「安いリールと高いリールはどんな違いがあるのか」
釣りをはじめると一度は気になる疑問ですね。
たとえば両軸リールであれば、数千円で購入できるものから数万円のものまでピンキリ。
でも、本当に値段早々の価値ってあるんでしょうか。
今回は「安いリールと高いリールの差」について具体的に解説します。
高いリールは「軽い」
スティーレSS。160gかつ、お手頃価格
昨今の釣りでは、タックルの軽量化が重視されがちです。
軽いリールを軽量ロッドに装着することで、感度があがり、魚のアタリがよりわかりやすくなります。
もちろん、持ち重りも減ります。
軽量なカーボン主体の竿に対して、金属ギアを含むリールは重量が重くなりがち。
そのため、繊細な釣り物では、軽いリールがよいとされます。
- カワハギ
- マルイカ
- ライトゲーム全般
などなど。
こうした釣り物にチャレンジする釣り人はより軽量のリールを好むわけです。
高価なリールの多くは剛性を保ちつつ軽量化に成功しています。
そうしたメーカーの研究開発費・素材原価・マーケティング費用がリールの価格に反映されているのです。
一方、金属一体成型で剛性を重視したものもあります。
オシアコンクエスト200HGは丸型金属筐体リールの代表格
こうしたリールは軽さよりも、筐体剛性や巻心地を重視しているので、一定の重量があります。
比較的重量や長さがある竿に対しては、ある程度の重量があるほうがバランスもよく持ち重りもしません。
長く重めの竿には一定重量のリールが適している
高いリールは「スムーズに巻ける」
高いリールはぬるぬる巻けるぞ
高価なリール全般に言えることは、「巻いてみるとスムーズ」という点です。
安価なリールでもグリスやオイルの影響により、購入したては「意外と巻きがスムーズ」という印象があります。
では、同タイミングで、高価と安価なリールを巻き比べてみるとどうでしょう。
- 巻くときの音がほとんどしない
- 巻くときの振動がほぼない
高価なリールからは、こういった印象をうけるはずです。
最高級リールでは油の上を滑っているかのように、金属の存在を感じません。
リールの巻き性能の差は、高負荷な釣りをしているとさらに感じます。
- 潮流が強いところで釣りをするとき
- 深場で釣りをするとき
- 巻抵抗が強い仕掛けやルアーで釣りをするとき
- 大型の魚、引きが強い魚がヒットしたとき
具体的にこのようなシーンで両者のリールを比較すると、巻きの快適さが全く異なります。
過酷な条件でもリールがストレスなく巻けるということは、釣行中の手返しにかかわってくる部分でもあります。
もちろん、釣行後の疲労度の差にもあらわれます。
高価なリールは筐体やギアの剛性が高いわけですが、高品質な技術実現のためにリールにコストが反映されているのです。
高いリールは「ドラグ性能がいい」
高いリールはドラグ性能に優れています。
ドラグは、数字で表現される「最大ドラグ力」のほかに、滑らかさが重要です。
高価なリールは特にドラグの出だしがなめらかで、ストレスがありません。
安価なリールを使用していると、時として冷や汗をかく経験をすることがあります。
- うわ、ドラグがゆるゆるゆなのにドラグがでない・・・
- ドラグの微調整が効かない
細糸で大物がヒットした際、魚をとれるかどうかは釣り人のスキルもありますが、ドラグ性能もかなり重要なのです。
ドラグをよく使う釣り物では、ドラグ性能の高さは必須と考えたほうがよいでしょう。
たとえば人気のタイラバはPE0.8号や1号に、3号や4号のフロロカーボンリーダーを使用します。
タイラバでは、時に5キロを超えるマダイや青物がヒットします。
そんなときに、ドラグがスムーズに動いてくれないとすぐにラインブレイクしたり、身切れにつながってしまうわけです。
高いリールは「キャスティングでトラブルレス。飛距離がでやすい」
シマノのSVS(遠心力ブレーキ)。さらにハイスペックなブレーキも存在する
キャストを視野にいれた高価なリールはメカニカルブレーキだけでなく、優秀なブレーキを搭載しています。
- マグネット式
- 遠心力式
こうしたシステムによってトラブルを軽減しつつキャストできます。
またスプールやスプール軸や軸を支えるベアリングの有無等によっても回転性能が向上し、飛距離が出やすくなります。
高いリールは壊れにくい
高価なリールは丈夫で壊れにくい
高価なリールは壊れにくいのも特徴です。
どうしてもボディに傷はつくのですが、リール本来の性能はハードな釣行でも保たれます。
- 大荒れな日の釣行
- 大型の魚を何度もかけて巻いた日
- クラッチのオンとオフをなんども繰り返す釣り
こういった釣行を繰り返した場合でも、本体の性能がほとんど変わりません。
適切なメンテナンスをすればさらに快適さが継続します。
一方、安価なリールは塩がみしやすく、グリスがすこし取れただけでも、「ゴリ感」「巻重り感」を感じることも。
ベアリングも防錆・防水でないこともあり、錆びたり塩がみして回転性能が落ちてしまうこともしばしば。
高価なリールは、筐体やギアの成型精度はもちろん、防水・防錆ベアリングや強化クラッチを搭載しています。
頻繁にメンテナンスをしなくても、ある程度は安定して使用できるのです。
安いリールでも一流メーカー品は問題なく使える
では安価なエントリークラスのリールでは、魚はたくさん釣れないのでしょうか?
大きな魚は釣れないのでしょうか?
もちろん、そんなことはありません。
大手メーカーのリールであれば、トラブルレスで問題なく、釣りを楽しめます。
ただ、高級リールと比較するならば、「数段快適さが違う」ということなのです。
船釣りでも、竿頭常連の人が必ずしも最高級品の道具を使用しているとは限りません。
まとめ
リールの基本性能があれば、十分な釣り物がほとんど
今回は「安いリールと高いリールはどんな違いがあるのか」という疑問について解説しました。
数千円で購入できるエントリークラスのリールも、年々品質が向上してきています。
数万円のリールは実際見た目もよくて、所有感を刺激します。
とはいえ、高級リールをつかっているからといって、その性能が必要のない釣りもあります。
たとえば船のマゴチ釣り。
この釣りは、傷のないPE1.5号から2号が巻いてあって、ちゃんとクラッチが機能し、巻ければ問題ありません。
キャストもしないですし、リール由来の感度なんてほとんど関係ありません。
一方、高価なリールが必要な釣り物も確かに存在しています。
樹脂筐体のリールでマグロを釣るのは難しいですし、感度よくキャストができるリールのほうが、カワハギの平均釣果は伸びます。
自分にとって最適なリールは人によってことなります。
そのあたりは大切にし、お気に入りの1台を探してみましょう。
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