居酒屋や小料理屋でたまにつまみとして登場するナマコ酢は酒のみにはたまらないつまみとされていますね。すべてマナマコが原材料なわけですが、同じマナマコでも赤ナマコが最上級とされ、その次に青ナマコが続き、黒ナマコは乾燥されて主に中国に輸出されています。基本的に共同漁業権の対象ですが、漁業権が放棄されたエリアにも生息しているため、ルアーや投げ釣りなどの仕掛けで釣れることもしばしば。今回はそんな赤ナマコ料理を紹介します。
冬が旬の赤ナマコは高級魚なみのお値段
こちらはスーパーで販売されていた赤ナマコ酢。100g500円でした。
三崎の朝市では一山1000円。
ナマコを丸のままから料理してみるとわかるのですが、身体の重量のほとんどが海水です。
活きた赤ナマコを買うと、大きなもので~1000円ぐらいしますが、あれって下処理の間に一気にぴゅーっと海水を吐きだして縮むわけです。
ちょっとびっくらこいてしまう、馬の股間のようなナマコ氏もいるんですが、あれも、すんげーこれデッカ!と思って包丁をいれると、ぴゅーっと海水を吐きだしてちんまりするという。
なので重量と見た目の大きさはあんまりあてにしないほうがよい生き物です。
もちろん、大きい小さいはあるんですけどね。
茹でると、人差し指の第二間接ぐらいのサイズになってしまいますしね。
こちらはくっついていますが、赤ナマコ2匹。
堤防や船・ボートから浅場の釣りで釣れます。共同漁業権の対象となっているエリアのものは持ち帰れません。
といってもナマコがサンドウォームみたいに、海底のイソメや切り身などの餌を食べるというわけはなく、海底をルアー等で狙っているとスレがかってくるというわけです。
特にメタルジグのボトム狙いや、湾フグなどのカットウ針ではよく釣れます。
メタルジグで釣れた黒ナマコ
エギなどもよくナマコがかかるルアー
アカメフグ釣りのカットウ針でもよく釣れる
では、話を赤ナマコ料理に戻ります。
接写すると、赤ナマコ2匹がつながってなんの生き物だかわからないビジュアルに。「これは惑星○○の地表です」と言われても、わからないですね。これは。
ひっくり返すとこの通り。
赤ナマコは腹側が赤いです。
個体差も大きいんですが、アオナマコは青っぽく、黒ナマコは黒。
赤ナマコの下処理
ナマコ全般がそうですが、底で藻類やら砂の中の微生物などを濾過して食べているため、体に砂利などが付着していることもしばしばです。
持ち帰ったあとは流水でさっと洗い流しましょう。塩水をいれたボールでやるのがベストですが、そこまでこだわらなくてもよいと思います。
その後、頭部側と肛門側を切り落として、筒状にしたまま割りばしなどを突っ込んで腸や卵巣などを洗い流します。
もしくは、腹側に縦に包丁をいれ、開腹してから洗浄してもよいです。
こちらはナマコの腸。
中味の砂などを洗い流すと、これも食べられます。
かなりグロイですが、臭いは爽やかな海のニオイといったところ。
こちらが腹側に包丁をいれた赤ナマコ。
中味をきれいに洗い流したあとに、2分割すると食べやすいと思います。
ある程度薄くカット。
ナマコの堅さについては赤ナマコが一番やわらかいとは言われています。あとは薄く切るかどうかによっても変わってきます。
ちなみに水揚げしたばかりのナマコはニオイがないですが、鮮度が悪く死んだものなどは磯臭さは増します。
他に、ナマコのにおいが嫌いだという人は薄切りにしたあとに、真水にさらすと臭いは軽減されます。が、ナマコが好きな人はその風味を愛するとは思うので、内臓を抜くとき以外はできる限り真水は使わないほうが良いでしょう。
ナマコを柚子酢漬けにする
ナマコ酢というと、ポン酢+もみじおろし+万能ねぎというのが一般的で、それはそれで完成されていてうまいです。
一方、ナマコって、かなりそれ自体がしょっぱいんですね。
生牡蠣自体がそうですが、海水が身にしみこんでいるので、そのままでも塩っ気があって美味しいわけです。
ということもあり、今回は醤油やポン酢を使わず、柚子皮と果汁だけで調味することに。
といっても、シンプルで、スライスしたナマコに、柚子の果汁をしぼり、皮を細切りしたものを和えるだけです。柚子皮は、おろし器ですってやるとさらに香りがでるかなと
万能ネギがなかったので、とろろ昆布をトッピング。
無意味に、ズーム。
味は、
あ、これはですね、欧米の牡蠣の食べ方に似てるなと。
あのリア充っぽい人らが、殻付きの牡蠣をクラッシュアイスにもりつけて冷やして、うひょーとかいつてレモンだけしぼって食べるあれですよ。
海の塩っ辛さに、柚子の酸味が加わってシンプル。
そこに、とろろ昆布のうまみとまろやかさが加わって、これはこれでありかなと。
まーでも、ポン酢で仕上げた牡蠣ポンのほうがうまいかなと。
「士郎、とろろ昆布とはよく考えたな」と、個人的には思ったんですけどね。
ではでは。