こんにちは、木田です。
先日、11月最後の釣行に行ってきました。釣り物は、テンヤで狙うスミイカ。初めての魚種です。初めての魚種は分からないことだらけでワクワクしますね。
利用させて頂いたのは金沢八景の一之瀬丸。
同行はORETSURI編集長平田さん、ORETSURI寄稿仲間のjomoさん、他にアラフィフ釣友下衆大将、リストランテORETSURIで数度一緒になった石井さんの5名です。私も含めて3名はスミイカ自体が初めてで、jomoさんはルアーで狙うスミイカの経験はありながらもテンヤは初めてという構成。
釣果は?
やってしまいました。
ボウズです。悔しい。
前日にスッテをつける仕掛けを作ったり、テンヤを買ったり、釣り動画を見たり。当日は早起きしたり、あれこれ考えたり、、、でも全部うまく行かず結果が0杯。うーん。
また、自分が釣れなかったが、同行の釣友全員が釣れているというのは、釣れなかった私ももちろん凹むのですが、釣れている釣友にも微妙な気遣いをさせてしまって、それもまた、申し訳ない気持ちになります。
そこで、今回の記事は「グループで釣行し、一人だけボウズ」という状況で、そのボウズの釣友にどんな慰めがあり得るのか、考えてみたいと思います。
9個の慰め方、プラスおまけの1つのアイデアがあります。
1. 釣り座のせいにする
まずは、釣り座のせいにする。というのはあると思います。
「木田ちゃん、今日の木田ちゃんの釣り座は、潮尻だったね~。スミイカは潮尻だと、皆が釣っちゃった後になるからきついよねー。」
魚種によっては釣り座はあまり関係ないこともありますし、船中、ボウズの釣り座が集中していない場合もありますが、ここは、「事実を言うよりも慰める」のが目的なので、こんな方法もあり得るでしょう。
いわれた方も、「うん?そうだったのか?そういうのもあるかもなー」となるでしょう。たぶん。釣り座について理解がない場合は「次回までに釣り座勉強してくるわ」ってなるはず。
ただ、今回の私の場合、横並びの5人のうち、右から二番目であって、端っこではなかったんですね。また、船の中でも右舷トモから3番め。東京湾で北風に下げ潮ということもあり潮先側。釣り座についての理解もあるわけですし、今回の私のケースでは使えない慰めかもしれません。
2. ロッドのせいにする
ロッドがその魚種に適していない、もしくは、その日使うことになったオモリに合致していないという慰めもあるかもしれません。
「木田ちゃん、その竿、悪くないんだけど、今日のオモリ25号だとちょっと合わせづらいね。」とか、「お、レンタルロッド。ふーん、見ていい?ちょっと今日の深さには対応しずらいかもしれないね。」
うん、なるほど。
ただ、同じレンタルロッドで釣っている釣友がいると使えない慰めかもしれません。
実際に声をかけるまえに、全員のタックルをおさらいしてからにしたほうが良さそうです。
今回の釣行では、レンタルロッドがわたしをふくめて2名。スミイカ専用竿が3名で、レンタルロッドの一つは平田さんがつかっているものと一緒の「アルファタックルの海人スミイカ」。私がつかっていたのもアルファタックルのものだったのですが、スミイカ用かは不明でした。
平田さん曰く「うーん、やや強めで着底が取りづらい気がする。やっぱり釣果を安定させるためにスミイカ専用竿買っちゃうのも一つですよね」ということでした。
3. 仕掛けのせいにする
FUJIWARA製スミイカテンヤ25号夜光ピンクにスッテを使用
仕掛けも釣り人によって異なる場合があります。ボウズを出した人が特定の仕掛けを使っていた場合には仕掛けのせいにして慰めることは良いかもしれませんね。
「木田ちゃん、人によって、好き好きだしスッテ(テンヤの上につけるオプション的ルアー)なしで釣れている人もいたから釣っている最中には言わなかったんだけど、今日はスッテあり(なし)の方がよかったかも。もしかしたら、スミイカに見つけて貰いやすかったかもね」
とか。
他に、「今日のスッテのアタリ色は緑系でしたね、あ、緑持ってなかった?そうですよね、人気なのはオレンジとピンクですもんね」など。
でも、私、スッテつけたり、外したりしたんですよね。色も、緑こそなかったものの、オレンジもピンクも使ってみました。それで釣っている人もいたんですね。なので、この慰めも、使う前によく考える必要がありそうです。
