車が無いのになぜあの男は早朝出船の釣船に乗船できるのか?釣人割烹・電車釣行ノウハウ完全公開!

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ORETSURIをご覧のみなさん、こんにちは。

大阪に単身赴任してはや半年を超えた釣人割烹です。

関西の釣りの面白さ、魚の旨さを日々堪能しています。

が、ただ一つの弱点は「足」が弱いこと。

以前は千葉・船橋の本宅から外房だろうと、横須賀だろうと、相模湾だろうとマイカーでスイスイ行けました。

いまは関西で車がなくて苦労しています。


千葉時代の車釣行。いま思えば何と快適だったか……

えっ?

セカンドカー買えって?

そんなカネあるわけねーし。

というわけで電車釣行に徹してきました。

筆者はきほん沖釣り派です。

午後船なら、朝のんびり起きて電車に乗って間に合いますが、問題は午前船に乗るときです。

例えば、最近のめり込んでいる明石海峡のタイラバ午前船は6時出船。

最寄りの大阪駅から始発電車に乗っても明石駅に着くのは午前6時すぎ。

駅から港まで徒歩40分、車でも10分かかるので間に合いません。


俺達の新快速。大阪駅から明石(兵庫)まであっという間の38分

そうなると前日の最終電車で前乗りするしかないわけです。

大阪発の最終電車は日付が変わって午前0時すぎ。これに乗ると、明石駅に午前1時10分に投げ出されます。

「そこから出船時間まで、いったいどこで何をしているのか?」

関西で知り合った釣り友たちによく聞かれます。

この点も含め、とことん公共交通機関を使う筆者の電車釣行ライフを完全公開しましょう。

目次

カーシェアリングと我が失敗

電車釣行を徹底しようと決意した背景には、じつにマヌケな伏線がありました。

大阪に赴任直後、筆者はカーシェアリング業界大手「タイムズ・カーシェア」に会員登録しました。

便利な仕組みで、レンタカーに比べて実に簡単に借りられます。


タイムズ・カーシェア。とても便利なのだが……

会員カードを手に入れ「いつでも車で釣りに行けるぞ」とウキウキ、ワクワク。

さっそく4月に車を借り、和歌山・加太(かだ)まで鬼アジを釣りに行きました。

で、魚はまあまあ釣れてよかったのですが、車代がすごいことになったんです。

このときは、午前3時に借りて家を出発し、午後3時に返却しました。

利用料金は15分220円。

ところが、一定の時間を超えると時間と走行距離の併用料金に切り替わって、額が跳ね上がるんです。

この仕組みをよく理解しないまま12時間乗った結果、高速料金も合わせて20,000円近く払わされる羽目になりました(涙)。

これならレンタカーを借りた方がだんぜん安い。

レンタカーの相場は24時間で8,000円ほど。

高速代、ガソリン代を上乗せしても13,000円程度でしょう。短時間ならカーシェアリングが圧倒的に便利で安いのですが。

ここらへん両者はきちんと棲み分けをしているんでしょうね。

というわけで、目ん玉が飛び出るような「授業料」を払わされ、電車釣行の徹底を決意したのでした。

なにしろ大阪と和歌山・加太は電車だと往復2,400円。

電車を利用すればするほど、釣行回数を増やせます。

私のリアル電車釣行の様子

6月中旬の金曜夕方、会社を早めに退勤し、家路を急ぎます。

鳴門海峡で土曜早朝からタイラバをやる。単身赴任して初めての待ち焦がれたプチ遠征でした。

帰宅してスーツから釣りの正装(とは名ばかりのお決まりの普段着)に着替え、道具を用意して慌ただしく外へ。

あいにくの雨。

夜まだ早い時間帯に傘を差し、竿やクーラー、タックルボックスをキャリーカートで引きながら、若者たちで賑わう場違いな繁華街を突っ切って、JR大阪駅へ。

夜の大阪で釣り道具をガラガラ引っ張るサラリーマン・アングラー

目指すは淡路島の南端。徳島と向き合う南あわじ市の福良港です。

午後7時半すぎに飛び乗ったJR新快速は帰りの通勤客で混み合っています。

キャスターに大きなクーラーボックスを載せ、釣り竿をくくりつけている男。フツーに邪魔ですね。

