もうすぐ梅雨も終わりな気配がしますが、じめじめして洗濯物が乾かない梅雨シーズンこそがテナガエビの最盛期。
電車やオフィスで生乾きの臭いがすくなくなってくると、テナガエビの集団もだんだんと散会していくのです。
さみしいことではあるんですが、「旬」があるということはその季節ごとを愛でることできる仕組みでもあるわけで。
今回はテナガエビ昼間釣りにいった話です。
上げ潮でうまれる浅場にテナガエビがいる
今回の釣り場は小河川の中・下流域。潮の影響を受けやすく、満潮時にはクレソンが茂るエリアや芦原が浅場になり、そこにテナガエビが展開してくるという地形。
潮が満ちるまでは完全に干上がるので、テナガエビは葦の根元のえぐれや沖目の岩の下や護岸の亀裂などに隠れているのではないかなと。
水深30~40cm。見えにくいんですが、手前に段差があるので、その段差部分と葦際に仕掛けをうっておきます。
水質は雨でやや濁った状態。
2分ほどしてアタリがなければ、仕掛けをどんどん移動していく。
む。
今、ウキが横にゆっくり移動したな。
こりゃテナガエビだな。
テナガ釣りもなれると、テナガエビとチチブ類のアタリの違いがすぐにわかるのです。
- 中型以上のテナガエビ=ウキがゆっくり横に移動することがほとんど
- 小型のテナガエビ=ウキが少し速く横に移動することがある
- チチブ類=ウキが勢いよく沈む
だいたいこのような違いがあるという。
釣れたのはこちら。中型のテナガエビ。
こちらはチチブ。
ウキが沈むスピードでチチブのアタリを判断できると即アワセができるので、針を飲まれずリリースできます。テナガエビ同様、揚げると旨いので、片栗粉でもまぶして揚げてもよいですよ。
裏技「ドバミミズコマセ」でテナガエビのアタリが増える!
そろそろ日も沈む状況。
一気に勝負をつけるために裏技です。
これだ。
ドバミミズコマセ。
ドバミミズを細切れにカットしたものを足元に撒き、奥側の葦原にいるテナガエビを誘いこんで釣りあげるという作戦。
このように手前から1mぐらいのところに段差があり、その奥が潮が満ちて水深50cm程度。本来このポイントは干上がるので、テナガエビは葦のなかに伏兵として展開していると予想。
そこで、手前にドバミミズコマセをまいて、伏兵をおびき出す。
それを1尾ずつ釣っていくというスタイル。
テナガエビもポイントをあれこれ変えなくてもこのように、いる場所がわかっているのであればそこに呼び出すという釣法があるわけですよ。
どれ。
お、さっそく当たった。
ビビビビビッ。
大型のテナガエビオス。
20cm弱。
ビビビビビッ。
こちらも良型オス
いいぞいいぞ。
ビビビビビッ。
あ、抱卵した雌や。
こいつはリリース。
テナガ釣りではリリースを丁寧にするためにこのような小型のプライヤーがあると便利。針は強引にひっぱらず、丁寧にハリの形状にそって外してやりましょう。
それがテナガ師のマナーの一つでもあります。
この後も、暗くなったものありながらも、一投ごとにあたりがでるようになったものの、抱卵した雌ばかりですべてリリース。
と、河川に備え付けられているスピーカーから上流で大雨洪水警報が発令というアナウンス。
「ウーー♪ただいま、この地域、もしくは近隣地域で大雨洪水警報が発令されました。急激な増水の可能性がありますので、ただちに河川から避難ください」
ぐぅ。
いいところだったんだけどなー。
が、命あっての物種ですからな。
死んだら釣りができないし。君子危うきに近寄らず。
持ち帰ったテナガエビがこちら。
大型のオス2尾に中型1尾。
最大サイズが20cm弱といったところ。
まとめ
小場所ながらも、本当ならばもっと釣れていたかもな釣果だったのですが、ドバミミズの撒き餌は本当に効果的なので、ぜひやってみてほしいところ。
オススメのシチューエ―ションは釣り座を移動しないでもテナガエビが隠れている場所が十分にある状態、もしくは、流れの下側に障害物がある地形です。
テナガエビの釣りではアカムシが針がかりもいいんですが、やはりドバミミズに勝るものはないなーという印象。
足元にエビを寄せる。で、釣る。これが効果的なのです。
水槽でテナガエビを飼ったことがある人はわかるかと思うんですが、いつも物陰でじっとしているテナガエビが活発に動き回るときは2つあります。
一つが、夜間。これは夜行性だからですね。
もう一つは給餌タイム。エサを投入すると、空腹なテナガエビほど狂ったように水槽の中を駆けずり回ってエサを捕食します。無傷のアカムシを一尾ずつ水面から落としていくときと、すこし針穴をつけて体液がでたものではテナガエビが気づくスピードも変わってきます。もちろん後者のほうが素早く餌に気づいたり。
さらにドバミミズを投入してみると、水槽全体のテナガエビが狂戦士と化したように立ち回るので、ドバミミズ撒き餌は有効なのではないかなと。
ただし、あんまり撒き餌をやりすぎると、刺し餌に食わなくなるというデメリットもあるのでエビが足元についたらやめるなどの配慮は必要ですね。