どうも、奥さん、知ってるでしょう?
大谷賢史でございます。
というわけで、釣り業界、とりわけORETSURIi内で絶大な人気を博している金沢漁港・相川ボートさんで圧倒的な水軍力を発揮すべく、今回は相棒にダイビングインストラクターの矢部氏を伴ってシロギスを狙ってきました!
学生時代に船舶免許を取得して以来だから、手漕ぎボートはかれこれ何年ぶりだろうか?そんな素人船長(且つ失効中)二人の熱き手漕ぎボート釣り物語。うははははは。
10万20年前、釣具店アルバイト時代に宮本武蔵がごとき二本竿でバッサバッサとシロギス船で竿頭をもぎ取っていた我輩が、圧倒的な水軍力で読者諸兄にシロギス釣りの何たるかを教えてくれようぞ!(出オチ)
シロギスってなんだっけ?
はて、そういえばシロギス釣ったのはいつぶりだろうか?
6月にアジが食べたくてLTアジ釣りに行ったときのこと。底から2メートル以内を泳ぐアジを狙いながら、 タナ取りが間違っていてハリスが底に着いていたため、底を泳ぐシロギスが釣れたという恥ずかしい釣果を生みましたが、これはカウントに入るのだろうか?
アジフライ用の黄アジさんと、アジ釣りで釣れてしまい貴殿となったシロギスさん
結果としては釣ったが、正確にいえば釣れちゃったと言った方が正しく、本来ならば不名誉な記録ではあるのですが、なんだかんだで色々な魚が釣れると嬉しかったりしてしまう俗物なのが私。
俗物は俗物らしく、素人のくせして「どの常連勢よりも釣ってやろうではないか!うははははは。」と野心ムンムン。
で、仕掛けは自作です。
これは以前にバイトしていた釣具店の店長から教わった技。
私:てんちょー、あしたキス釣りいってきモース。
店長:おー、そうか。ならイイコト教えてやる。全長1.7メートルの2本バリ仕掛けで、ハリス、枝スは0.4号。針のチモトには金玉or夜行玉を付けた仕掛け20セット作れ。市販じゃ細くても0.8号か1号以上だろ?だから、釣れんのだよ!そんでハリはストレート系の競技キスとかショットキスな。このハリは掛かりが良いけど、針先が直ぐ甘くなるから、小まめに交換する必要がある。だから最低25セットな。
私:テ、テンチョー、今20時過ぎです。これから帰宅してなんだかんだシテ、明日3時には出るんスけど・・・?
しかも何気に5セット増えてるし。
店長:分かった。夜遅いもんな。仕方ないよな。でも竿頭取らなかったら帰って来なくていいからなー。嘘つくなよ。船宿に電話で聞くからな。
私・(ジャ、ジャイアーン!)
・・・つづく
という、現代ならばパワハラといわれそうな叱咤激励のお陰で人生最初の竿頭を午前船、午後船ともに取った事がありました。まあ、人生初して人生唯一の竿頭伝説ですけども。
「自作仕掛けで、大谷メソッドだから、他の人が苦戦している中、私だけ釣ることができました!大谷自作仕掛け1セット¥1000のところ、いまならもう1セット付いてきます!お早めに購入してください!」
というような謳い文句でルアーを幾つ買ったことか。。。
お買い物は慎重に。
まあ、大谷自作仕掛けは海であったら差し上げますよ。針すっぽ抜け確率20%の優れものですから。
自作のシロギス仕掛けにつかう針もいろいろ
手間はかなり掛かりますが、安上がりになるし、この仕掛けはカナリ効きます!
以来、この仕掛けオンリーです。ただ、針は個人的にはえさ付けし易く持ちも良いので、手返しが上がるという意味で流線袖系のキス針が好きで変えたりしてます。
キツネ系の針はどの釣りジャンルでもほとんどつかったことないです。使ったことないので「釣れない」という経験則でなく、ただなんとなく偏見で使ってないだけです。どれが良いかは釣り人の釣り方やロッドの硬さなどによっても変わると思うので、いろいろやってみると面白いと思います。
以下すべて出典は、俺たちの「がまかつ」からです。
がまかつ「流線袖」キス針(流線系)
がまかつ「ショットキス」キス針(ストレート系)
がまかつ「早がけ」キス針(キツネ系)
同じキス針でも結構違うものでしょ?
