岸釣り人口が増加してきている中、おすすめなのが、手漕ぎボート釣りです。
基本的な操船方法・釣り場の特徴・釣り方の3つを会得すれば、釣り船以上の釣果を得ることも可能。
今回は、金沢八景・八景島まわりの手漕ぎボート釣り(相川ボート・野本ボート・みつだボート)の魅力やノウハウを解説します!
手漕ぎボートで狙う金沢八景沖・八景島周辺の特徴や魅力
金沢八景・八景島周りのボート釣り場は、水深が浅いのが特徴です。
手漕ぎボートエリアは深くても水深10m程度まで。
そのため、冬場水温が下がるシーズンは魚も抜けてしまい、主要ボート店も営業を休止します。
手漕ぎボート釣りのシーズンは4月~12月まで。
特にシロギスやマゴチは、ポイントや釣り方を覚えれば、手漕ぎボートエリアでも釣り船並みの釣果を出すことができるのが魅力です。
金沢八景沖・八景島の手漕ぎボートで狙える魚種・シーズン・釣り方
アジ・サバ
アジやサバは八景島周りでもかなりよく釣れるのですが、基本的に小アジ・小鯖サイズが主体です。
マリーナ側のポイントでは、中アジ以上が回遊することも。
アジが浅場でコンスタントに釣れるのは水温が上がり始める5月ごろからと覚えておきましょう。
八景沖界隈のアジは魚影が濃く、その手前にあたる八景島周りにも常に魚が回るため、比較的毎年まとまって釣れます。
当地ではビシ仕掛けよりもサビキ仕掛けで狙う人が多いのが特徴です。
<主要ポイント>
- マリーナ前(水深があるため、特にシーズン初期)
- ジェットコースター周り
- 日産沖
<釣り方>
- サビキ(オモリ10~30号)
- ビシアジ(オモリ10~30号)
▼釣り方解説(ビシアジ)
シロギス
八景島周りはシロギスが多く生息しています。シーズンは5月~10月付近までがメイン。
水温が上がるにつれて、大型のキスから展開。盛夏になると小型の群れも増え、水深5m以浅のポイントでもシロギスが狙えます。
年によって当たり外れが多いので、狙って釣行するときは、ボート店の釣果を確認しておきましょう。
天ぷらで美味しいメゴチ類は当地ではレア。ほぼ釣れません
<主要ポイント>
- マリーナ前(水深があるため、特にシーズン初期)
- 日産沖(比較的大型がでやすい)
- 海の公園
- 野島公園沖
<釣り方>
- 天秤吹き流し
- 胴突き
※水深が浅いのでオモリは5~8号程度で十分です。澄潮時、1号以内の細ハリスを選ぶと釣果が上がります。
▼釣り方解説
オススメの仕掛け構成(ハリスは細く、オモリは軽く)
マゴチ
金沢八景沖・八景島周りでよく釣れるのがマゴチです。
4月~12月の全シーズンで釣ることができるのですが、春と秋・冬によく釣果が上がります。
真夏の湾奥は高水温になりすぎ、水質も悪化するため、マゴチの活性も落ちがち。
<主要ポイント>
- マリーナ前(水深があるため、特にシーズン初期)
- ジェットコースター前
- 日産沖
- 海の公園
<釣り方>
- ルアーマゴチ/テンヤマゴチ:全シーズン
- 泳がせ釣り(マハゼ餌):8月~12月頃まで。平潟湾内で確保可能
- イトヒキハゼ(カミツキハゼ):全シーズン
シロギスは現地調達できますが、動きが速く餌に不適(ハリスを短くする)です。メゴチはあまり確保できません。
▼釣り方解説
八景島周りのマゴチが常食している餌は「イトヒキハゼ」
八景島付近ではアンカーをしても釣れるルアーマゴチが人気
ヒラメ
ヒラメはマゴチ釣りのゲストとして釣れがちなターゲットです。
あまり大型は期待できないものの、50㎝程度までのものは狙うことができます。
<主要ポイント>
- マリーナ前(水深があるため、特にシーズン初期)
- ジェットコースター前
- 日産沖
- 海の公園
<釣り方>
- ルアー:全シーズン
- 泳がせ釣り(マハゼ餌):8月~12月頃まで。平潟湾内で確保可能
