海釣りの「潮回り」について。「大潮」だから釣れるというのはホント?

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海釣りで釣果にかかわる要素の一つに「潮回り」があります。

「大潮(おおしお)」は、その名の通り、一番潮の干満差が大きく、魚の活性も上がりやすいとされています。

そのため、大潮になると、どうも海が気になってならない釣り人も多いのではないでしょうか。

今回は、海釣りにかかわる「潮の種類」や「大潮はどんな魚でも釣りやすいのか?」について解説します。

目次

潮回りとそれぞれの特徴について

巨大アマダイ

上潮が、かっ飛ぶと軽い仕掛けで底物を狙いづらくなる

「潮回り」という言葉がありますが、これは潮の干満差を5つの種類にわけたものです。

  • 大潮
  • 中潮
  • 小潮
  • 長潮
  • 若潮

約2週間をかけて、これらの潮の種類が一巡します。この一巡を「ひとしお」と呼ぶこともあります。

  1. 大潮:潮の干満差が一番大きい
  2. 中潮:大潮と小潮の中間
  3. 小潮:潮の干満差が一番小さい
  4. 長潮:潮がほぼ動かない
  5. 若潮:徐々に干満差が大きくなっていく。潮が若返る
  6. 中潮:大潮と若潮の中間
  7. 大潮:(1にもどる)

※大潮を起点

よく海釣りでは、特に成長が早いマダコやスミイカなどを指して「ひとしおごとに大きくなる」というような表現をします。

それは潮回りが2週間で1周することから、「約2週間で大きくなる」意味合いなのです。

海釣りでは、潮回りのなかで、魚の活性があがるとされる「大潮」が特に注目されます。

なぜ魚の活性があがるについては諸説ありますが、潮の満ち引きによってプランクトンがよく動き、つられて捕食する上位生物の活性が上がるという説が一般的です。

ほかにも、「月の引力が生物の本能に影響を及ぼしている」という説や「月光の照度が影響を及ぼす」という説などがあります。

たとえば、潮の干満がない淡水魚でも大潮になると「食いが立つ」ということも知られています。

大潮は「どんな魚も釣りやすい」わけでもない

観音崎ポイント付近

東京湾・走水観音崎エリア。潮が速く、手漕ぎボートで大潮は困難

では、大潮に釣行すればどんな魚も釣りやすいのでしょうか?

実はそうでもありません。

たとえば、地形的な要素で潮が速く流れる場所は、大潮になるとさらに潮速がはやくなるため、釣りづらくなってしまいます。

岸からであれば、激流のように潮がながれると、仕掛けがすぐに横に流されてしまい、ほかの釣り人とオマツリして釣りにならない場所もあります。

これは、手漕ぎボートや遊漁船の釣りでも同じです。

仕掛けがながされてしまったり、コマセが勢いよく流されてしまうと、いくら魚の活性が高くてもハリがかりさせるのが難しくなるわけです。

LTアジ釣りでは大潮は釣りづらい

金沢八景 船釣り 野島沖堤赤灯付近

例えば、コマセをつかう船釣りの「アジ」を考えてみましょう。

上潮(表層付近の潮)が速くながれると、投入したコマセカゴ(ビシ)が流されてしまい、糸が立たず、釣りが難しくなります。この現象を上潮が「飛ぶ」「かっ飛ぶ」と言ったりします。

そこで、上潮対策でコマセカゴのオモリを重くするとどうなるでしょうか。

仮に重いオモリをつかって道糸が底から垂直気味に立ったとします。そのとき底潮(底の方をながれる潮)も速い場合、底上で撒いたコマセは、どんどん流されてしまうわけです。

アジはコマセを食べることを目的に集まるわけですので、潮にのって流れていくコマセをどんどん追って一か所にまとまりません。

そうなると、意気込んで釣りにきたものの、一向にアタリがでないということもあります。

中には潮をさかのぼり、コマセの拡散元であるコマセカゴ付近まで到達してハリがかりするアジもいます。とはいえ、コマセが程よく流れたり、ビシ周辺に漂う潮と比べて、あまりにも速い潮は「ビシアジ釣り」には向いていません。

ほかに人的な要因ですが、潮が速いほど底立ちがしにくくなり、オマツリが増えて釣りにならないということもあります。

特にハイシーズンの週末は釣り客も集中するため、大潮という要素が加わると実釣時間が少なくなるかもしれません

メバリングの場合

横須賀海辺つり公園

大潮は、満月と新月前後の数日間の潮回りを指します。

たとえば大潮だからといって、満月の夜にメバルを釣りにいくと、釣りづらいということが知られています。

これは夜でも明るいため、メバルがルアーやリーダー・道糸などを見切りやすいことや、釣り人の気配が気づかれやすいからです。

ほかにも、メバルが月明かりに目立ちやすくなるのを避けるために障害物に隠れるというのも理由の一つかもしれません。

海釣りには潮回り以外の要素がある

キャラメルマキアート潮

大潮に注目してきましたが、海釣りで魚が釣れる釣れないにかかわる要素は、ほかにもたくさんあります。

釣り人による要素以外では、以下の点が、釣果に大きな影響を及ぼします。

  • 潮色(澄み潮、濁り潮)
  • 赤潮、青潮
  • 水温変動(特に急に水温が下がる)
  • 降雨による水潮(塩分濃度が下がる)
  • 光量

など。

実際の釣行は、こういった自然の要素に加えて、釣り人による要素も考えていく必要があります。

まとめ

今回は、海釣りの「潮の種類」と「大潮だから釣れるわけではない」という話をしました。

釣り人はふしぎなもので、潮回りが「大潮」だと、それだけで気分が上がってしまう生き物であったりします。

よい釣りをするためには、潮回りだけではなく、様々な要因を分析したうえで釣行する。

といっても、あらゆる条件が整っていても「釣れないときは釣れない」のもまた、釣りの魅力なのかもしれません。

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