体調不良で釣り船に乗るべきなのか?実際に乗った釣り人に色々聞いてみた

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スミイカ釣り
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乗合船の釣り船には予約制と当日受付制の2種類がありますね。

予約制の場合、当日釣行できない場合はキャンセル連絡をする必要があります。

たとえば体調不良になってしまった場合。これは無理に釣りにいかないで事情を伝えてキャンセルするのがスマートな気もします。

だって具合が悪いのに釣りにいっても、釣果も上げにくいし、釣りで体調不良が治るわけではありませんからね。筆者も同感です。

でも、実際に体調不良なのになぜか船釣りにいってしまう人もしばしば見受けられます。

こうした人は一体何を考えているんでしょうか。今回、実際に釣行当日の朝、高熱だったのに、スミイカのテンヤ釣りにいってしまったという神奈川県在住の平田 剛士さんにご協力いただき、インタビューしました。船釣りファンのみなさんの参考になれば幸いです。

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ORETSURI編集部:どうもこんにちは!

平田 剛士さん:あ、どうもこんには。

ORETSURI編集部:え、「こんにちは」って、いえてないですよ平田さん。大丈夫ですか?

平田剛士さん:はい大丈夫です。昨日ぼんやり息子の頭の匂いを嗅いでいたんですが、息子が何かに興奮したのか「ヤー!」と叫びながら、いきなり頭を後ろにそらしてきたんですね。不意のうしろ頭突きというか。で、案の定太郎なんですが、下唇が切れて流血ってわけです。だから滑舌がちょっと。すみません。

ORETSURI編集部:あ、そうですか。それはお気の毒ですね。えっと、そろそろ本題に入ってもよいでしょうか。

平田 剛士さん:はい大丈夫です。あの件ですよね。スミイカ釣りになぜ体調不良でいったかという話かなと。

ORETSURI編集部:そうです。やっぱりなんとなく思い当たるところはあったんですね。

平田 剛士さん:いやまあはい。この話は釣行前日のところからしたほうがいいと思いまして。釣行日は日曜だったんですが、土曜日に息子を肩車して寒空を散歩したんですよ。高台へのぼって。天気がめちゃくちゃよかったんで。で、無事家に帰って、冷凍用をふくめて1キロ分ぐらいハンバーグをつくっていたら、急に体が熱くなってきまして。そんでもって関節が痛くなってっていう。典型的な発熱ですね。とはいえ、圧倒的な父親力を誇示するために、肩車をし過ぎたり、抱っこによるダメージかなーと思ったんですね。

道草事業に勤しむ平田さんの息子「凪」君

傾斜をぐんぐん上る「凪」君

高台から見下ろす逗子小坪港。遊漁船だけでなく岸釣りスポットとしても有名

同じく逗子新宿湾。マゴチの宝庫という噂

葉山鐙摺港~森戸海岸。遊漁船+ボート釣りなど、極めて釣り人率が多いエリア

平田さんの圧倒的な父親力により、満足気な「凪」君。1歳6か月。ソーキュート。

ORETSURI編集部:前日に体温は何度ぐらいあったんですか?

平田 剛士さん:38℃台だったような気はします。いや37.8かも。あんまりよく覚えてません。で、無事ハンバーグをつくりあげたあとに、釣りの準備をして寝ました。

ORETSURI編集部:え?その時点で釣りにいこうとしたんですか?ちょっとそれは。。。社会人としてアレなのでは・・・。

平田 剛士さん:いやまあ、素直にごめんなさい&キャンセルで候。っていう気持ちもあったんですが、当日朝の様子を見ようとおもったんです。もしかして復活するかもしれないですし。自分を自分が信じなかったら誰が信じるのかって。それに予約したのが土曜日で日曜日というのもなんとなくキャンセル連絡しづらいなと。土曜夜にイシガニ獲りとかしてたし。

ORETSURI編集部:まーたしかに。復活の可能性はゼロではないですしね。「チャンスは最大限に活かす。それが私の主義だ」でしたっけ。シャアのセリフは。

平田 剛士さん:そうなんです。やっぱり一度決めた釣行はなんとか遂行したいと思ってしまうんです。俺なら大丈夫だろうって。バッターボックスに立たない人間にスミイカは釣れないと思うんですよね。常にバットを振り続けた人間に、いつかホームランがもたらされるだろうって。わたし野球やらないんですけどね。

ORETSURI編集部:あ、はい。まあそうかもしれないですね。

平田 剛士さん:というわけで、葛根湯とマヌカハニー&レモン湯を飲みつつ、使い捨てカイロを肩甲骨の間と腰に貼って寝たんです。あと、ホットタイプのタイガーバーム(赤)を塗って重い首回りと肩回りをほぐしました。ハッカメインのタイプではなくて、シナモンメインの塗ると熱くなるタイプで、本場タイの古式マッサージでもよく使われているんですがご存知でしょうか?