一般的にスミイカテンヤではスッテをつけることでアピール力はあがるものの、潮受けしやすく底取りがすこし難しくなるという要素があるようです。
4. エサのせいにする
実はシャコもサイズが違うのでテンヤへのおさまり方も異なる
メバル釣りのモエビ、マゴチ釣りのサイマキ、カワハギ釣りのアサリ、アマダイ釣りの大型オキアミ、スミイカ釣りのシャコなど、エサのせいにできるかもしれません。やはり釣りでは餌が重要ですから。
「木田ちゃん、多分、次回エサをもう少し大きいの選んだほうがいいかもしんない。今回、エサのチョイスが関係してるかもね。」
おぉ、奥深いなぁ、そうかも。と思っちゃうかもしれません。
スミイカテンヤにつけるシャコも、実釣前に平田さんがいっていましたが、サイズがそれぞれ異なります。テンヤにサイズにあったシャコをつけるのが一番なんでしょう。シャコのサイズに対してテンヤが大きい場合、竹串を削って短くするというノウハウがあったりするようです。
5. 自分のボウズの話をする
これは、実体験があれば、本当に慰めになりますね。
「木田ちゃん、今日、スミイカ初めてでしょ。スミイカ難しいんでこういうこともありますよ。ほら、私もORETSURIに寄稿したんだけど、記事見た?初めてのときはボウズでさ、凹むよね~」
おぉ、有り難いお言葉、自分だけじゃないんだ。と思えますな。
6. 他にもボウズの釣り人がいることを強調する
確かに、船中自分だけがボウズで、他の釣り人が全員釣れているということはむしろ珍しいかもしれません。
「木田ちゃん、ほらさ、俺たちんなかではあれだけど、船中見渡してみなよ。結構ボウズ出てるよ。今日はスミイカ難しかったんだよ。ほら、あそこのすげー高い竿持っている人、常連さんだよ。あの人も1杯だってさ。木田ちゃん初めてだから、ボウズもしょうがないよ。」
あ、確かに。ボウズの時には視野が狭くなり、自分だけ見て凹んでしまいがちですね。実際、当日も、船中を見渡すと他にもいました。ボウズの人。
7. そっとしておいてあげる
あまり、慰められるとかえって傷が深くなることがあったりしますね。
「木田ちゃん、ラーメンでも食って帰る?うん、そうなの、この後、家族と食事?いいじゃん、じゃ、ラーメンはまたね。年末は忙しい?うん?そう。ま、そうだよね。じゃ、風邪引かないようにね、またね。」
あぁ、心に染みますな。
なぜボウズになったかは、その釣り人が自宅に帰ってから死ぬほど考えるでしょうから、その日は釣りの話題を避け、あえてそっとしてあげるのも良い慰めになるかもしれません。
8. 次の釣行の話をする
振られちゃった友達に「女(男)はあいつだけじゃないぞ」というのと同じですね。釣り人は次の獲物が定まると今回のボウズは忘れて、次に頭が切り替わるような気がします。
「木田ちゃん、12月21日のリストランテORETSURI – 俺たちの釣り、来てくれるんでしょ。カワハギだよ。釣れるかねぇ。よろしく頼んますよ。」
…そうだった。グリーン夜光の25号オモリ、前回の釣行でロストしたんだ。あれ、買い直さないと。生アサリ持ちこんで大丈夫かな?できれば、持ち込みたい。こないだ、アサリ剥きナイフ買ったんだよね。ボート釣行キャンセルになっちゃったんで、アサリは酒蒸しにしたから、ナイフ未使用なんだよな、使ってみたいな。冷凍アサリとどんだけ釣果違うんだろ。エサの付けやすさは・・・(以下略)
かなり効果的な慰め方のようですね。
9. 統計的に考える
5人のうち、2名が2杯、2名が2杯、1名(自分)がボウズ。だとすると、統計的にはボウズが誤差の範囲内であって、「釣る力」が自分だけ劣っているということにはならない。ということがあり得ます。
そのあたり、データに詳しい人だと、理屈で慰めることができるかもしれません。
「木田ちゃん、今回のサンプルだと、”釣り人の腕によって釣果に違いがない”っていう帰無仮説はp値が0.67もあって、全く棄却できないよ。つまり、統計的には2匹釣れた人もボウズも、偶然ということになるよ。落ち込むことないって。俺がボウズでも全然おかしくないんだから。」
実際に計算すると、以下のようになります。
なるほど、心理的な癒やしは得られないものの、自宅に帰ってからじわじわ効いてきそうな慰めです。特にデータ周りに強い人に言われると説得力ありますね。
再来週、もう一度、スミイカ、やってみっか!
