【2万円台最強】シマノの人気両軸リール「ベイゲーム」の実機インプレ

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ベイゲーム150DH
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両軸リールにも誰もが選ぶ定番アイテムがあるのですが、意外とその魅力が広く知られていないモデルがあります。

その一つが、シマノの「ベイゲーム」シリーズ。

今回は船釣りの名手たちが愛機として選ぶベイゲームの魅力に迫ります。

実際のリアルな使用感も紹介するので、購入検討する際の参考になればと思います!

目次

ベイゲームとは

多くの玄人が選ぶベイゲーム

「ベイゲーム」はシマノから販売されているオフショアタックルの名称です。

船竿と両軸リール、2つのラインナップがあります。

「BAYGAME」という名称通り、湾内の釣り物を気軽に楽しめ、中級者以上でも満足して使えるラインナップが揃っています。

価格帯は船竿と両軸リールともにミドルレンジにあたるモデル。

ロッドは釣り物ごとの専用竿、リールは汎用アイテムとして展開。

両軸リールのベイゲームは年代を超えてバージョンアップし、型番によりますが、150番は2018年、300番は2020年モデルが最新モデルです。

ハイスペックながら、2万円台のお買い得な価格で長く快適に使えるため、予備用に同じ型番を何個も買う人や左右のハンドルをそろえる人も多くいます。

ベイゲームのおすすめポイントは6つ

では、ベイゲームのおすすめポイントはどこにあるのでしょうか。

ここでは、筆者が考えるベイゲームの魅力を6つ紹介します。

①まさに機能美!落ち着いた大人のデザイン

いぶし銀的な良さがあるベイゲーム

現行のベイゲームは、スコーピオン系の筐体を引き継いでいると思われ、シンプルで機能美を感じるデザイン。

派手さより、落ち着いた大人のデザインを求める人にはベストマッチです。

▼14スコーピオン。ボディはそっくり

▼実は10ベイゲームは蛍光黄色のボディだった!

②コンパクト&剛性

ベイゲームのボディは、ハイエンドモデルにも採用されている「HAGANEボディ」。

これは鋼製というわけではなく、シマノにおける高剛性設計のコンセプト(アルミやマグネシウムを使ったもの)です。

HAGANE ボディ
軽量で剛性の高いアルミニウムやマグネシウムなどの金属を使うことで、リールのたわみや歪み、ネジレをしっかりと抑制。繊細なギアの噛み合わせを守り、スムーズなリーリングを可能にする。

出典:シマノ

また「コアフィットボディ」により、筐体がコンパクトで手が小さい女性や子供でもしっかりパーミングしやすいのが特徴です。

通常はハンドル側に配置されるメカニカルブレーキノブをパーミング側に移すことでボディのコンパクト化に成功。フィット感とバランスがアップしました。
※150、151、150DH、151DH

出典:シマノ

ちなみに「コアフィットボディ」というのは、通常ハンドル側についているメカニカルブレーキノブがハンドルとは反対側についている仕組み。

持ち手と異なる側にメカニカルブレーキがあるので、調整時は都度持ち手を変える必要があります。

ですが、それほど頻繁に行う動作ではないので、「コンパクトでよりパーミングしやすい」メリットのほうが大きいです。

③滑らかでパワフルな巻心地

ベイゲームはミドルエンドにもかかわらず、ハイエンド両軸リールに使用されている「マイクロモジュールギア」を搭載。

「X シップ」とあわせて、シルキーで力強い巻心地です。

マイクロモジュールギア
小型精密ギアが密にかみ合う新型駆動システム。超小型精密ギアと精巧なボディハウジングにより、かつて体験したことのない”シルキー”な巻きごこちを実現。従来ギアとの振動比較においても振動レベルは半分以下(当社比)、またかみ合う歯数が増えたことにより従来ギアを凌ぐ強度も確保。滑らかなフィーリングと強さを両立したシマノ独自のギアシステムです。

X シップ
ドライブギアの大径化、ピニオンとドライブ両ギアの最適配置、ピニオンギアのベアリングによる2点サポート。これら頑強なギアの噛み合わせが、負荷に強い軽快なリーリングを保持する。