うはははは。これが釣りというものだよワトソン君。
自作シロギス仕掛けの集魚玉について
さらに針のチモトには集魚用の玉をつけています。
夜光、赤玉、金玉を中心に黒玉や緑玉、黄色玉、白玉、桃玉、虹玉など多岐にわたり、大きさも形も素材も色々ありますが、私は通常の潮だと金玉。濁りや食い渋り時は夜行玉にしています。
大きさは小さめで球型のものを良く使いますが、そんなにこだわってないです。まあ、こりゃあ釣れるぜ!ってビビビって来る・・・お値段が安いやつを選んでますw
玉は貴殿(フグ氏)を呼ぶといわれていますが、まあ、そんときゃそんときで、まずは集魚できなきゃ取らぬ狸のなんとやらでしょー。と思ってつけています。
玉の色による集魚効果なのか、玉の浮力でエサがアピールされるのか定かではありませんが、つけないと落ち着かない症候群ってヤツで必ずつけて臨んでいます。
強いて言えば7:3か6:4くらいで金玉派です。
市販仕掛けは細くてもハリス1号1.2メートルくらいのものが多く、自作してさらに細ハリス&長ハリスでフワフワとエサを漂わせることで数をのばせるらしいです。
またエサは柔らかくてキスが吸い込み易いジャリメがよく、キスの口や砂に擦れて針頭が丸くなり易い釣りなので針交換はコマメにがポイントらしいです。
是非、作って楽しんでみて下さい!
・・・つづき
私:てんちょー、二本竿でマシーンと化して言われた通り竿頭取ってきましたぜ!ゼェハァ、ゼェハァ。
店長:あん?よかったな。てかそんなこといったっけ?普通に楽しんでくりゃいいのに。
私:(ジャイアーン!)う
え?釣り早くしろ?
た、只今っ!
天気土砂降りなれど・・・
天気土砂降りなれど、明日の神奈川の天気は午前中はくもり。昼から雨。らしい。
午前3時30分。前夜仕事が遅く、寝ずに現地入りしたという矢部氏より入電。
矢部氏:ごにょごにょごにょ
私:ん?良く聞こえないよ?体調不良とかかい?それとも寝坊?
矢部氏:寝てねーよ。てかもう八景だよ!土砂降りで声が掻き消されてるんだよ!!どーする?
私:ンー。雨はやだし、かといって今日いかないとアレだしね~。
矢部氏:俺もう来てるし。かといって雨じゃ釣りたくないしなー。
という不毛なやりとりをパソコンのウェザニュースを見つつ30分もやったのち、矢部氏がもう海にいるということで、取り敢えず現地にいくことに。
だったら早く行きゃよかったわという、釣りあるある。
今にも雨?
金沢漁港到着。
朝一で駐車場奥に駐車し、後から来た釣り客に幅寄せ駐車され、もがく矢部氏を発見。
金沢漁港は駐車場にそこそこキャパはありますが、駐車が苦手な方は前もって船宿に相談するか、早めに現地入りすることをお勧めします(^O^)/
初の船宿さんでしたが、割とできる男・矢部氏が全て乗船手続きをしてくれていましたが、至極あっさりだったらしいです。私は乗船名簿に記入しただけでした。
車を相川ボートさん前にとめられれば、車とボートは目の前なので、何かと大荷物になるボート釣りでも荷物の運搬がめちゃ楽。こういったハード部分も人気ボート屋たる所以でしょう。
深夜の土砂降りは上がり、所々に青空が見えます。こりゃ釣れるわ。
ロー&ロー
いざ出船ヨーソロー。
今回は漕ぎ手とアンカー上げ下ろしなど全てを矢部氏に丸投げし、おにぎりをパクつく。
いや~、釣りはこうでなくちゃ。
すると、港から出る頃には相川ボートさんから激励が飛びます。
おゝい!
でっかいほうのおにーちゃん、漕げねーのかい!?
