脂は心とカラダの潤滑油。ブリホルモンで「幽門垂」は放ってはいけない。

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ワラサ
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どうも平田です。

昨今「内臓脂肪」というと悪の権化みたいな取り扱いですね。

アンパンマンでもいつ「脂肪マン」や「ラード仮面」が出てきてもおかしくないんじゃないかなと睨んでいます。「ばいきんまん」がいるんだからおかしくない。

たぶん、脂肪マンの必殺技は「ラード・フラッシュ・ビーム」とか「トルネード・スクリュー・アブラパンチ」はたまた「脂マシマシチョップ」とかなんじゃないでしょうか。

どれも漏れなくオイリーなやつで、瞬時に血液が濁り目詰まりしてしまうという恐怖の技。いかに血液がないアンパンマンでも脂がパン部分にしみ込んだらひとたまりもありません。

このように「内臓脂肪マン」がアンパンマンに登場したらどうしよう。とか無駄に恐れおののいてしまうぐらい、内臓についた脂肪というものは現代社会で忌み嫌われているのです。

いつからそうなったのか。

モツ鍋が人気だった時代はとうの昔に過ぎ去り、街に出て左をみれば、やれ「糖質制限がどうの」と言っている人が500万人ぐらいいるし、右をみれば「サラダチキンがなんちゃらかんちゃら」とか言っている人が250万人ぐらいいますね。

よくやるよな。そう思います。健康になりたい。そういうことなんでしょう。

ひるがえって、自分はどうなんだ。そう聞かれるならば、俺は結構「内臓脂肪」好きだよと答えたい。

いいかい?

脂は心とカラダの潤滑油(オイル)だよ。

そういうことなんです。

動物は食べ物に脂が入っていれば本能的に「栄養豊富で生存率の向上に寄与する」と判断するし、実際「旨い」とも脳が感じる。

もうこれは脳が遺伝子レベルから判断している旨さなんだと思います。理系的なところはよくわかりません。

考えてみてください。

「二郎がどうだこうだ」といって、行列にならび、敢えて寿命を縮めるラードと化調たっぷりのラーメンをすする人のことを。

旨いから並ぶのだ。そうなのかもしれません。

でも、二郎界隈に至っては、共通話題としての「二郎」、コミュニティとしての「二郎」があるような気がしています。

圧倒的な脂が人と人との間に膜をはり、それが潤滑油となって人々の心を癒しているのです。

さて、ここまで話をすすめてきたものの、自分でもなにをいっているかわかりません。

ここからどうやって話を展開するのか。

まあいいでしょう。

そろそろ、本題に入ろうか。

目次

ブリと見せかけてワラサを釣った

ワラサ

はい、去年の春に城ヶ島沖でワラサをタイラバで釣ったんですね。4月ぐらいに。

水深100m程度。

おほほ。これは4、5キロの真鯛だな。ほくほく。

そう思っていたら、やけに横に泳ぐんで、巨大マダイ説が消えたという。

ワラサ級のブリにもいろいろいるんですが、この個体はかなり身が厚く、内臓脂肪もたっぷり。

大人の顔をしてるね。

父ちゃん、今日の魚はいつもと違って大物のようだね?

・・・

まな板は台風のあと海岸に打ちあがっていたのを拾いました。海の家の残骸かな

これはワイの子供図鑑にのっていたあのブリかね?

いやまてよ、とりあえず目をつついてみるか

!?これはブリやない。ワラサや(`・ω・´)

はい、ということでワラサを釣りました。

ワラサをさばいていこう

ワラサもさばくとき、まずヒレを全部調理場バサミで切り落とすとよいです。

ヒレがないと、鱗をすき引きするときに比較的やりやすくなるという。

あとはこれは自分でやっていてきづいたんですが、すき引きは、アジのゼイゴを落とすときと同様に、包丁を一方向に動かすと上手くできます。

余分な力が入らず、皮目と刺身包丁との角度も安定するんでしょうね。

で、腹を開く。

脂で防御された内臓。脂は鎧なのだ

大勝利感たっぷりな内臓脂肪ですね。

もう内臓全体が雪のような脂肪に覆われているという。

よく、小学生の同じクラスにいた太っちょの友達が「シャキーン。俺の脂肪は鎧。すべての物理攻撃を無効化する!」みたいに、わけのわからないことを言っていたりしますが、今となってはたしかにそうなのかなーとも思います。パンチしてもぷよぷよん吸収されるわけで。松島くん、彼はその後どういうおっさんになったのだろうか。

