どうも平田(@tsuyoshi_hirata)です。
船釣りでは釣り竿をしっかり固定できる「キーパー」こと竿置きがあると便利ですね。
手持ちの釣りでも、キーパーがあると食事休憩でも置き竿にして狙い続けることができたり。
そんなキーパー類ですが、船上での使用率が一番高いのが、赤と黒でおなじみの第一精工の「ラークシリーズ」。
つづいてよく見るのがクールデザインなダイワの「ライトホルダー(α)」です。
そして第三極としてあるのが、シマノ「V-ホルダー TYPE-G」。
このシマノの竿置きなんですが、実際つかっている評判ってあまり聞きませんね。
ご安心ください。
今回はシマノ「V-ホルダー TYPE-G」の使用感や考察を紹介します。
ちなみにアイテム自体は、上月さんからもらったものです!
V-ホルダー TYPE-Gの仕様
キーパーの青が海や空と調和しますね
- カラー:ブルーorシルバー
- 重量(g):860
- 万力取付幅(mm):10~90
- 取付適合竿径(mm):17~29
- 実売価格(Amazon):15,000円程度
出典:シマノ
「V-ホルダー TYPE-G」を実際につかった感想
さて、ここからは、V-ホルダー TYPE-Gを実際につかってみて感じた点を紹介していきます。
こちらは第一精工のちびラーク(630g)との比較。
ちなみに、V-ホルダー TYPE-G(860g)はハリス8号まで対応なので、強度という点では第一精工で対応する機種はミニラーク(840g)だと思ってください。
V-ホルダーは特徴的な2本のステンレスパイプがかなり重そうに見えますよね。
でも、中空なのでそれほど重量感はありません。
竿受け部分を起こすと、V字状に広がります。
キーパー自体を比較すると、かなり存在感というかモビルアーマー感があるのがわかりますね。
こちらは船べりに装着した様子。
V字状を「Vウイング構造」と呼び、「船べり固定力がUPする」というのがシマノによる売り文句です。
第一精工のラークやダイワのライトホルダーはこの部分をI字状で支えます。
船べりに装着するときは添え木をつけよう
たしかに、1点で支えるよりは2点の方がズレづらいのはあるのでしょう。
特に根がかりしたまま船が移動したとき、竿が横に引っ張られ、キーパーが船べりから斜めにズレることがあります。
そうしたことは少なくなりそうです。
こちらは地味に便利なんですが、「スピードボルト」という仕組み。
白いスイッチを押してボルトを押し込むと、締め込みできる船べり部分まで瞬時にボルト先端が移動します。
ネジの微調整が不要で、セットが速くなるわけですね。
左右の角度を調整するとき、第一精工のラークとダイワのライトホルダーは中央のネジをゆるめて調整する必要があります。
それが、V-ホルダー TYPE-Gの場合、竿受け部分を手前に倒すと可動するようになります。
ただしパーツの固定がとれたあとに、調整するにはすこしコツがいります。
中央ネジ固定型の場合、釣りの途中にやると塩がみして開かないこともしばしば。
真冬は釣りはじめでも手に力が入りづらかったり。
あと特徴的なのが、竿受け部分が大きめの2段U字になっているところ。
ここはロッドがおさめやすいですし、ホールドされたあとに竿がズレにくい印象です。
こちらマゴチ釣りでの置き竿。
実際にロッドを装着してつかうとよくわかるんですが、ゲキハヤサポート部分はかなりゆるめにはまります。
ラークのように比較的きっちり固定するタイプではないので最初は不安におもうかもしれませんが、実際の使用ではすぐ取れてしまうなどの問題はないです。
第一精工のちびラークとならんだ様子です。
ラークシリーズ差し色の赤の主張が激しいので、この色合いが好きでない人は、ダイワのライトホルダーを選んでいるんだと思います。
この赤黒はもはや、ラークシリーズのブランドカラーとなっているとは思います。
とはいえ、ワニグリップ等の小物同様、全体をマットブラック・カーキ・アース系カラーなどアーミーチックにしたものをリリースするともっと売れると思います。
個人的には興味がないんですが、やっぱりカモフラカラーが好きな人も一定数いるので、パーツ交換でそのあたりができたり。
釣りも車も主張が激しいのが好きな人もいれば、あんまり目立たないのが好きな人もいますしね。
あ、「V-ホルダー TYPE-G」の話から、第一精工がんばれ系の話になってしまいました。
第一精工、いい会社です。
釣果は、V-ホルダー TYPE-Gもチビラークも勿論問題なく使用でき、写真の通り。
秋になると八景沖から中ノ瀬アタリって真鯛が増えますね。
第一精工の「ミニラーク」とダイワ「ライトホルダーα」について
さて、シマノのV-ホルダー TYPE-Gについての総評にいくまでに、スペック上で比較検討しがちなキーパーと比較しておきましょう!
