※利根川水系でのハクレン採捕に関して、禁漁期間や全長制限がなくなったため追記しました。2021-01-28
荒川やその周辺河川、湖沼では「ハクレン」釣りがブームになってきた。
もともとハクレンを本命で狙う釣り人は少ない。他魚狙いの釣り人にヒットし、ラインブレイクの原因となり、竿を折ってしまうこともある。
ヌメリもかなり強く、風貌も独特なので、あまり好まれていないのが現状だ。
ところがハクレンを専門的に狙ってみると、実に面白い。
巨体から想像できないほど、繊細かつダイナミック釣りなのだ。
「釣れた」ではなくこちらから仕掛けて「掛けていく」楽しさ。大物釣りや数釣りの楽しさ。まさに魅力がてんこ盛りの釣りだ。
一方、ハクレン釣りはへらや鯉と異なり、専門的に確立された釣りではなく、専用の道具もない。
ウェブ上にも、実際に経験しないでまとめられた情報が多く、実釣の参考にならないものもある。
いざ、ハクレンを釣ってみたいと思っても何を準備していいかわからないと思う。
そして肝心の釣り方自体もあまり知られていない。
今回は、ハクレン釣りに関して、みなさんの疑問を解決できるように徹底解説する。
10年間ハクレンを狙い続けてきた経験を通して、見えてきたノウハウを公開したい。
「ハクレン」ってどんな魚?(生息域・生態)
ハクレンはコクレン同様、レンギョとして位置づけられている。
どちらも戦後の食糧難時代に、タンパク源として中国から草魚の移入に混入したものが定着したものとされるが、日本では99.9%がハクレンである。コクレンは、珍しく、0.01%未満の生息率とも言われている。
現在、コクレンが生息・繁殖しているという確かな情報は確認されていない。
ハクレンは流下卵という特殊な繁殖方法のせいで、流域面積の広い利根川水系でしか産卵できない。現在繁殖が確認されているのは利根川水系のみである。
短い河川では、流下していく卵が孵化前に海水に入ってしまい繁殖できないとされる。
ハクレンは表層から低層を泳ぐ中層魚で、ストラクチャーについたりはしない。
河川の流心や淀みで群れており、ゲンコツ大の口を大きく開けて水ごとプランクトンを吸込み、鰓耙(さいは)で濾し取って食べる。
ゴムのような口で底の泥をなめとって食べるとも言われているが、口が上向きに開くため、底餌を食べるのは苦手だ。
数匹~数十匹の群れを作るので群れを寄せてしまえば釣り続けることが出来る。
淡水・海水を問わず、80cm~100cmを超える大物を数釣りできる数少ない釣りだ。
針に掛かると激しく暴れはしないが重々しく重戦車のようなトルクフルな引きで抵抗する。
慣れてくると1~2分で取り込めるが、タックルバランスやリールのドラグを使えないなど、諸条件によっては10分~20分の格闘となることもある。
これがハクレン。
目が下側に付いているためかなりの間抜け面だが愛らしい。
ハクレンの釣り方
ウキ釣りがオススメ
ハクレンはプランクトン食のため、バラケる練り餌を使用した浮き釣りが釣りやすいし、最もゲーム性も高いと思う。
ヘラブナ釣りの仕掛け・タックルをスケールアップしたようなものだと思ってほしい。
ヘラブナ釣りと聞くと難しいイメージを持つ人もいると思うが、ハクレンはそこまで難しくはない。
初挑戦でも十分釣れる魚だ。よほどの悪条件でない限りは意外とイージーに釣れる。
仕掛けは感度のいい大型のヘラ浮きや鯉浮きを使用し、一本針に練り餌をつける。
まず1分程度で餌を打ち返していき、ハクレンの群れを浮き下に寄せて釣る。
群れが寄ってくると浮きがフワフワと動き出し、その動きの中から餌を食ったアタリを見抜いて思い切りアワセて掛けていく。
細かな浮きの動き。その繊細さを掛けていく楽しみ。
ときに1mを超える大型も顔を出し、数釣りと釣りの魅力が存分に詰まった釣りだ。
釣り場とポイント
ハクレン釣りが成立するポイントは意外と少ない。
毎投同じところに投げ、群れを一か所に寄せる必要があるため、流れがあるポイントでは釣りづらい。