出典:シマノ

④汎用性の高さ

ベイゲームの150番はギア比6.9 で、ハンドル1回転69㎝。

水深~50m程度の湾内では巻重りもなく、女性や子供にもおすすめのギア比です。

もちろんハイギアモデルよりは手返し速度は下がるのですが、致命的なほどではありません。

極端なハイギア・極端なパワーギアではないことにより、より多くの釣り物に使用できます。

また150番はダブルハンドルとシングルパワーハンドルのモデルがあります。

巻き上げ力を求める場合は後者を、テクニカルな釣りでは前者を選ぶことにより、攻め手も増えます。

⑤SVS搭載でキャストもトラブルレス

SVSはシマノにおける遠心力ブレーキの仕組みです。

設定は外部ダイアルではなく、サイドカバーを開けて行う必要はありますが、トラブルなく遠投が可能です。

※シングルパワーハンドルモデルのベイゲーム150はキャスト時にクラッチ返りが起きやすいので注意が必要です。

⑥ドラグサウンド

置き竿でアタリを待つ釣り、タイラバなどでは特にドラグサウンドが釣趣を高めます。

ベイゲームはエキサイティングドラグサウンドという仕組みをメインギア外側に実装していて、心が躍るサウンドが鳴り響きます。

ベイゲームとスティーレSSとの違い

左:ベイゲーム150H、右:スティーレSS

ベイゲームの150DH(151DH)は、同価格帯のスティーレSSとよく比較検討されます。

どのような違いがあるのでしょうか。

スティーレSSは、超軽量ハイエンドモデル「スティーレ」がリーズナブルになった普及品です。

ベイゲームと比較したときの違いは以下の通り。

<スティーレSS、ベイゲームとの違い>

  • パワーギアとハイギアモデルにわかれている
  • ハンドル軸がやや短い(51㎜=-4㎜)=力は長いものより入れづらいが、よりテクニカルにつかえる
  • カーボン系素材CI4+を筐体に使用しているため軽量160g(-60g)
  • マイクロモジュールギアを搭載していない

ベイゲーム、スティーレSSともに汎用的な釣り物で選ばれるリールですが、スティーレSSは「より小物のテクニカルな釣り」で選ばれがちです。

特にカワハギ釣りでは、ステファーノSSと並んで、スティーレSSを選ぶ人も多くいます。

ベイゲームは小型リールをつかったほうがよいジャンルかつ、より巻抵抗の強い釣りに適しています。

たとえばカワハギ釣りでも、水温が落ちるシーズン後期に深場を狙う場合などに使用すると快適です。

<使い分け>

  • ベイゲーム:コンパクトでパワフル・シルキーな巻心地が必要な場面
  • スティーレSS:より軽量なリールでテクニカルな釣りをしたい場合

▼筆者によるスティーレSS・ベイゲーム150の使い分け解説はこちら!

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ベイゲーム300PG(301PG)とグラップラー300HG(301HG)との違い

出典:シマノ

ベイゲームの300PG(301PG)は、同価格帯のグラップラー300HG(301HG)とよく比較検討されます。

両者は名称やデザイン(色)がやや違うものの、同じ筐体をベースにした「打ち出しの異なる同スペックのリール」と考えたほうがわかりやすいと思います。

違いは以下の通りです。

<ベイゲームとグラップラーの違い>

  • ベイゲーム300PG(301PG):浅場を中心としたパワーギアの汎用リール。大物や巻き上げ負荷の強い仕掛けもスイスイ。エギタコによい
  • グラップラー300HG(301HG):ジギング用のハイギアリール。回収も速いので深場での釣りもバッチリ

300PGも糸巻き量が多いため、深場を狙えますが、パワーギアのため手返しが下がります。

深場の釣り(タチウオ・アマダイ・ライトジギング)メインであれば、グラップラーがおすすめです。

グラップラーは一見ハイギアで巻重りしそうに見えますが、マイクロモジュールギア+Xシップ+HAGANEボディ+70㎜パワーハンドルの恩恵で巻重りなく使用できます。

そのため300番でどちらか1台選ぶのであれば、グラップラー300HGのほうが、より汎用性が高いです。

ベイゲームの各モデルとおすすめの釣り物

ベイゲームは汎用性の高いリールです。型番やハンドル形状によって最適な釣り物も変わります。

それぞれ型番の特徴とオススメの釣り物を紹介します。

150(151)