チビラーク(タイプS)
●取付有効幅:10~90mm
●適合ハリス(幹糸):約7号まで
●サポート竿径取付サイズ:φ25まで
●本体・クランプ部:アモルファス樹脂
●収納サイズ(チビサポート除く):130x200x52mm (チビサポートサイズ:70x70x50mm)
●重量:630g
出典:第一精工
V-ホルダー TYPE-Gと比較すると、ハリス8号まで対応するミニラークかチビラークになるかと思います。
実際はライトゲームであればチビラーク使用率の方が高いのでこちらと比較してみましょう。
デザインの点で好みが出ますが、赤と黒の特徴的なロッドホルダーのスタンダードがラークだと思っておけばよいと思います。
シンプルで必要な機能はすべて備えてかつ安価というのが特徴。
チビラークであれば7,000円程度で購入可能。
難があるとすれば、スマートサポートがズレでハマりやすく、機構上ネジ山つぶれで固着しやすい点ぐらいです。
スマートサポートでない、金属タイプは腕にあたると違和感があります。
でもちゃんとつかえて安い。
<おすすめな人>
- 基本性能があればあとは安価なほうがいいと思う人
- 赤と黒のデザインを受け入れる人
- 器用な人(タイプSのスマートサポートがまっすぐはめにくいため)
ライトホルダー(α)との比較
さらに強くさらに軽くなったロッドホルダー
適合ハリス約8号まで対応!
タテ・ヨコの付け替えが首振り台袋ネジをゆるめるだけで可能
小型軽量(約30g)のコンパクトクランプヘッドCH30Gを標準装備
付属サイズ(M、S、SS、SSS)
通常ネジの2倍の速度で締めたり緩めたりすることが可能な倍速ネジ採用で簡単着脱(240CH除く)
簡単に締め付けできるワンタッチスライドナット付(240CHのみ)
50°首振り機能
出典:ダイワ
ライトホルダーは2021年4月にバージョンアップしています。
ラークのようなI字タイプの固定で基本機能はほぼ一緒です。
クランプヘッド部分がゲキハヤサポート同様便利。
見た目は明らかにラークよりスマート。おしゃれ感があります。
<おすすめな人>
- デザインにこだわる人
- 2,000円、3,000円の違いなら機能性も高い方がいいと思う人(対チビラーク)
「V-ホルダー TYPE-G」についての総評
では、V-ホルダー TYPE-Gの話題に戻りましょう。まとめに入ります。
実際どうなのか。
個人的な考えは以下の通りです。
- Vウィング:ライトゲームには不要。余計
- 便利な点:ゲキハヤサポート(ダイワと同等)、スピードボルト
- 値段:うーん、高いよね
Vウイング構造は船べりにしっかり固定できるために存在しているのですが、実際のところハリス8号を使う釣りであれば、不要だなーと思いました。
ライトゲーム全般なら余計な仕組みだなと。
というのも、I字固定のチビラークでも小物釣りであれば問題なくズレないからです。
船べりが腐っているのでなければ、添え木をつかえばI字固定でもしっかり止まりますしね。
腐っていたら、Vウイング構造でもダメですけどね。
I字固定のチビラークでは、たまに、根がかりしながら船が動くと「/」や「\」という具合にすこしずれます
とはいえ、このあたりはV字云々というよりもクランプの数のような気もします。
むしろさらにしっかり固定しないとやられてしまうブリや大型底物をやるんなら、ハリス8号では対応できないので、ラークの大物用アタリをつかうわけですよ。
ダブルクランプタイプのやつです。
V-ホルダー TYPE-Gは、売りであるV字構造があるため、いちいち折りたたんだり開いたりする必要があります。
見た目的にモビルアーマー感(メカ感)が増すので、ガジェットとして好みの人がいるかもしれません。
全体的には好みもありますが、デザインもカッコイイと思います。