河川であれば、水門付近やワンドになっているところが流れが弱いためオススメである。
中層魚であるため、宙釣りが成立するくらいの水深は必要。私は水深1.5m以上のポイントのみ竿を出すことにしている。
利根川水系でしか繁殖が確認されていない為、関東が主な釣り場になる。
河川であれば利根川とそれに繋がる荒川、江戸川、中川とその流入河川など。止水域であれば霞ヶ浦、北浦、常陸利根川、渡良瀬遊水地など。
上記にて流れがなく、水深2m以上であれば寄りの差はあれ、ポイントとして成立する。
釣期のオススメは「春」と「秋」
基本的にハクレンは水温の高い時期の方が活性は高い。水温が下がればタナは深くなり、水温が上がると浅くなる。
水温12℃を超えると本格的にシーズンインとなる印象があり、夏場の水温30℃を超えるような状況でも活性は高い。
夏の高水温期には表層近くまで浮いてきてサイトフィッシングが可能な時もあるくらいだ。
しかし、いくら魚が浮いているといっても、活性が高いのは水深1mくらいのタナであることが多い。浮いている個体の下にはやる気がある群れがいることが多いのだ。
釣期としてのオススメは4月~5月と9月~11月だ。この時期は数も安定して釣れることが多く、メーターオーバーも数多くキャッチされている。
利根川水系での禁漁期(5月20日~7月19日まで)はなくなった
ハクレンを狙うシーズンについていえば、以前は禁漁期があった。
埼玉県、茨城県、千葉県の利根川水系ではハクレン、コクレン、草魚の禁漁期間や全長の制限があったのだ。以前は、5月20日~7月19日までは利根川水系でのハクレンを釣ることはできなかった。
これは日本へ移入された当時、食用として考えられていたため、産卵期に当たる時期は禁漁期間と設定されていたわけだ。
とはいっても、現在食用やそれ以外においても利用されている事実はなく、ルールだけが残っている状態とのことだったのだが、このルールは変更された。
2021-01-27の段階で筆者が埼玉県・千葉県・茨城県に電話確認したところ「禁漁期間、採捕サイズを含むすべての制限がなくなった。以前のように資源利用されていないこと、外来魚を積極的に保護するということが今は難しい」とのことである。
ここでいう「利根川水系」というのは実は非常に広い範囲を指す。
出典:国土交通省
実は利根川水系とは、利根川はもちろんのこと、霞ケ浦、北浦など水郷エリア、渡良瀬川、渡良瀬遊水地、江戸川、中川など、さらにはそれに繋がる中小河川や水路まで含まれるのだ。
しかしながら荒川は含まれていないため、利根川水系でのハクレンの禁漁期間でも釣りは可能だ。河川名で検索するとwikiに水系が記載されているため、各自該当するかは確認していただきたい。
タックル・仕掛けに必要な物について
ハクレンは、短い竿でも釣れる。
一方、仕掛けの振り込みやすさや、ある程度飛距離が欲しい場合もあるため、3m以上の竿が良い。
リールはナイロン6号、PE2号が100m以上巻ける物。スピニングでもベイトでもどちらでも良い。
以下にポイントをまとめておく。
<竿について>
- 長さは必要 3m~5.4mを推奨だが8ft程度のルアーロッドでやる人も多い
- 餌が練り餌で柔らかい為竿も柔らかい竿が良い。穂先の固い竿だと振り込み時に餌が脱落しやすい
- 磯竿1.5~3号、シーバスロッド、ひとつテンヤ竿などが良い。(私は磯竿2.5号3.6mを使用)
- 竿掛けがあれば良いが手持ちとなることが多いため軽いタックルが良い
<リールについて>
- なるべく軽いものがよい
- 使用するラインが100m以上巻ける物。スレ掛かりすると信じられない力でイノシシのように走るので150m以上推奨
- スピニング、ベイト、両軸などどれでもよい
<ラインについて>
- ナイロン推奨だがPEでも良い
- ナイロン5~8号、PE1.5~3号。PEの場合は必ずリーダーを5m以上入れる。PEライン直結だと浮止めのゴム管が滑ってしまう可能性がある