まさかの大本営からの漕ぎ手交代司令。
私の優雅なボート釣りとおにぎりタイムは終わり、えっちらおっちら水夫になります。
事前情報では日産沖がシロギスポイントとのことでしたが、風が強く、魚が湾内に差し込んでいると予測し、海の公園沖にアンカーを降ろします。
途中、日産沖も攻めましたが、結果として3倍くらい海の公園沖の方が当たりがありましたので、当日は海の公園沖が当たりだったのでしょう。
また当日はボートが少なかったのでアンカーロープを長めに出し、振り子幅を出して広範囲を探ります。
狭いポイントではパラシュートアンカーよりもこの方法がベターです。
ああ、もちろんボート釣り雑誌のまんま受け売りですので間違いないハズです!
クンクン!プルプルプル!小気味イイ!ボートシロギス楽しい!!
他のボートが日産沖にいく中、我々1隻だけ、野島公園付近で釣り開始。
さっそく矢部氏がそこそこのシロギスをGET!!
私も1投目からシロギスをGET!!
うっはー、めっちゃたのしーwww
サクっと30分で20匹くらい二人で釣りまして、今期爆発的に釣れているマゴチさん狙いの泳がせ竿をミヨシにセット。
・・・
ぎゅいーーーーーん!!!
完っ全に気を抜いていると、ふいに竿を引っ手繰られる!!!
ドラグゆるゆるでも、エダスは0.4号。無理はできない。
しかし、ラインはとまらない。
スズキなどの首振りはなく、ぐいーーーんと持っていく非常に重たい引きである。
これはかなりの大物だ!
ドラグが追いつかず、竿がしぼりこまれ、一瞬竿がノされそうになる。
そこは冷静にリールのベールを返してしのぐ。3秒してすぐにベールを戻す。
プルプルプル。
っ!?
上がって来たのは20cmそこそこのシロギスさん。
どうやらランカー座布団ヒラメにはキス針がフッキングせず、針に掛かったシロギスがランカー座布団ヒラメの口に引っかかっていただけっだったようだ。
なんとも残念である。
ええ、もちろん、意見は何も聞きませんけど?
もしやこれは近年稀にみるキャツ!?
気を取り直して、釣り再開withおにぎり。この、のんびり感がボート釣りの最大の魅力。
混んでいる釣り場で後から来た人に幅寄せされたり、クロスキャストを平気でしてくる輩があらわれると一気に釣りしたくなる私にとってはボート釣りは最高の自由。
いやあ、海ってすばらしい。
おにぎりをごっくんし、たるんでいた糸を回収すると、
ヌーーーン。
こ、こ、これはもしかして!?
近年稀にみる豊漁との噂の、キャツかーーー
スーパー貴殿(あめふら氏)でしたか。
ちょ、紫液だけはマジかんべんしてくださいよ。
しかも子猫くらいあるランカーあめふらしさんとか、不吉ですから。
あーーー、言ってるそばから雨降ってきちゃったじゃないですかーー。
(というわけで、ここからの画像は雨に濡れて白くすみしておりますが、あしからずご了承下さいませ。)
疑心暗鬼から日産沖へゆくも・・・
・・・
我々だけ海の公園沖にポツーンとおり、シロギスはそこそこ釣れているのだが・・・
「やっぱり日産沖の方がキス釣れてるんじゃね?」
「いった方がよくね?」
と、疑心暗鬼シンドロームに掛かり、えっちらおっちら小雨振るなか日産沖へ。
これが、ボート釣りあるあるである。
日産沖第1投!
エイヤ!
ずるずるずる・・・
グックーーン
おっ!良いアタリ!
パシッ!!!
乗った!首振ってる!
グングンいってる。
こりゃあ、尺カワハギだな。
今夜はカワハギの肝醤油刺身じゃわい!!!
