ごほん。「エビメバル」という釣り物が東京湾にはありましてね。
いや、「エビメバル」という魚がいるんじゃなくて、メバルを生きたエビで狙うんです。
餌のエビは「モエビ」と呼ばれているんですが、特定のエビを指してというよりも、淡水で獲れる小型エビ類の総称なんだと思います。テナガエビの幼体なども混じっているんで。
メバルが近づくと、エビは食べられないように、びっくりしてピンピンと跳ねる!
そこでアワセず、じーっと待って、アタリが増幅して穂先が絞り込んだところでゆっくり聞き上げると、強い引きに変わるという。
25cmを超える良型メバルならば、ズンズン重い引き。地味だけど、興奮する釣りです。
メバル自体それほど大きくなくて、最大でも30cm強なのに、その引きといったら強烈なのです。
メバルの身体をみるとわかるんですが、ずんぐりむっくりしていて、かなりマッスル。あとは、回遊する魚ではないもの、潮に流されないように、ヒレがかなり発達しているんで、引きが強いんでしょう。
体感値ですが、同サイズのカサゴと比べると、メバルは1.5倍ぐらい引く気がします。同じ海域でスズキの若魚であるセイゴやフッコも釣れるんですが、同サイズであればセイゴよりもメバルの引きが強いなと。
もし、堤防から60cmぐらいのメバルが釣れたら最高に面白いんじゃ。いないけどね。
このメバルを船で狙うときは、柔らかめで長めの竿を選べば、釣趣も抜群。
ということで、今回は、東京湾のエビメバル釣行です。
※釣行タイミングは3月初旬!
らっしゃい。アタリのない「八景砂漠」へようこそ
この日は、金沢八景の一之瀬丸から「ショートメバル」という釣り物で出船。一緒にメバル釣りをする親子がいたのですが、都合が悪くなってしまい単独釣行に。
この一之瀬丸のショートメバルというのは、メバル釣りを朝から11時ぐらいまでやって、11時ぐらいからイシモチをねらって13時頃沖上がりという流れなんです。
湾奥界隈の2月メバル解禁からスタートしていて、連日渋めの釣果がUPされている状態で、3月になればすこし良くなるかなーとおもってやってきました。
一之瀬丸ではマゴチとヤリイカが人気
釣り座はこんな感じ。
「黒メバル(ショートメバル)」っていうのが、この日の船です。
思案した結果、この日は左舷大トモ(船尾)を選択。さて吉と出るか凶とでるか。まー適度に釣れればいいんですけどね。
こちらがモエビ。
よく見ると、スジエビはいないんですが、複数の淡水エビが混じっていることがわかります。
「でかめのモエビでアピールしたいぜ」と思うのはどの釣り人も同じ
手返しをよくするためには、このモエビの鈎掛けを速くするというのもすごく大切。
オススメとしては、観賞魚ネットをつかって、一度に3尾以上つかまえ、同じ工程をまとめてやるという方法。
- 網ですくう(エビを3尾以上捕まえる)
- 3尾選んで、尾羽部分をすべてハサミでカット。船べりに移動
- 3尾をそれぞれ鈎掛けしていく
このように、工程をまとめてやる方が速いです。
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そうこうして、金沢八景沖に到着。出船してから10~15分程度。
そこそこ風が吹いているので、船の上下で錘が跳ねないように調整。
こういうときは、ロッドのグリップエンドを肘や脇で固定しないほうがよいです。リールをパーミングした部分を支点に船の揺れを吸収しつつ、操作するという流れで。これトリガー部分に人差し指をかけるスタイルだとやりづらいので、おトリガー部分を漕指と薬指で挟んでやるとよいと思います。
つかれたり、さらに精度をよくしたい場合は、バット部分に右手を添えるとさらにグッド。
エビメバルの釣りでは、一か所にオモリをおとして10秒待って前アタリが出なかったら、そこに魚はいないか、いても食い気のある個体がいないと考えたほうがよいと思います。
モエビ自体はかなり魚が好きな餌なので、すぐに反応しない個体は粘ってもだいたいだめなんです。
ちゃんとした根がらみのポイントであれば、きっとメバルはいるんですよ。が、潮色もあってか食ってこない個体はほんと食ってきませんのでね。
なので、一か所で粘っていても駄目なものはだめと考えたほうが、釣果は伸びやすいといえます。
こちら、八景の赤灯界隈。
この界隈はデカメバルが出やすい根が点在しているんですが、この日は、メバル砂漠。
本命のアタリはゼロ。いやハゼ系のあたりはなんどかあったんですけどね。おそらくメバルはいるんだけど、老成した個体が多いんでしょう。警戒心が高く、食い気がない模様。
続いて、風裏にあたる追浜・夏島町あたりの岸壁際。
おー、波がなくて釣りやすい。
と、おもったら大間違いだ。
ここは捨て石が、かなりあって、超絶根がかりやすいポイント。
オモリが捨て石の間にハマると、即ゲームオーバーというのが続くのと、そもそもアタリがないので、ここは気を緩め、あえてオモリを底から浮かせて、他の釣り人の偵察にいそしむことに。
「ふはははは。戦いとは、なにも突撃だけでやるものではないのだよ」
そんな心境です。
やっぱり、オモリや仕掛けロストは増やしたくないんでね。
このポイントも西村船長は早々に見切り。
そして、移動。南本牧へ・・・。
南本牧、そこはカサゴやメバルの根魚パラダイス?
