どうも平田です。
いきなりですが、人間を2種類に分ければ、手漕ぎボート釣りを好む人とそうじゃない人に分かれるんじゃないでしょうか。
当たり前かよ。
不安定なボートで沖に漕ぎだし、自らポイントを探して釣れる嬉しさ。
これはやってみないとなかなかわかりません。
沖釣りジャンルでは、プレジャーボートの一歩手前なわけですが、意外にも浅場だと魚の食いもよいんですよね。これは小回りが利くという以外に、船外機の音がないからよいともいわれます。
某地では、遊漁船やプレジャーボートが入らない海域で、尺カワハギが入れ食い待ったなし状態だったりするようです。凄いな手漕ぎ。
とはいえ、「あーそういうのはちょっとなー」と感じる人もいると思います。それもよくわかる。
釣りも好みなので、いろんな考えがあってよいと思います。やりたいことをやりましょう。
さて、今回は葉山の手漕ぎボート釣りなんですが、「江戸前の旬」でおなじみの漫画家さとう輝さんと釣行してきました。さとうさんもボート釣りをやったりするんですよね。
やや北風あるも葉山は凪。曳船で沖へ
この日は北風がやや吹く予報。
葉山は神奈川県の三浦半島西岸にあり、北側に逗子・葉山の低山があり、北風は少しならば遮る地形です。
これ、沖へ出れば出るほど、風がよけられなくなる仕様なので注意。
反対に南風・南西風がやや強めに吹いたら、葉山界隈にある多くのボート店では出船できません。
この日は葉山釣り具センターに到着して、受付後に徒歩3分で森戸海岸へ。
平田「あのあたりでもアオリ釣れるみたいなんですよねー」
さとうさん「そうなの。ちょっとやってみっかなー」
という具合にさとうさんは、近隣の堤防でエギングを。フットワーク軽めな人です。
葉山釣り具センターの場合、曳船が+700円。時間が決まっていて、この日は第二回のタイミングで出船することに。
相模湾の向こうは伊豆方面
相模湾。凪ってますねー。
曳船(えいせん)中は真ん中に座ろう
時間になったらば、浜から指定場所まで数十メートル漕いで、1番はじめであればブイに、2番手以降は前のボートに連結。
その一団をカルガモの子供のように船外機船が曳いていく仕組み。
この曳船なんですが、葉山釣り具センターの場合、岸から6,700mくらいにある黄色のブイ(鳥居がある菜島手前)まで運んでくれます。だいたいここまで岸から漕ぐと20分程度。
朝一っていうのは、やはり魚やイカの活性も高いので、コストよりも時間を重視して多くの人が曳船を利用するようです。
手前の砂地エリアでシロギスやマゴチやらを狙うだけなら岸から漕いでもよいでしょう。
菜島付近で砂ダコが入れ食いになる
森戸のボート釣りで中心となるのが菜島。赤い鳥居があるところです。
菜島手前のブイに到着後、さとうさんと相談。
結果、葉山灯台(裕次郎灯台)方面にちょい戻る形に進んでやろう、ということに。
さとうさんがアオリイカ狙いだったわけですが、葉山釣り具センター店主曰く「菜島と灯台とボートをつないだ面が一つのポイント」ということだったので、その岸寄りからせめていく作戦に。
この菜島手前のポイントは釣行前日は釣れなかったようなのだけども、この日はどうなのか。
さとうさんは、エギをキャストしてアオリイカ狙い。
わたしはこちら。
ダウンショットリグ(下糸30㎝、枝ス45㎝)のヨーヅリ「ウルトラスッテDX(アジ)」。
これで何を狙うのか。
ずばり、コウイカです。それと、欲張りにもアオリイカも合わせてねらっちゃおうというナチュラルな鯵カラー。澄み潮にもよさそう。
東京湾が有名なスミイカことコウイカですが、三浦半島西岸側でもモンゴウイカともども釣れているんですよね。
あらかじめ事前リサーチをしていたところ、釣友黒崎さんのブログがヒットして、コウイカもモンゴウイカも両方釣れている実績があったので。
そのあとメッセージで本人に聞いてみて、これはいけるだろうなーと思ったんですよね。なので、今回エギングはやらないで、スッテでコウイカ類を狙うことにしたわけです。
そうこうして、さとうさんは菜島側(根が濃くなっていく)にむけて、キャスト。
わたしは、岸側へキャスト(根が薄くなっていきやがて砂地)。
と、釣れるのは・・・。
貴殿でしたか(スナダコ)・・・。
だるーん。スナダコ。
たまっているのか、20連発ぐらいで釣れたり。
イイダコかとおもったら、脚の付け根の輪紋様がないのでスナダコだろうなと。
マダコの子供と見間違える人も多いと思うんですが、肌がややつぶつぶしているのも特徴です。それに、11月にこのサイズのマダコはいませんしね。
このあとも、360度監視(あたりで釣れてないか)を続けながらキャストをつづけていたわけですが、裕次郎灯台の沖目で一人小型のアオリイカを釣ったぐらい。
うーむ、潮に所謂「クラド」が混じっているのが悪いのか。
クラドっていうのは、植物プランクトンの死骸云々といわれているんですが、これが大量に水中を漂うことで、エギがアオリイカから視認される確率が減るんじゃないかな。
とはいってもわたしは、コウイカ狙いなんですけどね。
