすをはじめとして、様々な加工品も出ていますね。個人的には沖漬けにした生しらすを炊き立ての白飯にのっけて青じそと万能ねぎと柚子の皮をちらしたものをかき込むのが一番旨い気がしています。よだれがでてきました。
旬の4~6月以外にも食べられますが、1月~3月は相模湾ではしらすが禁漁のようで、生しらすを食べるのならばその時期は外していきましょう。港で浜からあがったばかりのものを買うのが一番新鮮でスーパーで買うものとは透明度や身の輝きが全く異なりますよ。
小田原のアジ
アジと言えば東京湾側の居つきの黄金アジが有名ですが、小田原のアジがピックアップされていました。小田原沖の根に居ついているマアジのようで、これも黄金色にまるく肥ったものです。
小田原はひものも有名ですね。LTアジでたくさん釣ってアジパーティというのもおもしろそうです。なめろう、たたき、アジフライ、さんがやき、まご茶漬け、ひものと、なんでもござれですね。
夏
佐島の地ダコ
神奈川では真蛸がとれるところがたくさんありますが、ピックアップされていたのは三浦半島中西部にある佐島の地ダコでした。
三浦半島の相模湾に面した所に位置する佐島はタコの生息に適した磯根に恵まれ、黒潮による栄養豊富な海流がぶつかるため、タコの餌となるアワビやサザエなどの貝類、イセエビなどの甲殻類が多く生息します。
根と黒潮の影響で餌が豊富ということのようですね。
小柴のアナゴ
東京湾のアナゴといえば、羽田沖のアナゴが有名ですが、金沢八景小柴のアナゴがピックアップされていました。以前、野島の料理屋で地アナゴ天丼を食べたところ、おもわずうなるほどの旨さでした。
外はサクサク、中はふんわりとした天ぷらや煮アナゴ、もうたまりません。
マアナゴは、とてもデリケートな魚。漁獲する時、酸素が薄くなったり、ストレスがかかったりすると、白くまだらになって身が硬くなり、鮮度が落ちます。しかし、マアナゴの習性を活かした「アナゴ筒漁」であれば、マアナゴを傷つけず、ストレスを与えずに漁獲することが可能です。
小柴のアナゴはマアナゴで、アナゴ筒漁という漁法でとられているようです。
平塚のシイラ
シイラといえば、相模湾では夏のルアー釣りが有名ですね。平塚あたりからはたとえば浅八丸さんからシイラ狙いのルアー船が出ています。
シイラは万力といって、強力な引きがあるようですが、わたしはまだ釣ったことがないので、今度試してみようかなと思います。
秋
松輪サバ
漫画の美味しんぼでは、幻の葉山の居つきサバが出てきますが、昨今話題になりがちなのは三浦半島松輪漁港で水揚げされる松輪サバです。もとはマサバなのですが、ある魚体が、東京湾内に居ついてまるまると太るようです。
これを漁師が一本釣で釣り上げ、手をふれず丁寧に出荷したものをいいます。全国的には、『大分の関サバ』や『屋久島首折れサバ』などが有名ですね。そういえば、関サバと愛媛県の佐田岬でとれるサバ『岬サバ』はほぼ同じ海域のものなのですよ。ご存知でしたか?
この松輪サバは通常のサバの数倍の値段で取引されます。
冬
小田原のイシダイ
釣りキチ三平では、『磯の王者』という回で有名なイシダイ。
魚紳さんのかなしいエピソードも出てきますが、あの石鯛がピックアップされていました。小田原界隈の沖根に生息しているもののようです。
冬のイシダイしか食べたことがありませんが、皮目の独特の風味や脂がにじみでる白身がたまりません。
刺身、皮目を炙ったもの、焼き魚、あら汁など、イシダイだからこその野性味あふれつつ繊細なうまさがありますね。この石鯛はLT五目で狙うことができますよ。
最後に
いかがでしたでしょうか。みなさんも地元やよく行く釣り場がある都道府県のプライドフィッシュをチェックしてみるとさらに釣りが楽しくなるかもしれません。
※本文中の画像と引用文は、PRIDE Fish(プライドフィッシュ)から引用しています