釣り船妖怪「オマツリ入道」その実態と対策【シリーズ・釣り場の妖怪】

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だいだら法師
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『妖怪 ― YOKAI』

あなたが大槻教授系なのかどうかはわかりません。

ですが、信じるも信じないも、妖怪は実際にこの世の狭間で確かに息づいている存在です。

高度に情報化された現代社会。

この時代を生きる我々は釣りという趣味になんらかの救いをもとめているのかもしれません。

が、そんな救いの場である釣り場にも『妖怪』があらわれるのです。

人呼んで、『釣り場妖怪』

そんな『妖怪』の実態と対策について、釣りメディアORETSURI編集長兼妖怪愛好家の平田が民俗学的見地とその道30年以上の豊富な釣り経験から解説する本シリーズ。

目次

今回の釣り場妖怪:釣り船妖怪「オマツリ入道」

妖怪 オマツリ について教えてください。

船上(戦場)でとにかくマツリ好きが過ぎる人

隣人、あるいはもうひとつ向こうの人、あるいは反対側の釣り座の
人を巻き込む 「巻き込み妖怪」の正体

また、仕掛け投入からしばらくするとたびたび セルフお祭りをさせらる 妖怪「ヒトリオマツリ」について

よろしくお願い申し上げます。

質問:釣り貧乏さんより

ORETSURI平田氏近影(@tsuyoshi_hirata)レッツフォロー

今回の質問は、また釣り船妖怪についてのようですね。

ORETSURIは、船釣りのリアルな釣行記も多いので、おかっぱりだけでなく船釣りファンも読んでくださっているんだと思います。いやはや、有難屋彦左衛門。

さて、

釣り船は何かと人々の執念がこもりやすい環境にあります。

釣りをしていても釣り客各位の生霊もなにかと飛び交いやすい。

このあたりは、すこし霊感というか、妖怪センサーが発達した人であれば、わかりみってやつじゃないですかね。

妖怪 オマツリ について教えてください。船上(戦場)でとにかくマツリ好きが過ぎる人隣人、あるいはもうひとつ向こうの人、あるいは反対側の釣り座の人を巻き込む 「巻き込み妖怪」の正体また、仕掛け投入からしばらくするとたびたび セルフお祭りをさせらる 妖怪「ヒトリオマツリ」についてよろしくお願い申し上げます。

今回の質問者の方は具体的に釣り船妖怪の被害にあったり、自分でも憑依されたりしている様子。

ということで、それぞれの事象について解説していこう。はじめそう思ったのですが、よく考えてみると、紙面の都合もありますし、なによりちょっとめんどうでもありますので、ざっくりと解説しようかなと思います。

釣り船では、「オマツリ」は前提条件ですね。

もうこれは仕方ない。

必ず起きる。

必然。

どれぐらい必然かというと、アイザック・ニュートンのリンゴの話みたいなもんです。

リンゴが風もないのに樹から落ちる。

釣り客が多くて潮もながれているのでオマツリする。

絡みやすい状態で仕掛けを投入するからオマツリをする。

ね?

・・・

ちょっとなにが「ね?」なのか、このわたしもわからんのですが、まー先にすすめましょう。

オマツリについては、

  • そもそも初心者であるから底をとれない
  • 風や潮の複雑な影響

などなど、いろんな理由があり、一概にどちらが悪いと言えないこともしばしばです。

ですが、釣り船で長く釣りをしていると、ちょっときつめなオマツリ事案に遭遇することがあるわけです。

  • 玄人なのにやけにオマツリをする釣り客の存在
  • 高確度で自分が原因なのにオマツリでキレるDQN釣り客の存在
  • オマツリが原因で高切れするアレ
  • オマツリが原因で魚がバレる

などなど。

・・・

これは全部、オマツリ入道の仕業なんです。

感のよい釣り人であればうすうす、ご存知であったかもしれません。

  • あの普段温厚そうな釣り客が、オマツリにキレ散らかしている
  • ここぞというところでオマツリでPEラインが隣りの釣り客のタチウオの歯でやられた

あーいったのは、全部オマツリ入道のしわざなんですよ。

では、オマツリ入道とはなんなのでしょうか。

実はオマツリ入道は、

釣り客の他者と競うあの思い、

ボウズだったときのあの哀しさ、

オマツリで大物がばれてしまったときに密かにため込んだあの怒り、

高切れして仕掛け一式や高価なルアーが全部なくなってしまったあの絶望感、

などなどが、潮しぶきや海風とオキアミやアミコマセと融合して、頑固に船体にとり憑いてしまったものなんです。

ああ哀しや。

そのため、物理的に新しい船より、古い船のほうがオマツリ入道があらわれやすいといえます。中古船とかは、もうなんというかそれだけ歴史があるのでオマツリ入道具合も濃厚です。

釣り船妖怪「オマツリ入道」への対策

では、オマツリ入道による被害を最小限におさえるためにはどうしたらよいのでしょうか。

船宿側も、思い思いに坊さんや神職にお布施をし、船体のお祓いしてもらったり御札をはったりと、航海の安全対策はしています。

一方、釣り客も人任せにせず、セルフディフェンスが大事なんです。

カタカナでかっこよくいってみましたが自己防衛です。

オマツリにあっての自己防衛は、

  • 朝一でとなりあった釣り客とは挨拶しておく
  • おっさんや中高年でも玄人でも、他の釣り客から挨拶をされたらきちんと挨拶を返す
  • 迷惑になる仕掛けは使わない
  • オモリやPEラインの号数はきちんと船長の指示を守る
  • もしオマツリしたら、どっちが悪いではなく、お互い声掛けして「すみません」で終わらせる
  • 食事や睡眠をしっかりとる
  • 釣果を目的にしすぎないで釣りを楽しむ
  • 「他者を許す」ことを美徳とする

などなど、これらの対応をしていれば、オマツリがおきても、それほどイライラしないで楽しく釣りができるはずです。

それと、オマツリ入道のしわざかもとおもったら、

深呼吸をしましょう。

大きく鼻から潮風を吸って、丸くすぼめた口からゆっくり息を吐く。

スー、ハーーーー。

これを5回繰り返して、

「オマツリ入道ほととぎす」と、

おまじないを唱えます。

・・・

???

なぜ、オマツリ入道に対してほととぎすなのでしょうか。

それはよくわかりません。

が、世の中わかることばかりではないはずです。

道理がわからなくても我々はこうして世の中に生を受けて、いつのまにか釣りが好きになり、おかっぱりだけでなく高いコストを投資して沖釣りにいくようになっているわけです。

そうそう。

常にいらいらしている釣り人は、もっと隣の釣り人とうちとけてみてはいかがでしょうか。

とくにウェアをオキアミとコマセ汁などで煮締め、血走った目をしたベテラン釣り師になるほど、他の釣り客や初心者をバカにしてつれない態度をとることもしばしばです。

古来より、先人の役目には、あとからくる人を導くというものもあります。

どんなに偉ぶっても、

自分も最初は底立ちもとれなかった。

誰だってそうです。

だれだって最初は赤ちゃんだったんです。

おしっこやウンコの面倒は誰が見てくれたのか。

もっと他人にやさしくなりましょう。

特に乗合船は自分だけが釣っているわけでなく、いろんな釣り客があって、みんなの協力で楽しく釣りができるわけです。

オマツリするも多生の縁。

わたしからは以上です。

よい釣りを。

ではでは。

平田(@tsuyoshi_hirata

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※質問がない場合、エンドレスで過去の釣り場でみた妖怪について勝手に回答していく仕様です。

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