【初心者向け】船キス(シロギス)の釣り方・コツを解説

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シロギス2
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東京湾のキス釣りは、船釣りでも専門の釣り船がでる人気ターゲット。

釣り初心者にとってもアタリがわかりやすく、小さな魚体ながらも釣れたときの引きも強いため人気の釣り物です。

一方、「束釣り(そくつり)」と呼ばれるように100匹以上数を伸ばしたり、冬場の釣りはベテランにとっても難易度が高く奥深い釣り。

今回は、そんな船でのシロギス釣りについて解説します。

目次

東京湾のキスについて

金田湾のデカシロギス

シロギスはスズキ目スズキ亜目キス科に属する魚です。

略して「キス」ともよばれるシロギスですが、東京湾に生息している種類は1種類です。

かつて東京湾には、シロギスより大型になる「青ギス」という種類がいたのですが、水質汚濁等で姿を消したといわれています。

シロギスは砂地を好み、底から30cm以内を群れで回遊します。主にゴカイ類やヨコエビ類を捕食していて、砂にまぎれた餌をつついて吸い出し、吸い込む習慣があります。このときアタリが大きく出やすい魚です。

釣れるサイズは20センチ以内が一般的ですが、ごくまれに「ヒジタタキ」と呼ばれる大型も釣れます。最大で30㎝ほど。

シロギスがよく釣れる季節

逗子海岸シロギス

6月~10月の東京湾では、水温が高いため、シロギスは水深10メートル付近の岸近くに群れて生息して数多く釣れます。

それ以外の季節はやや深めの場所におり、とくに冬場になるとなかなか口をつかわないため、難易度が高い釣り物といわれています。

このため初心者が狙って簡単に釣れるのは、夏とその前後と覚えておきましょう。

岸からもチョイ投げで狙えますが、釣果という点では船釣り・ボート釣りにはかないません。

<主におかっぱりから釣れる季節>
6月~10月(水深や飛距離によります)

<釣り船で釣れる季節>
周年

シロギスは初心者でも簡単に釣れる

5月~10月くらいまでの船釣りのシロギスはアタリもわかりやすく、釣り初心者の入門にも適した釣り物です。

複雑なテクニックも不要で、基本を守れば「ツ抜け」とよばれる10匹以上は堅く、さらに20、30匹と釣れます。

キス釣りの餌とつけ方

釣り船を利用する場合、乗船料にアオイソメ(船宿によりジャリメ)代が含まれています。

アオイソメ

アオイソメ

シロギス用のアオイソメは比較的細目のものが支給されます。東京湾の釣り船での標準餌です。

強度があるため頭の固い部分を利用すれば、1つのエサで数尾のシロギスを釣ることができます。

ボート釣りなどで、事前に釣具店で買っておく場合は太目のものより中・細目サイズを選ぶとよいでしょう。太目のイソメの場合、シロギスの吸い込みが極端に悪くなります。

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ジャリメ

ジャリメは相模湾の釣り船での標準餌です。

アオイソメよりさらに細いため、口が小さいシロギスでも吸い込みやすいという特徴があります。また、針付けした際に、アオイソメより勢いよく動くため、集魚効果も高いといえます。

特に小型サイズのシロギスが多い場合、ジャリメを持参しておくとさらに釣果を上げることができます。

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パワーイソメやガルプなどの人工餌

新ガルプのサンドワーム

人工餌の釣果は、明確に虫餌に劣ります。

一方、手が汚れにくいのと、虫エサが苦手な女性や釣り入門者でも利用しやすいアイテムです。

これらの人工餌でシロギスを狙う際は、キャストして放置するのではなく、細かく仕掛けをゆすったり、底上をさびくなどして動かし続けるのがポイントです。

虫エサのつけ方

イシモチ用アオイソメの胴突き仕掛け

虫餌類は、吸い込みやすいように頭部をカットして針をさし胴に抜き、チモトまでこきあげるのが一般的です。垂らしは3㎝以内におさえると、エサだけ取られることが少なくなります。

あたりが少ない際は、3㎝よりたらしをながくしてアピール力を高めましょう。

活性が高い場合は、頭部を残したほうが餌もちがよくなり、一つの餌で複数尾釣ることができます。

ボート釣りの場合は、砂浜の乾燥した砂利を、釣り船では滑り止めのパウダーなどを持参しておき、虫エサを触る際にかけてやると餌づけがかんたんになります。

船上では、手元に集中すると船酔いもしやすくなるので、手返しも考慮しつつこうした工夫をしてみましょう。

シロギス釣りのタックル(ロッドとリール)

ロッド

金田湾 手こぎボート釣り

船でのシロギス釣りは、下手投げでキャストしながら広く探ることで釣果を伸ばすことができます。

釣り船の場合、下手投げ以外のキャストが禁止されていることがほとんどです。また乗り合い船などで人数が極端に多いときなど、オマツリをさけるために船長の指示に従いましょう