- ハリスはナイロンかフロロ3~6号。暴れる魚ではないので3号で意外と切れない。私はフロロ3号を使用。ハリスにPEを使用する場合は2.5号以上ないとアワセの衝撃で切れることがある
<浮き>
- 市販のヘラ浮き、鯉浮きの中でもなるべく大きなものが良い
- トップの太さ1.8mm以上、トップの長さ18cm以上を推奨。小さい物だと餌の重さに耐えきれない
- 市販の鯉浮きで安く程度の良いものがある。水明、水草、巨鯉、鯉ムサシなどがオススメである。
これは自作浮き。
レンギョ用の浮きは市販では手に入れにくいので自作している。
<ゴム管>
- 釣具屋で50円程度で売っている肌色のゴム管で良い
- その他ゴム管各種使用可能だ
<オモリ>
- 板オモリが良い。浮きの浮力に合わせてちぎって調整できる
<ヨリモドシ>
- スナップなどは無い方が良い
- それほど大きいものは必要ない。破断強度5㎏以上あれば大丈夫
<針>
- 丸型の針を推奨。丸型は餌のキープ力が高い
- 伊勢尼12~15号、チヌ針6~8号がオススメ。丸セイゴは汎用性が高いが伸びやすい
- 慣れてきたらスレ針が良い。ダム専用ヘラサイト18~20号、ゴスケ16~18号、鯉スレ18~20号など
<仕掛けについて>
写真では板オモリが動いているがヨリモドシの上にあるのがベスト。
基本的にヘラブナ釣りの仕掛けに近い。道糸側から解説していく。
メインラインにPEを使用している場合は、必ずリーダーを入れたい。
ゴム管を通して浮きを固定するが、PEラインだとアワセた時に滑ってしまいタナがズレる。リーダーは水深プラス1mくらいが良いと思う。
- 道糸にゴム管を通し浮きを刺して固定する
- 道糸をヨリモドシに結束する
- 針にハリスを結ぶ。ハリスは25cm~50cm。最初は30cmで良い
- ハリスをヨリモドシに結束する。
- ヨリモドシの上、道糸側に板オモリを適量巻き付ける。
<浮きとオモリの調整>
浮きの浮力に合わせて板オモリの巻く量を調整する。多く巻いて少しずつ切って調整していく。
意識することは二つ。
- 馴染み(投入後に餌が沈んで糸が張った状態)のメモリ
- 餌落ち(餌がバラケて針が空になった状態)のメモリ
餌を投入した直後、馴染んだ状態で浮きのメモリが上から2~3メモリ出るのがベストである。
最初は難しいため、オモリの調整は浮きのメモリの一番下がギリギリ沈むくらいで調整しよう。
その状態で餌を付けて投入してどの程度浮きが沈むかを確認する。
浮きが完全に沈んで見えなくなってしまう場合は、オモリが重すぎるため少しずつカットして調整する。浮きがあまり沈まない場合は、オモリを追加する。
上記で調整し、餌がついている状態で上から~3メモリ出ている状態が馴染んだ状態になるように調整しよう。
馴染んだ状態。沈ませすぎると魚に沈められる可能性がある。
餌が付いていない状態。餌落ちメモリをこれくらいに調整すると馴染んだ時に調度よくなることが多い。
浮きとオモリの調整のポイント
- オモリは調整しやすい板オモリを使用する
- 餌がついている状態と餌がついていない状態での浮きのメモリを確認すること
- オモリが少なすぎると浮きがボディまで出てしまい細かいアタリがわかりづらくなる
- オモリを付けすぎると餌を付けた時に餌の重さで浮きが沈んでしまう
- オモリは最初に多めにつけて少しずつ削っていくと後から足すよりも見栄えが良い
以上で仕掛けについてはバッチリだ。
ハクレン釣りの餌について
ハクレン釣りではこのマッシュポテトが特餌
次はハクレンに効果的な餌について解説する。
餌については人それぞれのこだわりがあり、人によって使う餌や作り方も異なる。
ここでは最も簡単で最もスタンダードな餌を紹介する。
使用するのはマルキューより販売されている「徳用マッシュポテト」である。
この餌を1日で約2袋消費する。他の麩餌を混ぜても良いが、私は単品での使用をオススメする。このあたりは後述する。
配合は、マッシュ4:水3。
これを全体が均一になるように混ぜるが、水分が多すぎるくらいにドロドロになると思う。
