イトヨリダイを専門に釣る遊漁船っていうのは存在しないわけですが、魚屋でもよく売られていて美味しい魚ではありますね。
だいたいアマダイを釣っていると、なかなかいい引きだ、よしこれはアマダイだな、お、そろそろ上がってくるな、あ、ピンクだ、やったぞ本命アマダイだ、やたー。
・・・
あ、貴殿でしたか(イトヨリダイ)
というパターンが多いかなと思います。
引きもアマダイ同様強いですし、味も良いので釣れてうれしい魚でもありますね。
でも、アマダイ船では、「あーイトヨリかー」的に扱われています。
どんだけアマダイつえーんだよと。
イトヨリダイをさばく
ということでイトヨリダイを料理していきましょう。
姿もきれい。
皮目でいうと、あらゆる魚のなかでもTOPレベルにうつくしいなと。
アメジストの結晶のようなウロコに、イエローのライン。
この皮目は、角度を変えるごとに色味が変わっていきます。
ほらね。
背側を立てて撮影すると一番紫が濃く見えます。
こちら胴部分を尾側から撮影をしたところ。
いかがでしょう。
泳ぐ宝石と呼んでも過言ではないんじゃないかなと。
特徴は、
鱗がめっちゃすごい。
鱗はすぐにとれるのですが、量が半端ないです。数匹のイトヨリダイの鱗を一気に落としたら見事排水溝のゴミ受けがつまりました。豊洲ふざけろ、築地市場じゃこんなことはなかった的なw
イトヨリダイの炙り
とりあえず頭をおとして、三枚におろして、
シュゴーっと炙る。
イトヨリダイの白身は旨味という点ではアマダイには劣るものの、炙ってさっぱり食べるにはよいなと。
醤油よりは柑橘類をしぼったポン酢で食べるのがオススメです。
この安売りのきざみ青じそをつかってみたら・・・
ちょっとアレなお味でした。練り梅と合わせるとまた味わいが変わるかもですね。
イトヨリダイの吸い物(潮汁)
つづいて、汁物を。
ややトラギスが混じっています。
アラの血合いをよくとっておいて、熱湯をかけたあと水洗いをして、鱗と残った血合いを洗い流す。
鍋に水と昆布とアラ。
そして、安日本酒+みりん少々をいれて弱火で炊く。
沸騰しないような火加減を保ちつつ、数十分炊いたら、もうよいでしょう。
味は塩オンリーで調整です。
ややアラの量が少ない場合はナンプラーなどの魚醤を足せば一定レベルのコクがでますよ。
皮目に包丁をいれたイトヨリを椀にいれて、汁をそそぐ・・・
柚子を浮かべる。
・・・
味わい深い。
繊細な味だな。
旨みが強すぎず、あくまでも主張しすぎない『従』の椀。
もともと和食の汁物っていうのはそういったもんなんでしょうね。
イトヨリダイの出汁でラーメンを
フィニッシュはラーメンです。
わたしの母方の実家が栃木県の佐野なんですが、佐野ラーメンが有名なんですね。
この佐野ラーメンのお持ち帰りセットがいろいろあるのですが、圧倒的におすすめなのが、『鶴里ラーメン』です。
麺の旨さ、
スープの旨さ(鶏油が効いている気が)
ともにお持ち帰り佐野ラーメンの最高峰。
いや、日本全国のお持ち帰りラーメンのなかでも最高峰に君臨しているような気がします。
やや阿Q正伝っぽいキャラクターが青竹で麺を売っている様が特徴。
生麺です。
この麺がすごいのは、なんと45秒で茹で上がるというところ。
どうやら麺のなかに空気の粒がたくさんあるから熱が伝わりやすいんだということで。
この鶴里ラーメンをつくるコツの一つは、茹でるお湯をたっぷりし、スープのお湯は別に沸かしておくということなのですが、今回はこのスープをイトヨリダイ出汁(+トラギス)で割ります。
あらかじめどんぶりを温めておき、麺を茹でる前にお湯(今回はイトヨリダイスープ)を注いでおく。これ大事。
沸騰した湯で45秒ゆでる。
しっかり湯切りをして丼ぶりに移す。
※この時点で湯を入れたりしていると麺が最適な状況を過ぎてしまうので注意です。
ネギとメンマと水菜とチャーシューを盛り付ける。が、チャーシュがないのでそのままに。
炙ったイトヨリか甘じょっぱく煮つけたものを盛り付ければよかったなと。
味は、
好吃
(ハオチー)
・・・
もともと鶴里ラーメン自体は完成された一品なのだけども、それにイトヨリのあっさりとした魚介出汁が加わることによりさらに旨みのレイヤーが増えたといいますか、奥ゆかしい味です。
鶴里ラーメンは上岡商店さんのウェブサイトで買えるのでぜひ味わってほしい一品です。
佐野にいくことがあったら、お土産にどうぞ。
ではでは。
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魚介料理をつくりはじめたら、新富士バーナー パワートーチを装備するだけで世界が広がります。釣った初日の旨みがでていない魚を生で食べる時は皮つきでシュゴーっと炙ってみましょう。見違えます。これほんと。