南本牧の南側岸壁のあたりは、岸壁から数十メートル(?)捨て石がガリガリとはいっていて、カサゴやメバルといった根魚の魚影が濃いポイント。
魚影が濃いのは確かなんです。
サイズを問わなければね。
根魚系の釣りでは、界隈の釣り船がこのエリアを流すので、それほど大きなサイズは釣れない気がします。
カサゴあたりは、入れ食いながらも、25cm超えるサイズは稀。たまに釣れると嬉しいんですが、メインは20cmいかないぐらい。
このサイズが多い。
じゃあ、メバルはどうなん?
っていうと、カサゴ10に対してメバル1といった具合です。きっと海底をのぞいてみれば、メバルも捨て石上に群れているんだとは思うんです。が、警戒心が低い、ちびっこカサゴから先にハリがかりするわけです。
このサイズのメバルも釣れる場所が偏っていて、ほぼ釣れない。
きっと、メバルが釣れる場所はなんらかの要因でカサゴの魚影が薄いんでしょう。だからメバルが口をつかえる。
そして、待望の「良型メバル」との出会いへ・・・
まーメバルは釣れない。
と、思っていたら、左舷ミヨシ側&胴の間でバタバタと良型メバルが釣れていたり。これは護岸際に左舷のミヨシ側から船をつけていくからなんですね。
うーむ、トモ側までは来ないか。
ここでようやく、捨て石の上に置いた仕掛けに前アタリ「ピンピン」が、本アタリ「クンクーン」に増幅。
ゆっくり竿先を聞き上げると・・・。
グングーン。
こ、これはヤバイぞ。
尺メバル、っていうか、フッコサイズのスズキ、っていうか、幻の巨大アイナメではなかろうか?
鼻息荒く焦りながら、ドラグをさらにゆるめやりとり。バットから曲がる竿。
こ、これは絶対デカイ。
ハリス1号だけど、とれるか・・・。
背後のたも網を手もとに寄せ、さらにやりとり。重い。だけど根がかりじゃない。竿が柔らかいってのはあるけど、たしかにこれは魚だ。
さらに慎重に巻く。
…スッ。
はうあ!
あーハリス切れたなこれ。
と、テンションを失ったラインを巻きとってみたところ、ハリス切れじゃなくて、ハリがフックアウトしただけの様子。
慎重にやりすぎたのかもなー。口切れだったのか。
・・・
ここで船は移動。同じような岸壁際でも、メバルがたまっているところがあるようで、また左舷ミヨシと胴の間の貸し竿の青年が良型メバルを釣っている状態。
おい、俺にも釣らせろ!
・・・
ピンピン。
クンクーン。
クンクーン
む!
きたこれ!
ゆるめのドラグで慎重にやりとり。とはいってもテンションが緩まないように、しっかり巻いてくる。
・・・
・・・
・・・
あがってきた魚は・・・
おお、デカい!
メ、メバルだ!
セルフタモ入れ成功。
うわー、メバルだー。うれしい!
うれしいから、おじさん一杯写真撮っちゃうぞー。
なんと28cm。
三種いる沿岸のメバルの中では、たぶんシロメバルだと思います。
ああ、満足の1尾。
マッスル系のメバルは本当に美しいんですよね。
このあとは、小型のメバルしか釣れず11時過ぎにイシモチ釣りへ
「イシモチ」という、わかりやすい釣り
もうね、イシモチって魚はわかりやすいんです。
この南本牧エリアの捨て石がうまっている沖の砂泥エリアで広範囲に群れて移動している状態。群れにあたれば座って寝ながらでも釣れるやさしさ。
キャストして、砂泥底をオモリでたたいて、そのまま待っていると、振動と濁りと餌に気づいたイシモチがやってきて時間差でアタリがでるわけです。
ブルブル。
ブルブルブルブル君、ってな具合に。
で、釣れる。
この南本牧あたりの釣り船はイシモチもしくはアジ船。
アジ船の周りにはコマセでアジが群がっていて、その近くだと、イシモチ狙いでもアジが釣れたりします。イシモチの胴突き仕掛けだとやや浮かせておいたほうがアジと鉢合わせしやすい気も。
渋めのメバルに対して、いつやってもイージーに釣れるイシモチの癒し。船釣り初心者にもオススメ。
UPでみると結構こわもてながら、旨い魚ですしね。
全体の釣果は?
13時頃納竿。
小型のイシモチが多かったため、メバルの大きさが引き立つ
良型メバルを筆頭に、たしかメバル4尾。カサゴとイシモチたくさんという釣果。
南本牧エリアを離れ帰船
ショートメバルでは、イシモチとカサゴで釣果が伸びるので、だいたい、1,2割がメバルの釣果。
こちらは金沢八景駅前の八景堂のラーメン。
味わい深いリーズナブルな価格設定。この店は14時30分閉店なんで、1日船だといつも締まってるんですよね。
八景駅チカのラーメン店って、みんな思っているとは思うんですが、あんまり心惹かれないんですよね。が、ここはオススメです。ちゃんとスープ作ってるなーという味です。午前船とショート系の釣り物のあとにはぜひ。チャーハンも旨そうです。
ではでは。
平田 剛士(@tsuyoshi_hirata)