ORETSURI編集部:いや知りません(なにかとまわりくどいな)。

平田 剛士さん:そうでしたか。読者の方も釣りの話を聞きたいと思うんで、先を急ぎましょう。で、当日の朝です。朝4時30分に起きて、始発で八景に向かおうとしたら、体調不良もあってかストンと起きれず5時過ぎに起きたんです。

ORETSURI編集部:はい(ぜんぜん先を急いでいないなこの人)。

平田 剛士さん:で、体温を測ったんですが、何度あったと思いますか?

ORETSURI編集部:え、ちょっとわかんないですけど(ちょ、初対面で年齢聞かれると「何歳だと思いますか?」って聞くパターンかよ)。

平田 剛士さん:なんと39.2℃あったんですね。びっくりしますよね。

ORETSURI編集部:あ、はい(体温の高さを自慢してくるやついたな。クラスに一人はいたな)。

平田 剛士さん:とはいえ頭は痛くなくって、前日より体は軽かったんですね。いやね、そうなると風邪とかをうつしちゃいけないっていう判断もありますよね。

ORETSURI編集部:そうですね。やっぱり病気を人に拡散しないというのは一人一人の自主規制ですよね。

平田 剛士さん:そうなんです。とはいえ、この熱は風邪というよりも、咳由来の胸膜の炎症由来かなと。で、最近咳はもう出てないし、鼻水もないんでとくに人にうつすことはないかなと。

ORETSURI編集部:なるほど。人に迷惑をかけないだろうなという自主判断をしたということですね。

平田 剛士さん:はい。で、当日釣行したわけです。

ORETSURI編集部:そのほか、釣行するまでに考えたことはありますか?

平田 剛士さん:ほかには、やっぱり船宿の売り上げだったりとかを考えちゃったり。

ORETSURI編集部:結構繊細なんですね。

平田 剛士さん:そうかもです。思いやりは大切かなと。

ORETSURI編集部:思いやりは大切ですね。釣りでもたしかに。それで実際のところ、どうでした?つらくなかったですか?

平田 剛士さん:つらかったですね。所謂「キツメイシ」ってやつです。昼ぐらいまで風が強めで、冬場のスミイカポイントである松輪沖界隈だと北風がビュービューで。寒く。

ORETSURI編集部:「キツメイシ」というのはよくわからないんですが、その他は諸々お察しします。それで釣れましたか?

平田 剛士さん:いやそれは。

ORETSURI編集部:すみませんが、ここは明確に回答いただけますでしょうか。スミイカは釣れましたか?

平田 剛士さん:もごもご。

ORETSURI編集部:スミイカは釣れましたか?

平田 剛士さん:二杯釣れました。一杯海面下10mで落としたのもあったので、ちゃんとヒットしたのは三杯ですね。他に浦賀航路でスミイカ釣りをしているとたまにかかる謎蛸3杯です。この謎蛸料理についてはまた記事で書こうと思ってます。

ORETSURI編集部:釣れてよかったじゃないですか。前回の釣行はボウズだったんですよね。0と2は大きな違いですよ。その他、釣況はどうでしたか?

平田 剛士さん:はい。当日は北東風が吹いていて、前半10時ぐらいまで上げ潮、それから下げ潮でした。上げ潮はそれほど流れず、後半は左舷側+トモ側に潮が流れて、左舷トモの常連の方が10杯以上釣ってましたね。うれしそうでした。右舷トモのベテランの方々も釣果を伸ばしていました。それと左舷ミヨシの常連の方もキャストして数を伸ばしていた印象です。わたしの釣り座は右舷ミヨシでした。

ORETSURI編集部:あ、いろいろ察しました。右舷のミヨシってことはその条件では一番ツライところじゃないですか?そのシチュエーションでは。

平田 剛士さん:そうかもしれないです。前半で数が伸ばせればよかったんですけども、ポイント到着して早々300gぐらいのスミイカがヒットしてからは沈黙のミヨシだったですね。もっとも、体調不良というのもあったので、シャクリが杜撰だったり、シャクリの合間に目をつぶって脳を休ませたりしていたのが主たる原因だとも思います。実際、意識が飛んでいた時間もあったかと思います。

ORETSURI編集部:すると、やっぱり不利な状況ですので、キャストして釣っていたんですか?

平田 剛士さん:はい。新規ポイントに到着した間際以外はがんばってキャストしてました。が、深場ってこともあるんですが、後半は投げても船下、左舷側にテンヤが流れてくるんで、あんまり投げる意味がないんですよね。注目していたのが左舷のミヨシのベテランの方なんですが、後半キャストをしていてコンスタントに釣っていたんです。

ORETSURI編集部:それは潮によるラインの出方も関係ありそうですね。

平田 剛士さん:はい。左舷側に潮が動いているので、左舷で投げるとテンヤが船から遠ざかるため、比較的長い距離テンヤを引いて、面の釣りができたんだと思います。シャクリも上手でした。正直、左舷側には嫉妬しました。でも、そういうのって意味ないじゃないですか。恥ずかしいことだと思います。だから最後の1時間ぐらいは、自分だけの戦いに集中して勝負してみました。

ORETSURI編集部:自分だけの戦い?

