アカモク採りのススメ

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逗子海岸 アカモク ゆでる
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この記事では海岸に打ち上げられたアカモクを料理して食べています。アカモク自体は、大量発生し船のスクリューにからんだり網にかかったりして漁業者に嫌われていましたが、食味と栄養価から近年商品価値がでてきていて漁業権の指定になっている場所もあります。採取をする際は都道府県の漁業権をチェックしてから行いましょう。

神奈川県逗子の場合はアカモクは漁業権の指定外です。近隣の鎌倉や葉山の海域は漁業権の対象です(2017-06-26現在)

アカモクの栄養価や市販品の食味についてはこちらの記事をどうぞ。

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目次

海が荒れたあとの逗子海岸のようす

或る夜の逗子海岸、午前0時。

数日前から荒れていた海。

海岸にまだ産卵後、息のあるアオリイカやコウイカでも打ち寄せられてないかなーと、棚ボタ散策してみたところ、生命反応といったら海面にときおりトウゴロウイワシかカタクチイワシの群れがみられるぐらいで、まーそうは問屋が卸さないという慣用句のとおりさっぱりなにもいない様子。

コウイカの甲

こちらがコウイカの甲。炭酸カルシウムでできているとのこと

砂浜に打ち上げられているのはコウイカの甲ぐらい。それも20ぐらいみつけたので、逗子や葉山界隈の沖合にはアオリイカだけでなく、コウイカもたくさん生息しているのでしょう。

さらに散策していると、波打ち際に巨大な物体が横たわっている???。

すわ、サメのゾンビか?

ちかづいてみると、海藻のゾンビの模様。

一体なんの海藻か?

よくみると、まだ浜に打ち上げられたばかりのようです。

さらにしらべてみると、新鮮そうな部位がみつかり、

あたまのなかで、

「これ、たぶんアカモクのような気がする。喰えそうだな」

「いけそうだな」

という自己問答が行われ、ほくほくしながら、もちかえることに。

このギザギザがアカモクの証拠

ちなみにアカモクひろいですが、太陽が昇ってから行うよりも、早朝か夜間に行うほうがいい気がします。打ち上げられた海藻類は太陽にあたって温度があがると海藻ゾンビとなり急速に腐っていくからです。

こんな海藻、なんだろう。

持ち帰ったアカモクの処理

海岸に打ち上げられていたアカモクはあまりにも大量にあったので、ほんの一部持ち帰ったつもりがかなりの量に。

海藻だけにかなり水分をすっているので2キロぐらいはありそうです。

洗って砂を落とす

砂浜に打ち上げられたアカモクは大量の砂をはらんでいる

まず、海岸に打ち上げられていたものなので、砂をはらんでいるので砂を風呂場で落とします。

これはシャワーでジャージャー数回ながせばOK。このとき、ワレカラやヨコエビ類やその他のプランクトンや蟹や海老等がでてくるかもしれません。

蟹や貝などと同様、採取したものを大量処理するときは台所より風呂場のほうが便利です。

茎から葉をしごき落とす

アカモクの先端はこのとおり。

ここを茎から手でしごいてとっていきます。(茎は食感がよくないので取り除くのが一般的)

この通り。茎がとれます。

アカモクの茎は細くてもしっかりしているので、多少強引にやっても大丈夫。これも食べられないわけではないと思うのですが、食感的に口に残るので取り除いたほうがよいです。

かなり単純作業で、意外とたのしいので、子供ちゃんがいる方は仕事としてまかせてもいいかもしれませんね。

たまに、アカモクに小型の貝類が多く付着しているんですが、素手で葉をとると、この貝類で手が傷つくので注意です。

軍手などがベスト。

うわっち。強烈なねばりが。

アカモクはかなり粘りを出すので、このとおり加熱していない状態でもねちょねちょしてきます。

アカモクをゆがく

鍋に熱湯をはり、30秒ほど湯がきます。

アカモクは岩礁帯に生えているときもこのように茶褐色

諸事情によりアカモクをいれておく容器がなかったので、いったん鍋へ。

そこにティファールでわかした熱湯を注ぐ。(正確には湯がたりないので、小鍋×2=2リットルを追加したので合計3リットルの湯を使用)