菜島付近(100m以上離れている)は粒根混じりでコウイカ類にもよさそうながらも、いくら投げてもアタリはでないので、場所が違ったようで。
魚もイカも潮云々の前にすみわけしてますからね。
アオリイカはこの島周りをぐるぐるしているんだと思うんですよ。漂うイワシや岩礁帯につくスズメダイなど狙いながら。そうこうして、潮にのって流れてくるところにエギをキャストできるとアタリが出る確率があがるんでしょう。
じゃあコウイカ&モンゴウイカはどこにいるのか。
黒崎さんが釣ったというのはやや逗子側のようなんですよね。完全な砂地で、菜島周辺よりもさらに浅場。
これは風が弱いときにノーアンカーで流し釣りをしていくほうがよさそうだなと。
西小島~割島へ。節操なくカワハギ釣りに切り替える男がいた
わたし「ワハハ。ちょっとこのままだと釣れなそうですねー。さらに沖目の島の隙間(割島付近)から潮が流れるところにいきましょうか」
さとうさん「そうだよねー。釣れないよねー。なんでかなー。ワハハ(ほんとはもっと親しみやすい方言)」
というように、さとうさんはあんまり釣れなくても殺気立たないので、一緒に釣りにいっても肩がこらないんですよね。このあたり、釣りの目的があっているんでしょう。
釣れたらいいけど、釣れなくてもそれはそれで楽しい。
このスタンス。
わたしの場合、このあたりが合わないとちょっと一緒に釣りにいけなかったりします。
そういった点で、コウイカを狙うといっても釣れないんだったらそこに無駄にこだわらず、サクッとカワハギ釣りにチェンジ。
仕掛けは3本針に25号丸環オモリ。餌はアオイソメ。
浅場でカワハギを釣る際は、アオイソメで十分釣れる気がします。砂地があるところであれば、シロギス釣りなどにも変化させられますしね。
投入。
着底。
詠唱。
念じろ!
ぎろり。
お、釣れました。
いわゆるワッペンサイズのカワハギですね。
ちょっとうれしかったもんで、キープすることに。
小型のアカハタは目の縁取りがきれい
続いてアカハタの幼魚。
こちらはリリース。
こちらもアカハタ。
多いな。
ここ数年の相模湾の傾向としてアカハタの生息域がさらに広がっている印象なんですよね。
こうして連発して幼魚が釣れるということはしっかり繁殖しているんでしょう。生態系へどう影響するのかわからないのですが、釣り人的には朗報のような。
アカハタといえば、相模湾ならば伊豆諸島・伊豆半島・真鶴あたりでないと釣れないようなイメージがあったんですが、江ノ島裏磯でも、茅ケ崎の釣り船が攻めてる沖根でも、まー釣れているという。水温上昇と黒潮蛇行っていうアレですね。
三浦半島でも、南側にいけばそこそこのサイズも釣れているんですよね。
アカハタ自体は旨いので、釣ったら食べたいんですが、そんなに難しい釣りでもないので、いるところはすぐ釣れます。なので、そのうちキープサイズなどを自主規制したほうがいいというときが来るのでしょう。
え?あ、はい。わたしですか?
あー申し遅れました。キューセンと申します。以後お見知りおきを。
割島は菜島のさらに沖目にある島で、一定距離離れると根際があり、そして砂地になるわけなんですが、この砂地にキューセンがたくさんいます。夏場にシロギスをやるときにキューセンが釣れたらポイントは間違ってないと思って大丈夫。
おい、俺もいるぞ。
っていうのは、ホシササノハベラ氏。同氏はキューセンとことなり、根ドンピシャのほうが釣れたり。
このあたりは根が切れたり、砂地だったりなので、両者がバンバン釣れるわけです。
あまりにも多い場合は、タナをあげても無理なので、とにかく仕掛けをたたきましょう。
すると、カワハギだけが追いついてきてバイトするわけです。
ほらね。
イソメもハリがけしてしばらくたつとエキスが抜けるんですね。そうするとアタリがでなくなる。
なのでアタリがでない=餌がとられていなくても、餌交換をするとよいです。これほんと。
手漕ぎボート名物。さらに節操なくコマセ竿を投入!
ほどなくして、手漕ぎボート釣りのマストアイテム「受太郎」に置き竿をセット。
尻手ロープをつけると安心。
アミコマセで回遊してくる青物を狙いつつ、石鯛とかマダイも釣っちゃおうという欲張りプランですよ。
こういう節操ない釣りができるのも手漕ぎボートならでは。
ユー、コマセもカワハギもどんどんやりなよ。ってやつです。
それにしても釣れそうな雰囲気はある。
さらに沖目にいる釣り人は、イナダをバンバン釣ってるぞ。
お、おれもそういうの釣りたい。
が、長ハリス6mで石鯛とかマダイを釣りたいんだよね。本命でいえば。
そんなこんなで仕掛けを打ち返しながら、もう一本のカワハギBBで仕掛けをロングキャストしてカワハギを狙っていると。
と。
ととと。
バルケッタのドラグが、ぎぃーーーーー。
わ。マダイかも。さとうさん、きました。
これマダイか石鯛だと思います。
それか、イナダか、イナワラクラスかな所謂。
所謂。
・・・
・・・
・・・
ま、真鯛!?にしては、ちょっとカモフラっぽいけど。
カモフラカラーの青物っていたっけな?