平田 剛士さん:はい。「自分だけの戦い」ってのは、誰かが釣れてるとか、投げてるか投げてないかとか、テンヤで釣れたとかスッテの色がどうのこうのとか、牛丼は松屋か吉牛かとかじゃないんです。自分は今しっかりテンヤを海底でしゃくれているか?それを胸に聞けという話です。深場のテンヤスミイカの釣りで、特に終盤ありがちなのが、疲労とあきらめによって惰性でシャクってしまうことなんです。

ORETSURI編集部:なんとなくわかります。あきらめというか。体調が悪いと特にそうなりそうですね。

平田 剛士さん:水深が深く、そこそこ潮が流れるとPEラインにも知らず知らずたるみができて、自分ではシャクっているつもりでも、海底のテンヤがあんまり動いていなかったりするんです。やってるつもりってやつです。ビジネスマンでも仕事をしているつもりでも、それが成果につながらない単なる作業なのに、眉をひそめて頑張っている人がいますよね。それと同じです。それに、やっとこさスミイカがテンヤに抱き着いても、たるんだままシャクルとノリが悪くなるんですね。だから、最後の1時間はほとんど船下だけを狙って、ラインのたるみをしっかりとってからシャクルようにしてみました。そしたら、反応がよいポイントがあって、2バイトで1杯ゲットでフィニッシュできたわけです。

ORETSURI編集部:先ほど右舷は投げてもさほど意味がないという話をされてましたが、そこをふまえても確かに、船下でトモ+胴の間をかいくぐってくるおこぼれスミイカを狙い打ったほうがいいということですね。よくわかります。

平田 剛士さん:はい。あとは当日シロサバフグの猛攻が続いたんですが、傷ついたシャコは捨てて、新鮮なもの追加で購入して常につけてやりました。特に最後。「銭こそコマセ」がモットーなので。

ORETSURI編集部:「銭こそコマセ」。すごいパワーワードですね。いやー、なんというか、体調不良で比較的ハードな真冬のテンヤスミイカ船に乗ったとお聞きしたので、ボウズの気配もしていたんですが、いろいろお考えになって尽力されていたんですね。ちょっと上から目線で恐縮なのですが、感心いたしました。やっぱり俺たちの平田さんだなと。やっぱり船釣り、それも底物系は釣り座による要素が極めて大きいとは思います。そのあたりを考えると、右舷ミヨシで2杯ちゃんと釣れたというのは立派じゃないですか。船宿のページを拝見したところボウズの方もいたんですよね。

平田 剛士さん:はい。自分なりに、得ることも多かった釣行でした。わたしは「釣りにいけば毎回なにかを得る派」に所属してはいるんですが、今回もよい釣行でした。つらかったけど。出船前に船長に「前回、ずっと見てたんだけど、平田さんは機械的に強めにシャクっているんですね。今はもうすこしゆったり目にシャクったらよいかも」というアドバイスももらえてよかったです。

ORETSURI編集部:謙虚ですね。結局、謙虚に学べる人が何事も壁を乗り越えていけるのかもしれないですね。勉強になります。

平田 剛士さん:はい。わたしは根がマイペースで傲慢な人間なので、いつも「謙虚になれよ!」と自分を叱咤激励して生きています。その甲斐があってか、謙虚業界でも、比較的上位のあたりまでくることができました。これもひとえに「マネーの虎の小林社長」のおかげです。

ORETSURI編集部:ありがとうございました。主題であった「体調不良で釣り船にのるべきなのか?」というあたりを超えて、色々と本質的なところをお聞きできたと思います。感謝します。あ、平田さん、最後に一つだけよいでしょうか?

平田 剛士さん:はいどうぞ。謙虚ですから構いません。一つでも、十個でもどうぞ。

ORETSURI編集部:「体調不良で釣り船にのるべきなのか?」という問いなんですが、今回の経験を経て、平田さんはどうお考えでしょうか?船釣りファンが今後、たびたび悩むところだと思うのでお聞かせいただきたいと思います。

平田 剛士さん:いや、フツーに一定レベルの体調不良のときは、丁重にキャンセルを申し出たほうがいいと思います。咳やくしゃみが酷いときなどフツーにまわりに迷惑です。だからなるべく迷惑にならない時間に「ご迷惑をおかけして申し訳ないです。また行きます」と申し出たほうがよいです。あれこれ自己正当化しましたが、体調不良で船釣りって結構拷問です。ほんとつらい。集中できないし、釣れない言い訳の原因になるし、よいことはありません。人間弱っているときはなにかとネガティブになりますしね。であれば、あったかい布団に入ってスマフォでORETSURIの過去記事を全部読んでいった方が有意義だと思います。わたしも次からそうしたいなと心から思いました。

ORETSURI編集部:ははは、ありがとうございます。

平田さん到着時の釣り座。「左舷胴の間にすればよかった」とのこと

平潟湾は常に凪。

一杯目のスミイカは8時20分頃ヒット。ここから続かず・・・

快心のアワセで「良型スミイカ?」とドヤ顔で巻き上げてきたところ、オニヤドカリだったそうで

深場の謎蛸(千尋蛸?)が3杯。ラストに追加でスミイカ1杯。

「体調が万全のときにリベンジしたい。俺の実力をスミイカにみせたい」と、平田さん

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