10. 釣れた魚を分けてあげる
釣りの楽しみの中には、釣った魚を家に持ち帰り、捌き、なんなら家族の夕飯に華を添える。ということがあります。海釣りの場合はとくにこの要素が強いわけです。
ボウズは、釣れなかったという事実に、さらに持ち帰る獲物がなにもない、クーラー空っぽ。あぁ、今日、こんな大きいクーラー持ってこなくて良かったんかー。という悲しみを釣り人にもたらします。サザエさんの波平が魚屋で魚を買って帰るというシーンがありますが、わからなくもない。
そこで、釣れた人はボウズの友人に釣れた魚を分けてあげるといいですね。
「これ、木田さんどうぞ。」
平田さんが2杯釣ったスミイカのうちの一杯をくれました。
大きい!嬉しい。
丁寧に捌いて、うちの冷蔵庫で熟成中です。捌くのも楽しかったし、釣れたばかりのスミイカ、食べたことないですし、もう楽しみです。ボウズの傷も随分楽になりました。
こうしたことができるのがグループ釣行のいいところですね。
平田さん、本当にありがとうございました。
おまけ
この慰めは、ORETSURIのフィールドレポーターや自分でブログやYouTubeの動画でもやっていないと通用しませんが、「今回のボウズ釣行、記事になるんじゃない?」という慰めはアリだと思います。
私の釣りは、次に何を釣ろうかと夢想し、準備し、釣りに行き、釣って、捌いて、食べる。でも、それだけで終わらず、ORETSURIに記事を寄稿してはじめて完了します。
ボウズの釣りはなかなか記事にしづらいですが、それでも、準備を含めれば、十数時間今回の釣行に掛けた時間があり、その中で、仮説を立て、考え、感じ、やってみて、反省し、思ったことがたくさんある訳で、それを記事にして、同じ釣り人や、釣り人でない皆さんにも伝えたい。成功談以外の失敗要素にも釣りのヒントやエッセンスはたくさんあるはずです。
ボウズで凹んでいるのは事実だけれど、でも、得たものはゼロじゃない。
そう思うと元気が湧いてきます。
という訳で、ボウズを出した翌日、これを書いています。
次の釣行は、木更津からのボート釣行で、ジグサビキ。さあ、どんな体験になるでしょうか?楽しみです。スミイカのボウズ?あ、もう済んだ過去のことですよ。
追伸
「なに凹んでんだよ、たかが釣りだろ?」
これは言ってはいけません。
釣り人もいろいろ。ある人にとっては「たかが」かもしれないのですが、ある人にとっては「たかが」釣りではないんですよね。(私はしませんが)逆ギレする釣り人もいるかもしれません。
追伸その2
今回は、釣りでよくあるシーンへの対策を考えてみました。
「ボウズの釣友の慰め方」
よくあることながらも、意外と毎回気をつかっちゃいますよね。
お陰様でよい釣友がいまして、ご紹介したのは、おおよそ私がボウズのときに周りから掛けて頂いた言葉です。
でも、自分では分かってるんですよね、ボウズの原因が釣り座のせいでも、エサのせいでもないことは。記事中に書いた統計分析は本当なので、偶然の要素もありつつ、多分原因は、以下の通りです。
- ロッドの要素は少しあると思う(比較的よく釣れていた2人は「海人スミイカ」だった)
- 夜光緑のテンヤを使わなかったこと(私が持っていたのは夜光オレンジ。船で夜光緑のテンヤも売ってたので、買えばよかった)
- 底取りがあまくて、シャコをうまく跳ねさせられなかったこと。(これは竿の感度の問題もありながらも、経験不足によるから、次回チャレンジ)
ただ、今後も、ボウズを恐れず釣りを楽しみたいと思います。
では皆さん、ラブ、ピース、アンド、ハッピーフィッシング!
寄稿者
木田 和廣(@kazkida)
オフでは水泳と釣り。オンではGoogle アナリティクスによるWeb解析コンサルタント、Tableauによるビジュアルデータ分析コンサルタントをしています。Web解析に関する本も書いてますよ。
ORETSURIフィールドレポーターについて
関連アイテム
▼テンヤで狙うスミイカはルアーと異なり、釣り方が独特なため、竿の調子・感度・軽さがかなり重要です。代替も効きにくいため、できるかぎり信頼できる専用竿を自分で用意したほうがよいでしょう。スミイカテンヤの釣りは心理面を安定させることが釣果への近道です。道具を自分で用意することで「竿が」という逃げ道をつくらないで済むわけです
▼テンヤの形状・色・重量、スッテの有無や色についても同様です。万全の装備や体調で臨むとよいでしょう。