アマダイ釣りって、アタリもうんともない日というのがありますね。
そもそもアマダイがいない場所なのか、底にはアマダイがいるものの密度が低いのか、あるいは穴に潜ってしまっているのか。
ぽつりぽつり小型だけ1,2尾釣れたみたいだけど、それ以外は一切続かずというあの状況。
こういうシチュエーションはみなさんも経験したことがあるんじゃないでしょうか。
底棲魚で魚探に映る魚でもないですし、コマセで寄せるわけでもないので、こうしたことが起きてしまうのはまー仕方ないことです。
とはいえ、アマダイ自体は単体で穴を掘って生息しているというよりも、一定範囲内に集団で生活している生き物。
だけど、続けて釣れない。
これはやっぱり、仮説として「アマダイは穴に潜ってしまっている」状態で、「餌が視認されにくい状態」「捕食モード」ではないのかもしれないなーと思ってしまいます。
こうした「アマダイの引きこもりモード」に対して、なにができるか。
今回考えてみたのが、以下の仕掛けなんです。
まず、ダイワの快適シンカー60号の夜光カラーを用意。アマダイの釣りはそれほどオモリロストはないので、2個用意しておけばバッチリ。
このシンカーは「センサーアイ」といって、海底地形を敏感に感じられるように、オモリ下部に環がついているんですよね。
この輪っか、実はかなり便利。
本来の使い方ではないと思うんですが、カワハギ釣りならそこにコロラドブレードを装着したり、ラバー系の集寄を装着したり。
で、今回はこの仕掛けにスナップをつけたハリスをつける。
ハリス長さは20㎝以内。
オモリは天秤につけるので、あまりハリス長が長くなりすぎると天秤や吹き流し仕掛け側に干渉するので、短めに。
ハリスはハリのあるホンテロンの4号を使います。
名付けて「アマブラ」釣法。
要は、アマダイでブラクリをやるわけです。
このオモリを胴突き仕掛けか天秤仕掛けにつけて、通常の釣り方をする際、海底をたたいてオモリを落とし込む。
そんで、ハリス分だけ引き上げることを繰り返してみたら、どうなるんじゃろかという実験です。
逗子・葉山沖からスタート
船宿は葉山鐙摺港たいぞう丸さん。
この日は前回釣行のリベンジで漫画家の佐藤秀峰さんとの釣行です。
よーし、スタンバイOK。
最初はオモリ下のハリスはつけていない状態。
いきなり奥の手を出すというよりもまずは通常の釣法でやってみて、「こりゃ釣れないかもー。ちょっと一手ほしいな」というタイミングで「アマブラ」をやってみようかなと。
船は、逗子と葉山のちょうど境、港の沖側に移動。
このダイワの餌&オモリケース便利ですね。
「チョイ置き船べりトレイ」 というアイテム。
主にカワハギ用につかっている人が多めながらも、アマダイにもちょうどいいなと。
蓋つきと蓋なしがあります。餌の感想と雨による濡れを避けるためには蓋つきがよいんでしょうね。
ポイント到着。
まずは、水深60mぐらいから。
さっそくアタリ。
あー、これは貴殿類だろうな、でもそれにしては引きがあるよな、キダイなのかなと思ったら。
デカトラ。
クラカケトラギスの大型ですね。思わずうれしくて船長の河村さんに、見せたら、「それは寿司とかにもいけそうっすね!」とのこと。そういう小物も蔑まないところもいいですね。
たしかに、刺身がとれちゃうぐらいの太さ。
続いて、小型のイトヨリダイ。
アマダイ釣りをしていると、「イトヨリ」と総称されますが、腹側に黄色いラインが入っているものは「ソコイトヨリ」という種類。
こちらはソコイトヨリ。お腹のラインが黄色い
イトヨリダイとソコイトヨリは群泳しているようで、同じポイントで両者が釣れたり。
この日も、イトヨリダイが釣れたと思ったら周りでもイトヨリダイとソコイトヨリが釣れてましたね。
よし、アマダイブラクリ(アマブラ)をやってみる
さて、そろそろアマダイがほしいところだが。
だれも釣れてないけど、またもや状況がよくない日なのかな。
ということで、これですよ。
アマブラ(アマダイブラクリ)。
オモリから出したハリスにはアオイソメをセット。
これ、別の釣りの余りだったので、弱り気味。もうちょっと活きのいいやつや、岩イソメをつけるのも一つかなと。
オモリで海底を小突くので、いかに砂泥メインとはいえ、ハリス直結だと結び目が傷むのでスナップをかませるとよいでしょう。
このような構成。
ご覧の通り、オモリしたにハリスが垂れるわけで、あまり長くすると手前マツリの原因になりますね。
さて、どうなのか。
一投目。
・・・
・・・
・・・
海底。
着底後に、底を小突いて、底上10~30㎝程オモリを上げてそこでステイ。
イメージとしては底を小突いて、アマダイが「ホイホイ、なんじゃろほい」と出てきたときに、イソメが目前にあるから食べようという釣り方。まー一般的な小突きの天秤釣りと一緒でその際の餌のタナがとりやすいという。
が、なんどかやっても釣れず。
これはもしかして餌がへたっていて、イソメ自体が自然と動かないのも原因の一つじゃないかなと。
そこで、イソメを積極的に動かす作戦に。
着底後、50㎝ほど底をきって、オモリを揺らすようにアクション。さらに、50㎝上げてオモリを揺らす。
(これで底上1mで、吹き流し仕掛け側のオキアミも底上を漂うイメージ)
ゴゴン!
