人間は常に問いをもっている生き物。
釣り人も一緒です。
今日も世界では多くの問いが生まれ、答えが見つかっています。
そんな中、インターネットでは確かではない答えがいろいろと流布され、それがまことしやかに拡散されたり。
そんな、ウェブ上に転がっている『釣りのなぜ?どうして?』について、釣りメディアORETSURI編集長の平田が勝手に回答する本シリーズ。
今回の質問
色んな趣味がそうかもしれないのですが、釣りの世界ってすぐにマウンティングしがちじゃないですかね?いつのまにか<師匠>と<弟子>みたいな構図にさせられて、よくわからん人に弟子扱いされてしまったり。教えてほしいと一言もいってないことを勝手に解説してきたり。しかも、それ知ってるよみたいなことが多いんです。なんなんでしょ。そのあたり超然として見える平田さんはどう思いますか?
質問者:沖釣りマンさん
<平田の回答>
「釣りをするなら魚に向き合ったほうが楽しい」
どうも。久しぶりの回答になっちゃいましたね。
ほかにもたくさんの質問をいただいているのですが、拙宅のチルドルームで平田式にて長期熟成させています。お楽しみに。
これはという質問への回答は迅速です。あと、質問はちゃんと質問の形態をとっていただかないと、スルーします。では今回もどうぞよろしくお願いします。
さて、今回の質問なんですが、これはもう仕方ないものでもあるんです。
「マウントをとる」という用語がよく使われるになった昨今の日本社会ですが、もともとマウンティングって、ゴリラとかチンパンジーなどのお猿さん界隈やワン太郎などが、争いを避けつつ群れでの自分の優位性を示すためにあるんですね。
本気で喧嘩をして殴り合ったり噛みつき合ったりすると、自然界ではお互いに傷ついちゃうんですよ。
なんとか勝ったとしても、噛まれた傷口が原因となって弱って序列が下になってしまったり。なので、自然界では本気で殴り合ったりかみ合うまえに、マウンティング行動によって平和にケリをつけようとするんです。
大きな声を出したり。
努めて怖そうな顔をしたり。
でね、マウンティングっていうのは、他の個体よりワイの方が強いんやで。強いんやで!ってな具合で相手の尻に覆いかぶさるように交尾するふりをして腰をカクカク動かすんです。
ほんとの交尾ではなく、無防備なうしろをとって、生殖行動ができてしまうぐらい自分が強いんだというPRですね。
これ、オスでもやりますし、メスでもやるんです。むかし、すんごくかわいいゴールデンレトリーバーのメスを飼っていたんですが、カクカクやられたことがあってちょっと引いたことをおもい出しました。
まー、動物の世界ではそれが当たり前で、いうなれば動物の性(サガ)なんですよ。人間だってどれだけ小賢しくなっても、動物社会の一員なんですね。見てごらん、どこか似ているだろう、誰かさんと♪っていうアレです。
集団のなかで自分の優位性を示したいという欲求は、日本の画一的な教育でも育まれると思うんですよね。部活とかね。あと、会社に入れば上下関係ってやつができますよね。先輩・後輩・上司・部下ってやつです。
これはやっぱり長幼の序っていう言葉がありますが、一定レベルは配慮したほうが良いとは思います。
が、世界にはただの盆暗なのに、年上だからといって勝手に上下関係をつくってしまったり、相手の能力や自分の立ち位置をわきまえないで、むやみにマウントをとってしまう人もいるわけです。
今回の質問のように、マウンティングされている相手からすると、うぜー、そもそもなんでワイが貴殿にマウンティングされなくちゃいけないんだけっけ、っていうか、なにこの猿というような心象になる。これもよくわかります。
これはね、縄文時代から行われてきたことです。
俺の方が狩りがうまいやで。
俺は熊に勝ったんやで。
俺はサメを手づかみで捕まえたんやで。
などなど。
これって、時代をへて、だんだん体力のマウンティングから頭脳の問題になってくるんです。縄文から弥生の稲作生活になってから、体力の問題ではなくなったんでしょうね。
