どうも平田です。
これまでタチウオを釣っては30種類以上の料理を作ってきたんですが、思い返すと、やっぱり炙り・塩焼き・天ぷら・フライ類あたりがシンプルなで旨いよなーと思ってます。
今回は、フライパンがあれば簡単にできるタチウオの韓国風塩焼きを紹介します。
テンヤタチウオ収束とはいえ、「かける」楽しさは続くんでしょう
2020年夏ごろにフィーバーしたテンヤタチウオも、だんだんとドラゴン級が落ち着いてきて、釣果は天秤が勝ることがほとんど。
あれだけテンヤを買い込んでいた人はどうなるんでしょうか。中古釣具店にテンヤが並ぶのか。
来年のことは、だれも知らないんですが、サイズ狙い以外に、「かける」釣りの楽しさということで、引き続きテンヤタチウオはファンを魅了するのでしょう。
さて、前回は小型が多い下浦沖の深場(水深160m)でやったわけですが、たまたま1本大型といってよい5本指サイズが釣れました。
こちら。5本ですね。
全体的に釣れていたのが、指2本から3本サイズで、そんななか5本サイズは唯一顔を出したという。
ふはははは。おさまるところにおさまったな。
持ち帰ったタチウオはその日のうちに内臓と血合いをとってバットで保冷。
タチウオは内臓から緩みやすく、できれば釣った当日に下処理したほうが臭みも出にくいのです。棒身にしておくと長持ち。
タチウオと韓国ドラマ
さて、このタチウオをどう料理するか。
クセがない白身だけに、いろいろな料理に利用できるのがタチウオの良さ。
最近Netflixのドラマにハマっているんですが、「スタートアップ 夢の扉」という韓国ドラマがあります。
韓国ドラマアレルギーがもともとあったんですが、梨泰院 クラス同様、恋愛だけじゃなくて、まーよくできているんです。実に面白い。
韓国独特の定番要素(妻曰く:財閥・不幸・偶然・成り上がり)があるんですが、そういうのを抜きにしても実にいいんです。
脚本、俳優の演技力、演出などなど、かなり完成度が高く。このドラマは、いわゆる起業したての「スタートアップ」状態をテーマに、繰り広げられる人間模様。
なんらかの形で会社員から独立したり、事業をやっている人には、いろいろ頷くところがあるんじゃないでしょうか。
特にITビジネスの方は共感するところが多そう。
お前はタチウオを料理するにあたって、なんでドラマにふれたのか。
実は、スタートアップのエピソード7「バーンレート」にタチウオがでてくるわけです。
タチウオは韓国語で「カルチ(갈치)」といい、韓国でもよく食べると知ってはいたんですが、このように大の男が、「わ、タチウオだ(うれしい)」みたいに喜ぶんだなと。
翻ってお前はどうだ。
ふつーに釣りあげたはいいけども、「あータチウオあるよねー」ぐらいにしか思わなくなってしまっていますね。よくない。
これは釣り人だとよくわかるはず。旨いは旨いんだけど。
もっとありがたさを感じなければならんよ。俺。
▼以前は、カルチチョリム(タチウオの韓国風煮つけ)を紹介してました。
と、この「タチウオが最近高い」とヒロインが言っているシーンで、タチウオが見えますね。
なんだか、塩焼きっぽいな。
以上出典:ネットフリックス
ほーん、ノーマル塩焼きですね。コチュジャン煮込みとかじゃなくて。
不思議なもんで、毎年たくさん釣って食べ飽きている感のあるタチウオでも、こうして登場人物全員が、ワイワイごちそうを食べるように扱っていると、なんだか自分も食べたくなってくる。
でもちょっと待てよ。
この塩焼きは、なんとなく、仕上がりが日本風ではないなとおもったわけです。
そういえば、たしか韓国ではゴマ油で魚を焼く文化があるよなと。
そんなこんなで7話を見終わり、気づいたら厨房に立っていたという。
タチウオの韓国風塩焼きを作る!
まずは、寝かせておいたタチウオの胴身をチェック。
6日目ですが、臭みは出ておらず、バッチリ。
読み通りだな。だいたい魚を日々釣って料理しているとみなくても、冷蔵庫の魚がどんな塩梅かなんてわかるんですよ。えっへん。
下処理後にピンクソルトを軽く振っておいたので、水分もよい感じに抜けています。
塩焼きの場合、このまま筒じゃないけど筒切りにして焼いてもよいのですが、背側の小骨をさけるために、包丁をいれておくと食べやすいです。
この通り。
背びれの両端から刃をいれて背びれを包丁の刃先などで押さえ、胴体側を引っ張るとこのように取れます。刃の入れ方や引っ張り方によっては、さらにきれいに骨がとれるので、チャレンジしてみましょう。
あとは、全体にヒマラヤピンクソルトを強めにふる。
釣ったばかりのタチウオの場合、この塩振り後に冷蔵庫にしまっておくと、ドリップがでるので、この水分をしっかり拭ってから再度塩を振って焼くとよいです。
状態がややわるい市販のタチウオでも、塩振り&水抜きにより臭みを一定レベル抜くことも可能。さらに状態がよくない場合は、キッチンペーパー日本酒をしみこませて全体を拭ったうえで焼くのも一つ。
さて、日本の塩焼きでは、魚グリルや串刺しにして炙るorオーブンなどの方法がありますが、韓国風の場合は、フライパンがちょうどいいんじゃないかなと思います。
フライパンに濃いめのゴマ油をやや多めに入れましょう。俺たちのかどや銀印ですよ。
韓国にもゴマ油があるんですが、焙煎が強く、香りが強いんですね。このあたりはノーマルゴマ油では出せない風味なのです。
あとは、皮目を揚げるように焼く。
中火ぐらいで、一回ひっくり返す程度がよいです。皮目がすぐ取れてしまうので、フライ返しもつかいつつ。
おそらくこの料理は弱火でじっくり系ではない気がします。強火すぎると焦げるはずなので、中火と強火の中間ぐらいかな。
盛り付け。
韓国にいったことがないのでわからないのですが、へチャンドルのコチュジャンを添えるとそれっぽい。
身肉が異様にジューシー
で、味は?
どうせゴマ油でカモフラージュされたタチウオの塩焼きなんだろ?
俺レベルになってくると、だいたい想像がつくさ。
・・・
・・・
・・・
って、めっちゃ旨いやんけ!
思わず目からうろこが10枚ぐらい落ちた気が。
旨いんだコレ。
思わず、一緒に食事をしていた妻に、「ね?これ旨いよね?」「旨いよね?」「旨くね?」「びっくりしたー」みたいに何度も確認してしまい、相当ウザがられました。すみません。
皮目が濃い口ゴマ油によって香ばしく、中は異様にジューシー。なんだろ、このジューシーさは。イトヨリダイの塩焼きみたいな。
考えてみてください。
冷蔵庫に6日いたタチウオですよ。
これたぶん、ゴマ油がタチウオをコーティングすることで水分が身肉に閉じ込められたままスチーム的に仕上がるのではないかなと。
今回は大型の脂が多そうなタチウオの胴身と尾側をつかったわけですが、ゴマ油によるコクが増すので、それほど大きくないサイズでも重宝する調理法だと思います。
コチュジャンも好みだけども、味のアクセントになってこれはこれで美味。黒コショウをかけてもよかったです。
ではでは。
平田(@tsuyoshi_hirata)
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▼大型のフライパンがあると何かと便利。樹脂加工などは永続性がないので、焦げ付くようなら交換タイミング
▼フライ返しは必須