心なしか、刺すような視線を感じる。

「おれはいったい大阪へ何しに来たんだ? 仕事か? 釣りか?」

なぜか後ろめたいような気持ちになります。

8時すぎに神戸市の中心JR三宮駅に到着。

鳴門海峡に詳しいツイッター仲間のベテランアングラー(初対面)と合流し、30分ほど懇談。

貴重なアドバイスをいただいたあと、ひとり長距離バスの乗り場へ。

客もまばらな待合室でビールを2缶空け、午後9時40分発の最終バスに乗ります。

終点の福良まで高速道で約1時間半。客は自分を含め3人ほど。少しでも眠らなければと思うが、まあ眠れない。暗い窓の外を見ると雨足が強まっています。


移動中のバスでもせっせと仕掛け作り。ノットも組むし針も結ぶ

他の客は途中で降り、終点の福良バスセンターで降りると外は土砂降り。

バス車体の「腹」から荷物を下ろし、傘をさして雨宿りの場所を探します。

近くに真っ暗な商業施設があり、広々とした駐車場わきに雨をしのげる場所がありました。

前乗り野宿釣行はメンタルにくるもの

激しい雨が地面を打ちつけています。

船に乗る福良港の桟橋は、ここから歩いて20分ほど。

午前5時出船で、午前4時すぎにはこの場所を出発する予定ですが、それまで4時間以上も待たなければならない。


バスを降りたら、外はざんざん降りだった

少しでも眠る必要があるな……。

船宿に前泊施設があれば利用するところですが、船着き場に直接集合という仕組み。

サウナやネットカフェ、24時間営業の喫茶店、なーんにもない。

カーシェアリングがあれば車を借りて中で過ごしたいが、それすらありません。

覚悟を決めます。

幸い雨はかかりませんが、体が冷えるのを防ぐために雨合羽の上下を着込み、腕枕で路上に横になりました。

地面の硬さが体にじわじわ伝わってくる。

人影はありませんが、万が一誰かが近づいても顔が分からないよう荷物を顔の前に置きます。

「おれは50代半ばになって、何をしているのか?」

降りしきる雨を見つめながら、改めて自問します。

仕事も家族も失い、天涯孤独の野宿者になった気分。気をまぎらわせるためスマホをいじります。

車ならこんな気分にはならない。

現地前乗りでも車と大違い。車がどんなに快適か釣行ツールなのか、改めて痛感しました。

野宿は、けっこうメンタル的にきつい。

ついに「野宿」用マットを購入

初めての「野宿」で1時間ほどウトウトしたでしょうか。

スマホのアラームで目覚めました。

自動販売機で買った無糖コーヒーを注入し、頭がシャッキリ。

わずかな睡眠ですが、完全徹夜よりははるかに楽。

幸いにも雨がやんでいる!

乗る船は福良漁港の正和丸。まだ暗いなか桟橋へ向かい、着いたころに白々と夜が明けてきました。

この日、救いだったのは、5月にはじめたばかりのタイラバで真鯛が初めてツ抜けしたことです。

大満足で船を下りる際、正和丸の船長は半ば感動、半ばあきれたような表情で「長くこの商売やっているが、車なしで来たのはお客さんが初めてだ」と言いました。

大雨のなか野宿し、釣果に恵まれなければ踏んだり蹴ったりの初遠征になるところでした。

釣果を信じて道ばたに横たわった甲斐があったというものです。


この日は真鯛10枚のほかワニゴチ3本、ハマチ1本と大漁だった!

この日を境に腹が据わりました。

人間はつくづく、たくましい生き物だと思います。

例えば、港近くの公園のベンチに座って船に乗る時刻を待つのは、単なる徹夜の「乗船待ち」です。

地面に横になって少しでも眠れば「野宿」になる。

とすれば、「乗船待ち」と「野宿」の差は紙一重ではないか……。

人様の迷惑になるところでなければ問題ないはず。

というわけで、野宿用ツールを買ってしまいました。キャンプ用のエアマットです。

これが素晴らしいのは空気ポンプが内蔵されていて、足で踏めばあっという間に快適なクッションになる。

たためばとても小さくなり、かさばらない。

価格も安く、おすすめです。

とはいえ、まだ1度しか使っていませんが(笑)。

車がなく、野宿ができない人はどうしたら早朝出船の釣り船に乗れるの?