寒ブリになってくるともっとすごいわけですが、このワラサも凄い。

こちらが取り除いたブリホルモンセット。

肝臓の端にすこし胆嚢由来と思われる黄色がついてしまっていますね。胆嚢はできれば早めに取り除きたいところです。

苦みと生臭みが強くなりますのでね。

続いて、頭とカマを落とす。

チラ。

これは炙ると脂がはじけるパターン。

皮ごと一口サイズにして串に刺して甘辛く焼いたらぼんじりみたいなのになるんじゃないかな。

ってことで、切り落とす。

ハリがあって実にいい身質。

20代後半から30代にかけての面構えというか、リーダー・マネジャークラスというか。

頭は梨割に。

マダイやワラサ級になってくると本出刃じゃないとちょっときついです。刃が分厚くて重量があるやつ。

分厚い包丁だから包丁が挟まらず、▽状の刃で、ずばぁばあああ!という具合に割れるわけです。

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解体完了。

いいねいいね。

頭とカマは塩焼きに

まず頭とカマは焼いていきましょう。

まず、ヒマラヤピンクソルトを強めにふって、20分ぐらいおいて水分を拭きとる。

その後、クレイジーソルト&黒コショウをふりふり。

マキシマムもよいと思います。

これが。

こうなる。

染み出る脂っていうのは、食卓のコミュニケーションを円滑にする潤滑油みたいなもんです。

そんで盛りつける。

いわずもがなで、美味。

ちなみに、或る程度日がたって臭みがでたものでも、さっと水洗いをし、トリメチルアミンを流しつつ、塩をふってドリップと臭みをぬいてから焼くだけでだいぶ状態はよくなります。

ブリの「幽門垂」は甘辛煮で化ける!

内臓は日本酒につけよう

はい、ここから本題の本題です。ブリの内臓ですね。

胃袋・幽門垂・白子という布陣。

一部ホウボウの内臓が混じっていますね。わかるかな。

これを煮つける。

  • キビ砂糖
  • 東肥赤酒
  • みりん
  • 日本酒
  • 山椒の実(塩蔵)
  • 水あめ
  • しょうゆ
  • ショウガスライス

水あめ以外の調味料はあらかじめ混ぜ合わせておくとよいです。配分はよしなに。甘辛くなっていればよいです。

この白い脂肪の塊みたいなのが幽門垂(ゆうもんすい)です。

硬骨魚全般にあり、消化を助ける機関とされるんですが、回遊魚ほど大きいとされます。

このひだが、ちょーっと気色悪いということもあり、だいたいの人が捨てます。

東大生が100人いたら99人ぐらい捨てるはず。

が、これだけ良質な内臓脂肪がついているわけで、甘辛く煮たらうまくなるんじゃないだろうか。

黄アジの脂卵煮という前例もありますしね。脂は甘辛くにつけると溶けだしてうまいんです。

炊く。

あ、落し蓋わすれた。

キッチンペーパーをかぶせましょう。話はそれからです。

はい、10分くらいで出来上がりです。

盛り付ける。

UPで見せたろか?

どん。

はい、こちらです。

白子が強い

小さくつまんでも濃厚な旨味

心臓と胃袋。胃袋は切り分けておけばよかったかも

これはブリとみせかけて伏兵。ホウボウの肝臓と浮袋など

で、これが本題の幽門垂ですよ旦那。へへへッ。

だれおま。

国産A5クラスで、最早脂が95%なんじゃない?っていう肉がありますよね。なんなら脂を買ったほうが安いんじゃないかというアレです。

あれを、すき焼きで食べるときのような風貌ですね。

うまいんだけど3秒で飽きるあれです。

みるからに脂の塊だが・・・

さあ食べてみましょう。

あ。

旨い。

え?どんなうまさかって?

すこし落ち着いてください。今から説明しようとおもっていたところです。

そうですね、ひだ部分は胃袋と同じです。組織が細く薄いので、柔らかさはタチウオの胃袋ぐらい。

プツプツとしたほどよい噛み応え。

で、口にいれると瞬時に広がる脂の滋味。それこそA5和牛を丸めたまますき焼にぶち込んだような。

それでいて、脂が飽きない。魚ですからねー。牛ほどクセがない。さらさらっとした脂なんです。

血液が詰まるというよりも、中年のつまった血液の通りがサラサラってな具合によくなるような。

DHAとかEPAがたくさん含まれるんでしょう。この脂には。青魚っていうのはそういうもんです。

まとめ

今回はなにかと捨てられがちなブリホルモンの内、とくに三角コーナー直行便になりそうな幽門垂の魅力について紹介しました。

ブリの幽門垂はめちゃくちゃうまい。

それと、ホルモン系は鮮度が命と、どのホルモン屋さんも口にします。

ブリの場合もそうで、釣りあげたら速攻で胆嚢を排除しつつ、未消化物を丁寧に洗い直し日本酒風呂で清めつつ、早目に調理しましょう。

冷蔵庫で日本酒や泡盛につけたままにすると、組織がとけて粘液がやばいことになります。

みなさんも、ぜひ幽門垂を味わってみてください。青物系は特に大きいです。

ではでは。

平田(@tsuyoshi_hirata

関連アイテム

▼釣魚の煮つけなどは東肥赤酒一択。臭みなく、ふくよかな食感と味わいに。

▼山椒は自分で塩蔵にしておいてもよいですが、佃煮系があるとささっと使えます。調理してあるものはアクがぬけて香りも強すぎず。

▼ブリ・ワラサは150㎜の本出刃がほしいところ

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