時化で流れ着いてはひたすら腐る海藻「アラメ」を料理する

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アラメ
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今回は、海岸に流れ着いたアラメを採取して、料理してみたのでその様子を紹介します。

アラメを好き好んで採取するひともまー少ないとは思うんですが、エリアによっては共同漁業権に設定されているので、採取する際は地域ごとの共同漁業権を確認して行ってください。

※今回採取した場所では、「カジメ」や「ワカメ」は共同漁業権の指定として認められていますが、「アラメ」や「アカモク」は指定されていません。

目次

誰もが捨て置く海藻「アラメ」

冬から春は、海藻がいろいろととれるシーズンなのですが、共同漁業権の兼ね合いもあって、採取できるものがエリアごとにきまっています。

厳密にいえば、「共同漁業権に指定されているものは、流れ着いたものでも満潮時の海岸線にあるものはとってはいけない」ということを、某お上に確認したことがあります。

ふーむ。流れ着いたものぐらいええんじゃないかなー、と当時思ったことを覚えています。どうせ再度定着化するわけでもなかろうし。流れ着いたら腐るんだからさ。

逗子の場合、西風や南風が強く吹くと、海藻が多く海岸に流れ着きます。

京急逗子葉山駅裏

これは逗子湾が南西に開けているからなのですが、さらに上げ潮にのった海藻類(ワカメ・アラメ・アカモク)などは、市内をながれる田越川を通って、京急の逗子・葉山駅(京急新逗子駅)あたりまで流されてきます。

駅の裏まで食用の海藻が流れてくる街。逗子湾から駅まで川をさかのぼっても1キロぐらいなので、フラットな河川で堰もなければ、流されてくるのでしょう。

息子も一人で走れるぐらいに成長しました!

この日は逗子海岸へ。

春に逗子海岸に流れ着いている大量の海藻カスみたいなのがあります。

これね。

きくらげみたいなの。これはフクロノリで、虫歯予防効能があるとされる成分「フノラン」が含まれていて、実はガムに成分が含まれているようで。

これはワカメ。

これはいろんな海藻の集合帯なんですが、お目当てはアラメです。

これね。

ワカメより、葉がしっかりしていて、茎にいたっては動物の骨のように堅そう。

ワカメとかアカモクもそうですが、岩盤にはりついていたのが、強い西風、南風にもまれてはりついてた岩ごと、ポロリ、ってな具合に落ちてながされてくるわけです。

これもアラメ。

これもアラメ。

アラメとカジメの違いは以下の通り。

  • アラメ:茎から二本の枝がわかれている&葉にしわしわがある
  • カジメ:茎から枝分かれせず&葉はつるつる

とかしったような解説をしていますが、実際、定かでなかったので、調べてわかったことです。

魚のことはある程度知っていても、海藻とか貝は見分けがつかないのが多くて。

持ち帰ったアラメを料理する

ということで持ち帰ったアラメ。

海藻類はキッチンでいきなり下処理をするんじゃなくて、バスルームで行うとよいです。強めのシャワーでまず砂とか、ワレカラやヨコエビなどを洗い流す。

アラメの場合、つかまるところが少ないんでそんなに動物性の生き物はついてないんですが、これがアカモクなどの細かい葉になると、もうワレカラ天国ですよ。一株ですんごいワレカラがいて、全部取り除くのは困難。

ワレカラ食わぬ上人なし

って、ことばがあるんですが、ほんとよくいったもんだなと。

アラメは茎がすごい。「荒い芽」or「粗い芽」ってのが語源なんだろうなと

で、あらかたゴミを流したアラメをキッチンに運んで下処理をつづけます。

まず、ワカメとちがって茎は明らかに食べられるレベルの硬さじゃないんでポア。

熱湯でボイル。

これは葉自体に苦みと渋みがあるからで、ホウレンソウを茹で流すのと同じ原理ですね。これ、あとから思うと、酢をいれてボイルしたほうがよかったなと。

葉が強いので、ワカメとは異なり強ボタンで、ぐつぐつ煮立てる。

茹で上げたら、水で洗い流す。茎あたりには苔のような付着物もついているので手で洗い流しておくとよいでしょう。

あとは刻む。

アラメは歯ごたえがあるので、細切れにするのが正解かもしれません。そうすると残った渋みや苦みも抜けやすいかも。

今回は油揚げと煮ることに。ワカメもそうですが、海藻は油と相性がよいんです。

調味料をいれ、中火で煮る。

煮る煮る。

調味料は、今回は砂糖・しょうゆ・みりん・日本酒で。

20時30分ぐらいから煮て、20分ぐらいで味見をしてみると・・・。

・・・

ほーん、昆布とワカメのハイブリッドみたいな食感と風味よな。

って、苦渋。

もうね、苦いんです。渋いんです。

タンニンとかヨード分由来のエグミみたいな。ちょっとこれは下処理方法と時間を間違えた感があるなと。

とはいえ、もう下処理に戻れないので、どうしようか。

と、いろいろ調べていたら長く煮るとこのクセが抜けるという情報をみつけ、ふむふむとやってみることに。

さらに、煮る煮る。

煮汁が減ったら湯を足す。

そんなこんなで22時30分。

だいたい2時間ぐらい弱火で煮てましたね。

味見をしてみる。

・・・

・・・

・・・

あれ、エグミがなくなった。

いや、正確に言うと、部位によって後味でかすかに残るクセはあるなと。

盛り付け。

2時間煮ていたにしては、葉がしっかりのこっているというアラメの防御力。

煮汁に油揚げ由来の油がとけこみ、乳化したようで。

まとめ

けっこうなお時間をかけて煮たアラメの味は、「野趣あふれる」海藻の煮物だなと。ただ、クセを消し切ったほうがこの海藻はよいんだろうなと。

栄養分はぬけるんだろうけどね。

また今度やってみますが、茹で汁に酢をいれ細胞を破壊しつつ、下茹で時間をもっと長時間やれば、クセはさらに減らせるんだろうなと。

市販でアラメの加工品をみることがあるんですが、あれはしっかり下茹でしたアラメを細かく切って乾燥させたもので、水でもどして煮付ければ、クセはないようなんですね。

ああ、そうか細かく切って茹でたほうがさらにクセが減らせるかもな。

と、

ではでは。

平田(@tsuyoshi_hirata

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▼乾燥させたアラメはそこそこのお値段がするようで。これはアカモク同様、そのへんに一杯生えている海藻ではあるんですが、加工にあたる人件費なんだろうなー。

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