船釣りをしばらく経験すると竿受けがあると便利だなと感じることがある。
今回は船釣りにおいて『キーパー』とも呼ばれる竿受けのメリットや選び方使い方などを解説する。
船釣りで竿受け(キーパー)を使うメリット
まず、船釣りで竿受けを使うメリットを6つ紹介する。
- 竿を置きながら釣りができるので電動タックルなど重いロッドやリールでも楽
- 置き竿による2本竿が可能になる(1本は置竿・もう一本は手持ち)
- 竿の置き場所に困らない
- 釣り竿を持たないで食事や休憩ができる
- 置き竿により海中の仕掛けに自然な動きを与えられる(特に胴調子の竿)
- 重く引きが強い大物が釣れた場合、竿受けをつかいながらやりとりすることで疲れにくい
竿受けを使わないほうがよい釣りもある?
電動リールタックルは手持ちで操作しつづけると手首が痛くなる
釣り物にもよるが、電動リールタックルはかなりの重さになるため手持ちで1日中釣りをすることはむずかしい。
こうした竿受け必須の釣りもあるが、比較的ライトな釣りで竿を常に手持ちで誘う釣りは竿受けが必要ない。(簡易的なものはあると便利)
手持ちメインのテクニカルな釣りは竿受け不要
<手持ちで誘い続ける釣り=竿受けは不要>
- マゴチ
- アマダイ
- カワハギ
- 一つテンヤ、タイラバなどのルアー釣り
このように、比較的にテクニカルな釣り物は竿受けは必要ないことが多い。
竿受けの選び方
次に竿受けの選び方を5つ紹介する
- 適合ハリス
- 取り付け部分の対応箇所(タテづけ・横づけ)と対応サイズ
- 耐荷重
- 竿の太さ
- 首振りの有無
1.適合ハリス
竿受けを購入する際に適合ハリスは調べておこう。これはそれぞれの機種によって耐久性が異なるため。
たとえば適合ハリスが10号までのアイテムに、20号のハリスをつかった仕掛けをつかい、ドラグなどもゆるめないまま釣りをすると竿受けが故障したり、船べりから脱けて落下する恐れもある。
竿の調子や固さにより適合ハリスより細いハリス使っても、破損の可能性がある。釣り物によって堅牢性に余裕をもった機種を選んでおきたい。
2.取り付け部分の対応箇所(タテづけ・横づけ)と対応サイズ
釣り船によって船べりの形状や幅はことなる。
購入した竿受けが利用する釣り船にフィットしない場合は、添木をつかって装着する方法がある。
3.耐荷重
竿受けを選ぶときに重要なのが耐荷重だ。
小物釣り用の竿受けでブリやヒラマサなどの大物を狙うと、その引きに耐え切れず破損してしまうことがある。
釣り物にあった竿受けを複数用意しておきたい。
4.竿の太さ
竿の太さが装着できるかどうかを確認しておきたい。
細すぎる竿の場合、竿受けにアダプタを装着して設置するなどの工夫が必要。
5.首振りの有無
出典:第一精工
竿受けには首振り機能があるものとないものがある。
首振り機能とは、潮流れやとなりの釣り座との間隔などによって竿を出す角度を標準の船べりに対して90度の状態から変更できる機能。
竿受けの使い方
キーパーこと竿受けは釣り船によっては有料もしくは無料でレンタルすることができる
自分で所持していない場合に、いざ借りて使うとなると設置方法などがわからなかったり、竿の固定が不十分で海中に竿を落としてしまう人もいる。(筆者の友人は真鯛釣りではじめてキーパーをつかって東京湾にタックル一式を落とした)
第一精工から詳しい使い方を紹介している動画が公開されているのでチェックしてみよう。
おすすめは第一精工のラークシリーズ
船釣りのキーパーといえば、ラークシリーズがもっともメジャー。
豊富なラインナップから前述の動画に登場するものをいくつか紹介する
スーパーラーク
もっともメジャーなアイテム。ヒラメやワラサ級の泳がせ釣りレベルまでであれば問題ない。
取付有効幅25~165mm
重量1.9Kg
サポート竿径32mm
適合ハリス:約16号まで
尻手ロープ付
ミニラーク・タイプS
小型の釣り物用。
取付有効幅:0~90mm、
重量:0.8kg
サポート竿径:10~25mm
適合ハリス:約8号まで、
収納用ドライバッグ付
チビラーク・タイプS
こちらも軽量で小物用のキーパー。
取付有効幅:5~88mm、
重量:0.6kg
サポート竿径:10~25mm
適合ハリス(幹糸):約7号まで
収納用ドライバッグ付
ウルトラ最強ラークⅡ
大型の根魚をはじめとした引きの強い魚向けの最強バージョンのラーク。
取付有効幅50~125mm
重量3kg
ウルトラ最強サポート専用機種
サポート竿径40mmまで
添木1ヶ付
収納用ドライバッグ付
カワハギ釣りなど手持ちの釣りも簡単な竿受けがあると便利
ここもまでロッドキーパーこと船釣りの竿受けについて解説してきた。
手持ちの釣りは竿受け不要とはいったものの、魚をランディングしている間などは簡単に竿がおけるようなアイテムがあると手返しがよくなる。
主要メーカーをはじめ簡易竿受けが1,000円弱で販売されている。
自作も可能なので、お金をかけたくない人はつくってみてもよいかもしれない。
ダイワのチョイ置きホルダーライト。
カワハギ釣りをはじめ、利用している釣り人が多い。
こちらは船宿による自作アイテム。
100均で販売されているクッション素材を用意し、竿をおけるようにYの字に切り取り接着剤で張り合わせれば完成。これであれば仲間にも気軽にかせる。
こちらも100均のドアキーパー。この形状からさらにカットすると、さらに竿が安定する。
こうした素材は、船の移動中などに針を刺しておくことによって仕掛けのトラブルも少なくなるもいい。
竿受けがあると落ち着いて釣りができる
竿受けをもっていない人はわからないかもしれないが、一度購入してつかってみると便利でたまらないところもある。
とくに、釣りをしながらやすみやすみ仲間と会話を話しながら釣りたい人などはキーパーを用意しておくことで心の余裕ができやすい。
置き竿が効果を発揮することも
以前、泳がせ釣りなどをしていたら、
「手持ちじゃないと釣れねーよ」
と、中乗りのスタッフにいわれたことがある。
その後、いわれたことを一部うけとめて、手持ちに加えて竿受けをつかって置き竿をしていたら、置き竿だけに連発してヒラメとワラサのあたりがきたことがある。
また、マゴチを釣っていて手持ち竿にはどうしてもアタリがでず、置き竿だけでヒットが連発することもある。
このように、一見、手持ちが主体の釣りでも、置き竿による自然な動きが魚のヒットを誘発することもあるのかもしれない。
このときキーパーがないと、船の動きで竿が右往左往してしまうので、やっぱり一つはもっておいたほうがよいかもしれない。