- イトヒキハゼ(カミツキハゼ):全シーズン
※イトヒキハゼでもヒラメはよく釣れます。
▼釣り方解説
シーバス
シーバスことスズキも八景島周りで個体数が多いターゲットです。
特に秋冬シーズンはコノシロの群れが湾のなかに入る傾向にあり、大型のシーバスを狙うことができます。
カタクチイワシパターン、落ちハゼパターンなど、いろいろ研究してみましょう。
ルアーだけでなく、泳がせ釣りでもよく釣れます。
<主要ポイント>
- マリーナ前(水深があるため、特にシーズン初期)
- ジェットコースター前
- 日産沖
- 海の公園
<釣り方>
- ルアー
- 泳がせ釣り
カサゴ・メバル
カサゴやメバルは、岸壁際や沈み根周りを攻めると釣れます。
日中のメバルは障害物内に隠れているので、あまり期待しないほうがよいでしょう。
<主要ポイント>
- 日産沖
- マリーナ前などの岸壁際
<釣り方>
- ルアー
- 胴突き仕掛け
タチウオ
タチウオは秋から冬にイワシが多く接岸しているときに、混じることも。
八景島周りでは、平均水深が浅いため、常時ついている魚ではありません。
サイズも大型はほとんど期待できません。
<主要ポイント>
- マリーナ前
<釣り方>
- ルアー
- 泳がせ釣り
イシモチ
イシモチは狙って釣れるというよりも、シロギスを狙っていると、ポツポツ釣れるというイメージ。
砂泥底のエリアを中心に投げて待つような釣りです。
<主要ポイント>
- マリーナ前
- 日産沖
※比較的、八景島マリーナ前の航路付近を探っていると釣果につながります。
<釣り方>
- 餌釣り(イソメ餌)
マコガレイ
マコガレイは八景島~野島堤防付近までに生息しているのですが、個体数は多くありません。
狙って釣れるというよりも、シロギス狙いで数本竿を出しているときに、釣れるという程度。
<主要ポイント>
- マリーナ前
- 日産沖
<釣り方>
- 餌釣り(イソメ餌)
シロギスを狙いつつ、房掛けのイソメを置き竿にしておこう
クロダイ
クロダイは八景島に多く生息している魚です。
<主要ポイント>
- マリーナ前
- 日産沖
※岸壁際を狙う
<釣り方>
- 餌釣り(落とし込み釣り)
マハゼ
マハゼは平潟湾内に多く生息している魚です。釣期は8月~11月頃まで。
野島の水路をすぎると、釣果が落ちるので、平潟湾を重点的に探りましょう。
<主要ポイント>
- 平潟湾(夕照橋、マンション前)
<釣り方>
- ちょい投げ(イソメ餌)
青ナマコ・黒ナマコ
青ナマコ。釣れたら速やかにリリースしましょう
八景島周りの砂泥底では、冬~春にかけて黒ナマコと青ナマコがよく釣れます。
といっても、底釣りでスレがかってくるわけなのですが、酢のものにすると美味です。
横浜側のエリアでは共同漁業権がないため、持ちかえって食べることが可能。
2020年12月の漁業法改正でナマコ類は「特定水産動植物」に指定されました。ナマコはエリアを問わず原則採捕が禁止です。
令和2年12月1日から「なまこ、あわび」が漁業法第132条に定める「特定水産動植物」に指定されたため、これらを漁業許可や漁業権に基づかずにとることが禁止されます。
出典:神奈川県
▼黒ナマコは全体が黒で、青ナマコは黒ナマコに比較して色が薄く突起部分が褐色や黄色が買った色合いです。
金沢八景沖・八景島まわりの手漕ぎボートマップと代表的ポイントの特徴
マリーナ付近
金沢八景・八景島周りのボート釣りエリアで「マリーナ」といえば、八景島マリーナ付近です。
当地の手漕ぎボート釣りエリアでは一番沖にでていて、水深も一番深いのが特徴。
シーズン初期のシロギスや、アジやサバの型狙いの場合は、マリーナ前がオススメ。
岸壁から離れるほど深くなっていき、かけあがりに、マゴチやヒラメもついています。
※北風が強い日は波立ち危険です。上級者向けポイントなので慣れていない人は近づかないようにしましょう。