ベイゲーム150(151)はシングルパワーハンドルのノーマルギアモデルです。

パワーハンドルのため細かい操作をするテクニカルな釣り物には適していませんが、タチウオなど深場の釣りなど、巻き上げ負荷がかかるような釣り物でも快適。

女性や子供でもスイスイ巻けます。

<オススメの釣り物>

ライトアジ、ライト五目、ライトヒラメ、マゴチ、タチウオ、ライトジギング、タチウオジギング、スミイカ、エギタコ(ライト)

150DH(151DH)

ベイゲーム150DH(151DH)はダブルハンドルのノーマルギアモデルです。

様々な釣り物へ対応できる汎用性が高く、おそらくベイゲームのなかでは最も人気の機種と思われます。

実際に店舗やECサイトでも、ベイゲーム150の在庫は比較的あっても、ベイゲーム150DH(151DH)はすぐに売り切れてしまいがち。

パワーハンドルほどではないですが、巻き上げも快適で、テクニカルな釣り物にぴったり

こちらも、もちろん女性や子供でもスイスイ巻けます。

<オススメの釣り物>

タイラバ、ライトアジ、ライト五目、カワハギ、夜アナゴ、マゴチ、タチウオ、ライトジギング、タチウオジギング、スミイカ

300PG(301PG)

2020年に追加されたのが、300PG(301PG)です。

豊富なラインキャパ(PE2-380m,3-250m,4-190m )とドラグ力8kgが最大の魅力。

PE3号や4号をつかう釣り物や大型の魚に巻き敗けしたくないのであれば、300PGもよいでしょう。

電動主体のビシアジや真鯛五目では、キーパーを併用することにより、電動リールに引けをとりません。

自重325gとやや重いため、女性や子供が手持ちで釣り続けるのは困難です。

<オススメの釣り物>

ビシアジ、コマセ五目、真鯛五目、ヒラメ、エギタコ、青物、泳がせ釣り

▼ビシアジやコマセ五目系の釣りはキーパー併用をおすすめします

ベイゲーム150DH実釣での使用感

実際にベイゲーム150DHをつかってみて各釣り物で感じた印象をまとめておきます!

カワハギ(深場)

低水温期(2~3月頃)のカワハギは深場に落ちた個体をさぐって釣るわけですが、東京湾の場合、オモリ指定が30号になり、潮受けも多くなります。

そうなるとカワハギでよく使われるハイギアリール(たとえばスティーレSS)だと巻き上げ負荷が大きくつかれるんですよね。

ベイゲーム150DHの場合、それほど持ち重りを感じず、巻き上げも快適です。

夜アナゴ

かかり釣りでの夜アナゴは東京湾独特の釣り物ですが、かなり速い潮流の中で釣らないといけないこともあります。

その場合、25号or30号オモリで釣るのですが、巻き上げ負荷が高く感じます。

そんな時にもベイゲーム150DHは快適に釣りができます。

夜アナゴ独特の両手持ちの場合も、筐体がコンパクトでスタードラグ部に手指が届きやすいため、持ち替えせずにラインスラッグを巻き取れて便利です。

タイラバ

浅場のタイラバでは等速巻きをしやすいパワーギアモデルのリールが人気ですね。

ベイゲーム150DHはタイラバにも適しています。パワーギアより手返しがよくて、ハイギアほどの巻き重りもないギア比が魅力。

ドラグの滑り出しも滑らかだし、ドラグ音もしっかり鳴るので釣趣もばっちりです。

餌マゴチ

餌マゴチでベイゲームをつかうときはダブルハンドルモデルがおすすめです。

マイクロモジュールギアと筐体の剛性から55㎝以上の大型マゴチでもスイスイ巻けてしまいます。

注意点はドラグがフルロックになるまでに、スタードラグをかなり締める必要があるという点です。

シマノの上位機種のドラグがそうなっているというのもそうなのですが、片手でフルドラグにしたうえで、再度両手でしっかりドラグを回しましょう。

そこからドラグ動作音が数回なればばっちりです。

尚、以前、新品のベイゲーム150DHが3台連続で最大ドラグ力がかなり低い現象があり、返品したことがありました。

ロットによると思うのですが、実釣で使用前に、しっかりドラグが効くかチェックしたほうがよいと思います。

天秤餌タチウオ

タチウオの場合もベイゲーム150DHが快適です。

1m級の大型のタチウオもスイスイ巻けます。

前述のマゴチと同様、フルドラグになるまで余裕があるので、しっかり設定したほうがよいです。

深場の場合はシングルパワーハンドルのほうがよいわけですが、細かく誘うことを考えるとダブルハンドルモデルのほうがよいと思います。

アマダイ

アマダイの場合、水深60~100m程度を釣ることが多いです。

ベイゲームの場合、巻き上げ負荷は軽いのですが、巻き上げ長がハイギアほどではないため、そこで疲労を感じます。

シングルパワーハンドルのベイゲーム150がおすすめです。

ちなみに、疲労軽減という観点ではオシアコンクエスト200HGのほうがアマダイには適していると思います。

スミイカ(テンヤ・スッテ)

