パッケージに書いてあるだけでなぜか釣れそうな気がする「船宿仕掛け」や「船宿特製仕掛け」という名称。
「船長直伝」「船長秘伝」という売り文句も一緒ですね。
なんだかすごく釣れちゃう気がして、売り場でごそっと手に取った人も多いんじゃないでしょうか。
どんな釣りでも「なれないうちは船宿仕掛けをつかっておけば大丈夫だよ」ともいわれますが、実はこの「船宿仕掛け」には大きくわけて3種類あります。
今回は船宿仕掛けが存在する理由とその種類について解説します。
船宿仕掛けが存在する理由とは
船釣りは地域や季節によって自然条件が変わります。
- 水深
- 海底地形(根の様子)
- 潮流の速さ
- 潮色
- ベイトの種類
また、同じ釣り物でも船宿や船長によって、メインで狙うポイントや船の流し方が異なるわけです。
狙う魚のサイズや、ゲストとして釣れる魚の種類によっても影響を受けます。
他に、平均的な釣り客の人数(短ハリスのニーズなど)という要素も存在します。
上記から、汎用的に作られている市販仕掛けではうまく対応できないこともあり、船宿ごとに独自の仕掛けが考案され、使用されているのです。
例えば、同じヒラメ釣りでも根が荒いところと、砂地メインで流すところでは下糸や枝スの構成が変わってきます。
また、ノーマルタックルメインなのか、ライトタックルなのかによっても異なります。
船宿仕掛け①船宿製作の専用仕掛け
写真右が船宿内で作成されている船宿仕掛け
まず船宿仕掛けと呼ばれるものには、船宿内で製作している専用仕掛けがあります。
これはメーカーに依頼せず、船宿での内製もしくは、常連客を含めた船宿関係者が組んで納品している仕掛けです。
釣具メーカーに船宿仕掛けを依頼する場合は、一定のロットが必要です。
一定数の販売数が期待できない釣り物や、特にこだわりが強い釣り物については、内製で作成することが多いようです。
船宿仕掛け②船宿からメーカーに依頼した特注仕掛け
針に特徴があるヒラメ・カサゴ仕掛け@庄三郎丸
二つ目の船宿仕掛けは、船宿がメーカーに依頼して納品される仕掛けです。
同種の市販仕掛けに微調整を加えたものから、1から仕様が指定され作られるものまで様々です。
単純に市販仕掛けとほぼ変わらないもので、ラベルなどで船宿名を記載している船宿特製仕掛けも存在しています。
胴突き1本針で初心者でもトラブルが少ない船宿特製シロギス仕掛け
船宿仕掛け③市販され各船宿でも用いられる専用仕掛け
ハヤブサ「アジビシ」仕掛け。シンプルで低コスト
3つ目の船宿仕掛けは、船宿の他、釣具店でも購入可能な専用仕掛けです。
主にハヤブサ、ヤマシタ、がまかつなど、仕掛けメーカーが販売しているのですが、全体的に飾りが少なくをシンプルな仕掛けです。
飾りが少ないため、低コストかつ、釣れる要素を押さえているため、実釣の際にはもっとも使われている船宿仕掛けと思われます。
低コストな船宿特製ウィリー五目仕掛け。チヌ空針にケンがあればさらにうれしい
まとめ
人生色々、仕掛けも色々
今回は、船釣りで誰もが一度は手にする「船宿仕掛け」「船宿特製仕掛け」について解説しました。
本記事に情報を知っても、特に釣れる魚が増えるわけではありません。
一方、「これは釣れる!」と、手にとった仕掛けにどんなこだわりがあるのかをチェックしてみるのも面白いのでオススメです。
仕掛けを自作しはじめるようになると、市販の汎用仕掛けよりは、船宿がオリジナルで作成しているものが参考になったりします。
「なぜ下糸が○○cmなのか」
「なぜ針が○○針の〇号なのか」
などなど、理由を船長に聞いてみると見えてくる世界もあるかもしれません。