貴殿(キュウセンさん)とシロギスさんの一荷でしたか。
まあ、わかっていましたけども。
結局、日産沖は両隣の僚船も芳しくなく、我々も海の公園の1/10もアタリがないので、せっかく来たが30分でまたエッチラオッチラ海の公園沖へ引き返す。さっきは3倍っていいましたけど、その辺はまあノリで。
海の公園沖に近づくと、干潮で潮位がさがり、同じラインに舟をつけると、アマモ(水草)が生い茂っていることが見て取れる。アマモの中にシーバス(スズキ)が付いていることがままあるが、今回はのんびりとエサ釣りに専念することに。
前半に錨泊したポイントは奇跡的にアマモとアマモの中間にある砂地であり、魚のゆりかごポイントであった模様。
ヤマダテ(前半に見ていた景色)を頼りにほぼ同じポイントに再度錨泊。
風向きや潮流などにより、舟が流される方位がかわり、若干アマモ寄りになってしまったが、アマモがないゾーンにキャストすればOK。
日産横の小高い山の奥に暗雲が立ちこめはじめるが、またポロポロとシロギスが釣れはじめるので、ぎりぎりまで粘ることに。
写真は船着き場から望む出船前の野島公園の小高い山です。ここに竜の巣ができてたんですが・・・
ヌーーーン
ムムっ!
きたなプレッシャー!
これこそは、近年稀にみる豊漁との噂のキャツーーー
貴殿(青なまこ)でしたか。
うおおー。やわいのに、なんで全身にツノ生えてんだよ(怒)
あってもなくても大型の動物きたら即効食われんじゃねーかよ!
どうしてそう進化したんだよ!
俺をキモがらせるためかよーーー(泣)
ガッツリ食い込んで針はずれないよーーー(プリーズキルミー)
ああああああ硬くなるのやめてーーーー
内蔵ぶちまけるのだけはやめてーーーー
すーぐ逃がしてあげるからゆるしてーーーー
※ナマコは天敵に襲われるとお尻からキュビエ器官という白いワサワサネバネバした内臓を放出し、それを食べさせたり、絡まらせたりして逃げる習性があります。
ダイビング中にキュビエ器官に取り巻かれウェットスーツと指がとんでもないことになった悪夢がよぎるも、何とか針をはずし、ナマコ神様を谷崎純一郎の春琴抄のアレのごとく恭しく海へそっとリリース。
気づくと周囲は午前10時というのに真っ暗。
急に冷たい風がピューーーーっと吹き抜けます。
・・・
あ、これくるな。
ものどもイカリをあげろーーー!
あ、おれか。
ものども全速前進ヨーソロー。
あ、おれか。
せ、せんちょー、雨のカーテンがすぐそこに迫っているであります!
フッ、間に合うものか。
ざーーーーーーーーーーーーーーーーー。
・・・。
・・・。
・・・。
しゅーーーーーーーーーーーーーーー。
私:????
矢部氏:????
私:何の音?
矢部氏:さあ?
矢部氏:わーーーーーーー
私:どしたっ!?大丈夫かっ!?やべっちーーーーーー
き、貴殿(自動膨張式ライフジャケットさん)でしたか。
「バケツをひっくり返したような雨」をしのぐ
「東京サマーランドのCMの超大型タルをひっくりかえしたような雨」により、自動膨張式ジャケットは落水した(と勘違い)矢部氏を助けるべく己が任務を果たし、膨張したのであった。
助けてくれてありがとう。
ライフジャケット氏。
まあ、命の危険はなかったけど。
私:ちょw何勝手にふくらましてんだよーーw
矢部氏:いやいや、俺何もしてないよ。雨だってwこの雨w
私:雨で膨らむわけないだろーw
矢部氏:いや、これ雨じゃないって。もう風呂だってwww
私:でーでもいいけど、目開けられないから俺目つぶるから方向案内してよw
矢部氏:いや無理だってw俺も開けられないしwそもそも無理でしょw
などと
お互い罵りあいつつ腹がよじれるくらい爆笑しつつ岸へ向かい納竿した。
たくさんは釣れなかったけど、そこそこ数も釣れて、楽しいボート釣りであった。
毎回思うが、ずーーーーっと罵り合って、爆笑しまくって、うるさい我々。
堤防NG(迷惑)。乗合船NG(迷惑)。
僚船と離れたボート釣りしかない。
もくもくと対照魚を追う釣りも楽しいが、のんびりと旧友と遊ぶ釣りが私は好きだ。
またどこかでボート釣りにいこうと思う。
大谷賢史