人間は、常に問いをもっている生き物。
釣り人も一緒です。
今日も世界では多くの問いが生まれ、答えが見つかっています。インターネットでは確かではない答えがいろいろと流布され、それがまことしやかに拡散されたり。
そんな、ウェブ上に転がっている「釣りのなぜ?どうして?」について、釣りメディアORETSURI編集長の平田が勝手に回答する本シリーズ。
今回の質問
突然のメールで申し訳ありません。私はバス釣りを趣味でしていた者なのですが、同じ会社の先輩で同じ趣味の人が何人もいます。そのなかで休日に予定を合わせて行ける人でバス釣りに行ったりしているのですが、その中の一人に厄介な人が居て、みんなその人を避けたりして釣りに行っているのですが、内緒で釣りに行ったことがばれて「俺は気にしてないんだけどね?」等をひたすら言ってくる人がいます。正直、誘った誘われたの関係がとてもめんどくさくなり先日釣り道具を全て売ってきました。私自身、内緒でみんなが釣りに行ったとしても「釣れたのかな」ぐらいしか思いません。それを周りの人にネチネチ言われる筋合いはないと思うのですが…
質問者:ポテトヘッドさん
<平田の回答>
「あなたは本当に釣りが好きなんですか?」
どうも、平田です。
最近、2歳になった息子に話しかけると、あっちいけ的に「バイバーイ!」「オシマーイ!」といわれます。
なんだ話しかけているだけなのに、一体なにがオシマイなんだ?
この口癖は妻由来なんですが、夜寝るときに布団のなかでよく考えると、そういう突き放し系の性格が自分のなかにもあって、血は争えぬなと。
むかし、会社組織で足軽だったときのこと。セールスでクロージングしているときに煮え切らない人がいたら、けっこう問い詰め系だったんですよね。
あとは、「ちょっと検討させてください」とか言われると、「わかりました。じゃまた来年ぐらいにしましょう!来年電話します!」とか。引き営業というのはあるけど、それにしてもお前すごく厭な奴だな。
さて、今回も質問ありがとうございます。
今日は入道雲がぐんぐんして気分がよいので、ぐんぐん回答したいと思います。
なになに?
今回も質問形式ではないので、質問に変換すると、以下のようになるかなと。
- むかしバス釣りやっていたマン
- 会社でバス釣りをやっている人材が多い
- そのうちの先輩武将が厄介
- 厄介先輩と釣りにいくいかないという関係がめんどくさくなって釣り具を全部売った
- 厄介先輩(いまも同じ会社?)について全方位にイラつくがどう思いますか?
えーっと、だいたいこんな感じでよいでしょうか。
たぶん、そんなにずれてはいないんだと思います。
ここで、だいたいの人は、「そうよね。不憫よな。釣り具まで売っちゃって。厄介な奴っているよね。けしからんよね」みたいに思うかもしれません。
わたしもそう思います。1割ぐらいは。
じゃあ残りの9割はどうなっているのかね?
いいでしょう。説明しましょう。
残りの9割は先輩云々というよりも質問者であるあなたへの疑問です。
前提条件として、先輩はだめな奴なんだと思います。
どこの馬の骨かは知らないんですが、たぶん仕事ができない人なのでしょう。社歴・年齢・職位などなど、どれで上に立っているんだかわからんのですが、足軽などの下々がどう思っているかをアレコレ心配しちゃったり。さみしいんだな。そのあたりはちょっとはわかります。
何がわかるか。
そう、厄介先輩はいつでも自信がないんです。
それに会社という枠組みを超えてしまうと、その外には「あつ森」などのネトゲや「ポケモンGO」以外には交われる友達もいないんです。だから、わざわざ会社の同僚などと釣りにいくことにこだわる。
「おい、○○、今週バス釣りいこうぜ!」ってね。
んで、まー性格的にもアレがコレで厄介だから、どこにいっても漏れなく村八分になる。
一緒に釣りにいってもつまらないし、一方的に話すし、自慢するし、鼻毛は出ているし、パイセンのくせになんでも割り勘だし、なんなら、タバコいつもあげてばっかりだし、独り身のヘビー級風俗通いだし、いつかの釣行後のラーメンだって、あいつ金払ってねーよなと。ふざけんなこのやろいいますわ。
