サイマキやハゼ餌をつかった船マゴチは東京湾で人気の釣り物。
近年はロングシーズン化していて春から秋まで狙われています。
今回は2021年にリニューアルしたダイワのマゴチXについて、旧モデルとの変更点やライトゲームXとの比較を解説します。
マゴチXについて
ダイワのマゴチXは「マゴチX210・R 」という名称で2021年にアップデートされました。
中位機種のアナリスターマゴチ(215㎝&235㎝)と異なり、210㎝モデルのみで販売されています。
<新型(21)マゴチX・Rのスペック>
出典:ダイワ
21マゴチXのインプレ(旧型との違い)
21マゴチX
ここからは新型である21ライトゲームXのインプレです。
旧型マゴチXとの違いもあわせて解説していきます。
上が旧型、下が21マゴチX。EVAグリップのデザインはほぼ変わらない
まず旧型マゴチXとの違いはグリップ(リールシート)部分です。
他の対象魚Xシリーズと同様に、アルマイト金属ナットの色合いが竿と調和するようになっていて、デザインもかっこよくなっています。
グリップ上のネーム部のカラーは対象魚ごとに異なるのですが、マゴチはグリーン系のラメ。
上が旧型、下が21マゴチX
リールシートは旧型がやや幅広だったものが、わずかですが細く削られています。
よりスマートになったことで、ややパーミングしたときの触感が変わっています。
左が旧型、右が21マゴチX
リールをつけてみました。
旧型のマゴチX(Xシリーズ全般)は「ロックナット部のシルバーがちょっと浮いた感じ」だったのですが、新型は黒×金系統で全体的に調和しています。
デザイン性は圧倒的に旧型より上です。
釣りをしない妻に、「どっちの竿のほうがカッコイイ」と聞いてみたら、即、新型の方を指差してしました。
そういうことなんでしょう。
とてもパーミングしやすいリールシートです。
上が旧型、下が21マゴチX
X状カーボンテープ補強(BRADING X)の範囲は旧型と同様です。
ブランクス自体は旧型と変化がなさそうです。
先径は1.0mmで、元径は9.9mmで変更がありません。
上が旧型、下が21マゴチX。ブランクスはおそらくほぼ一緒
個体差なのか、21マゴチXのほうがわずかに柔らかめ(オモリ15号)
先径は一緒なものの、個体差か?ソリッドの素材が違うのかは謎(オモリ25号)
グリップ以外で違いで明確なのは穂先部分です。
餌マゴチはリーダーを使わず、PEラインに直結するのが一般的。
そのため、穂先へ煩わしいPEラインがらみがしばしばある釣りです。
マゴチ釣りで合わせ時に穂先を折る人をたまに見かけます。
これはPEラインがいつの間にかたるんでTOPガイドもしくはその下のガイドに絡んでいる状態で合わせていることがほとんどです。
21マゴチXには他の新型Xシリーズ同様、傾斜ガイドが採用されているため、穂先へのPEラインがらみが軽減されます。
また、ガイドフットを固定するスレッドのコーティング部分の赤系カラーが旧型より幅広く、目感度(視認性)もよくなっています。
旧型のマゴチXは赤色(橙系)の箇所が5個(グラスソリッドティップ全体のガイドフットが赤色ではない)でしたが、新マゴチXでは7個になっています。
そのため、より穂先の変化をとらえやすくなっているわけです。
人にもよると思いますが、一般的に穂先の色はダイワ・アナリスターマゴチやがまかつマゴチスペシャルのような白×橙系が見やすいです。
が、デザイン面を考えると、穂先の白部分は全体から浮くわけです。
新型マゴチXでも、他のXシリーズ同様、ソリッドティップ部の白塗装はさけ、全体的に統一感のある黒地に赤色(橙系)スレッドにしているのでしょう。
白い穂先がもっとも見やすい(筆者の場合)が、デザイン性は下がる
以上が旧型マゴチXと新型の21マゴチXの違いです。
まとめると以下の通り。
<新型の21マゴチXでアップデートさらた点>
- リールシートとナット部分、グリップ上ネーム部のデザインが異なる(デザイン性が向上している)
- グラスソリッド穂先のカラーパターンがよりわかりやすくなり、目感度向上に寄与している
- 穂先のガイドが傾斜モデルになり、穂先がらみが軽減した(手返しの向上・穂先折れリスクの低減)