いかに集団でクレバーに立ち回るか。そのあたりが重要になってきたのです。三国志でも、張飛とかは強いんだけど知力が低いのでバカ酒やって部下に寝首をかかれちゃいますしね。
現代は知の時代でもあるんですが、ちょっと頭が悪い人はそのあたりがわからないので、すぐに縄文マウンティングをしちゃうんです。
縄文マウンティング。
おい、こいつはなにをいっているんだ。
そろそろ、結論に入ってほしい。
実はわたしもそう思ってはいるんです。
が、このシリーズはまったく落ちも考えずに、ただそのときに思うことを川の流れのように書き記しているだけですからね。滔々と。どうやって終わらせよう。
釣りの世界ってすぐにマウンティングしがちじゃないですかね?いつのまにか<師匠>と<弟子>みたいな構図にさせられて、よくわからん人に弟子扱いされてしまったり。教えてほしいと一言もいってないことを勝手に解説してきたり。しかも、それ知ってるよみたいなことが多いんです。
これね、たしかに釣りの世界には多いんですが、マウンティングしがちな人もそんなに悪い人ではないことが多い気がします。
ただ、体育会系の延長だったり、日常生活が恵まれてないだけだったりすることがほとんどです。
たとえば仕事で大したことをやれてなかったり、上下関係や顧客との関係で苦しんでいる反動が趣味の釣りにでてきたりします。コンプレックスの反動ってやつですね。
体育会系出身の人に多いんですが、初対面で、すぐに自分と相手の立場を計算して上下関係をつけてしまうんです。
- 何歳か
- 仕事はなにをしているか
- 釣り経験は何年か
- ○○の最大サイズは何センチか
日常生活が満ち足りていて、ある程度上のレイヤーにいっている場合は、こんなことをきいても仕方ないので、釣りの面白さあたりに話題がフォーカスしやすいですが、マウンティングゴリラ系の人は、もうね、このあたりばっかりきいて、態度を変えるんです。
初対面は「○○さん」みたいな感じで話していたのが、いつのまにか「○○君」になっちゃう。下手すると、1回しか会ってないのに、「○○君は▲▲だからねー」みたいに、俺は○○君と仲がいいし、その性格なども踏まえている兄貴分なんやでみたいな構図に勝手になっていたり。
まー、親しみがこめられていればいいんですが、そうでもないのに、あんまり彼我の力関係や立ち位置がわからない人は、そういう風になってしまうんです。
そんでもって、一度、自分のなかで○○君より自分が上になってしまうと、あとはもうそれをずっと繰り返しちゃうんです。
釣りでいえば、きいてないことを薄い知識で勝手に解説したり、これはこうしたほうがいいと差し出がましい口を挟んでくるんですね。そんな人多いでしょうよ。
え?
じゃあそういう釣り人とはどうやって接していったらいいんですかって?
そうですね。
やっぱり、スルーでしょうね。
既読スルー、未読スルー、死語でいえばアウトオブ眼中ってやつです。あんまり力まず、肩の力を抜いて、息を吸って吐くようにスルー。
これからの時代、若い人ほど優秀になっていくと思うんです。仕事の仕方も変わりますしね。
水戸黄門の唄に、あとからきたのにおいこーされー♪みたいなのがあるじゃないですか。
あれが真理なんですよ。
でね、あとから来たのに追い越されている現状や追い越されそうなのが怖いので、自分が優位になっているんやで!っていう具合に無理くり自分の存在意義を確認していく活動が他者へのマウンティングなんです。
- ルアー釣りとエサ釣り
- 初心者と経験者
- 船釣りと陸釣り
構図はいろいろあるんですが、まー、
釣りってやつは水中の魚や自然の方をむいて楽しみたいもんですね。
以上です。今後ともよろしくお願いします。
ではでは。
平田(@tsuyoshi_hirata)
※質問がないとエンドレスでYahoo!知恵袋などの質問を勝手に回答していく仕様です。