そのためベイトタックルよりは、投げやすいライトクラスのスピニングタックルがオススメ。

2m以内のブラックバスロッドなどでも代用可能です。

ウルトラライトタックルで狙うとシロギスの引きがかなり楽しめますが、オモリの重さによってキャストがしづらくトラブルも増えるのでライトクラスがベストです。

冬場の釣り以外で、高水温の時期の釣りはとくに釣り竿の感度も重要ではありません。

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リール

ダイワのリール

PEライン1号前後を100メートル巻いておけば十分です。ナイロンよりはPEラインの方が断トツにアタリをとりやすくなるので、こだわりがなければPEラインを利用しましょう。

シロギスであれば魚の引きでラインが切れるということはまずないので、ドラグ性能等はあまり必要ありません。

リーズナブルな主要メーカーの汎用モデルを準備しておきましょう。

船シロギスの仕掛け

船釣りでのシロギス釣りの仕掛けは天秤を利用したものと、胴付き仕掛けの2種類が一般的です。

天秤吹き流し仕掛け

キャストを用いた釣りにむいています。

金属製・樹脂製など素材や種類が豊富。価格はそれぞれ、2から3本入りで300~500円程度。シロギス釣りの場合は仕掛けが短いという点もあり、あまり大きなものは不要です。

いろいろためして、自分にあったものを利用しましょう。

筆者は、マルフジの樹脂製キス五目天秤ヤマシタのボートDEキスハヤブサの船宿仕掛け(競技針:ハリス1号以内)を利用することが多いです。

ハリスが細いほど潮なじみ餌が自然に動き、吸い込みがよくなります。

胴付き仕掛け

主に、船の直下を狙うのに適した仕掛けです。

針数にもよりますが、比較的手前マツリしにくい仕掛けです。キャストもでき、天秤の費用が入らないためトータルでの仕掛け単価が安くすむのが特徴です。

仕掛けのポイント(針は競技用がオススメ)

シロギス仕掛けで重要なポイントは釣り鈎です。

シロギス釣り

シロギスの口はかなり小さいため吸い込みやすさを最優先に考える必要があります。

 

オススメの針は吸い込みがよい競技用です。

他に袖針等がありますが、かかりやすさという点では競技用が優れています。

釣れるキスのサイズに応じて、針の大きさも調整していくため、複数の仕掛けを持参するとよいでしょう。

小型の針では毎回のようにキスに飲み込まれてしまうこともしばしば。そんなときはすこし大き目の針を使うなどして様子をみてみましょう。

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ハリス

ハリスは1号が基準ですが、アタリがないときに、さらに細くしていくことでバイトを誘うことができます。

シロギスの釣りではゲストにカレイやマゴチ・ヒラメ(針がかりしたキスやメゴチを飲み込む)が釣れますが、これらを想定して、アタリが減らない範囲で、やや太目のものを使うというのも1つの考え方です。

チモトのビーズ類

シロギスの群れが少し離れたところにいるときなどは金メッキ等がしてあるビーズが効果的です。

水深が浅いため、夜光系ビーズよりは、光を反射するものを選んでおくとよいでしょう。

ヤマシタのボートDEキスは、金色に反射するビーズが使われています。

初心者は針を1本にしてもOK

仕掛けを投げる際に「あつかいづらい」と感じた場合は、2本針の1本をカットするか、胴突き市販の1本針を利用すると絡みづらく快適に釣りができます。

オモリ

基本的に、水深が浅いため六角オモリやナス型オモリの15号~25号が使われます。夏場はほとんど15号です。

船宿ごと、シーズンごとに異なるので釣行前に確認しましょう。

シロギスを狙うポイントは、砂泥がほとんど。根がかりはしませんが、スナップの劣化やキャスト時の高切れなどでオモリをロストすることもあります。念のため余分に持参しておきましょう。

※なくなった場合は船上でも購入できることが一般的です(15号の場合1つ100~150円程度が目安)

釣り方

シロギス(中央)のタナは海底から30㎝程度が目安。底すれすれはメゴチやイトヒキハゼが多くなる

キャストしてずる引きが基本

三浦半島 金田湾 ボート釣り 泳がせ釣り

シロギスは底上30センチ以内を群れで回遊しています。

船釣りの場合、下手投げで前方に20m程度キャスト、余分な道糸がでないように着底させます。

着底後は放置せず、オモリが底砂を引きずっている感覚を感じながらずる引きします。

海底付近のシロギス

シロギスは海底30cm以内を群れていることが多い

ハリスが底上に垂れたままでは、底べったりで捕食するメゴチのアタリが増えます。メゴチが多いと感じた場合は底上をさびくように動かしたあとに、喰わせの間を2秒程度とってみましょう。

