どうもさいたまのくまです。
連日続く猛暑。今回は以前紹介した都市河川でのウナギ釣りのやり方を紹介します。
ウナギについて
ウナギは最大で体長80cm程に成長。日本各地に広く生息しているものの、近年ウナギの養殖用に採捕されているシラスウナギは著しく減少しています。
ニホンウナギについては産卵場所が、マリアナ海嶺のスルガ海山付近と想定されていて、抱卵した親魚なども同水域で捕獲されているものの、なぜ成熟したウナギが河川や湖沼を下り海で産卵するのかという点については謎のままです。
ウナギは都市河川にだって力強く生息している
ウナギは四万十川に代表されるような清流に生息しているイメージがある方もいらっしゃるかもしれません。
天然物というと珍しいイメージが強いですが、たとえば荒川、多摩川など都内の川にも数多く生息しており、狙って釣ることも可能です。
都市河川でのウナギ釣りシーズン
各地の河川や湖沼でウナギが釣れ始めるのは水温が徐々に上がる4月付近からですが、都市近郊の河川では、温排水の影響から1年中水温が高く、場所によっては真冬を含めて1年中釣ることができます。
一方、狙って釣りやすいのは5月~10月の初夏から初秋と言えます。
また、ウナギの旬といえば夏のイメージがあるかもしれませんが、味としての旬は、脂ノリがよくなる秋から冬にかけてです。
ウナギが釣れるポイントの特徴
日中のウナギは障害物の影や砂泥の中に潜っており、夕まずめ以降、通称「ウナギの道」という決まったところを移動してエサを探し回ります。(曇りや濁りが強い日は日中でも活動しています)
河川によってこの「ウナギの道」の場所は異なりますが、うまく見つけることができればか複数尾釣ることも可能です。
一方、初めてのポイントでウナギの道を見つけるのは困難かもしれません。
もし、大型河川でウナギを狙うなら澪筋やその駆け上がりを中心に複数本仕掛けを投げ込んで探すとよいでしょう。これまでの経験上、駆け上がりの縁部分に仕掛けを固定すると効率的に釣れます。
また橋脚周りも見逃せません。橋脚周りには上流から流れ着いた障害物が固まっていることが多く、この部分にウナギが隠れています。そのため橋脚周りは根掛かりが多いのですが、ウナギのアタリも多い場所です。
他に、河川が蛇行している部分は、上流から流れてくる有機物がたまりやすいのか、ベイトが多いからかウナギの好ポイントであることもしばしばです。
都市河川でウナギを釣るときのタックル・仕掛け・エサ
ロッド
釣り竿は2m前後のシーバスロッド、エギングロッドのほかに、釣具屋で安売りしている初心者セット(スピニングタックル)でも大丈夫です。
手前にテトラなどの障害物があるようなポイントでは長さのある投げ竿がよいでしょう。
ウナギのブッコミ釣りではエサを飲み込ませて釣るため、感度はそれほど重要ではないですが、アタリがあったときに判断しやすいように竿立があるとさらによいです。
※穂先が柔らかいものはカニや小魚のついばみがわかるため餌交換の目安にはなります。
リール
リールは~3000番のスピニングリールであれば安物でもなんでも大丈夫です。夜釣りがメインになるので使いやすいトラブルが少ないものを持っていきましょう。
ライン
ラインはなれている人はPEで大丈夫ですが、初心者などは低コストかつトラブルの少ないナイロンの2~4号がオススメです。
仕掛け
ぶっこみ仕掛けを自分でつくるか市販品を利用します。
おもりは竿にあった物をつかい、仕掛けは市販のウナギ用の物か自作するなら針はウナギ10号くらいがよいでしょう。
駆け上がり部分に根があるところはジェット天秤を使うのも効果的です。
流れが速いところはオタフクオモリを使うと仕掛けが流れにくくなります。
エサ
ウナギのエサは、釣りをするポイントに海水が混じるか混じらないかによって変更することをオススメします。
私はやや海水が混じるところでウナギ釣りをしているためアオイソメを使っています。
アオイソメはシーバスなどの外道が多いためウナギだけを釣りたい方は、アケミ貝・ムール貝・アサリなどがオススメです。
市販のシマミミズ房掛け
河川の中流域以上で、海水が混じらない場合、もっとも有効な餌は天然のドバミミズです。
ドバミミズが手に入らない場合は市販の太目のシマミミズでも問題ありません。この場合は餌のボリュームを増やすために房掛けするとよいでしょう。
ミミズは、コイやニゴイ、アカミミガメなどの好む餌ですが、大ぶりにつけることによって、小魚や海老・蟹類の猛攻は避けられ、最終的にニオイによってきたウナギを釣りやすくなります。
本命以外が多い釣り場では釣り鈎を大きくし、エサも大きくたくさんつけるのがコツです。
都市河川でのウナギの釣り方
ウナギの活性があがる日と時間を選ぶ(雨後の夕方~1時間半程度がベスト)
ウナギが活発に動きエサをとる条件は、雨後の濁りが入ったときや、曇天の日です。
また時間帯は夕方から1時間半程度までが時合と覚えておきましょう。
日没になり光量が減るとウナギは住処をでて、活発に動き回りエサをとります。
大雨の後などもウナギはよく釣れますが、河川の場合上流からゴミがながれて道糸に絡み、頻繁に鈴がなるため釣りづらくなります。
「うなぎの道」を探す