しかしながら「どうしても野宿はいやだ!」という人もいるでしょう。

そんな方には、以下の二つの方法をおすすめします。

インターネットカフェ

新型コロナが心配ですが、いま(2021年11月現在)は流行が落ち着いているし、消毒も徹底されています。

シャワーが浴びられ、快適。サウナやカプセルホテルは大都市部にしかありませんが、これなら快速の止まる駅にはたいていあります。

筆者は明石海峡でよくタイラバをしていますが、JR明石駅前のインターネットカフェをよく利用しています。

3時間で2,000円ちょっと。


JR明石駅前にある24時間のインターネットカフェ「自由空間」

カーシェアリング

最初の利用で高い「授業料」を払いましたが、短時間なら安くて実に便利です。

24時間いつでもスマホのインターネットで予約でき、所定のコインパーキングに止まっている車を借りられます。

インターネットカフェ以上にたくさんあり、主要駅でなくても見つかります。

車を借りれば中で仮眠するなり、仕掛けを作るなり、コンビニに買い出しに行くなり自由です。


カーシェアリングの会員カード。とにかく便利

荷物はとことんリストラすべし

ここからは電車釣行の荷造りに関するノウハウをお伝えします。

車釣行ではクーラーボックスにタックルボックス、複数のロッド、長靴、雨合羽……と際限なく積み込んでいました。

使うことがなさそうな道具は車に残しておけばいい。

ところが、電車釣行では誰も荷物を運んでくれない。

すべてをキャリーカートに載せ、自分で引く。

ということで、持ち物を点検し、荷物を必要最小限まで徹底的に絞り込みます。

最初のうち、この絞り込みが甘かったんです。

クーラーとタックルボックスを2段積みでカートに載せ、行きからして荷物が重く、引くのにひと苦労です。

しかも、帰りはクーラーに魚と氷がたっぷり入ってマジで重い。

これをガラガラ引きながら帰宅。左手でひたすら引いたので、翌日から左肩に痛みが出て1カ月近く苦しみました。


タックルボックス(右)をやめてタックルバッグに。持ち物を大幅にリストラした

というわけで、原則としてタックルボックス携行はやめ、所持品を大幅にリストラ。

コンパクトなタックルバッグに詰め込むことにしました。バッグに入らないものはクーラーボックスに入れます。

竿は竿袋に入れてキャリーに縛ります。

というわけで、持っていくものは以下のようになります。

◇竿袋
・竿2~3本

◇タックルバッグ


タックルバッグに入れた標準装備

・仕掛け・小道具類
・リール2個(予備含む)
・フィッシュグリップ1(第一精工・ワニグリップ)
・フィッシュグリップ2(ジットレイズ・フィッシュキャッチャー)
・メジャー(ダイワ・フィッシングメジャー)
・ペンチ
・手袋
・タオル2枚
・ウェットティッシュ1袋
・アームカバー
・絆創膏
・モバイルバッテリー2個(Anker PowerCore10000)
・充電コード
・ライフジャケット(腰巻きタイプ)

◇クーラーボックス
・雨合羽(ワークマン)
・ゴム短靴
・食べ物・飲み物(持参、コンビニ調達)

標準装備は以上ですが、やはり荷物を必要最小限にすると、釣りをしているときの選択肢が減ります。

タックルボックスには必要のない仕掛けの小道具やオモリ、針、各種号数のハリスなどごちゃごちゃと入れており、胴突きから天秤仕掛けに変えて別の魚を狙ってみようというような実験、冒険が制約されるのです。

また、電車釣行ではスマホや電子タバコを充電するモバイルバッテリーが不可欠です。

筆者が携帯するAnker社の製品はフル充電した1個でスマホを2回以上満タンにできます。

冬期は電熱ベストの電源としても使うので、2個携帯しています。

船釣りで必要なゴム長靴はかさばるため、ゴム製の短靴にしました。

カートは大きく頑丈なものを

さて、最後は荷物を載せて引くキャリーカートについて。

これ、実はすごく大事なポイントです。きれいに舗装された地面ばかりではありません。

船宿へむかうために砂利道に近い悪路を引くこともあります。

ヤワなものを使い続け、途中で壊れでもしたら万事休す。大きくて作りの頑丈なものを選びましょう。

筆者が愛用しているのは、キャプテンスタッグ イージーステップ 3輪キャリー M-7438です

このカート、何がすごいって車輪が両側に3つずつついているのです。

大きな段差でも、駅の階段でもカートを持ち上げずにのぼれるのです。

階段はスイスイとはいきませんが、すごく助かります。

このカートに荷物をくくりつける結束バンドですが、いろいろ試行錯誤した末に、太いゴム1本でクーラーボックスにタテ巻きしてカートに縛っています。最初はこれに加えてヨコ巻きもしていましたが、タテ巻きで十分だと思います。


カートにクーラーボックスとタックルバッグ、竿袋をセットした

かくして、涙ぐましい努力でさまざまな困難をはねのけ、きょうも筆者はカートを引いて出かけるわけです。

しかし先日のこと。

釣行帰りでJR大阪駅御堂筋口から阪急のショッピング街へ向かう横断歩道で、歩行者信号が赤に変わったんです。

・・・

ええ、車道の真ん中に取り残されてしまう失態を演じました。そういえば渡り始めたとき信号はすでに点滅していました。


横断歩道で立ち往生。両側で信号待ちする人たちの失笑を買った(涙)

アタマの中では、カートを力強く引っ張って、軽やかな足取りで渡りきるはずでした。

が、実際にはカートはずっしり重く、よちよち歩きで速度上がらず。

加齢とともに、イメージと現実のギャップがどんどん広がっているような……。

今回はこんなところで。

ではでは。

釣人割烹(@tsuribitokappou

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