どうも平田です。
2018年8月23日にはじめてブル―マックス船を買ってから早くも5年の月日が経ちました。
そんで、先日のタコ釣りイベントで人に貸していたら、「(根がかりを外していたら)リールが動かないんです」ということなんですね。
さて、原因は?
分解して調べてみました!
ブル―マックス船をつかっているひともそこそこいると思うので参考にどうぞ。
ブルーマックス船ってなに?
はじめに簡単に説明しておくとブル―マックス船はアブ・ガルシア(ピュア・フィッシング・ジャパン)が発売している汎用船小型両軸リールなんですね。
2017年からアップデートされていないんですが、コストと機能性のバランスの面で使用している人も多いリールです。
2023年4月1日に価格改定があって、超絶割安感はなくなったんですが、それでもAmazonだとタイムセールのタイミングでは5,000円を切る価格帯で販売されています。
実売価格4,000円台で買えるときがあるってすごいですね。
ブル―マックス船を分解してみよう
さて、そろそろ本題に入ろうか。
そう、分解ですよ。
クラッチが切れない
まず、クラッチが切れず、回転がかなり重く異音がします。
これはクラッチが壊れたか。
これは無理して巻いちゃだめなやつだ。
ギアに何かが干渉していて、強引に巻くとギアの歯が欠けるアレ。
そう思って、そっと分解したところ以下の通りです。
ハンドルを回すと重く、異音
ちなみにブル―マックス船の分解は簡単です。
シマノ特有の呪いのドラグサウンドピンみたいに、カバーを外したら超小型バネとピンが部屋に散らばって発狂するとかはありません。
あるとしたら、クラッチのオンオフでユニットのバネがどっかにいってしまうぐらいです。
でもそんなに小さくないので見つけやすい。
(あと、後述のバックアップラチェットも一回外れると、付け直して元に戻すのがめんどくさい)
右側プレートをあけてみると・・・(これは某破損部位をもとに戻した写真)
ほーん、内部はしっかり浸水していますね。
ブル―マックス船は上位機種に比べて浸水しやすく、かつ入った水が抜けづらいというデメリットがあります。(排水穴がない)
どこから水が入るかというと、クラッチユニットの隙間から入ります。
また、スタードラグをゆるめている&グリス落ちしている場合は、当然ですが海水が入りやすくなります。
さて、異音等の原因はなんなのか。
早いところ教えてもらえうますか?
そう、焦りなさんな。
慌てる乞食は貰いが少ないと申しますぞ。
・・・
中央の凸部分が欠けている(バックアップラチェットの金属は外している)
原因はこちらです。
わかりますかね。
実はブル―マックス船にはローラクラッチ以外に、ギアを直接止めるストッパーがついています。
これをバックアップラチェットといいます。
バックアップラチェット
ハンドル根元の一方向ベアリングだけでなく、ラチェット式のバックアップラチェットを併用することにより万が一の大物に備えている。
出典:アブ・ガルシア
で、結論をいうと、この金具が固定されている円柱状の土台が樹脂製なので、急な負荷がかかって欠けていたということなんです。
土台が破損して、バックアップラチェットの金属部がこらえられなくなり外れてギアに干渉していたからハンドルが巻けない、クラッチが切れないという状態だったんですね。
ブル―マックス船についての過去記事を読んでもらうとわかるのですが、1年前ぐらいにワンウェイクラッチが錆びてローラが摩耗して逆転しはじめたという話をしました。
その後、ワンウェイクラッチがまったく機能しなくなったので、バックアップラチェット単体でがんばっていたわけです。
そう、牛丼屋の深夜ワンオペと同じです。大変です。
1人が間違ってカウンター裏で寝てしまったら、誰が接客するんでしょうか。そういうことですよ。
で、タコ釣りで人に貸したときに、根がかりでテンションがかかったままクラッチを切ったりしたのでしょう。
まーそれは、釣り慣れていない人が使っていた手前しようがないです。
我ながらロジカルな推理でびっくり。
ネットフリックスでミステリー系動画を見続けた甲斐がありました。
で、部品交換コストをおいくらなんす?
さて、どうするか。
バックアップラチェットの土台はボディについている樹脂部なので交換パーツはないっぽいときた。
ならば、バックアップラチェットの金属部品は取り除いてしまい使用しないことにする。
そんで、ローラークラッチとインナーチューブを新品に交換してターンエンド。
それで論理的にはハンドル逆転は防げますね。
で、部品代はいくらなんすか?
42 1257782 SLEEVE 200円
50 1306819 ONE WAY CLUTCH 1000円
ほーん、必要な部品は50番のワンウェイクラッチと42番のスリーブ、つまり1,200円。
案外お安いですね。
これを釣具店で注文して交換すれば直るはず。
・・・
・・・
・・・
文字の乱雑さよ
が、今回は一旦部品取り用の予備としてもっておくことにしました。
なぜなん?
それは、そういう気分であったからです。
それ以上でもそれ以下でもありませぬ。
気が向いたら、部品発注して直すかもしれません。
今は休めよ。
まとめ
このマグネット系ブレーキの磁石プレートはとれたり錆びたりする
ということで、ブル―マックス船のハンドルが巻けなくなり、クラッチが切れなくなったので分解して調べてみた話をしました。
まとめると以下の通りです。
- ハンドルが巻けなくなったり重くなったり、クラッチが切れなくなったら無理にやらない(ギア破損の恐れあり)
- ブル―マックス船のバックアップラチェット土台は樹脂なので欠けることがある
- ワンウェイクラッチと内部ローラーが摩耗して機能しなくなるとバックアップラチェット部がワンオペになり負荷集中する
- ワンウェイクラッチとスリーブは合計1200円なので、摩耗したらすぐに交換するとバックアップラチェット土台の破損リスクも低減できる
はい、こういうことですね。
以上、ブルーマックス船や、その他アブリールを使用している方は参考にしてください。
それにしても当時の実売価格を5,000円ぐらいとして、5年つかえたとして、1年で割ると1,000円。お安いですね!
勢いあまって先日Amazonで3台追加購入しました!
ではでは。
平田 剛士(@tsuyoshi_hirata)
関連アイテム
▼マゴチ、ライトアジ、エギタコとかリール性能があまり重要でない釣りにはブルーマックス船で充分です。
▼レッドマックス船はドラグ滑り出しリスクがあるのでタイラバには適していません。やや水深のあるタチウオとか、深場をふくめて手返しを上げたいスミイカとかにはよいと思います