なんとなく食材っぽくなってきたアカモク

熱湯をかけるとこのように、緑になります。

ほらね、アカモクはゆがくとこんなに鮮やかなんです。

と、ドヤ顔でいいたいところですが、これは、利用している写真アプリのエフェクトの影響もあるので、肉眼で見るかぎりこんなに緑ではありません。

ここから、湯をきりますが、熱を加えるとアカモクのぬめりレベルが50ほどあがりまして、とろろろーんと、もーえらいことになります。

これが湯をザルできった状態。

※繰り返しますが、利用している写真アプリのエフェクトの影響もあるので、肉眼で見るかぎりアカモクはこんなに緑ではありません。

刻む

湯をきったアカモクはまな板の上で包丁でたたきましょう。

と、いいたいところですが、始末に負えないとおもわれるので、鍋にいれたまま調理ばさみで刻むことに。

片手で、ちょっきんするよりは、調理ばさみを両手でもって、高速カットするほうが仕上がりは早いです。

やがてこんな感じのとろろ状に。

ねるねるねるねは、へっへっへっへっ。

ねればねるほど……

以下略。

以上でアカモクの下ごしらえは終わりです。

アカモクをたべてみよう

アカモクのポン酢和え

まずはシンプルにアカモクを刻んでいない状態でポン酢で賞味

うーむ。シャキシャキとろろー。というやつですね。

まったく臭みもなく、新鮮そのもの。実にうまい。

鰹節にしょうが醤油もよく合います。

アカモクの中華風

次に、中華風にチャレンジ。これもアカモクは刻んでいないんですが、ポン酢+香ばし葱油+ごま油をいれて和えてみます。

うーん。うまい。

ごま油+ねぎ+酢というのは黄金の取り合わせですね。お好みでレモンをしぼってもよいと思います。

アカモクのお吸い物

翌日の朝、お吸い物をつくってみました。

とはいっても大袈裟なものではなく、汁椀に刻んだアカモクと麺つゆor白だしをいれて、お湯をそそぎネギを散らすだけ。

できあがり。これはやさしい味。朝ごはんによく合います。

なんというか、胃粘液のへった中年の胃袋にベールをはるようなやさしさです。

胃には、セルベール!ってやつですね。

あまったアカモクは、ジップロックにいれて保存。

今回は2キロほどアカモクの下ごしらえができたので、冷蔵庫と冷凍庫にわけて保存することに。

といってもジップロックにいれるだけです。

冷蔵庫は3日以内くらいで消費するイメージで、冷凍庫は2か月以内ぐらいに食べればOKかと。メカブ同様、アカモクも冷凍→解凍しても食感や味はあまり劣化しません。

それこそ、1年ぐらい冷凍していても、まーなんとかなる味です。

逗子等の産地でもトロロ状態にしたアカモクを冷凍にしたものがよく売られています。

アカモクをとって食べるのはおすすめ

トロロ状態にしたアカモクは冷凍品でだいたい500g500円ぐらいするので、今回は、2000円分ぐらい得したような気がします。

みなさんも、冒頭の漁業権に配慮してアカモク拾いをしてみるといいですよ。

沖合に海藻がある海域で、嵐のあとの干潮の海岸がおすすめです。

アカモクをとって調理したあとに、アカモクってそこら中に生えているのにいいお値段するのはなんでなのかなーと思ったのですが、これはたぶん、処理が大変だからなんだと思います。

アカモクやその加工品のお値段は、どちらかというと希少性からくるものではなく、人件費なわけですね。

ではでは。

アカモクをとって食べるときの注意(追記)

夜や早朝の海岸は視界がわるいので、足元に注意が必要です。

スライム。じゃなくて、クラゲ。一緒に写っていたのはヒジキかもしれませんね。

特にクラゲ類は打ち上げられて死んでいても毒棘は健在なので要注意。

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