ふぁ!?
なんだか派手なアタリが。
しかも引きは強くないけど重め。
「もしかしてオニカサゴかもしれないっすね」
そう、隣で釣っている佐藤さんにいってあげてくると・・・。
冬の空を背景にしたオニカサゴの美しさ。イズカサゴかな
おお、オニカサゴやんけ。
口内ではなく、ほほ部分にフッキング。
これはどういうことか。
説明しよう。
たぶん、「オモック」同様、オモリ自体がメタルジグのような役割をして、それにオニカサゴが反応してじゃれてきたところにフッキングしたに違いない。
わお。
なんと、釣れてしまった。
こちらオニカサゴ君が吐き出したタンク系の蟹。
つづいて、カナガシラ。
これも同じ釣り方で、底上1mぐらいまでアクションをしてヒットしたもの。
こちらは完全に口にフッキング。
オモリを追って底から追いかけてきてハリスについたイソメにヒットする。
おお。これは一つのパターンを発見したんじゃないか。
ちょっとうれしいぞ。
続いてまたカナガシラ系。
と、この仕掛けがでこのあとも2時間ほど釣っていたんですが、天秤にハリスが絡むことがほぼなかったという。
ハリスを短くして、ハリのあるホンテロンを使う限りは特にトラブルなく成立する釣りなのかもしれませんね。
アースを感じるカナガシラの眼
それと餌はへたったアオイソメで途中、餌切れでエキスも抜けたものを延々つかっていたので、このあたりは改善ポイントかなと。
オニカサゴが釣れるなら、サバ短冊あたりをつけてもよいかも。
で、アマダイは釣れたの?
え?
なんですか?
あー、そういえばアマダイを狙う話でしたよね。
アマダ?
貴殿でしたか(ヒメ)。
そろそろデカアマが釣れそうだな。
デカアマの雰囲気出てきたな。
む、デカアマ?
ふう。少し休憩でもするか。
慌てる乞食はなんとやら。
さて、そろそろ本題に入ろうか。
あれ、アマダイって、どうやって釣るんだっけ?
あー、今日はいい天気だったなー。
釣りというのは釣るのが目的ではなくてですな、もっと総合的なレジャー、或る意味精神の修養といいますか・・・。
船長「はい、帰りも1時間ちょっとかかるんで、そろそろ上がりますね」
そう。
アマダイなんてただの飾りですよ。
偉い人にはそれが分からんのです。
鐙摺港に戻って船から降りた瞬間、頭上から三浦空軍(カモメ)の糞がポタリ落下。
こいつですよ。
河村船長「これでウンがついたってやつですね」
お、おう。
まとめ
この日の釣果はこちら。
小形のトラギス類はカモメに進呈したとして、まー所謂貧果ですよ。
下手なんでしょうか?
それにしても太いトラギスだな。
息子もツンツン
はい、何をまとめるかわからないまま、まとめになってしまいましたね。
この日は、実際かなりよろしくない釣況だったんです。これホント。
1日頑張ってきましたが、今日は苦戦しました!
食い気のあるデカアマの上を流すことができず…アマダイが上がっても単発単発どの場所でも顔を見るのが精一杯の1日でした。
最後にデカそうなアタリ!は、1.5㎏の特大オニカサゴでした(^^;
トップ3匹の方お2人でした。
もう一隻の仕立て船の方はデカアマも上がり、その他に40㎝オーバー多数上がり良かったみたいです。
明日も有り難くご予約を頂き、元気に出船します!(^^)
寒くなりそうですのでご乗船のお客様は防寒対策万全にしてお越しください!よろしくお願いしますm(_ _)m●アマダイ五目船
アマダイ 23~36cm 0~3匹
他、特大オニカサゴ(1.5㎏)、カンコ、カイワリ、イトヨリ、ムシガレイ多数、アヤメカサゴ、カナガシラ、ヒメジ、ヒメコダイ、レンコダイ、サバ
葉山~城ヶ島沖50~100m
どこかで突き抜けたいところ。
むしろお前、アマダイブラクリとかやっている場合じゃないんじゃないか。
これは、デカアマ云々じゃなくて、相模湾側(江ノ島~平塚・小田原)あたりの比較的数が釣れるエリアで、アマダイ釣りの感覚自体を取り戻してきたほうがよいんじゃないか。
スランプの気配がする。
それにしてもアマダイブラクリというのはセッティングをちゃんとやれば、まだまだ可能性があるような仕掛けなんだと思います。
1mハリスの天秤仕掛けでデカアマを釣っているひともいるので、タナを低めにして固定で狙ったり、小突き主体ならいけるんじゃないんでしょうかね。
たぶん、メイビー、きっと。
ではでは。
平田(@tsuyoshi_hirata)