船釣りをはじめてからしばらくたったんですが、「キーパー」と呼ばれる固定式の竿受けは持ってなかったんですね。
竿を固定して置き竿にする必要がある釣り物では、全部レンタルしてました。
で、置き竿時間が長いのとレンタルが有料だったのもあり、どうせなら買っちゃおう!と、購入したのが第一精工「チビラークtypeS」です。
今回は実際に「チビラークtypeS」をつかってみた感想をネガティブ面を含めてレビューします。
購入検討の参考にしていただければと思います。
第一精工のラークシリーズについて
ふりかえると、少年時代からTVの釣り番組の間にながれるCMで、「チョイと立てればラ~クラク(ヒットラークでラークラク?)」というのが流れていたわけです。
赤黒ボディの竿受けが子供のながらに刷り込まれていたという。
船釣りはおろか、海釣り自体をそれほどしたことがなかった時期なんですがね。
だけども、「ラーク」というブランドは竿受けの代表選手というイメージが今でもあります。
このラークシリーズは機種が多くて差がよくわからないのですが、代表的なものを紹介します。
ざっくりいうと、各アイテムの基本機能はそれほど差異はありません。厳密にいうとあるけど。
- 縦に竿受け角度が調整できる
- 横の角度を調整できる
この2点が中心機能です。
そんなラークシリーズを選ぶ場合のチェックポイントは以下の通り。
- 適合ハリス
- 本体重量
- 取付幅(船べりへの対応)
- サポート竿径取付サイズ
順に説明していきます。
適合ハリスというのは、船べりにしっかり固定した状態でハリス○○キロの引きまで耐えられるというもの。
たとえば、適合ハリス7号のラークに、ハリス20号ぐらいのタックルをセットしたとして、でっかいキハダマグロがヒットする。
そうなると、もれなくタックルが、海神様に強制奉納されてしまうというわけです。壇ノ浦。
ということで、諸行無常の響きを感じたくない人は、どれぐらいの重さ・引きの魚を狙うかなどを考えて選ぶ必要がありますね。
本体重量は、その名の通りラーク全体の重さです。
例えば、電車釣行で小物釣りしかやらないのに、毎回2キロのラークを持ち歩くのもちょっとお手間ですよね。
「鶏を割くに焉んぞ牛刀を用いん」ってやつです。
帝国重装歩兵でしょうか。
せいぜい大きくて2キロぐらいの魚をハリス6号ぐらいまでで狙っているのにと。
もちろん、マイカー釣行だったら4キロでもなんでもよいとは思うんですがね。
ってことで、道具をできるだけ減らしたい電車釣行派は、特にラークの本体重量に注目しましょう。
取付幅は、船べりに対応しているものを選ぶ必要があります。
これは船ごと、地域ごとに違っているので、ちゃんと調べてから購入したほうがよいと思います。
特に、九州・北海道・日本海は船べり幅が広めの釣り船があるらしく、要注意。
買ってたものの「あいやーはめられないある」ってのは泣きますね。
次に代表的なラークシリーズを紹介します。
サポート竿径取付サイズは、グリップ付近をラークと固定するパーツのサイズです。
グリップの太さによっては対応できないものがあるので、アダプターを変更するなどの工夫が必要です。
代表的なラークシリーズ
チビラークタイプS
- 適合ハリス:約7号まで
- 本体重量:600g
- 取付幅::5~88mm
- サポート竿径取付サイズ:φ7~φ25(スマートヘッド大・小)
チビラークタイプSは、ラーク竿受シリーズで最小最軽量のアイテム。「S」はスマートの略かと。
後述しますが、わたしはこれを購入しました。
ベースになっている「チビラーク」との違いは、本体の軽微なデザインの差異と竿を固定するアダプターのねじ突起があるかないか。
「タイプS」は、アダプターにねじ突起がないので、ハリスが絡んだりしにくい形状です。
グリップ部分にとりつけるとタックルバランスが変わるわけですが、この重量も軽くなっているというメリットがあります。
「チビラーク」は、「受太郎」タイプの替え竿受がついているメリットもあります。
「チビラーク ロングタイプS」や「チビラーク スーパーロング」」は取付幅がより広いというもの。
コスパ重視で東京湾や相模湾などの浅場で「コマセ釣り」や「ライトな泳がせ釣り」をする程度であれば、チビラークが一番オススメだと思います。
コンパクトだし、本体重量も600gとペットボトル500ml強程度。船バッグあたりにそのままいれておけばよいと思います。
適合ハリスが約7号なので、ワラサあたりまでは問題ありません。
置き竿時に、ドラグ調整をしておけば、それほどの負荷はかかりませんしね。
万が一にそなえて、尻手ロープを合わせればバッチリ。
ミニラークタイプS
- 適合ハリス:約8号まで
- 本体重量:830g
- 取付幅::0~90mm
- サポート竿径取付サイズ:φ7~φ25(スマートヘッド大・小)