ただ、パーツを複雑化することにより、コスト増や中長期的使用での故障につながりやすい仕組みだと考えました。
ゲキハヤサポートについては、似たような機構がダイワや第一精工にもあります。
第一精工のスマートサポートはネジずれがおきやすく、船上で装着すると高確率に斜めにハマり、固着して終了ということになります。
船上じゃなくても、丁寧に傾斜を確認しながらはめ込むという作業が必要です。不器用な人はだめですね。
その点比べると、ゲキハヤサポートはネジ部分が斜めになりにくい仕組みなので便利だなーと思いました。
これは各社一緒ですが、脇に挟んだときにも突起部分があたることはありません。
この2本のネジ締め込みタイプは腕の内側にあたって痛い
現在筆者のチビラークはスマートサポートが固着の呪に合い、ノーマルタイプのネジ付きに変えています。
とはいえ、あれはネジがあたるんで違和感があるんですよね。
最後にお値段の話です。
V-ホルダー TYPE-Gは、実売価格(Amazon)で、15,000円。
釣り竿でもないし、ちょっと考える金額だと思います。
落ち着け、払えないんじゃない。
「そもそも、そこに投資すべきなんだっけ?」ってな話です。
マネジメント陣の方は心当たりがあると思うんですが、経営MTGで頻出する話題ですね。
今回は、いただきものでホクホク使用しているんですが、自分で買うかというとやっぱり考えてしまいます。
もう1個自分で買うかね?
いや、買わない。
ダイワはそこにきて、「ライトホルダーα90CH/160CH/240CH」という具合にライトホルダーをアップデートしてきたわけですよ。
で、α90CHのモデルで約640gなんですよね。しかもハリスは8号まで対応。
実売価格で9,600円ぐらいという。
そうなってくると、選ぶべきは以下の通り。
- キーパー本来の性能+安価という点をとれば、第一精工のミニラーク(8,300円ぐらい)かチビラーク(7,000円ぐらい)
- デザインやさらなる機能性や軽さをふくめてならライトホルダーα
よっぽどのシマノ党や、購入時にあまり比較せずにポチった人でない限り、こういった結論になるんだと思います。
なので、船上を見るとラークが一番多いですし、続いてライトゲーム全般ではライトホルダーを選ぶ人がおおくなってくるわけです。
特に、2021年春以降はダイワ・ライトホルダーαがデザインも含めれば一番合理的な判断になりがち。
ということもあり、ライトゲームのキーパーでは、今後さらにダイワ率が増えてくるはずです。
▼個人的には主張が少ないダークグレーが一番好きです。次に買うならこれにします。
シマノは、ライトゲーム向けにおいては、「Vウイング構造」はいったん引き出しにしまっておいたほうが良い気もします。
V字にこだわれば、コストは増しますし、ライトホルダーαには勝てません。
となると、やはりI字型。
ダイワよりかっこよく、実売8000~10,000円ぐらいの「I-ホルダー TYPE-G」をリリースし、「V-ホルダー 船べりシステムボード」&「V-ホルダー 船べりシステムケース」と互換性をもたせればいいんじゃないでしょうか。
出典:シマノ
いや、ちょっと待て。
よく考えるとI字構造にすると、「V-ホルダー 船べりシステムボード」がロッドと干渉しやすくなってしまうなと。
・・・
というようなことを考えると、「Vウイング構造」にしたのは、探検丸と電力丸とのアップセルを期待した販売戦略上の打ち手だったんじゃないかなと思ったり。
こういうのを下衆の勘繰りというんですよ。
最後に、第一精工はスマートサポートをもうちょいトラブらない仕様にしてアップデートいただけばと思います。
ではでは。
平田(@tsuyoshi_hirata)
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