しかしこれに粉を足してはいけない。マッシュが水を吸うまで数分~5分ほど放置する。するとマッシュポテトは適度な固さに仕上がる。
これを練りこんで使用する。
この時に練り込みを弱くするとバラケやすくなり、強くすると餌持ちが良くなる。この4:3はカップを使用して確実に計ること。アバウトに計るとほぼ確実に失敗する。
マッシュポテトは水分を非常に良く吸うため、わずかな水の量の違いで全く別の餌となる。
慣れてきたら4:3に対して、わずかに水を増やしたり粉を増やしたりする。その時の状況に合わせて配合していくとより釣果に結びつくわけだ。
<餌作りのポイント>
- マッシュポテトを使用する
- 配合はマッシュ:水=4:3
- カップを使用して正確に計ること
- よくかき混ぜて5分ほど放置
- 出来上がったものを練り込んで使う
ヘラブナ用の麩餌やグルテンでもハクレンは釣れるが、あまりオススメではない。
麩餌はマッシュポテトよりも重いため、浮きの浮力に対してマッシュポテトよりも小さく付けなくてはいけない。
グルテンはバラけにくく、ハクレンを寄せる力や食わせる力が弱い。
マッシュポテトに混ぜる場合も、どちらも粘りが多く出る。そのためバラケにくく重い餌となってしまう。重い餌は浮きを沈めてしまうことに加えて、ハクレンに吸込まれづらいというデメリットもある。
経験からハクレンに対して匂いなど嗅覚に対する刺激での集魚効果は期待できない。匂いにはそれほど誘引されず、それよりもバラケた細かい粒子に寄る。
とにかく細かくバラケていて、水中で煙幕状になるものに強く誘引されるように感じる。
その点で、マッシュポテトはバラケる粒子が非常に細かい。また、水分量や練加減によって餌の調整が自由自在だ。水もよく吸って膨らむためコストパフォーマンスも高い。
マッシュポテト4:水3で混ぜて数分放置したもの。
出来上がったものを練り込んで空気を抜きまとめておく。
タナ(浮き下)について
レンギョは中層魚である。
ポイントについたらまずは水深を計ろう。基本は水深の半分くらいのタナで良い。水深3mの場合は1.5mなど。
夏場や、気圧が低い時には表層近くまで浮いてくることもある。
私は一日で10~20回ほどタナを変えている。
1時間ごとにやる気のある魚がいる層が変わることもあるのだ。その時の状況によってタナは常に変えていく必要がある。
私は浅いタナから探っていき徐々にタナを下げていくことが多い。
流れが弱いところでは、バラけたマッシュ餌は沈んでいくため、仕掛けよりも深いタナに魚が寄っていることが多いからだ。
ハクレンを釣るときに、一番やってはいけないのは、餌が完全に底についてしまう底釣りだ。
ハクレンは口の構造上、頭より下にある餌を食べるのが苦手である。
寒レンギョとも言われる厳寒期低水温のハクレン釣りでも、底から10~20cm程度は上げて狙う。レンギョは底に完全に沈んでいても、口の位置は水底から10~15㎝の位置にあるからだ。
寒レンギョはアタリも非常に小さく、ウキの1メモリ程度のアタリを拾って掛けていく楽しみがある。
水温によるタナについては以下を参考にしてもらいたい。
<水温とハクレンの「タナ」>
- 4℃~9℃:ほぼ底。魚は底にベッタリなので口の位置となる底から10~20㎝を狙う
- 10℃~15℃:底からはある程度浮いてきて活性もそれなりに高いが活発ではない。タナは水深の半分からや深め。水深3mなら1.5m~2.5mを狙う
- 16℃~25℃:魚が活発に活動する水温。タナは水深の半分を基準として浅くしたり深くしたりして探る。意外と浅いところでアタることが多く水面より1m程度のタナでアタることが多い
- 30℃以上:水面近くまで浮いてくる個体も多くなる。しかし浮いてる個体は意外とやる気がないのでしっかり沈めて狙おう。深場の場合は、深いところのほうが水温が低いことも多く、意外と深いタナで当たってくることも多い
実際の釣り方
<打ち込み>
練込んだ餌は針に500円玉~ピンポン玉大に針に付ける。
