堤防やボート釣りなど浅場の釣りをしていると、底から表層までを問わず高確率で登場してくるゲスト、それがキタマクラ。
海釣りをはじめたばかりの人は、もしかしてカワハギかも?と、勘違いしてしまうかもしれないものの、この魚は毒魚であって、しっかりマークしておきたいところ。
今回はそんなキタマクラについて解説する。
キタマクラとは
カラフルな色合いとぬめりのある体表が特徴
生態・生息域
キタマクラは堤防やボート釣りなど、比較的水深が浅く岩礁帯や海藻が多いところに生息していることが多いフグの仲間。基本的に昼行性のようで夜釣りで釣れることはあまりない。
毒の種類
他のフグ類と同様、テトロドトキシンを持っている。
毒がある部位は皮膚と肝臓・腸。特に皮膚は強毒とされているが、毒性ではトラフグなどのほうが高い。
名前の由来
キタマクラ=『北枕』という名称は、死人を寝かせるときに北の方角に枕をむけることからきている。毒性からすると他のフグ類のほうが強毒といえるが、クサフグ同様、沿岸部でかなり身近に釣れることから特に注意の意味をこめて名付けられたのかもしれない。
キタマクラとカワハギの違い
海釣りになれないうちはカワハギとキタマクラを間違える人もいるが以下の点が違うので覚えておこう。
- カワハギの体表はざらざらしているが、キタマクラはぬめぬめとした粘液で覆われている
- 体の形はカワハギは体高が高く、キタマクラは比較的体高が低い
- カワハギの体表はくすんでいるが、キタマクラの模様は青や黄色のトロピカルな色合い。
これはキタマクラ。ぬめぬめしているのでそこでわかる。色合いもトロピカル(婚姻色等によってことなる)
こちらはカワハギ。皮膚がざらざらしている。個体や状況によって白いものとモスグリーン系の色合いがいる。
こちらは色が濃いカワハギ。いずれにせよ肌はざらざらで体高が高い
キタマクラがよく釣れるポイント
キタマクラがよく釣れるところは、海藻があるところ。
岩礁帯と海藻があり水深が20m以浅の場合は、かなりの確率でこの魚が生息している。
キタマクラをさけるためのコツ
キタマクラが複数尾釣れたら場所を移動する
他のフグ同様、キタマクラも複数尾で群れていることが多い。
そのため、一度キタマクラが釣れた場合、そのエリアを離れるのが一番いい。
仕掛けを目立たないようにする
フグ類は特に視覚的に餌を捕食している。
金属やホログラム、夜光玉やビーズ類がついているほどキタマクラは寄りやすくなる。
本命を狙っているのにキタマクラのバイトが目立つようであれば、これらの仕掛けの視認性を高めるパーツを取り除いたり、ルアー類はカラーを地味なものにするとよい。
ワームの場合臭いがするものをやめる
キタマクラは主に視覚的に餌を捕捉しているが、ガルプなどの強いニオイがするワーム類は、本命に食われるまでにフグのバイトも多くなる。あまりにもこれらのエサ取りが多い場合は、ニオイや味無のワームをつかってみるとよい。
コマセ釣りはコマセの打ち方を工夫する
コマセをつかったフカセ釣りなどの場合、まず手前に沈下スピードが遅いコマセを打ち、表層付近にキタマクラをはじめ小魚を寄せる。その後、すこし沖側に沈下スピードが速めのコマセを打ってメジナなどを狙う。
ルアーであればハードルアーにして速引きする
ライトソルトでジグ単などでワームを狙っていると、キタマクラのバイトによるワーム切れ・リーダー切れに悩ませられることがある。
この場合、どうしてもそのエリアを攻めたいのであればハードルアーに変更して早引きしてみるのもよい。
キタマクラは泳ぐスピードがゆっくりのため、速い動きには対応できない。
夜釣りを選ぶ
キタマクラは夜釣りでは釣れにくい魚。
狙っているポイントでどうしても本命を釣りたい場合、その本命が夜も釣れる魚であれば夜釣りで狙ってみるとよいかもしれない。
ただし、この場合、キタマクラと入れ替わり毒魚ゴンズイが釣れやすくなる。
キタマクラがヒットしたあとはハリスやフックのチェック必須
小型のキタマクラはとくに大量に群れているので注意
キタマクラの歯はほかのフグ同様クチバシ状で、口自体は小さいが、針を飲み込みやすい。
一度釣れたあとは、ハリスやフックが傷ついていることが多い。
カワハギ釣りなどでは、ビーズ部分(餌針の結節部分)等も複数個体がかじることがあるので、頻繁にチェックして交換するとよいだろう。
その他の身近な毒魚について
楽しい堤防釣りでも毒魚は身近。毒魚についての解説記事で勉強しておこう。
関連アイテム
釣った魚の名前をズバッと言い当てたい人にオススメの図鑑。冒頭部が特徴による分類で構成されていて、色や特徴によって釣った魚を判断できる。覚えなくても一つ一つの魚をみていくだけで、いろんな魚に愛着がわいてくるから不思議。