そうこうして、厄介先輩はどのコミュニティでも神速で八分状態になっていったんだと思うんですが、まーそういうのはよっぽどの機械人間や昆虫人間でもないかぎり、「わ。自分、避けられてる…」っていうのはわかっているんです。
嫌われているのも、よーくわかっています。
でもやっぱり、厄介先輩としては、そういう会社八分の状態でも、なんとかみんなと繋がりたいんだ。
これはしようがない。
ダメな奴なんだから。かわいそうな奴なんだよ。
「俺は気にしてないんだけどね?」
とか、気にしすぎなんだよ貴殿はと。
はい、以上が前提です。
次に、質問者のあなたについて思ったことです。
これはね、
「で、あなたは本当に釣りが好きなの?」
って、ことにつきますよ。
先輩がダメだ。ウザイ。牛丼は松屋より吉牛のほうが好きだ。でも、カレーは松屋だな。最後の晩餐は創業カレーでもいい。
わかったわかった。
でも、なんでそれが「釣り具を全部売ってしまうこと」につながるのかなと。釣り具を全部売っちゃうということは、バス釣りしないってことですよね。
これはつまり、「先輩がウザイから釣りしない」ってことなわけですよ。
なんだその理屈は。
自分がどうこうじゃなくて、誰かがこうだからもういいやっていう。
あなたにとって、バス釣りってのは、そんな軽いもんだったんですか?
それって、本当に釣りが好きな人の行動じゃないなーって思いました。
釣りが好きなら、向き合うのは会社とか、猪厄介先輩じゃないですよね。
ランカーバスとか、釣り具とかフィールドに向き合うんじゃないかなと。
あなたはたぶん、そういう本来の釣りという趣味に向き合うんじゃなくて、釣りという共通テーマに属しているまわりの人間に付き合っていただけなんじゃないですかね。
いただいた情報だけみるとそう思ってしまいます。
いるんです。
釣りをしていても釣りじゃなくて、どうでもいい他人に向き合って消耗してしまう人は。
最近では、釣りじゃなくてTwitterとかFacebookとかインスタ映えに向き合いすぎて心身をすり減らしてしまう人もよくいます。
あなたは本当に釣りが好きなのか。
それならそれで、釣り具を全部売ってやめちゃうなんて、もったいない本舗以外のなんでもないです。
先輩が、「セブンイレブンのコーヒーが旨いから一緒に買いにいこうよ」と言ってきたら、先輩が嫌いだからセブンイレブンのコーヒーを飲まなくなるんでしょうか。
まー明らかによくわからないたとえではあるんですが、そうはならんですよね。
とはいってもあなたのことはよく知らないし、釣り具を全部処分しちゃったんならたぶん、この時点で釣りをやめるんだと思います。
でも質問を見ていると、たぶん会社はまだ厄介先輩と一緒なんですよね。
ここからは提案なんですが、現状が嫌なら以下の通りだと思います。
- 会社を辞める
- 先輩を辞めさせるようにする
- 今の会社で先輩より偉くなくなる
釣りに話を戻すと、以下の通り。
- 釣りをやりたいなら、隠れてこそこそ言わないで堂々と釣りにいく
- 先輩があれこれいってきたら、「一人で行きたかった」という
- 先輩があれこれいってきたら、「俺、正直、先輩といきたくないんすよね」と伝える
おそらくあなたは角を立てたくない人で、いつも先輩の面前では、「いやー釣りなんて暫くいってないっすよー」「○○先輩最近釣れてますか?」「釣りやめちゃったんですよねー。金なくてー」みたいに言って問題の本質から逃げちゃうような気がします。
だからブレークスルーすることなんてないとは思うんですが、もし今の地点からどうにかして突き抜けたい場合は、やっぱり先輩というこの世界の片隅にあるすんごく薄っぺらくて低い壁のことなんて気にしないほうがよいと思います。
もっと高い障害物をどんどんのりこえて生きていけばよいんだと思います。
以上、長々と問い詰めてすみませんでした。
そろそろ保育園に迎えに行く必要がありますので、失礼します。
今後ともよろしくお願いいたします。
平田(@tsuyoshi_hirata)
※質問がないとエンドレスでYahoo!知恵袋などの質問を勝手に回答していく仕様です。自粛に勤しんでいる&子育て繫忙期のため、これはという質問のみ回答します。ウーバーイーツなどの出前は対応しておりません。