日産沖
日産沖でのマゴチ泳がせ
日産沖とは、日産自動車の追浜試験場「GRANDRIVE」の沖側を指します。
岸壁際は根や海藻が多いのですが、少しはなれると砂泥地に変わり、シロギスやマゴチがよく釣れます。
南風が強い日は野島から日産沖にかけてが波立ちにくいので、狙ってみるとよいでしょう。
北風が強い日は岸壁際に行くほど波立って危険です。
これ以上岸に近づくと根がかりが多くなる。ベラが多くなる
「コースター」(ジェットコースター付近)
八景島シーパラダイスのジェットコースター周りを「コースター」というように呼びます。
航路に隣接しているので、釣り船の出入りに注意し、やや離れて釣りましょう。
砂泥エリアが中心で、マゴチも多く釣れます。
また、夏以降は、マアジが常についているため、アジのサビキ釣りの好ポイントにもなります。
海の公園
海の公園は基本的に波が立ちにくいエリアなのですが、南風が強い日には流されやすいので入らないようにしましょう。
岸側(砂浜側)に近づくほど、アマモが多くなるので釣りづらくなります。
アマモ自体が魚のゆりかごのような存在なので、無下に引き抜かないようにするのが得策です。
八景島に近いエリアがポイントで、マゴチやシロギスを狙うことができます。水深は浅いものの、八景島周りの航路はやや深くなっており、その駆け上がりを狙います。
平潟湾(夕照橋・マンション前)
平潟湾内では、帰帆橋と夕照橋付近が特にマハゼポイントとして有名です。
ハゼが釣れる季節は8月から12月程度まで。
型と数のバランスがよいのが10月頃だと覚えておきましょう。
金沢八景沖・八景島まわりの釣り注意点
航路と釣り船の往来
金沢八景・金沢漁港・各種マリーナに隣接するため、多くの釣り船が行きかいます。
不用意に航路に停泊しないようにし、以下の時間帯は特に航路の横断も控えましょう。
- 午前船、1日船の出港(7時過ぎ)
- 午前船の帰港(11時過ぎ)
- 午後船の出港(12時過ぎ)
- 1日船の帰港(15時前後)
- 午後船の帰港(16時前後)
出典:相川ボート
海苔棚
冬場は日産沖付近に海苔棚が設置されます。漁業者の邪魔にならないように釣りをしましょう。
横須賀はタコ釣り禁止
横須賀側の地先には共同漁業権があり、タコを釣ることができません。
風によるポイント選択
八景島周りは比較的湾奥のため、風に強い釣り場です。特に南風は野島があるため、波立ちにくいという特徴があります。
一方、強い南風が吹いているときに、海の公園に入ると走錨し、流されてしまいます。
八景島マリーナ付近は北風で波立つので慣れない人は近づかないようにしましょう。
凪以外での岸壁近くでの釣りは危険です。
金沢八景沖・八景島まわりの手漕ぎボート店
相川ボート
https://aikawaboat.sakura.ne.jp/
相川ボートは近隣で一番大きなボート店。
手漕ぎボート30艘、船外機付きボート3艘があります。
予約制ではなく、先着順なので、週末は車が有利。平日は余裕をもって乗船できます。
野本ボート
https://fishing-store-1201.business.site/
野本ボートは野島駅徒歩数分のところにあるボート店。前日に電話連絡してから向かいましょう。
みつだボート
http://www.mitsuda-zei.jp/boat
みつだボートは平潟湾内にあるボート店で、ハゼ釣りシーズンである10月から11月の日曜祭日のみ営業しています。
まとめ
今回は金沢八景・八景島まわりの手漕ぎボート釣りの魅力やノウハウを解説しました。
アジについては小鯵主体なのですが、シロギスとマゴチは立派なサイズが釣れ、数も狙うことできます。
凪の日に基本的な操船方法・釣り場の特徴・釣り方の3つを会得し、安全に配慮して楽しみましょう!