「ミニラーク タイプS」は、チビラークとほぼ変わらない仕様。
「ミニラーク」は耐荷重90キロで、船べり固定以外にパイプ固定もできるところが特徴。
パイプ固定といえば、ミヨシのお立ち台エリアで、マゴチの置き竿をやる場合やプレジャーボートでの使用によいですね。
ライトラーク
- 適合ハリス:約12号まで
- 本体重量:1265g
- 取付幅::15~80mm
- サポート竿径取付サイズ:φ7~φ25
ライトラークは耐荷重130キロ。
ハリスも12号まで対応しているので、近海の大物は大体視野に入ってくるレベル感です。
手持ちヘルパー機能や竿立てホルダー機能が特徴。
ハイラーク18
- 適合ハリス:約16号まで
- 本体重量:1725g
- 取付幅:160mm
- サポート竿径取付サイズ:~φ32
船宿のレンタル品に多いタイプ。
ハイラークには「ショックアブソーバー」という機能がついていて、ヒット後にやりとりしやすい角度を保持できます。
電動リールで置き竿にしたままやりとりしたいという場合にはよいのでしょう。
スーパーラーク
- 適合ハリス:約16号まで
- 本体重量:2200g
- 取付幅::25~165mm
- サポート竿径取付サイズ:~φ32
こちらも船宿のレンタルでよく使われているタイプ。
ハリス16号まで対応。
このサイズになってくると本体が2キロ強なので、電車釣行で持っていくようなレベル感ではなくなってきますね。
ただし、船べりでの安心感は確かなものがあります。
ウルトラ最強ラークⅡ
- 適合ハリス:データなし
- 本体重量:3000g
- 取付幅::50~125mm
- サポート竿径取付サイズ:~φ40
その名の通り、ラークシリーズで一番頑丈なアイテム。
耐荷重500キロ。
キハダマグロや中深場の大物あたりはこちら。中・小物釣り師には無縁の世界ですね。
「チビラークtypeS」を購入してみた
個人的に竿受けを使うような釣りでは、ハリス7号ぐらいまでがメインなので、「チビラークtypeS」を購入しました。
実勢価格6,500円程度。
ノーマルの「チビラーク」は受太郎タイプの替え竿受けがついきます。
なので、お得なように思えたのですが、受太郎は持っていますし、ねじ2本式の竿固定では、ハリスや道糸が絡みそうだったということでタイプSを選んでいます。
他に検討した竿受けはダイワとシマノで以下の通り。
ダイワ ライトホルダー 90CH
ダイワから販売されているライトホルダーはスマートなデザイン。実勢価格9500円程度。適合ハリスは約6号まで。
チビラークと比較して3,000円ぐらいコストが高めなのですが、基本機能に差は感じられず。
キーパー界においてのデザインは、ダイワがもっとも優れていると思います。
シマノ V-HOLDER type-G(ゲキハヤサポート付)
シマノのV-HOLDER type-Gは、機能性に優れている竿受け。
船べりにしっかり固定できる「Vウイング構造」と竿側にアダプターを装着する仕組み「ゲキハヤサポート」が便利。
が、お値段は実勢価格15,000円程度。
チビラーク2台分強といったところ。適合ハリスは8号以下。
▼V-HOLDER type-Gは釣友にもらったものがあるのでインプレしています
「チビラークtypeS」の使用感
ここからはチビラークtypeSを実際に使ってみた印象を紹介します。
専用ケース付き。丸洗い可
まず、チビラークは600gとコンパクト。
電車釣行でも持ち重りしないし、船バッグなどにいれておけますね。
ねじ部分のアシスト部品が便利。黒いところに指をかけて、くーるくる
船べり固定時は添え木を使用しましょう。
だいたい、船べり付近にたくさんあるので無料でつかえます。
装着完了。
LTアジで置き竿に。
人に教えて回りながら竿を出すときはやはり竿が固定できるキーパーがあるとよいですね。
落下する心配もないし。
ねじで、竿受けの縦角度を調整できます。
こちらすこし上げた状態。
長竿をつかったとき、海面に竿先が干渉してしまうことってありますよね。
、波により船の上下運動が大きいときには、角度をつけてあげるのも一つかもしれません。
特に不満もなく、よい買い物。
さて、唯一改善点があるとしたら、この「チビスマートサポート」という仕組みです。
大・小2種類のアダプターが選べるものの、最初に竿をはめてネジを締めあげると大体斜めになってしまいます。
斜めになってねじを回すと、固くなり「これ以上回してはいけない」とわかるんですね。
が、ゆれている船上でも、陸上でも固定方法の難易度は高めです。
船上での作業はほんとやめたほうがいいです。やるなら、陸上であせらずやりましょう。
金属製のナットが斜めになりやすい仕様なんです。
これは慣れないと手間取ってしまうことでしょう。
改善点はこれぐらいです。あとは言うことなし。