アタリが出ない場合、竿をシャクって仕掛けがゆっくり底上に落ちるようにしてやるとよいこともあります。

アタリは竿先に、プルプルときます。

このタイミングで合わせるとすっぽ抜けることもしばしばなので、アタリがあっても放置して、クンクンと竿先に重量がのったタイミングで巻き上げましょう。

向こうアワセでかかる魚なので、とくに強いアワセなどは不要です。

基本的にタモ入れは不要です。抜き上げて船内に取り込みましょう。

キャスト出来ない場合は真下に落とし込む

初心者のうちなどは船の下に落とし込むだけでも十分釣れます。

なれてきたらキャストして広く探るようにして、はじめは真下から狙ってみましょう。

針をのまれたら

シロギスやゲストのメゴチには針を飲まれることもしばしばです。タオルかフィッシュグリップでつかみ、引っ張ると取りやすいです。

シロギスの場合、エラ蓋付近を親指と人差し指でおさえて引っ張ると飲まれたハリが取りやすいです。

手が汚れるのをさけるためには、フィッシュグリップをつかうとよいでしょう。

ワニグリップミニがオススメ

持ち帰り方のコツ

シロギスを釣りあげてバケツにいれておいても、すぐに弱ってしまうことがしばしばです。

特に夏の場合、海水温があがり魚の鮮度がどんどん悪くなってしまいます。

アタリが遠のいた時やポイントの移動時などに、潮氷(海水+氷)を満たしたクーラーボックスにしまっていきましょう。

持ち帰ったあとは、すぐに下処理をしておき翌日までに調理して食べ、あまったものは冷凍しておけば1か月程度は天ぷらなどでおいしく食べられます。

キス釣りのゲスト

キス釣りは虫エサを利用するわけですが、これらを食べる魚や、釣れたキスやメゴチ自体を食べる魚が釣れます。

メゴチ

手漕ぎボート メゴチ 釣り

シロギス釣りでもっとも多く釣れるゲスト。それがメゴチです。

皮をはいで天ぷらにすればキスと同等、もしくはそれ以上の味なので積極的に持ち帰ってみましょう。

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アジ

相模湾で釣ったマルアジ

海域やタイミングによって、アジが釣れることもあります。が、コマセで集めて釣っているわけでもないので、それほどまとまっては釣れません。

1尾釣れたら、刺身あたりがよいでしょう。

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イシモチ

良型のイシモチ

砂底のポイントを狙うシロギス釣りでは、イシモチも釣れることがあります。

釣れたら血抜きをしてクーラーでしっかり冷やして持ち帰りましょう。

刺身、なめろう、ユッケ、焼き魚、清蒸でおいしい魚です。

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イイダコ

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秋口などにシロギスを釣っていると釣れることがあります。シロギスといっしょに天ぷらなどにして食べてみましょう。

アナゴ類

ギンアナゴ

マアナゴ・ギンアナゴなども砂底に生息しているため釣れることがあります。

日中は砂の中に潜っていることもしばしばなので、場当たり的に釣れるのでしょう。

釣り船の場合、船長が下処理してくれるかもしれません。

アナゴ類は煮アナゴ・天ぷら・ムニエルにするとおいしい魚です。

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マゴチ・ヒラメ相模湾で釣ったヒラメ

シロギスやメゴチが針がかりしたあとに、マゴチやヒラメが食いついてくることもあります。

船によっては泳がせ釣りも可能な場合があります。船長に許可をとりつつ、他の釣り人の迷惑にならないように配慮した上で、さらなる大物を狙ってみるのもよいでしょう。

マゴチ

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シロギス料理

シロギスをさばく

天ぷらが一番おいしい

シロギスはなんといっても天ぷらが一番おいしい食べ方です。

鱗と頭とハラワタをとり、中骨をとりつつ開き、粉をつけて揚げます。揚げ油にごま油を2割ほど混ぜるとさらに風味がまして絶品。

刺身

館山で釣ったシロギスの刺身

20センチ以上の大き目のキスが釣れた場合は刺身もオススメ。

釣った当日限定の繊細な味わい。夏は良く冷やした淡麗な冷酒とよく合います。

昆布締め

シロギスの昆布〆

昆布締めにすると飴色になって甘みが出ます。

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まとめ

シロギスは簡単そうに見えて奥深い釣り物です。

夏場は岸からも狙えて、船であれば簡単に数釣りもできる釣り物。

ハゼ釣りに似ていて、釣果を上げたり、冬場のキスを狙うことにはベテラン釣り師もハマる魅力があります。

ぜひ、船釣りでシロギスを狙ってみてください。

オススメの船宿

東京・神奈川であれば数多くの釣り船が出ています。相模湾(葉山町地先~湯河原町地先)の場合、シロギスの禁漁期間の9-12月は釣り船がありませんので把握しておきましょう。

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