餌はこれくらいの大きさに付ける。
餌の大きさは使う浮きやその時のオモリの調整に合わせて、餌がついている状態で浮きのメモリが2~3メモリ水面に出るくらいに調整する。
針はなるべく餌の下側に埋めるようにすると脱落しづらい。
投入すると浮きが餌の重みで沈んで馴染む。水中では餌が少しずつバラケていき、バラけた分だけ浮きがジワジワと浮いてくる。
餌が脱落してしまうと一気に餌落ちのメモリまで出てきてしまうので、すぐに打ち返そう。
打ち返しの時間は30秒~90秒ほど。
ハクレンが寄ってくるまではひたすら同じところに打ち込んでいき寄せに徹する。ハクレンがあたりにいればがいれば数分~1時間程度で浮きに動きが出てくるはずだ。
<アタリ>
ハクレンが寄ってくると浮きに動きが出てくる。
浮きがフワフワと動き出したりスッと抑えられるようなサワリが出てくる。これはハクレンが仕掛けの近くに寄ってきていて、ハクレン動く水流やバラケた餌を吸い込んでいる水流によるものである。
このアタリはグっと我慢をする必要がある。
アワセていくのは力強く浮きが潜った時だ。フワフワとは違うズンッと2~全メモリ一気に沈ませる動きが食いアタリである。
餌が大きければアタリも大きく、小さければ小さいほど食いアタリも小さくなる。
食いアタリが出たら間髪入れずにアワセよう。
ほとんどの場合でレンギョは餌を吸い込んだ勢いのまま吐き出してしまう。
そのためフッキング率は非常に悪い。
慣れている人でも打率1割以下、3割掛けられるような日はほとんどない。
そのため如何にアタリの数を増やせられるかが、釣果を伸ばすコツである。
ちなみに、アタリの中でも餌を食ったアタリと魚体が仕掛けに触れたアタリがあるがこの見分け方は本当に難しい。
▼アタリについては動画でも解説しているので参考にしていただきたい。
また、ハクレンがいるのにアタリやサワリがない時には、誘いをかけるのも有効だ。
浮きがわずかに揺れる程度に動かすと、水中では餌が一気にバラけ、一瞬大きな煙幕ができる。
ハクレンはそれに反応して慌てて吸い込んでくるので誘いの直後にアタリが出ることも多い。
ハクレン釣りに必要な道具類
<必須>
- 餌ボール 専用の物でなくても100均の洗面器でOK
- 計量カップ 適度な大きさのコップでOK お米用のカップなどはメモリもありオススメ
- 水汲みバケツ 練り餌の釣りなので手が常に汚れるため必須 餌を作るためにも必要
- タモ網 直径50㎝以上がオススメ6kg~20kg程度の魚が多いため、ある程度丈夫なものが良い
以下は無くてもいいが、あると便利なグッズ。
- 餌用スプリング 針に装着することで餌が脱落しづらくなる
- へら台 竿掛けをセットすると竿を置いて待てるため楽
- タオル 手を洗った時に拭くため。濡れた手で餌を触ると餌が水気を吸って柔らかくなる
- 針外し スレ針を使用する際は針外しで外すことでタモ網で粘膜を落としたり陸揚げによって魚体に負荷を与えずに済む
はじめてのハクレン釣りでまず一匹をゲットするために
どんな魚も狙って釣った最初の一匹には格別の喜びがあると思う。
それはハクレンにおいても同様で、この記事を読んでチャレンジしてくれる人がいたら全力で応援したいと思う。
特に迷うのは場所の選定だと思う。
ここでは最初の一匹をゲットするためにオススメのポイントを紹介したいと思う。
通称「荒川温泉」
「荒川温泉」は釣り人による通称で、荒川笹目橋上流に位置する彩湖からの流れだしにあたる。
私が最もよく通い、最もハクレンを釣ってきたポイントだ。
年間を通して温排水が流れ込んでおり水温が安定している。真冬でも水温が20度近くあり1m程度のタナでバンバン釣れる。
災害レベルの大雨後でない限り、流れも緩やかで、水深も満潮時で4.5mほどとなり魚影は非常に濃くとても釣りやすい。
車もコインパーキングに停められるためアクセスもしやすいところもポイントだ。
ハクレン釣りでは有名なポイントとしても知られ、最近はハクレン専門の方も多くなってきた。