効率的にウナギを釣るためには「うなぎの道」を探すことが重要です。
仕掛けを①岸際②10m②20m③流心際と、複数本別々に投入し、どこであたるのかを試します。
一匹釣れたら、他の仕掛けを釣れた距離に揃えます。
河川の場合、仕掛けを並行に投入すると、流れによって自分の竿と竿でオマツリすることもあります。
常にオモリの号数を工夫し、仕掛けと仕掛けの距離感を工夫するとトラブルが少なくなります。
ひたすら鈴がなるのを待つ
ウナギ釣りは仕掛けを投入したあとは待つ釣りです。辛抱強く待ちましょう。
ただ待つのも大変なので、頭のなかで、エサのエキスが下流に流れていき、それに気づいたウナギがエサを探し回って仕掛けまで到達するイメージを持つと面白く、辛抱しやすくなるかもしれません。
尚、15分に1回くらいで餌が残っているか、かじられてるかを確認しましょう。
特に、ミミズやイソメの場合、ウナギ以外の小魚がエサをついばみきってしまっていることもあります。
※鈴はなるべく穂先に近い位置につけるのがオススメです。ネジ式よりは、クリップ式のほうがヒット後やキャスト時に外しやすいのでオススメです。ロッドによっては、キャスト時に鈴をつけていると、ライントラブルが多くなります。
ウナギがヒットしてから釣り上げるまで
ヒットしたらウナギは針を外そうと仕掛けに巻き付きます。このとき、もたもたしてると根にまかれたり、仕掛けがぐちゃぐちゃになってしまいます。
ヒット後は竿をたて底からウナギを引き離すイメージをもち、一定速度で巻いてきます。
サイズが大きいようであればたも網にいれますが、基本的には抜き上げるのがよいでしょう。
陸に上げた後もウナギは激しく暴れ回ります。このとき、ラインはたるませず張ったままにし、フッキングしている位置をしっかり確認しましょう。
針が見えていて飲まれていないときは、濡れ雑巾でウナギをつかみ、なるべく早く針を外してクーラーボックスやバケツにいれます。
もし針を飲み込んでるときは、強引に抜こうとせずハリスを切ってしまうことをオススメします。
バケツも蓋がないものだと逃げます。上に網やビニールを被せるといいでしょう。
※網付きの水汲みバケツを持参すると便利です。
釣ったウナギの泥抜きについて
個体差もありますが、都市河川のうなぎは泥臭いことが多いです。
特に下流や河口付近であればほぼ確実に臭いです。美味しく食べるために泥抜きをしなくてはなりません。そのために生かして持ち帰りましょう。
針を飲まれた時に強引に抜こうとすると内蔵や食道の傷が広がり死んでしまいます。ここで「飲み込んだ針は?」と思うかもしれませんが、不思議なことに、ウナギは飲み込んだ針を勝手に吐き出します。
生きたまま家に持ち帰ったらバケツや水槽でエアレーションをしながら生かします。
泥抜きの目安は私のよく釣る隅田川は水質がよくないので1ヶ月以上は行っています。水は1週間に一度くらい取り替えています。循環濾過装置がない場合、カルキや水温の変化に注意しながら毎日変えたほうがよいでしょう。
釣ったウナギも、食べようと思って泥抜きをしつつ1ヶ月も飼うと愛着がわきます・・・
ウナギ釣りのゲスト
ウナギ釣りのゲストは河川の流域によって異なります。
<中流域以上>
- ニゴイ(鯉かとおもったら…!)
- コイ(どーんと重い引きのときはだいたいこちら)
- すっぽん
- ミシシッピアカミミガメ
- ナマズ(夜釣りがメインになるので比較的多いです)
- ブラックバス
<下流域>
- セイゴやフッコ(アオイソメをつかうとよく釣れます)
- 鯉(どこにでもいますね)
- ハゼ類(マハゼ・ウロハゼ)
オススメのウナギ釣り場(東京近郊)
- 隅田川(河口から赤羽付近まで)
- 荒川(河口から笹目橋まで)
- 多摩川(河口から丸子橋まで)
これらの都市河川のポイントを釣る際は、橋や隻を起点に考えるとよいでしょう。上記で紹介した上流でも釣れます。
多摩川の場合、堰上まで上がる個体が多くないというもあり、丸子橋より下流で釣るほうが釣果があがります。
全体的に河川の下流域より中流域のほうが中・大型のウナギが多く釣れる気がします。これは遡上する体力がある個体が上流に多いのか、ライバルがいないため餌を多く取れるのかは不明です。
最後に
いまでは絶滅危惧種となってしまい養殖ウナギの蒲焼はさらに値段が高くなりつつあります。
天然うなぎを自分でさばいて蒲焼きにして食べると、養殖ものやそれをうなぎ職人が調理したものとは全く別の味がします。(比較すれば、養殖うなぎのほうが断然脂ノリがよく安定して旨いです)
養殖ウナギの流通にはシラスウナギの取り扱いなど不明な点が多く、密漁が多くかかわっていているといわれています。
そんな中、出所が確かなウナギを自分の手で釣って料理して食べるときに命の大切さを改めて実感します。
釣りをするときは小型はリリースし、無駄に持ち帰らない。
ウナギ釣りはなにかと批判の的になりますが、自分で取り決めた範囲で、ウナギを釣って食べてみるのも、都市河川で力強く生きるウナギを通して、環境の問題について他人事ではなく身近に考え活動する機会になるかもしれません。
■アングラー
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