俺だよ俺。
き、貴殿でしたか(アイゴ)・・・。
艶っ艶のスパイキーなやつが釣れました。
アイゴってすごい引くんですよね。葉山をはじめ、三浦半島の磯枯れの原因として紫ウニ同様忌み嫌われている御仁。
はらわた抜いて持ちかえろうかしらん。
そうおもったんですが、毒棘をカットするハサミがなく、断念。リリース。産めよ増やせよ。
食べる場合は毒棘を全部かっとして、胃内容物を崩さないように取り出してよく保冷して持ち帰りましょう。
と、ここでスピニングタックルでコマセをやっていたさとうさんにもヒット。
写真沖目の男性はイナダ連発。底上5mがタナとのこと
メジナですね。所謂。
これは有難くもらっておきました。
それにしてもだ。
いつもそうだけど、ここまでで、特段トピックもないこの釣行。
どうやって終わらせるんだろう。
豆キタマクラ。
目がきれいだね。さようなら。
と、潮が動き出したのか、まわりで大型のカワハギが釣れはじめたその時!
!!!
そこそこサイズのカワハギがやっと1枚。
わかっているさ。どうみたって大きくはない。
でもね、小型ばかりのなかで中型がでるとうれしいんだわ。
思わず、写真を撮ってもらったり。
わたし「さとうさん、カワハギの巣を発見しちゃいましたよ。わはは」
さとうさん「(笑)」
おーし、キャスト!
30mぐらい投げる。このときオーバーヘッドキャストをしていたのが運の尽きだったか。
・・・
巻いていると・・・。
あれ?穂先がなんだかおかしいな。
ジオング?
いや、穂先折太郎ですよ。それ以上でもそれ以下でもない。
はたして、キャスト時に折れたのか、それとも、オモリを小突くときに折れたのか。
リーダーの結び目が悪さをしたのか。なんともかんとも。
スッテスミイカ用に買った「シマノのカワハギBB(MH180)」なんですが、なんと一釣行で折れてしまったという。完全に自分のせいだな。カワハギ釣りのサブ竿&スッテスミイカにフル活用しようと思っていたのに。これは補修してエギタコ竿に使おう。
こういうスタンス。これが大人の受け止め方です。はい。
その後はカワハギをやめ、コマセ一本槍に。
真鯛か石鯛を獲ろう。それでなんとかなる。
と、再び、ドラグが!
ギィィィィィィィ!
こ・れ・は!!
ま・さ・か!!
まさかの将門!!!!!
・・・
・・・
・・・
アイゴもよくみるときれいな模様です。棘は危険だけど。
あ、すんません俺です俺。
カップルでボートとか、ほんとよい彼女だと思う。お幸せに。
さ、帰りましょうか。
葉山釣り具センターのボート置き場。余分な荷物はここに置かせてもらうのも一つ
朝はここから出船して沖に見えているオレンジブイにつないで曳船
ふぅ。今日もいい汗流したぜ。
まとめ
さて、今回も大袈裟なわりには、安定の貧果のようですね。
小型のカワハギを持ちかえってきてよかった。メジナをもらってよかった。
このメジナ、身質がよくてこの通り。
みるからに身がしっかりしているのがわかりますね。実は、さとうさんにもらったペットボトル氷一本だけで海水をいれて持ちかえったら、まだ元気に生きていたんですよね。生命力に吃驚。
メジナもメバルもカサゴも気温が高くないと、意外と帰宅しても生きているんですよね。
この日は、身がいかってやや硬いまま、九州甘醤油で旨味を補い食べました。美味。
「江戸前の旬」手ぬぐいもらっちゃった。わーい。
釣行当日に江戸前の旬105巻が発売されたそうで、こちらもいただいたもの。
スミイカとかマダコの話がでてくるので、釣り人もぜひ読むとよいと思います!
コウイカやモンゴウイカは、砂地を広く探ればまだいけそうな気がするので、またチャレンジしてみます。
ではでは。
平田(@tsuyoshi_hirata)
使用タックル
<コウイカ・カワハギ>
- ロッド:シマノ カワハギBB MH180
- リール:シマノ 20GENPU
- ライン:シマノ タナトル4(1.5号)
- 仕掛け:丸環オモリ25号+ハリス4号のダウンショットリグ、ウルトラスッテDX
<コマセ>
- ロッド:シマノ ライトゲームSS TYPE73 M200
- リール:シマノ バルケッタ 300 HG
- ライン:シマノ タナトル4(1.5号)