各メーカーのなかでも最も手に入れやすい価格帯ですしね。
負荷の大きいノーマルタックルビシアジでも安心
こちらは鴨居沖のビシアジでつかってみた様子。
かなり潮が速い海域なわけですが、130号ビシの置き竿でも問題なく使用できました。
こちらはダイワのマゴチXを置き竿にした状態。
マゴチの置き竿を1本竿で行うぐらいであれば、EVA製の簡易竿受けでよいと思うのですが、2本竿を置き竿にする場合はやはりキーパーがあると便利。
アダプター部分の重量もそれほど重くないので、手持ちで操作しても違和感なく使用できます。
セパレートグリップではない昔のEVAで覆われているタイプの場合も、付属アダプターを変更すると問題なく使用できます。
▼動画
ライトアジ。根岸湾付近で後半入れ食いに。 pic.twitter.com/JzRhIBuRfq
— 平田 剛士|ORETSURI(俺釣) (@tsuyoshi_hirata) July 23, 2020
まとめ
今回は、第一精工から販売されている「ラークシリーズ」についての解説や「チビラーク タイプS」の使用感と、ほかの竿受けとの比較についてお話しました。
中小物釣りで手持ちで誘い続ける釣り物の場合、キーパーこと竿受けはいらないのですが、やっぱりあったらあったで便利だなーと思いました。
夏場はマゴチ釣りがメインになるんですが、チビラークとシマノの簡易竿受け「「船べり楽々竿掛け」を併用しながらやってみます。
追記
チビラークtypeSを使い始めてから1年たちました。
微妙にななめになっている。このまま固着してとれなくなった
チビスマートサポートが先日の釣行時に固着したんですね。
右図のようになったわけです。
船上でとりつけていたんですが、かなりゆれているときで、早く準備したいという焦りもあったかと思います。
締め付け中にロックリングが固くなってからレンチで締め込んだという。ネジ溝の樹脂がもともと少しずれてしまっていたこともあり、斜めになりやすくなっていたわけです。
で、交換部品を購入しました。
「チビスマートサポート」とノーマルの「チビサポート」でちょい迷ったんですが、取り付けの容易さとネジの出っ張り有無を比較して考えた結果、取り付けがかんたんな旧型の「チビサポート」を選びました。
お値段2,300円ちょっと。全体価格からすると、何気に高めですね。
こちらチビサポート。
チビスマートサポートと異なりヘッドはつけたままで赤いゴムによって細めの竿でも太目の竿でも対応しています。
チビサポートはつかってみると、ネジ部分が脇にあたるのと、手持ちで竿尻を持つときは違和感があるのですが、割り切ってつかっています。
追記2 結局ライトゲームならどのキーパーがいいの?
さて、ライトゲームに限った話なのですが、キーパー類の選択肢は以下の3つになると思います。
- 第一精工 チビラーク
- ダイワ ライトホルダー α90CH
- シマノ V-HOLDER type-G(ゲキハヤサポート付)
これらをニーズ別にわけると以下の通り。
⓵第一精工 チビラーク&「チビラークtypeS」
コスト重視ならチビラークです。7、8000円台で購入できます。
手持ちの場合、明らかにtypeSのほうが出っ張りがないのですが、毎度アダプターを取り外すニーズの場合、ネジ山をつぶさないように相当気を使うほうがよいです。
そのあたりが嫌な人はノーマルのチビラークかダイワのライトホルダーを選びましょう。
②ダイワ ライトホルダー α90CH
デザインと機能性重視ならダイワのライトホルダーαが一番です。
11,000円程度~なのですが野暮ったさがないデザイン。
ウェアとかにこだわりたいと思っている人には、ライトホルダーが一番です。
取り付け幅ごとに3パターンあります。9cm/16㎝/24㎝。
汎用性を考えると16㎝が無難。
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③シマノ V-HOLDER type-G(ゲキハヤサポート付)
→シマノ好きなら、V-HOLDER type-G。付属パーツ「船べりシステムボード」により探検丸を装着した場合もこちら。
ただし、本体だけで値段が15,000円~なのでちょっと割高感はありますね。
キーパーとしての基本機能は⓵②と大差がありません。
実際につかってみるとわかるのですが、ずれ防止のV字形状もそれほど効果を生んでいると思えません。
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マーケットでは第一精工とダイワで二分
これは体感値なのですが、実際に釣り船にのると、第一精工派とダイワ派でほぼシェアが2分しています。
シマノ派はごく一部。
比較的シニア層・基本性能重視派は第一精工。
若手・デザイン重視派はダイワ派という印象です。
以上、買い物の参考にどうぞ。