釣り竿を購入する際に悩むポイントの一つが長さですね。
長い竿と短い竿のメリット・デメリットを把握しておくと、釣りがもっと簡単になります。
今回は、一般的に言える長竿・短竿のメリット・デメリットを解説します。
長竿と短竿はどこで決まるの？
長竿と短竿は、ルアー釣りの世界でいえば、ロングロッド・ショートロッドとも呼ばれます。
その基準は厳密にわかれているものではありません。
ジャンルによって異なる他、人によって感じ方は異なります。
＜例＞
- 岸からのバス釣り：7フィート以上
- 船釣り：2メートル以上
長い竿のメリット
はじめに長い竿のメリットを紹介します。
飛距離を出しやすい
サーフの釣りでは、餌・ルアーともに長めの竿が有利
ガイドセッティングの差やブランク素材などの要素を無視すれば、長い竿は飛距離を出しやすいという特徴があります。
フルキャストをしやすいオーバーヘッド系の上投げでは特に顕著に差がでます。
揺れや振動を吸収しやすい
コマセカゴを安定させるためには長竿が有利
船釣りで長竿（軟調）を使うと、揺れや振動をより吸収しやすくなります。
たとえば、船の小物釣りでは1.9～2m程度の竿が一般的ですが、コマセマダイ竿は2.5～3.3m程度。
コマセ真鯛の釣りでは、仕掛けを安定させるために胴調子の長竿をつかうのが一般的です。
また、長竿（軟調）では揺れを吸収しやすいため、魚もバレにくくなります。
多点掛けが一般的な釣り物でも、長竿はショックを吸収しやすく口切れなどを防ぎます。
＜長竿が有利な例＞
- コマセマダイ
- メバル（餌&サビキ）
- ヒラメ
アワセがききやすい
船マゴチ竿は2.3m程度が多い
長竿は短竿と比較してアワセが効きやすいといえます。
向こうアワセではなく、アタリに対してしっかり合わせないと欠けられない釣り物では、やや長めの竿が有利。
竿の長さにより、より小さい動きで、アワセを入れることができます。
タナとりしやすい
長めのマゴチ竿（2.55m）
底立ちとタナとりを繰り返す船の釣り物で長竿を使うと、タナとりをしやすくなります。
長さを活かして、手元の最小限の動きでタナとりが完了します。
足元の障害物をかわしやすい
岸壁から釣る場合、足元にテトラが敷かれていることがあります。
また磯釣りでは、足元付近に海藻が繁茂していることも。
こうした地形はどこにでもありますが、快適な釣りのためには障害です。
長竿をつかえばこうした手前の障害物をさけて釣りをすることができるためトラブルが軽減します。
＜例＞
- 磯竿
- 磯場でのヒラスズキを想定したルアーロッド
根ずれしづらくなる
沖目に急なブレイクが存在する地形では長竿に利があります。
仕掛けやルアーを操作するとき、魚がヒットしたときにブレイクと道糸や仕掛けが擦れることがすくなくなります。
足場が高いところで足元までルアーや仕掛けを動かせない
足場が高い岸壁・磯場でも長竿であれば、ルアーや仕掛けを足元まで操作できます。
長い竿のデメリット
次に長竿のデメリットをみていきましょう。
持ち重りしやすい
長くて重い竿は手持ちに向いていない
長い竿は素材量が増え、重くなりやすい傾向にあります。
持ち運びにくい
長竿はパックロッドやテレスコ型を問わず、全体が長くなりやすく、持ち運びづらくなります。
ハイエンドのロッドには1ピースも増えてきますが、電車釣行の場合、長竿はかなり持ち運びにくいアイテムです。
キャスト精度が下がる
長竿は飛距離は出しやすいのですが、キャスト精度がどうしても下がってしまいます。
近距離でピンポイントに投げたい場合は、より短竿が有利です。
感度が下がる
同じブランク・ガイド・グリップ素材という条件下では、釣り竿は長くなるほど感度がさがります。
これは単純に振動の伝達速度が下がる点と、重量によってアタリを感じにくくなるためです。
たとえば船のカワハギ竿は操作性を維持しつつ極限まで感度を上げるため、やや短めの1.8ｍ程度の軽量ロッドが使用されます。
値段が高くなりやすい
メーカーのマーケティング手法にもよりますが、長竿は短竿に比較して材料が多くなるため、販売価格も比較的高くなりやすい傾向にあります。
障害物が周囲にある場所では投げにくい
周囲に障害物がある場合、長竿は扱いにくく、キャストしづらくなります。