浅場のスミイカではダブルハンドルモデルで十分なのですが、シーズン後期の深場の場合、やはり巻き上げ負荷からシングルダブルハンドルモデルが便利です。

深場になってくるとイカのサイズと潮受けが比例し、ギア比的にも巻き上げがかなりつらくなってきます。

アマダイ同様ですが、疲労軽減という観点ではオシアコンクエスト200HGのほうがスミイカには適していると思います。

ベイゲーム150DHの写真ギャラリー

ベイゲーム150DHの実機を紹介します。

派手さはない機能美

2018年モデルにしては、ハンドル軸が長め

コアフィットボディ機種では、メカニカルブレーキは反対側にある

コンパクトなボディ

 

コアフィットボディ機種ではサイドカバーのノブとメカニカルブレーキが一体化している

SVSはブレーキ調整を外部ノブではできない。が、慣れれば実釣時に調整することは少ない

ゲンプウ200PGとのサイズ比較

実際はベイゲームのほうが一回り小さい(ゲンプウも小型で持ちやすい)

バルケッタ300HGとのサイズ比較。実際はベイゲームが一回りコンパクト

上位機種オシアコンクエストと比較すると巻きの滑らかさはやや劣る。ハンドルノブのベアリング有無が大きい(抵抗差)

シマノのロッドと合わせたベイゲーム。手の小さい人でもパーミングしやすい

ダイワのアナリスターと合わせたベイゲーム

まとめ

今回は船釣りの名手たちが愛機として選ぶベイゲームの魅力を解説しました。

ベイゲームは、さまざまなリールを使いこんできた中級者・上級者の釣り人が特に愛してやまない機種です。

はじめに店舗で目にすると派手さはないので、その魅力がわかりづらいリールでもあります。

船釣りをはじめたばかりのときに、中級者・上級者のアドバイスでベイゲームを選ぶ人もいると思います。

そうなると、スタートラインが高いので、他のエントリークラスのリールとの差がわからないかもしれません。

が、以下の点で、歴然の差があります。

  • 剛性
  • 巻きの軽さ、滑らかさ

シマノのオフショア・ロープロリールをみると、さらなるハイスペック機種はあるのですが、費用対効果が一番高いアイテムはベイゲームと答えるひとも多いはずです。

筆者はメーカーの枠を超えて、2万円台前半のオフショア両軸リールでベイゲームが最強のアイテムと考えています。

「軽さは最重要じゃないんだ」

「カウンターなんて飾りですよ」

オシアコンクエストに近い使い勝手をもっと気軽に体験できる両軸リールとして、ぜひチェックしてみてください!

<備考>
ベイゲームは安定的な人気と生産タイミングから、これまで品薄でしたが、各店在庫がでてきたようです。
特に150DH151DHは人気で売り切れやすいのでほしい人は早目にチェックしたほうがよいでしょう。

>>>Amazonでベイゲームをチェックする

<参考>:シマノ公式ページ「ベイゲーム」紹介ページ

関連アイテム

▼150番は夢屋パワーバランスハンドル65㎜を装着することで、バランスを保ちつつ巻き上げ力UPが可能です。ノーマル150のハンドルはバランサーがついていないので、キャスト時など、ふとした拍子にハンドルが回ります。

▼リールオイル・グリス

シマノのリールはもちろんのこと、ベイゲームは比較的壊れにくいリールです。一方、日常メンテは大切です。また、マイクロモジュールギアの巻心地はグリスが切れると味わえません。定期メンテでメインギアのグリス切れを防ぎましょう。

プレミアムグリスはメーカー推奨ではないですが、粘度が強くメインギアのグリス切れが起きづらくなります。自己責任でどうぞ。

スプレータイプのグリスは気軽にメンテナンスできて便利ですが、粘度が低いのが特徴です。定期メンテでは、ACE-2のボトル入りのほうがメインギアのグリス切れ対策に適しています。

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