わからないことがあれば近くの人に聞いてみよう。みんな親切な方ばかりなので教えてくれるだろう。勿論私にお声掛け頂ければ釣れるまでサポートします。
年間を通して数、型とも安定しているが、なぜか5月~7月はかなりムラがあるのでオススメできない。利根川水系におけるハクレンの禁漁期間(産卵シーズン)と重なることもあり、荒川でも産卵目的で上流に登るのかもしれない。(荒川では産卵しないとされるが実態は不明)
荒川温泉では、厳寒期でも水中は常春のように安定しているため、真冬もハクレンが安定して釣れる。
釣りものに困る時期はオススメだ。
様々なジャンルで多くの人が楽しんでいるポイントのため、当たり前だが、ゴミの持ち帰りをはじめとしてマナーには配慮したい。
ハクレンや外来魚について想うこと
誰もが知るように、ハクレンは外来魚である。
最近はTVの影響もあり、「外来魚」というだけで、被害の大小にかかわらず風当りが強いと感じる。
昨年、ハクレンを釣っていたら、離れたところで同じようにハクレン釣りをしていた人がいた。
すると、その人は掛かったハクレンをギャフで引っ掛け、後ろの藪の中に投げていたのだ。
一体何をしているのだろうか。
キープして「食べるのか?」と思い、話を聞いてみると「外来魚だから駆除しに来た」ということだった。
私も釣り人であり、「魚が可哀想だ」なんて綺麗ごとを言うつもりはない。
ただ、こういった釣り上げた魚を釣り場に放置する行為は、ゴミを不法投棄するのと同じはずだ。
放置された魚は野生動物や昆虫が綺麗に食べてしまうわけでもなく、やがて投棄された場所で腐敗し、あたり一帯には異臭が漂う。
「外来魚だから駆除をする」
それは一つの考えなのかもしれないが、釣ってその場に捨てて帰るのは、単に釣り場を汚している行為に他ならないのではないか。
場所にもよるが、ハクレンを狙う釣り人以外が多く訪れるポイントもある。
そういった場所で、観光客や地域の住民が迷惑と感じるような行為を繰り返せば、すべての釣りが禁止になったり立ち入り禁止エリアになる可能性もある。
外来魚を投棄をする釣り人にあったその時は、そう説明し理解頂いたと思った。
が、その後に仲間が同様のことを同じ場所で目撃したようなので、本当は理解してはもらえなかったのだろう。
江戸川水系の某水路は、引きの強い良型のハクレンが釣れるポイントであった。
が、他魚狙いの釣人に掛かったハクレンが陸に放置されたことで腐敗し、異臭を放ち、立ち入り禁止になって釣り自体ができなくなってしまった。
霞ヶ浦や北浦でも護岸上に放置され腐敗したりミイラ化しているアメリカナマズなどが無数にいる。
これらの魚は目や内臓のみ鳥などの野生動物に突かれてはいるものの、ほとんどが原型を残したまま腐敗している。
この国では、狙いの魚が釣れずに掛かってくるほかの魚は「外道」と強い言葉で蔑まれることもあるが、それに腹が立つ気持ちも分かる。
しかしながら、その時の感情任せの行為は、結果として釣り場自体を潰す行為になりかねない。
私は在来魚、外来魚問わず魚が大好きだ。特に淡水大魚に関しては、思い入れが強い。
ハクレンは個体数の多さや、中層を群れることからスレ掛かりでもかかりやすく、他魚狙いの釣り人を驚かせる。
しかしその生態は非常に面白く興味深い。
なんせプランクトンを食べてメーターオーバーに育つのだ。ヒットして水面を大暴れしてもその真横で普通にアタリ続ける鈍臭さ。そんなハクレンが大好きだ。
私がハクレン釣りをはじめた10年前と比べると、最近はハクレン狙いの釣り人が増えてきた印象がある。
ハクレン狙いの釣り人は、ハクレンがヒットするとみんな嬉しそうな歓声を上げる。
以前は嫌われ者だったハクレンが、少しずつだが人気者になりつつある。
ハクレンを長く釣りながら見守ってきた立場から、今のそんな状況が心底嬉しい。
だってハクレンを釣った人はこんなに嬉しそうなんだもの。
これは筆者
筆者
まつともの釣師(@BigGame_BigOne)