＜長竿が苦手なシーン＞
- 小規模の渓流
- 樹木に覆われた野池でのバス釣り
足元を釣りにくい
ブラックバスをはじめ、岸釣り全般でいわれることですが、魚は意外と足元にいます。
野池や河川でも、足元が岸側にえぐれていることも多く、日中魚はその日陰となる部分に潜んでいます。
こうしたポイントを長竿は狙いにくいといえます。
テトラ帯などの穴釣りにも長竿は適していません。
短い竿のメリット
次に短めの竿のメリットを見ていきましょう。
より軽量
同じ素材条件であれば、短めの竿はより軽量です。
軽さが重要な釣り、腕力が高くない子供向けでは短めの竿に軽量なリールを選びましょう。
持ち運びやすい
短竿は1ピースでも、複数ピースでも、より短くなるため持ち運びやすいという特徴があります。
キャストの精度が高まる
短い竿（やや硬め）はキャストをする際にコントロールしやすいと言えます。
ボート釣りで正確にキャストをしていくようなジャンルでは短めの竿を選びましょう。
＜例＞
- ボートシーバス（穴撃ち）
感度が上がる
短竿は軽量かつ振動伝達が速いため、より高感度です。
感度を最重要視する釣りでは竿は短めになりやすいと言えます。
より安価になりやすい
短竿は使用する素材が少なくなるため、同シリーズでも安価になりやすい傾向にあります。
障害物が周囲にある場所でも投げやすい
短竿はキャストをしても周りの障害物に干渉しづらいため、野池や小規模河川等の釣りで有利です。
足元を釣りやすい
短竿は野池や河川等で魚が多い足元狙いに最適です。
海の穴釣りやヘチの釣りでも、手返しが上がります。
短い竿のデメリット
では短竿のデメリットはどこにあるのでしょうか？
飛距離を出しにくい
短い竿は飛距離を出しづらく、ロングキャストするためには投げ方に工夫が必用です。
オーバーヘッド系のキャストの場合、ひじを伸ばしてロッドの延長線上にするキャストが知られています。
揺れや振動を吸収しにくい
短竿は長竿に比較して固い調子になりやすく、揺れや振動を吸収しづらいという特徴があります。
アワセがききづらい
短竿ではアタリに対してアワセが効きづらいので、「巻あわせ＋大アワセ」をする必要がでてきます。
＜例＞
- 船のアナゴ釣り
- 内房のシャクリマダイ
タナとりをしにくい
短竿は底上から一定のタナをとりつづける釣りでは、リールの巻とりや、身体全体の大きな動きが必要になるため不利です。
＜例＞
- マゴチ釣り
- ヒラメ釣り
足元の障害物をかわしにくい
岸壁や磯からの釣りは足元に障害物がたくさんあるため、コンパクトルアーロッドなどの短竿は不利です。
根ずれしやすい
サーフ・河川・湖沼での釣りの場合、沖目に急なブレイクが存在する場合があります。
短竿で魚をかけると、このブレイクと道糸や仕掛けが干渉して高切れ・ハリス切れの原因になります。
足場が高いところで足元までルアーや仕掛けを動かせない
たとえばルアー釣りでは、岸際ぎりぎりまで魚がルアーをおいかけてきてバイトすることもしばしば。
足場が高い岸壁・磯場で短竿を使うと、ルアーや仕掛けを足元まで操作できなくなってしまいます。
釣り場・釣法によって最適な釣り竿は変る
どこを釣るかによって最適な竿の長さは変わる
今回は長竿・短竿のメリット・デメリットを解説しました。
「どっちがいいの？長い竿・短い竿のメリット・デメリット解説」というタイトルでしたが、一概にはどちらがよいとは言えないということを理解いただけたかと思います。
同じターゲットを狙う場合でも、岸から狙うのか、ボート・船からなのかによって異なるわけです。
また、岸釣りでも近距離を正確に狙うのか、とにかく遠投が必用なのかで、適した竿の長さは違ってきます。
釣り物ごとはもちろん、自分がやりたいスタイルに適した長さの竿を選ぶのが正解です。
関連アイテム
▼磯や岸壁で手前に障害物がある釣り場での餌釣りは5mくらいの長めの竿が有利
▼海の岸釣りでルアー釣りをするときは8.6~9フィート程度が一番汎用性が高い
▼船の小物釣りで1.9m程度のライトゲームロッド（20号～80号負荷）が万能
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