本丸であるブランクス面で大きな違いはありません。
つまり、マゴチのアタリやフグなどのバイトに対すると感度は旧型と同じということです。
デザインリニューアルにより、マゴチ釣りの1本として、より選ばれやすくなったと考えておけばよいと思います。
汎用竿「20ライトゲームX」と専用竿「21マゴチX」の違い
さて、船マゴチはライトゲームロッドでも問題なくチャレンジできる釣り物です。
「ライトゲームロッドのほうが合わせのタイミングをつかみやすい」という筆者の釣友もいます。
では具体的にマゴチ専用ロッドとライトゲームロッドでは、どのような違いがあるのでしょうか。
結論からいうと、3つの違いがあります。
- 対応オモリ負荷の違い
- 長さの違い(グリップの長さ含む)
- 調子の違い(穂先とバット部分)
以上が大きな違いです。
実機(21マゴチXと、よく船マゴチに用いられる20ライトゲームXの73-M190)で見ていきましょう。
上がライトゲームX73M190、下が21マゴチX
グリップ部分は20ライトゲームXの方が長めにできています。
たとえばライトアジで、ビシなど重めのオモリを操作するときにはグリップエンドを脇に挟むことで持ち重りを軽減できるからです。
対して、マゴチXはグリップが短めです。
頻繁なタナとりや前アタリに竿先を送り込む際も、ロンググリップのライトゲームロッドより竿の長さを十分活かせるように設計されているわけです。
マゴチ釣りにおいて竿の「長さ」は重要です。
マゴチ釣りはタナとりを頻繁に繰り返します。また、置き竿にするときは波の上下を吸収し、オモリと餌の位置を安定させることが重要になってきます。
マゴチ独特の前アタリに対して竿先を徐々に送り込んでいく際も、ある程度長い方が容易です。
上がライトゲームX73M190、下が21マゴチX
先径と元径については以下の通り。
- 20ライトゲームX 73-M190 :1.6/8.8 (先径/元径mm):先端が太くて、バット部はやや細目
- 21マゴチX210:先径と元径:1.0/9.9 (先径/元径mm):先端が細くて、バット部はやや太目
マゴチXは穂先がより細く繊細にできていて、バット部分は太くしっかりしていることがわかります。
ライトゲームロッドはビシや天秤などをしゃくる負荷を想定しているため、先径がやや太目です。
マゴチ専用竿は、ライトゲームロッドと比較するとマゴチ独特の前あたりをより穂先でとらえやすく、アワセも強めのバット部分でしっかりできるように設計されているわけです。
こうして考察してみると、よくできていますね。
上がライトゲームX73M190、下が21マゴチX
ガイドスレッド部分はXシリーズ全体で見やすく改善されています。
まとめ
マゴチをより釣りたい場合は専用竿がおすすめ
東京湾で人気の船マゴチ。
今回は2021年にリニューアルしたダイワのマゴチXについて、旧モデルとの変更点やライトゲームXとの比較を解説しました。
いまのところ餌マゴチはほぼ東京湾限定の地域的な釣りのため、エントリーモデルの船マゴチ竿を販売しているメーカーは多くありません。
ダイワの他は、アルファタックルの「海人マゴチ」(なぜかフネタツマゴチは無い)ぐらいです。
ニッチな釣り物に専用竿を出さないシマノは「マゴチBB(ありそうで無い)」を製造していません。
以前はベイゲームXのマゴチモデルがありましたが今は販売されていません。
となると、エントリーモデルで一本目の専用竿を買うことになった場合、多くの人の選択肢はマゴチXになるはずです。
船マゴチはライトゲーム竿でも十分釣りが成立します。
一方、さらにタナとりをしやすくし、多くのアタリを察知してヒット率を上げるためには、マゴチ専用竿は有効です。
マゴチXは他の釣り物への流用として、軽めのオモリをつかうメバル・カサゴ・カレイにも活用できます。
それほど高くない竿なのでマゴチフリークは1本買っても損はないでしょう。
関連アイテム
▼上位機種はアナリスターマゴチ(カーボン%が+20%、235cmモデルがある)、メタリアマゴチ(メタルトップで感度がよい)がある。
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