どうも平田です。
中古釣り竿は大きく分けると3つあります
- 新古品
- 中古だが使用に問題ないもの
- 破損や汚れなどがひどいもの
厳密にはもっと細かく分けられるのですが、このうち「3」に手を伸ばす人はかなり少なく、だいたい中古釣具店で売れ残っているのを見ます。
状態によっては片隅に雑然とおかれていて、数百円~1,000円ぐらいで買えることも。
今回は、激安中古ジャンク釣り竿を実際に買ってみてメンテナンスしてつかってみた話です。
中古釣り竿購入時の注意点を押さえておこう
まずジャンク釣り竿を買うときに押さえておきたい注意点をまとめておきます。
- 返品不可
- ガイドの錆は落とせないものがあり、その場合はガイド交換が必要
- ガイドの割れをチェックする。割れているものはガイド交換が必要
- 穂先折れを詰めているものは調子が極端に違うので注意(穂先折れやガイド交換等は基本販売時に説明あり)
- コーティング外面の傷は問題ないが、ブランクスにまで傷があるものは破断リスクが高いので注意
- リールシートのネジがきちんと回るか確認→固着していたり、ネジ穴がが劣化しているものがある
激安中古ジャンク釣り竿のビフォーから
今回はこちらの船竿を買ったのでメンテナンスしていきます。
1,000円ちょっとだったのですが、もともとノーブランドで高いものではありません。
とはいえ、軽めのカーボン竿で、8:2~7:3調子気味のカワハギ竿だったので面白いなーとおもって買いました。
リールシートもちょい古いですが、富士工業のちゃんとしたやつなのがいいですね。
中古釣具店は2つあります。
一つ目が、持ち込まれたものを清掃やメンテせず、そのまま売るところ。
二つ目が、持ち込まれたものをメンテして、付加価値をつけて売るところです。
これはどちらがよいというものではないです。
前者は回転を速くして、より低価格で販売するという攻め方で、後者は手間をかけてでも、商品を磨いて良さを実感して買ってもらうというやり方です。
今回買った竿は、前者の店舗で買ったので、ほぼメンテナンスされていません。
なので低価格というわけです。
船竿によくみられるのが、EVAグリップがつるつるしてしまっているアレでです。
もともとEVA素材は適度な凸凹があり、グリップ力が高い素材です。
が、手垢・餌・魚のヌメリ等が何度も蓄積して乾燥すると、いつのまにかテカテカしてしまい、滑りやすくなります。
見た目もよくないですし、ちょっとあんまり触りたくないですよね。
他にガイドを固定するスレッド上のクリアコートも割れが生じていました。
コーティングがとれていると、海水が浸透し、ガイドフットがさびて折れる原因になります。
あと青錆です。
いわゆる緑青(ロクショウ)なので、なんらか銅の合金なのでしょう。
だいたいこういうのは塩噛もしています。
ガイドフレームの錆がひどすぎると、PEラインが擦れて高切れする原因になるので、だいたいの人が買い控えるはずです。
フレームの強度が弱かったり、ゆがみがひどい場合、ガイドリング自体に割れがある場合は交換したほうがよいのですが、今回は磨いていくことにします。
中古ジャンク釣り竿のメンテナンス作業
グリップの脂汚れには食器用洗剤がおすすめ
まずは全体をお湯で濡らしてから食器用洗剤でごしごしやっていきます。
特にグリップ部分は積年の垢が浸透しているため念入りにやりましょう。
気持ちよくつかうために、二度洗いは必須です。
この通り、かなりの汚れが出てきますね!
洗い流すと、グリップの金属部分に点状の赤錆が見つかりました。
EVAの端部分にある飾りの金属素材にも塩噛みと錆が見られます。
ガイドフレームの錆ともども、錆落としは、重曹ペーストがおすすめです。
重曹を適量ボールにいれ、水でペースト状にすればできあがり。
100円ショップにも売っているので手軽ですね。
ガイドフレームのような細かいところは小型の歯ブラシが便利です。
息子が噛み潰した幼児用歯ブラシがあったのでそれをつかいます。
グリップ上の金属の点状錆はすぐに落ちる(激落ち君でも落ちる)んですが、ガイドフレームは念入りにやりましょう。
爪楊枝のように硬すぎず先端がとがったものでも、汚れを落とすことができます。
洗いあがったガイドフレームは後ほど。
グリップはさらに目の細かいやすりで削りました。
これは好みなんですが、グリップのフロント側を細くしたい場合はカッターで切った後にやすりでバリをとっていきます。
こちらはコーティングの割れ部分。
2液式のエポキシ系接着剤を混合して塗っていきます。
ガイドフレームが心配な場合は、一度外して点検してから再度スレッドをまいて固定したほうが安心です。
付属の塗ごてに接着剤がすでにこびりついたので塗りづらく、ちょっといびつに。
丁寧にやる場合はこのあたりきちんとやりましょう。
さて、わりかしスムーズに進んでいますが、ちょっと失敗がありました。
さらに、細かい部分の錆を綿棒+爪楊枝+酢塩で落とそうとしたら、フレームのメッキが落ち、銅っぽい金属色が点々とでてきたんですね。
あわてて、やめたんですが、コーティングの強度や種類によってこうなるのできをつけたいですね。
最後は、ブランクスとガイド全体にシリコンスプレーをふいて空拭きしてフィニッシュ!
全体的に汚れが付着しづらくなり、ガイド部分などの錆を防ぐことができます。
ちなみにシリコンスプレーは屋外で使いましょう。有害です。
このシリコンスプレーなんですが、釣行前にPEラインにふいておくと、飛距離が伸び、ライントラブルが減ります。
生まれ変わった激安中古ジャンク釣り竿がこちら
ということで完成です!
ぱっとみフツーに使えそうですね。差異もよくわからないかと思います。
この通り、グリップのEVAのテカテカ感はなくなりました。
軟調カワハギ竿だったので、アサリ汁もすっかり抜けたことでしょう。
こちらコーティング部分。
率直にいって、「ちょ、こいつ下手だなー」と思いましたね。
ほんとはちゃんとできるんですよ。
次回はちゃんとした塗りゴテをつかおうと思います!
ガイドの錆も完璧ではないですが9割方取れました。
残りはおいおいとったり、ひどくなったらガイド交換していきたいと思います。
リールとあわせれば、すっかりちゃんとした竿ですね!
この竿はカワハギ竿なんですが、攻め系のライトアジ竿として使ってみました。
ビシがしっかり振れ、アタリもかなり敏感に察知して掛けられるものの、バレやすいのでクッションゴムをつけてやりましたね。
まとめ
今回は、いわゆるジャンク品として店舗の片隅に雑然とおかれていた竿を買ってメンテナンスしました。
中古釣り竿のなかでも「破損や汚れなどがひどいもの」は、なかなか買いませんよね。
一方、素材面やガイド、設計思想等があまりにも古いものでなければ、現代の釣りシーンにも問題なくマッチするわけです。
メイン竿でなくても予備竿にするのも一つ。
今度中古釣具を見る機会があれば、そんなことも考えながらジャンクコーナーを探ってみてください。
ではでは。
平田 剛士(@tsuyoshi_hirata)
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